好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 ちょっとギャグみたいな題名ですが、此処から三大勢力のガチの反撃ターンとなります。


三勢合一編 第十九話 トップ舐めるなテロリスト

「「ちょ……初耳ぃ!?」」

 

 俺とヒマリが同時に突っ込んだのも無理はないだろう。いや無理がないと言ってください。

 

 だってお前、魔王のひ孫だぞ? 和平が結ばれてない状況下で、なんて存在を抱え込んでるんだよお前ぇ!!

 

 何をどうすればゲットできたんだ総督!? よく今まで旧魔王血族と殺し合いにならなかったなぁ!

 

「……なるほど。信じがたい話ではありますが、ありえないことではないでしょう」

 

「……世も末と言いたいがね。だが、別にそこまでおかしな話でもないだろう」

 

 ミカエルさんもサーゼクスさんも冷静すぎる!

 

 え、これそんなレベルじゃないだろ!?

 

「お兄様!? あの、そんな冷静に……?」

 

「ありえない話ではないさ。神滅具まで持っているというのは驚きだが、それさえ除けば朱乃くんも負けてないだろう?」

 

 え、リアス・グレモリーの女王(クイーン)ってそんなレベルなのか!?

 

「……流石に神滅具というのは想定外ですが、そうでないのならば、プルガトリオ機関にも近いケースは存在しますので」

 

 懐深すぎないかプルガトリオ機関!

 

「なるほど。つまり神滅具まで持つ俺は奇跡の中の奇跡ということか」

 

 得意げになるなヴァーリ!

 

「……ま、旧魔王血族が禍の団にいる可能性は高いし、お前がそっちにつくのもありえる話か」

 

「心外だね。俺はあいつらとは価値観が違う。もっと誇り高い生き方をしているつもりだが?」

 

 アザゼルにそう返しながら、ヴァーリは不敵に笑みを浮かべる。

 

「さてどうしたものか。個人的に赤龍帝には生き残った上でより強くなって欲しいんだけどね」

 

『よしてもらいたいな。事実上の神滅具二重保有などというイレギュラーだ。データは確かに欲しいが、より使いこなされるリスクの方が高いだろう?』

 

「確かにのぉ。折角魔王筆頭に天使長に堕天使総督といった三大勢力の筆頭格を潰せそうなのだぞ? ここは徹底的に潰しておくべきじゃ」

 

 うわぁ、完璧に勝った気になってるな、オイ。

 

 だけど確かに、状況はこっちが不利なんだが―

 

「……く、ククク……」

 

 ―何を笑ってるんですか総督。

 

「……ほぉ。この状況下で逆転が出来るというのか? 外部からの救援か、それとも他の神滅具保有者を当てにしてるのかのぉ?」

 

 ツインテールが興味深そうに目を細めた瞬間―

 

『ではその前に死ね』

 

 ―躊躇なく全方位から撃ったぁあああああ!?

 

「……空気読まぬなぁ本当に」

 

「……面白そうなものが見れると思ったんだけどね。しかもサーゼクス・ルシファーやミカエルまで巻き込んでいるじゃないか。つまらないな」

 

 ツインテールとヴァーリに半目を向けられるけど、ロボット側はどこ吹く風だった。

 

『浪漫や風情は作戦がきちんと遂行される範囲にとどめてくれ。態々敵の切り札を開帳させて、成功しかけている作戦を瓦解させるのは論外だろう』

 

 ため息をついてそうな言い方をしたその瞬間―

 

『――悪いが、とどめを刺すつもりなら威力を倍は取るべきだったな』

 

 その言葉と共に、絶大なオーラを肌で感じた。

 

 おい、何だこれ。

 

 どう考えてもコカビエルなんて目じゃないレベルだ。少なく見積もっても数人分はあるだろう……!

 

 そして同時に、その存在の姿が見せつけられる。

 

 リアス・グレモリーが放つ消滅の魔力、それで出来た人型の存在。

 

 そう形容する他ない存在が、総督やミカエルさんを庇う様に立っている。

 

 ………何がどうしてどうなった?

 

「お、お兄……様?」

 

『ああ、リアスにはこの姿を見せるのは初めてだったね。……アザゼル風に言うなら、本気モードという奴だよ』

 

『……計測機器の反応があまりに上がっている……っ! この反応は主神クラスの中でも上位級か。こちらも保険として追加結界を用意していたとはいえ、下手をすれば破られていたな』

 

『全くだ。それに気づかなければこの力を見せることはなかっただろう。……保険をかけたのが仇になったようだね』

 

「え……え? お兄様……え?」

 

 ロボットは冷静に対応するけど、肝心のリアス・グレモリー()が驚いている。

 

 本当に伏せ札だったらしいな。正直怖いぞ。

 

 あと主神クラスの上位ってなんだよ。魔王クラスの

領域あっさり超えてないか、オイ。

 

「……一対一で主とも渡り合えるでしょう。よもや悪魔に単独でここまでの者が生まれいずるとは」

 

「……最高だ。流石は奴と同じく超越者と並び称されることはある。ルシファーを継ぐに相応しい存在じゃないか!」

 

 ミカエルさんも驚いているし、ヴァーリに至っては滅茶苦茶喜んでいる。

 

 この辺、真っ当な感性と戦闘狂の意識の違いなんだろうか―

 

「……かっけぇえええええええですのぉおおおおおお! 魔王の真の姿、ファイナルフォーム! まさにラスボス!」

 

「それだと俺達敗ける側だよなぁ!?」

 

 ヒマリさぁああん!?

 

 空気読んで! あと縁起でもない発言しないで!!

 

 ラスボス味方だから。そうなると敵が主人公だから、俺達敗けるから。

 

『……ハァーハッハッハ! これこそがが深紅の魔王(クリムゾン・サタン)の真なる力! 新たなる明けの明星として輝く、紅き超越者の輝きと知るがいい!』

 

「お兄様もファンサービスは他所でなさってください!」

 

 ノリがいいなぁ魔王様!

 

 妹さんもツッコミ適正高いな! 後で一緒に身内を愚痴らないか!

 

「……くっくっく。なら、俺もカッコつけるとするか」

 

 そう言いながら総督は、なんか小さな槍っぽい物を取り出した。

 

「神器ってのは本当に面白い。俺が奴を素直に褒めれるところだってぐらいにはなぁ」

 

『味方に神滅具級を二人連れているところで言うことでもないが、問題も数多いだろう。こちらとしてはより工学的に安定した物を大量生産して補いたいところだ』

 

 返答するロボに対して、総督は歯を剥いた。

 

「浪漫の分からない鉄屑が。俺の大事な楽しみを邪魔する奴は、消えてなくなりな……禁手化(バランス・ブレイク)

 

「「今なんつった!?」」

 

 思わずイッセーと一緒にツッコんだその瞬間、総督が黄金の鎧に身を包む。

 

 おいおい、これって二天龍の禁手に近くないか!?

 

 ヴァーリも少し目を丸くしてる感じだし、まさか切り札か!?

 

「……驚いたな。人工神器はそこまでの頂に到達していたのか?」

 

「ま、この辺りは俺を含めた研究の深部に位置する奴しか知らねえよ。五大龍王が一角、黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)ファーブニルを核にした人工神器さ。堕天龍の閃光槍(ダウンフォール・ドラゴン・スピア)の疑似禁手、堕天龍(ダウンフォール・ドラゴン・)の鎧(アナザー・アーマー)ってなぁ!」

 

 ……なんか凄いのが連発できやがった。

 

 ちょっと軽く引いていいか? 本気で引いていいか?

 

「……み、ミカエル様? その……何かこっちも隠し玉とかないのでしょうか!? その、威厳が必須な宗教の上位存在的に……このままだとまずいのでは?」

 

 カズヒ姉さん、なんかツインテールに意識を向けすぎてたのか、完璧に状況に戸惑ってるな。

 

 普段言わないようなこと言ってる辺り、混乱してるか?

 

 それにほら、早々ポンポン隠し玉なんて―

 

「……確かに、ここまで来たのならば隠し玉を見せるべきでしょうね」

 

 あるのかよ!?

 

 え、なにが? 何で?

 

 正直、ちょっと気になる。

 

 俺がちょっと固唾をのんで見守ったその時、ミカエルさんは一つのロザリオを取り出した。

 

 ……すいません。それ、アダマンタイトじゃないですか?

 

 え、マジで? マジにマジで?

 

 おいおいちょっと。寄りにもよって天使の長が―

 

「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星」

 

 ―星辰奏者(エスペラント)ぉおおおおおおお!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光あれ。そう告げし者が去ろうとも、慈しむべき衆生は此処に」

 

 それは、主亡き世界であろうとも、自らの本分も成すべきことも忘れない天使の宣誓。

 

「我は天よりの使いなれば、その意義忘れることは無し。悲嘆にくれるその前に、なすべきことを成し遂げよう」

 

 例え神がいなくなろうと、天使として成すべきことを成す。

 

 その強い意志があったからこそ、ミカエルという天使は堕ちることなく天使の長として今もあるのだから。

 

「見守ろう、慈しもう、そしてその魂を裁定しよう。天成す者が成すべきことを、劣る身なれど行おう」

 

 神がない世であったとしても、彼は守るべき人々を慈しむ為に死力を尽くしてきた。

 

 取りこぼしはあった。救えぬ者もあった。見捨てなければならない者も数多い。

 

 だが、それでも成すべきことを成す為に、身命を賭してきたことに嘘はない。

 

「故に、見過ごせぬ悪徳を前に断固たる決意をもって宣言しよう」

 

 ―だからこそ、今この場で容赦は必要ない。

 

「罪在りき者よ悔いるがいい。今この場は、汝の罪を問う審問の場なり」

 

 その瞬間、星の力は全力で発動する。

 

 一瞬だった。一瞬で示し合わせたように動くサーゼクスとアザゼルの攻撃が、敵に襲い掛かる。

 

 そしてそれを、敵は回避できなかった。

 

 回避しなかったのではない。反応できなかったのでもない。

 

 だがしかし、反応しても動きが追い付かなければ躱せないのは自明の理。

 

 斥力の拘束によって枷をはめられた結果、それを振り切ることが出来ずに回避を阻害される、これはただそれだけの話。

 

超新星(メタルノヴァ)―――光成す主の代行、断罪を此処に(ユーディキウム・セラフィム)

 

 その星辰光が発動した瞬間に、決着はついていたと言っても過言ではない。

 

 ―――疾風殺戮.comが開発した、完全人造型人層惑星サリュートⅠ

 

 疑似反物質粒子アザトースを生成しそれを制御するその星辰光は、しかし技術的な問題もあり質より量を体現した星辰体運用兵器として開発されている。

 

 疑似反物質粒子そのものが凶悪である為、攻撃においても防御においても下手な星辰奏者を超えている。加えて言えば「星辰体と感応できるように調整された兵士」である星辰奏者と「星辰体を運用する為に開発された兵器」である人造惑星は、そういう単純な戦闘能力とは異なる段階で格上だ。少なくとも、出力の任意調節という明確なアドバンテージは単純な星辰光の性質や能力とは別次元の優位性を持つ。

 

 しかし、サリュートⅠは技術的問題もあって一騎当千の化け物兵器ではない。あくまで数を揃えて使用する軍事兵器であり、単騎を相手にするだけならば、戦術さえ確立できれば優秀どまりの星辰奏者でも勝機を見出せるレベルだ。

 

 

 

サリュートⅠ

星辰式異形制圧兵装・駆動開始(アザトース・ビーム・ジェネレーター)

基準値:B

発動値:A

収束性:B

拡散性:D

操縦性:A

付属性:C

維持性:A

干渉性:D

 

 総じて高性能こそあるものの、純粋なステータスで見れば星辰奏者でも超一流なら見つけることができるレベル。一対一なら対策メソッドさえ確立すれば、勝つことはできなくても凌ぐことは出来るだろう。どれだけ疑似反物質アザトースが凶悪であっても、当たらなければいいのだから。

 

 それがここまで圧倒的だったのは、文字通り数と戦術による圧殺、そして初見であるという点が非常に大きい。

 

 故に初見で可能な限り有力な者達を殺すことで、心理的な枷がかけられるならそれに越したことはなかったのである。

 

 そしてミカエルは彼らにとって最高で敵にとって最悪なことに、間違いなく超一流の星辰奏者であった。

 

 斥力場を利用した拘束結界を展開する。言葉にすればそれだけだが、単純ゆえに強力と言ってもいいだろう。

 

 これがただ力任せにするしかないのなら、一勢力のトップ一人に対し12機がかりを想定した合計36のサリュートⅠなら打倒は出来た。

 

 だが、ミカエルにおいてそれは通用しない。

 

 

 

ミカエル

光成す主の代行、断罪を此処に(ユーディキウム・セラフィム)

基準値:C

発動値:A

収束性:B

拡散性:B

操縦性:B

付属性:B

維持性:B

干渉性:B

 

 

 

 あまねくすべての性能が軒並み高水準。突き抜けた性質を持たない代わりに、優秀でない性質が存在しない、万能型そのものの性質こそがこの星辰光の真骨頂。

 

 サリュートⅠに比べては、一部においては劣っているところもあるにはある。それでもこの万能系の極致を突破することは容易ではない。こと一瞬で勝負が決まる状況なら尚のこと。

 

 一瞬で確実に拘束し、更に抜け出ることは出来るが間違いなく初見では時間のかかるかけ方を行っている。それゆえに、どうあがいても時間を稼がれてしまった。

 

 一瞬だが確実にすべての動きを封じたことで、規格外の力を示したサーゼクス及びド級の切り札を開帳したアザゼルが、一気に十機近くを粉砕消滅させた。

 

 

 

 

 

 

 故に、今この場における戦いの趨勢は決定した。

 

 この戦いで三大勢力の首脳を殺すことはほぼ不可能。そして、サリュートⅠを操るハヤテはそんな低確率の賭けをとるような手法ではない。

 

 とある理由から強い衝動を持っているからこそ星辰光を振えるようになったハヤテだが、彼自身はそれに振り回されることなく冷静さと知略を持って対応することを良しとする。ましてまだ序盤で戦略的な優位性を持っているにも関わらず、意味もなく博打を撃ってまで価値を得る趣味もない。

 

 極僅かな勝利を掴もうとするより、確実に後に繋げられる敗北を。

 

 だからこそ、この戦いの趨勢は此処で決定する。

 

 三大勢力は会談を成功させ、禍の団の襲撃を退ける。

 

 其の決着が、翻されることは断じてない。

 

 

 

 

 




 ……まさか原作キャラで初の星辰光がミカエルになるとはだれも予測できまい。

 もとから原作キャラを星辰奏者・人造惑星・仮面ライダー・レイダーにすることは宣言しておりましたが、その途中でふと思ったのですよ。








 そういえば、三大勢力のトップでミカエルだけ隠し玉がないな。







 アザゼルは人工神器、サーゼクスは真の姿と隠し玉がありますが、ミカエルはないことに気が付いたのです。なのでちょうどいいからこのタイミングの反撃タイムようにこしらえました。

 概要はこちら。








光成す主の代行、断罪を此処に(ユーディキウム・セラフィム)
基準値:C
発動値:A
収束性:B
拡散性:B
操縦性:B
付属性:B
維持性:B
干渉性:B

 天使長ミカエルの星辰光。斥力拘束場展開能力。斥力による拘束力場を展開し、範囲内の敵を捕縛する星辰光。

 全ての性質が優秀という隙の無さが最大の特徴で、それゆえに穴と言えるものが存在しない。

 収束性が高いので拘束されれば脱出することは困難。拡散性が高いため広範囲の敵を対象にできる。操縦性と付属性が高いので敵味方の識別を精密に行うことができる。維持性が高いので長期戦にも対応できる。そして比較的知られていないが重力とは引力と斥力の差し引きによって生まれる以上、干渉性の高さによって瞬時に拘束を完了することもできる。付け入る隙の無い万能型の理想像といってもいい星辰光。
 しいて欠点を上げるとするならば、全ての性質が優秀どまりであるため、一点特化の極みともいえる相手には反撃を喰らう余地があり、また全方位万能型ゆえに明確な格上には効果が薄いという点があげられる。

 だがしかし、忘れるなかれ。天使長という存在は、他神話体系に属する下位の神格にすら届く存在。その存在がこれだけの強力な星を手にすれば、数の圧殺で打倒することはほぼ不可能。半端な神を圧倒する猛威となったことを意味するのである。

 主がいなくなろうと人々を慈しむ、聖書の教えの要たる存在。天使長ミカエルの星辰光である。

★詠唱

 創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星。

 光あれ。そう告げし者が去ろうとも、慈しむべき衆生は此処に。
 我は天よりの使いなれば、その意義忘れることは無し。悲嘆にくれるその前に、なすべきことを成し遂げる。

 見守ろう、慈しもう、そしてその魂を裁定しよう。天成す者が成すべきことを、劣る身なれど行おう。

 故に、見過ごせぬ悪徳の前に断固たる決意をもって宣言しよう。
 罪在りき者よ悔いるがいい。今この場は、汝の罪を問う審問の場なり

 超新星(メタルノヴァ)―――光成す主の代行、断罪を此処に(ユーディキウム・セラフィム)






 とまあ、こんな感じです。

 突き抜けた性質を持ち合わせていない代わりに、全てにおいて並み以下の性質が存在しない星辰光。典型的な万能型、それも高水準となっております。

 こと乱戦や袋叩きにされているときにおいては最強というか最凶といっていい星辰光です。性質的に格下では勝ち目がなく、適当に使っても強いが性質上小技も習得可能という鬼仕様。とどめに使い手が天使長なので、これで一瞬でも動きを封じられれば生半可な神クラスも敗北が確定しかねないという、隙と言える隙が無い星辰光ができました。

 そんなわけで、この話から三大勢力のターンとなります。

 次の話も燃える展開にするつもりですので、乞うご期待!

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