好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
九成Side
カズヒ姉さん、飛ばしてるなぁ。
「これは負けれられませんわよ、和地!」
「同感っス。俺らもしっかり仕事をしないと!」
先行するヒマリとアニルを前衛として、俺達は小面原が移動していると思われるルートに先回りしていた。
都心の水没を透ける為の排水用の区画だが、保険として警戒していたルートを通るレベルでどうにかしてくるとはな。
最近裏ルートで出回っている、禍の団がばら蒔いていると思われる超強化アイテム「オーバーナッツ」。それを小面原は自分に使用して保険にしていたらしい。
既にレジスティングアントレイダーがバトルレイダーとやりあっており、更に都市の各部から冥界でも使用された特殊なレイダー部隊が仕掛けている。
最も日本のバトルレイダー部隊は、基本的に数を揃える段階だからこそ精鋭に配備されている。カバーしきれない部分はカズヒ姉さんや、ルーシアの援護を受けたヒツギが回っているので大丈夫だろう。
何より心配する前に、俺達は俺達の仕事をしないとな。
「……三人とも、どうやらこのルートで当たりみたいよ」
と、タブレット片手に自衛隊や機動隊と情報を共有していた鶴羽がそう告げる。
同時に、センサーが複数人の足音を検知。どうやら近づいて来ているようだ。
俺達は無言のハンドサインで最低限の連携体制をとると、タイミングを見計らう。
「……まったく。杞憂にすめばよかったのだが、
「
声の聞こえ方からして、あと三十メートルといったところか。
「世界の富を独占して使い潰すろくでなしどもを潰すには、相応の手段が必要だ。今の世界を良しとする異形共も含め、叩き潰す為にはそれなりの草が必要だというのに……っ! 私の十五年間がこれで台無しだ」
……このおっさん。最初っから売国奴として国の情報をテロリストに売る為に侵入してたのか。
公安も気づけよ。いや、此処は小面原達の手腕が上手かったことにするべきか。
なんだかんだで所属政党でも結構な有力者だしな。この様子だと色々な国の政治家も参加している勢力なのが南海同盟みたいだし、それなりに手回しはできると考えるべきか。
味方と敵の有能無能はケースバイケースだ。客観的材料も乏しいのだから、此処は小面原が有能だったと考えた方が安心安全だろう。
というわけで、そろそろ奇襲ができるタイミングか。
俺達は視線で頷きあって、仕掛ける為に力を籠め―
Other Side
その時、誰もが思わぬところから足音を聞いた。
それに誰もが動きを止め、警戒心を急激に高めあう。
九成和地達とは違う方向の地下道から、小面原達に向かって足音が響いてくる。
小面原を守る為に、南海同盟が開発した独自レイダー、スカラベレイダーシリーズの二個分隊が、前衛を前に出す形で警戒する。
護衛の一個小隊の内、一個分隊は殿で逃走経路の追撃を防ぐ為の破壊工作を行っている。完了しているとはいえ、到着までにある程度の時間がかかるだろう。
だからこそ、この場は自分達だけでどうにかするべきであり―
『CUSTOM!』
―ゆえに、対応が行って遅れたのは失策だった。
『Kamen rider……Kamen rider……』
その音は、これまで禍の団に幾度となく被害を与えてきた敵手のそれと同じ。
すなわち―
『ショットライズ』
―ショットライザーによるものだと悟った瞬間、放たれるライダモデルが先制攻撃といわんばかりに小面原を襲う。
素早く伏せることで回避する小面原だが、その勢いでショットモデルは闇の中へと戻る。
『Never give up! We are earth defenders!』
その音と共に姿を現したのは、仮面ライダーを先頭にした謎のレイダー部隊。
レジスティングアントレイダーと似通いながらも明確に異なったそのレイダー部隊は、しかしレジスティングアントレイダーと同様に人型戦闘ドローンであるレジスティングアーミーを展開して、攻撃を仕掛ける。
だが、護衛部隊も決して無能ではない。
スカラベレイダーはその共通設計として、プログライズキー状態での物質創造能力を限定的に保有している。
これによる煙幕やレイドライザーを生成することで隠匿性や緊急対処能力を高め、戦闘時は派生機種ごとに武装を展開する。
故にガトリングガンを生成しての制圧射撃や対空迎撃を担当するブラストスカラベレイダーが攻撃を行うことで、レジスティングアーミーは瞬く間に数を減らす。
だが、そこに突貫する二体のレイダーが現れる。
片方は機敏な動きで弾幕を交わし、片方は頑丈かつ修復される装甲で強引に突貫。
それによりブラストスカラベレイダーの動きが制限され、それに呼応するように新型アントレイダーによる攻撃が行われる。
……そして同時タイミングで、都市部でもこの謎のレイダー部隊による戦闘が行われていた。
これにより戦線はどの勢力にとっても混乱状態になり、誰もが完璧に隙を創り出してしまう。
今ここに、戦線は混迷に包まれ―
「そうはいくか!」
九成Side
この状況下で第三勢力とかふざけるな!?
俺は咄嗟に突貫し、星辰光による障壁でとにかく誰もが移動を困難になるようにしながら、飛び上がって小面原の確保を狙う。
「させると思うか異形の狗が!」
「AIMSの恥さらしが!」
今ので所属も完璧に分かったよ。
ザイアの連中、残党勢力を持ってるとか想定外だ。いや、想定しておくに越したことはなかったな。
仕掛ける一対のレイダーは、どう考えてもリベレイティングキャットとサルヴェイティングドッグのそれだ。レイダーだとああなるのか。
だが悪いな。俺は一人じゃないんだよ。
「させませんのよパチモノー!」
「こっちも仕事はするんだよ!」
ヒマリとアニルが機動力で割って入り、レイダー部隊との乱戦に奴らを引きずり込む。
同時に横合いから突貫するレジスティングレイダーになった鶴羽が、更に聖十字架で紫炎をまき散らして混乱状態を加速させる。
短期決戦しかないな。この場で突貫して小面原を確保し、全力で離脱して禍の団にザイアを押し付ける!
「援護頼む、鶴羽!」
「分かってる!」
とにもかくにも、この隙にさっさと―
『CUSTOM』
「……判断は早い、だが60点だ」
―その瞬間、俺達は聞き覚えのある声を聴いて一瞬だが反応遅れた。
すぐに我に返って動くが、この一瞬の隙は致命的といえる。
「……っヒマリ先輩!」
ヒマリはアニルがすぐ近くにいたこともあって、窮地は抜けれた。
だが、俺達は間に合うか……っ!
『ドーピングブラスト』
その瞬間、紫炎をぶち抜いて弾丸が放たれる。
俺は射線にいた鶴羽の足を払い、同時に対応する。
この場における、最適解は―っ!
Other Side
『マグネティックスターブラスト!』
和地は咄嗟に、上部に向けて一斉射撃による必殺技を叩き込む。
同時に、射撃によって薄らいだ紫炎を突っ切った敵仮面ライダーに対し、魔剣の投擲で一瞬だけ突貫を阻害。
これにより、落ちた瓦礫は和地を呑み込んだが、同時に地下道が大きく陥落して小面原も巻き込まれる。
「か、和地ぃいいいいいっ!?」
思わず驚愕する鶴羽だが、しかし即座の反応だけは間違ってない。
相手が揺らいだ一瞬のスキをついて、拘束狙いで腕をとる。
そのまま組み伏せつつ獲物を向けることで、敵の動きを封じて捕縛に持ち込もうとし―
「70点だ南空鶴羽。少しは九成和地を見習うといい」
―その瞬間、まるで流れるように地面に叩き付けられた。
その理由は単純明快。
鶴羽が腕をとって拘束使用する動きに合わせ、全身運動で勢いを利用した空中投げを叩き込んだのだ。
全体重と落下速度だけでなく、その場の蹴りと体裁きで勢いまで乗った衝撃に、鶴羽は一瞬だが力が緩む。
そのまま反動で跳び起きる動きと併用で、敵仮面ライダーは束縛から解き放たれると即座に下がる。
「撤収だ。責任は俺がとるから、小面原の確保は諦めるぞ」
「……よろしいので、小隊長?」
部下と思われる新型レイダーの一人が、スカラベレイダーを警戒しながら訪ねる。
だが仮面ライダーは静かに首を横に振った。
「戦闘を行いながらがれきを撤去する暇はない。人類の裏切り者を討てぬのは残念だろうが、まぁ三大勢力もしっかり絞って他の裏切り者を捕縛するだろう。温いと思うがここは良しとするぞ」
『『『『『『『『『『はっ!』』』』』』』』』』
納得できる説明を受け、新型レイダー部隊は速やかに後退の体制をとる。
アニルは追撃するか悩んだが、いまだスカラベレイダー部隊がいることを思い出し、挟み撃ちを避ける為に舌打ちをしながらスカラベレイダー達に武器を構える。
そしてヒマリや鶴羽もそれに合わせるが、しかし視線が一瞬だけ、敵仮面ライダーに向く。
「「教官……っ」」
つぶやかれた声は同音同義。
だが敵の仮面ライダーは肩をすくめると、こちらを警戒しながら闇へと消える。
「即座の反応も踏まえて、平均点は70後半。己の性能をこちらに対する未知を踏まえたうえで、小面原を生かしたまま捕らえる為の策をとった九成は90後半をくれてやる。……未知の勢力と師の組み合わせによる混乱の中、良い判断をした九成を見習っておけ」
そう告げながら、仮面ライダーはため息すらついた。
「特に南空は60点だ。すぐ我に返ってこちらの捕縛による人質作戦をとったのはいいが、その所為で対応が教科書の再現にもなっていない。……精神面で隙が生まれ安いのは欠点すぎると教えたはずだぞ。精進しておけ」
そんな酷評を残し、声の主達は姿を消す。
同時に我に返ったスカラベレイダー達の攻撃をいなしながら、鶴羽は奥歯を噛み締める。
「……分かってますよ、教官。相変わらず嫌いな奴にも正論で指摘するんだから……っ」
その声は、戦闘の音でかき消された。
「と、とりあえず、早目に助けて……」
「「「あ、はい!」」」
……実はこの連中、本当に直前レベルで即興作成したものです。
感想による思わぬ展開からの切り込みに、「あ、これうまくすれば鶴羽に絡められる!」といった感じで素早く仕立て、一部協力を要請して何とか仕立てた感じですね。
そして小面原はなんと確保。思わぬ連中に討伐されかけましたが、此処で死なれると情報とかの都合もあってやばいと判断した和地が自分事がれきに埋めて、増援が来るまでの時間稼ぎを敢行。
第三戦力は「ヒマリ達を相手にしながら小面原を確保するためのがれきをどかす余裕はないし、よしんばできても異形側の戦力が追い付く」と判断して、即座に撤退を決定したといった形です。
できる範囲で最善手を考えて実行に移す和地がいたからこその結果ですね。半端な奴なら被害が大きくなっている可能性もありました。