好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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明星双臨編 十二話 動乱の駒王町

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで数日間は、何もない時間帯だった。

 

 ちなみにインガ姉ちゃん達は、まだ吸血鬼の里に到達してすらいない。これでは事態が動きようもない。

 

 とはいえ、決して度の超えた油断は禁物だ。

 

 この駒王町は和平成立の場所がら、心理的要所なので相応に警戒網は強い。更に魔王排出家の次期当主が担当し、堕天使の元総督やら天使長直属の(エース)も住んでいる、要人の集まりだ。

 

 だから相応の警戒網は強くなっているが、だからこそ過信は禁物。

 

 だからこそ侵入する奴らは腕に自信がある奴だって出てくるはずだ。そして人が競合する事例において絶対はあり得ない。

 

 まして何が起きるか分からないのが世界という物。しかるべき事態に対応するものとして、相応に備えだけはしておかないとな。

 

 そう思いなおしながら、俺は体育の為に体操服に着替えて校庭に向かう。

 

 ……その前にちょっとトイレトイレと。

 

 手早く用を足して手をしっかり洗い、そして急いで校庭に―

 

「……おいおい」

 

 ―その時、俺は視界の隅にとんでもない連中を見つける。

 

 一般人が見たらコスプレとしか思えない、ローブを着た連中。だが異形や異能を知る者が見れば、相応の()()が施されたローブを纏った連中だとすぐに分かる。

 

 冗談だろ。いくら万が一があるにしても、いきなりこんなところに、誰も反応ができないタイミングで襲撃だと!?

 

 幸い敵は俺にまだ気づいていない。なら先制攻撃を叩き込むべきか。

 

 ……いや待て。奴らがすぐに動いていないなら、まずは皆に連絡だ。

 

「―――駒王学園にいる全異形関係者ッ。禍の団と思われる不審者を確認した。全員その場の生徒達をカバーする覚悟を持ってくれ」

 

 連絡をしつつ、俺はそもそも連中の目的が何なのかをとにかく頭をフル回転させて考える。

 

 ガチの襲撃にして戦力が本腰を入れている雰囲気でもない。

 

 かといって、くだらないちょっかいをかける為とも考えづらい。流石に上の方が止めるだろう。この状況下で俺達を意味もなく刺激させる意味などないしな。

 

 では俺達が思っている以上に禍の団はガタガタだということか? いや、慢心は禁物だ。

 

 可能性はあるか? 何かこんな行動をするほどの意義のある何かがあるのか?

 

 そこまで考え、俺は思い至った。

 

 それは、魔法使い側から伝えられた例の情報―ッ!

 

 昨今出回っている偽物のくせして効果は同等なフェニックスの涙と、同時期にフェニックス家に接触を繰り返す禍の団の関係者。

 

 にしたってここを狙うか普通!

 

「――たぶん狙いはレイヴェルだ! 一年生組はカバーに回ってくれ!」

 

 追加で告げてから、俺は素早くショットライザーを装着。

 

 すぐにでも奴らをまずぶちのめして―

 

「……おっと、あんたが涙換救済(タイタス・クロウ)かい?」

 

 ―上からくる殺気に、素早く跳び退りながら俺はサルヴェイティングアサルトドッグプログライズキーを装填する。

 

「誰だ!?」

 

 変身の為に放つショットモデルを牽制で放てば、相手はそれを槍で弾き飛ばす。

 

 そして俺の全身にショットモデルが装着される段階で、奴は大振りで槍を振るう。

 

 そして、そこから間違いなくやばい出力の力が込められた球体が射出される。

 

 俺は躊躇することなく魔剣を出してそれを打ち上げ、同時に上空に星辰光の障壁を展開して爆発に余波を封じにかかった。

 

 この短い攻防で痛感する。

 

 こいつは、強敵だ。

 

 少なく見積もっても英雄派の幹部クラス。……それもジークフリートレベルのハイスペック。

 

 この状況下でそんなのが来るってのか!

 

 睨み合いになっていると、そいつは愉快そうに口元を歪めている。

 

「いいねいいねぇ。流石は曹操達をぼこった連中だ。滾りそうだぜ」

 

「お前、英雄派か。曹操の敵討ちとか言いたいのか?」

 

 奴の攻撃力から考えて、うかつに戦闘になれば周辺が壊れないように気を使う必要性が高すぎる。そうなると絶対他に余裕を差し引けない。

 

 だからこそ、調子に乗っているうちに少しでも情報を引き出すべきだ。

 

 そんな俺の思惑を知ってか知らずか、野郎はゆっくりと首を横に振った。

 

「まさか。むしろ感謝してるぜ? ……曹操の奴はちんけなところが多くてなぁ」

 

 そう言いながら、野郎はため息までついた。

 

 曹操、人望があるのかないのかどっちなんだよ。

 

 ちょっと同情心すら芽生えているが、奴にとってはどんな感じなんだ?

 

「ちっぽけなんだよ。英雄なんてお題目を掲げてるくせに、歴史に残らねぇようなちっぽけな収まり方で満足してる感じなのがな」

 

 そう前置きしてから、そいつは強い決意を示した目で周囲を見渡す。

 

「いっそのこと、この街ごと吹っ飛ばすぐらいやるぐらいじゃねえとダメだろ? 現代で英雄譚なんてやるんだったら、先進国落としぐらいはやらねぇとなぁ?」

 

 ……あ、やばい。

 

 こいつらあれだ。まじでやばい。

 

 ノリが後継私掠船団に近いようでいて、何かが決定的に異なる。

 

 というか、人間世界に積極的に介入したがっているとかまずいだろ。

 

「どうやら、本気で潰した方がよさそうだな」

 

 遠慮はしない方がいい。

 

 俺は即座にパラディンドッグに切り替える体制をとるが、奴は急にバックステップで下がり始める。

 

 撤退だと?

 

 駒王学園内で俺達レベルのガチの激戦は、冗談抜きで被害が大きすぎる。

 

 逃げてくれるなら助かるが、しかしこの場合逃げる理由は二つある。

 

 一つは作戦失敗と判断して、被害を少なくする為の戦術的撤退。

 

 もう一つは、多分そっちが正解で最悪だ。

 

 くそったれ! 思ったより敵ができたのか、何かやばいことでもやらかしたのか……っ

 

 ならせめて、目の前のこいつだけでも捕まえないと―

 

「悪いがそうはいかねえぜ!」

 

 ―その瞬間、奴は槍を使って器用に飛び上がる。

 

 同時に、一瞬何かが空を横切った。

 

 それに反応して上を見上げるのと、衝撃波が校舎中の窓を破砕するのはほぼ同時。

 

 ……この低高度で高速飛行の航空機だと!?

 

 振り仰げば、その航空機は既に遠くに飛んで行っていた。

 

 ………最悪だ。

 

 ミザリの野郎が禍の団を動かしていれば、いずれ必ず人間世界にも被害は出ると思ってはいた。

 

 思ってはいたが、早すぎだろう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……とりあえず、プルガトリオ機関の隠蔽工作部隊である(チャーリー)部隊が欺瞞工作をしているわ」

 

 まだごたごたしてる中、カズヒが苦虫を噛み潰した表情で俺達にそう伝えてきた。

 

「具体的に言えば星辰奏者を複数保有する犯罪組織が行ったテロ行為ということで処理するわ。三日以内に適当ぶっこいた犯行声明が出てくる予定よ」

 

 便利だよなぁ、星辰奏者。

 

 表に出てる上、星辰光は個人で全然違ってある意味何でもありだから、こういう時の偽装に便利すぎる。

 

 だけど……っ

 

「イッセー。一応言っておくけれど、罪悪感を感じる必要はないわ」

 

 俺が何を考えているのか思ったのか、カズヒははっきりとそう言った。

 

 でも、俺達が駒王町にいるからこそ狙われたんだ。

 

 しかも俺達はそれを隠している。だからこそ、どうして襲われたのかも正しく伝えることもできない。

 

 俺はそう思うけど、カズヒは静かに首を横に振った。

 

「彼らはふざけたテロリスト。そんな奴らの身勝手な理由で行われた悪行に、私達が悪いなんて思ってはダメ。罪悪感を感じるのは悪いことを実際にしている者が感じることよ」

 

 カズヒは静かにそう告げると、ちらりと俺の隣に視線を向けた。

 

 そこには、座り込んで俯いているルーシアがいた。

 

 たまたま自販機に飲み物を買いに行っていたルーシアは、レイヴェル達が連れ去られるのに巻き込まれずに済んでいた。

 

 レイヴェルを狙った連中は、近くにいた生徒を人質にとって、レイヴェル達を連れ去ったらしい。

 

 ……そうだな。本当にふざけた連中だ。

 

 俺達の日常まで壊しやがって。絶対に後悔させてやる……っ

 

 俺がハラワタが煮えくり返るって感情を理解していると、ルーシアは肩を震わせる。

 

「……迂闊でした。急な襲撃に混乱して、合流が遅れるだなんて……っ」

 

「落ち着きなさい。駒王町の結界をあんな小物が察知されずにここまで掻い潜り切るなんて異常事態よ。十六になったばかりに貴女がそこまで悔やむのなら、それ以外のメンバーは絶望して自死しなければいけなくなるわよ」

 

 カズヒがそう言って落ち着かせようとするけど、ルーシアは首を横に振る。

 

「私の兄はリュシオンです……っ! 兄さんなら私と同じ年でもこの程度の事態で失態なんて……いえ」

 

 ルーシアはそこで一旦切ると、目に涙を浮かべながら奥歯を噛み締める。

 

「私よりも若く、経験も訓練も無くても、兄さんはもっと酷い事態に対処しました。その背中を見ておきながら、こんな体たらくでは兄さんに合わせる顔がない……っ」

 

 涙が床に落ちる。

 

 いや、むしろそれはリュシオンさんがどうかしてるだろ。

 

 アグレアスでの戦いの記録情報は見たけど、リュシオンさんはなんていうか……何かがズレてる。

 

 俺もおっぱいが絡むとなんかおかしなことになる。リュシオンさんは俺のおっぱい絡みレベルの何かがある気がする。そうでないとおかしいぐらい、何かが決定的に違う気がする。

 

「……リュシオンさんは、いったい何をしたんだ?」

 

 気分を切り替えるのも兼ねて、俺はルーシアに尋ねてみた。

 

 そもそも、俺はリュシオンさんについて何も知らない。

 

 神器神滅具候補を持ち、教会が誇る精鋭部隊の筆頭格。あとカズヒはどうも敬遠している。俺が知ってるのはそれぐらいだ。

 

 知らないんじゃ分かりようがない。だからこそ、教えてもらえるなら聞いてみるべきだ。

 

「……私と兄が異形と関わったのは、今から九年ほど前です」

 

 九年前。ルーシアはその頃、小学校に入って一年ちょっとぐらいって感じか。

 

 リュシオンさんは何歳ぐらいだ? いや、さっきのルーシアの話から見て、多分今のルーシアより若いんだろう。

 

「休日に家族と出かけていた街中で、準神滅具が暴走するという事件が起きました。更にそこには追放された上位吸血鬼が、下位の吸血鬼を集める形でマフィアの支配者として潜伏しており、結果として教会や近くの魔法使い組織の三つ巴の争奪戦になり、暴走している神器そのものもあって地獄絵図でした」

 

 そりゃ……きついな。

 

 準神滅具の暴走ってことは、それこそ街の数ブロックは簡単に吹っ飛ぶはずだ。

 

 それに対応できるなら、教会の戦力も相応にあるはず。魔法使いたちもかかわってくるなら腕に自信はあるだろうし、吸血鬼も上級レベルなら相当のはずだ。

 

 下手しなくても、街が地図から消えたっておかしくないぞ……っ

 

「そんな中、兄さんはパニックになっていた私達を励まして、冷静に周囲を確認して安全な方向を見つけて避難していきました。慌てている人達に大きな声や時には物を壊した音で落ち着かせながら、何とか数十人レベルで避難していたんですが、そこに上級吸血鬼が襲ってきたんです」

 

 そう、ルーシアは続けていく。

 

「その吸血鬼は悪魔祓いや魔法使いに対抗する為、即興で下僕を作ろうとしました。あと蘊蓄を語りたい人物だったのか、神器についても詳しく説明していました

 

 そして、ルーシアは拳を握り締める。

 

「そして兄さんは神器に覚醒し、更に暴走する神器が禁手になったのを確認して、そこから自分も禁手に至らせ、事態を解決に導きました

 

 ………嘘だろ?

 

 ルーシアは自分の不甲斐なさとリュシオンさんに対する敬意を感じさせる声だったけど、俺とカズヒは顔を見合わせて目を見開いているのをお互いに確認してた。

 

 神器の持ち主が神器について語られたから、そこから自分が神器を持っていることを知って覚醒させて、禁手に至る光景を見て自分も禁手にその場で至った?

 

 あり得ないだろ。俺はいくらなんでも別の意味であれだけど、どう考えてもおかしいだろ。才能があるとかそういう次元じゃない。

 

「そして、兄さんは教会の戦士達から話を聞いて、自分も戦士になることを選び、私も両親の反対を押し切って、戦士育成機関に入って鍛えてつづけたんです」

 

 どこまでも自分の不甲斐なさを責めるように、ルーシアはそう言い続ける。

 

「兄さんの背中を見続けて、追いかけてきたというのに。兄さんは自分の力を知って、やるべきことをきちんとやったのに……。私は……私は……なんでいまだに足元にも追いつけない……っ」

 

 また涙をこぼすルーシアだけど、俺とカズヒは思わず二の句も告げなかった。

 

 リュシオン・オクトーバー。神の子に続くもの(ディア・ドロローサ)

 

 ……あの人は、何かが決定的に違いすぎる……っ

 




 そんなわけでアホが勢い良く動き始めました。

 そしてそのインパクトをぶっ飛ばすだろう、リュシオン・オクトーバーのぶっ飛び具合。

 ヴァーリは肉体的な素質においては間違いなくぶっ飛んでおりますが、精神的な素質ではリュシオンがぶっ飛んでおります。

 神器という概念を知ったことで宿っていた神器を使えるようになり、禁手に至る光景を見たからすぐさま禁手になる。これを自然体でできるのがリュシオン・オクトーバー。そんな先天性精神的超越者こそがリュシオン・オクトーバー。

 いい機会なのでそのあたりを指摘する部分を増やそうかとブッコんでみました。
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