好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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と、覇龍W発動で引いた前話ですが、こっから大激突。


ヴァンパイア編のラストバトルといってもいいです。さあ、目を開いてご覧あれ!


三勢合一編 第二十二話 覇龍大決戦

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 な、な、ななななんだぁ!?

 

「はぁ!?」

 

「はえ!?」

 

「……冗談でしょ?」

 

 俺達全員が、その絶大な力の具現に度肝を抜かれた。

 

 そのオーラの質は、どう考えてもさっきのサーゼクスさんと同レベル。

 

 おいおいおいおい冗談だろ。なんだあの力は。

 

 思わずそっちを見て、引きつるしかない。

 

 そして同時に、着地音が響いた。

 

「―ほぉ。白龍皇(ヴァーリ)だけでなく赤龍帝(兵藤一誠)覇龍(ジャガーノート・ドライブ)をつこうたか。設計上そこまで区別はできぬとはいえ、よくやるものじゃ」

 

 とっさに振り返ると、そこにはボロボロだけどしっかりと力強く立ち上がった九条の姿が。

 

 なろう、まだ動けるか!

 

 俺達はすぐに戦闘態勢をとるが、九条は苦笑を浮かべながら手を前に出す。

 

 戦闘意識はない。その態度が全てを告げていた。

 

「妾は自分の発言には責任を取る。自ら告げた条件を成し遂げた相手に、褒美をやらぬほど愚かではないのじゃよ。拒むのならば仕方ないがのぉ」

 

 ……なるほどな。

 

 つまり、これ以上の闘いが望みなら、仮面ライダーになる(スラッシュライザーも使う)ってことか。

 

 上等だ。

 

「それがどうした。ここまで暴れて起きながら、そのまま逃がすと思って―」

 

 俺は第二ラウンドを覚悟し、ショットライザーを構え―

 

「いやぁ、そこまでだぜ?」

 

「団長、帰りますよ?」

 

 ―その間に、二人の乱入者が割って入る。

 

 そいつらを見て、俺は度肝を抜かれて止まってしまった。

 

 片方は二十歳ぐらいの青年。九条が持っているのと同じ剣を鞘に指している。

 

 だが問題はもう片方だ。

 

 伊達男って例えがピッタリくる、同時に船乗りをしている感じの焼けた肌の男性。動きに隙は無く、同時にどこか犯罪社会に相応しい退廃的な雰囲気を持っている。

 

 問題は、そいつが持っている得物だ。

 

「――黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)ですって!?」

 

 カズヒ姉さんも流石に狼狽するよな。

 

 今この戦場に黄昏の聖槍が二本ある。常識的に考えれば、そりゃ異常だろう。

 

 だけどクロードさんはサーヴァントだ。だからこそ、あれはかつての黄昏の聖槍であって今のじゃない。

 

 ま、テロリストに黄昏の聖槍持ちがいるってのは最悪なんけど―

 

「んじゃまあ、()()()()に倣って名乗るとするか」

 

 ―その思考を、伊達男が断ち切った。

 

「……俺はライダーのサーヴァント、ジョン・ラカム。で、隣にいるのは後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)の最古参さ」

 

 サーヴァントかよ。

 

「ブレイ・マサムネ・サーベラだ。いずれ新たなる正宗となる男って言っておこうか」

 

 あともう片方も凄いこと言ってるな。明らかに外人さんなのに、なんで日本人のそれも刀匠の名前名乗ってんだ!?

 

「……なんかすっごいことになってきましたのねぇ」

 

 ヒマリがちょっと気圧されている。珍しいこともあるもんだ。

 

 そんなこんなで俺達が攻めあぐねていると、ジョン・ラカムが肩をすくめながら九条に振り向いた。

 

 後ろから撃とうかとも思ったけど、ブレイがこっちを警戒しているから難しいだろう。

 

 できれば、此処で倒しておきたかったんだけ―

 

「帰るぜマスター。さっき援護射撃に弾道ミサイル十発全部ぶっ放したから、五分ぐらいで着弾するぜ?」

 

「もうそんな時間か。なら撤収じゃな」

 

 ―今なんつった!?

 

「……弾道ミサイル!? 着弾するところ見れますの!? なんて珍しい奇跡ですの!」

 

「「不幸だからね!?」」

 

 そして天然ぶちかましたヒマリにツッコミを二重で叩き付けちまったよ。

 

 カズヒ姉さんとハモったのはちょっと嬉しいけど、今そんな場合じゃない。

 

 いや待て、弾道ミサイルだと!?

 

 おま、まさか核ミサイルとか―

 

「おう! ちなみに弾頭は燃料気化弾頭だ。駒王学園(ここ)を包囲する形で着弾する形の撤退支援だから、トップは流石に死なねえよ」

 

 ――不幸中の幸いだけど安心できるか!?

 

 糞が! 何考えてやがる。

 

「表の人間を巻き込む気か!?」

 

「――三大勢力(おぬしら)が止めると読めておるからのぉ」

 

 俺の糾弾をあっさりと受け流して、九条は告げる。

 

 何より、その目は愉しみでこそあっても悲嘆に暮れてはいなかった。

 

「それに、いずれ地球に覇を唱えるのじゃからな。……異形を制したら、次は地球じゃ」

 

 ……ダメだ。

 

 こいつら、遠慮って思考が欠片もない。

 

 本当に世界を巻き込んでもいいと思ってやがる。躊躇が欠片も存在してない。

 

 つってもお前、これは迎撃した方が……っていない!?

 

「い、いませんのよ!? ちょっと目を離した隙に!」

 

「引き際は見誤らないってわけね。……何より、弾道ミサイル全部はこの為ってこと!」

 

 ヒマリとカズヒ姉さんもそれに気づくけど、忌々しいけど今はそんな余裕がない。

 

 くそ、此処から打ち落とせるのか? というか、自衛隊も流石に気づけ……無理か。

 

 あの調子じゃ、異形の力を最大限に使ったステルス艦とかそういうのだ。とてもじゃないけど、表の自衛隊じゃ荷が重い。

 

 想定外の超近距離から弾道ミサイルが何発もぶっ放されれば、対応している余裕がないだろう。

 

 だからって……。

 

 今、まだトップ陣は戦闘している。同時に結界も張る必要がある程度には、敵が残っている。

 

 この調子だと、撤退戦の為の使い捨て兵器を大量に用意してそうだな。やってくれる。

 

 じゃあどうすれば―

 

「……仕方ないわね。こうなったらあいつに頼るしかないわ」

 

 その時、カズヒ姉さんがため息をついた。

 

 そして俺達がちょっときょとんとしている間に、息を思いっきり吸い込んで、宝石を一個口元に当て―

 

 

 

 

 

 

 

祐斗SIDE

 

 

 

 

 

 

 

 

―――リュシオン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 その、念話とでも形容するべき声に、誰もが一瞬止まってしまった。

 

 すぐに反応できたのは、実力者であるリュシオンさんやクロードさん。そして敵側ではジークリット。

 

 そしてジークリットはリュシオンが名指しで呼ばれたことで生まれた隙をつき、一気に後退する。

 

 見れば既に全身の装甲が破損しており、戦闘そのものはリュシオンが有利に立ち回っていたらしい。

 

「もう時間のようね。悪いけど、無駄死にするのは趣味じゃないの」

 

 そう言いながら即座に撤退を行うジークリットを、しかしリュシオンさんは追わなかった。

 

 いったいなんで―

 

 

 

 

 

 

 

―――弾道ミサイルがこっちに向かって十発接近中! 弾頭は全部燃料気化弾頭で、駒王学園周囲に着弾狙いよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―冗談だろ!?

 

「撤退の為の陽動ですか。それにしても、禍の団はこちらが止めるという前提とはいえとんでもないことを……っ」

 

 そう歯噛みしながら、クロードさんは即座にタブレットを取り出すと確認作業に入る。

 

「……間違いありません! 真南高度1kmを高速で接近中、着弾まで後四分です」

 

 そんなにか!?

 

 まずい。まだ魔王様達は敵の兵器を破壊しきっていない。

 

 それどころか、兵器は魔王様の足止めに意識を向けている。

 

 疾風殺戮.comは人間を大量に殺すことが目的である以上、ここで駒王町の市民が大量に死ぬのは好都合ということか。遠隔操作兵器だからってやってくれる。

 

「……敵のマギアやサイボーグも引く気がない。どうやら最初から使い捨てらしいね」

 

 ゼノヴィアが周囲の敵と戦いながら、嫌なことを告げてくれる。

 

 やってくれる。流石はテロリストといったところか……っ

 

 だけど、この声はおそらくカズヒ・シチャースチエの物だろう。

 

 なんで距離を取っている節があったリュシオンさんに、ピンポイントで名指しして―

 

「……ここは任せていいかな?」

 

 ―それを、リュシオンさんは一番理解していたらしい。

 

 同時に、クロードさんも即座に頷いて高度を開始する。

 

「ゼノヴィアさんに木場祐斗さんでしたね? 説明している時間はありません、リュシオンに敵を近づけさせないでください!」

 

 よくは分からない。

 

 だけど、事情は分かった。

 

 どうにかできるのだろう。彼の持つ新規神滅具候補に由来する、何かがあるのだろう。

 

 なら、答えは決まっている!

 

「行ってください、リュシオンさん!」

 

「この学園を託すぞ!」

 

 僕とゼノヴィアも、周りの敵をとにかく接近させないように戦い方を切り替える。

 

 またクロードさんの周りには、何かしらの能力なのか槍を持った何人かの分身が生まれている。

 

 おそらく遠慮なしの本気モード。それだけの価値があるということか。

 

 そいて、リュシオンさんは静かに目を伏せ―

 

「……素粒子創造、そして変性。とりあえず、足場は100mもあればいいか」

 

 ―その言葉共に、異常な現象が発生した。

 

 直径十メートルの巨大な氷の柱が、突如として出現する。

 

 急激に伸びていくその柱に飛び乗り、リュシオンさんは拳を空に構える。

 

 結界の淵ぎりぎりまで伸びた柱の上で、リュシオンさんは両手を構える。

 

 方向は南。そして着弾まで後一分を切った。

 

 そして―

 

「―素粒子創造、そして放出。最大出力でいかせてもらう」

 

 ―その言葉共に、絶大な光が迸った。

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 うぉおおおおおお!

 

 俺は、全力で殴り飛ばされるのも構わずに、ヴァーリを殴り飛ばす。

 

 ヴァーリも全力でこっちを殴り飛ばすけど、知った事かよ!!

 

『これは……俺が本当に押されているだと!?』

 

『馬鹿な……ヴァーリと同じ領域に、到達しているだと!?』

 

 ヴァーリもアルビオンも驚いてるだろ。

 

 ああ、俺も思いつきだったからここまで出来るなんて思わなかったよ。

 

 だからこそ、俺達は……勝つ!!

 

『……ええ。そうよイッセー、勝ちなさい』

 

 リアス部長の声が俺の中から鳴り響く。

 

 そうだ。これが、揺り籠たる赤龍帝の鎧(ブーステッド・クレイドル・メイル)の、知られることが無かった真の力だ。

 

 取り込んだ者の力を、赤龍帝の力で強化させる。

 

 だからこそ、シャルロットと俺の力は相乗効果で規格外に高まった。

 

 そしてリアス部長の魔力も、赤龍帝の力で増幅される。たぶんだけど、今のヴァーリにも負けないはずだ。

 

 だから出来る。だから戦える。

 

 リアス部長の魔力が寿命の代わりになって、そしてシャルロットと部長と俺の三人で覇龍になることで、覇の暴走も何とか抑え込んでる。

 

 そう、だから。

 

『くらえぇええええええ!』

 

『ぬぅぉ!?』

 

 ヴァーリの荒いパンチを避けて、俺は拳を叩き込む。

 

 覇龍になってから動きが荒いぜ。いい加減慣れたから、俺でも避けられる!!

 

 だからもう、さっきから俺達が一方的に殴れてる。

 

 だからこそ、勝てる!

 

『これは……まさか……!?』

 

『シャルロット・コルデーとリアス・グレモリーが負担を分割していることで、ヴァーリ以上に動きが荒れないということなのか!?』

 

 ヴァーリとアルビオンも分かったみたいだけど、もう遅い。

 

 こっちも結構きついんだ。遠慮なんてする気はねえ。

 

『部長、ドライグ、シャルロット! ……これで決める!』

 

 俺は一気に力を籠める。

 

 込めるのは左腕。それも中に込められた龍殺しの聖剣アスカロン。

 

 全力を込めて、倍加の力で増幅させる。

 

『やって見せろ、相棒!』

 

『こちらも余裕がありません。頼みますイッセー!』

 

 ドライグとシャルロットの言葉が、俺の背中を押してくれる。

 

 そして、俺は拳を握り締め―

 

『―さあ、私の可愛いイッセー。……貴方の力を見せて頂戴!!』

 

 ―部長の言葉と一緒に、俺が一撃を叩き込んでヴァーリを撃ち上げる!

 

『やってくれる……だが!』

 

 くそ! 空中で体制を整えやがった!

 

 これ以上は流石にきついっての。……もしかして、粘られたら俺達がまずいか?

 

『まずいな。こっちはなり立てだがあっちはそれなりに慣れてそうだ。元々禁手に正式になっているわけでもないのに覇龍を強引な手法で使っていることも踏まえれば、燃費では白いのの足元にも及んでないしな』

 

 やばい! こうなったらごり押し……あ。

 

『ヴァーリ、横』

 

『ん?』

 

 俺がついヴァーリにそう言ったけど、もう遅かった。

 

 

 

 

 

 

 

 なんか凄い威力の砲撃が、ヴァーリを巻き込んでどっか遠くにぶっ放されたぁあああああああああ!?

 

 




 と、リュシオンの神滅具や覇龍VS覇龍で終わったラストバトル、いかがでしたでしょうか?


 本作のおいて禍の団の一般社会に対するスタンスは「異形たちをどうにかするまでは積極的には巻き込まない」といった感じです。かなり平然と巻き込んでいる作品が多い自分の作品としてはちょっと異例でしょう。

 まあちょっとはこれまでと変化をつけるべきですし、この作品は設定上、レイダーや星辰奏者で人間側の戦力が底上げされているのでまとめて相手するのもあれだなぁと判断したこともあります。

 ただし、「絶対に異形側が阻止できること前提」なら、撤退のための手法として使うぐらいのことは躊躇しない。そんな感じとなっております。……疾風殺戮.comはむしろそこからが本番だからね♪



 そしてリュシオンの神滅具ですが、彼の神滅具にはどうしたものかといろいろ悩みました。その結果、彼のコンセプトというか方向性にある程度由来する感じになりました。リュシオン・オクトーバーという名前の由来は、この神滅具を参考にすることで多少は想定しやすくなっているといっておきましょう。





 そして覇龍大決戦。結果はヴァーリの敗北です。

 これに関しては簡単に言えば「二人羽居りならぬ三人羽居り」が勝因です。

 ヴァーリも初期段階では覇龍のリスクを完全に消すことはできてなかったと思いましたので、三人がかりでそのリスクを分割する今のイッセーと戦った場合、そのせいで動きの荒れがないことから勝算が向上するというわけです。

 もちろん無理のある方法で対抗しているので、燃費関係においてはヴァーリが上。持久戦に持ち込めばヴァーリが勝てますが、短期決戦にこだわるとイッセーが有利になります。この辺、完全自力でやることも可能なヴァーリと、自力では絶対無理だから仲間の力を借りたイッセー達の差といったところですね。

 ……禍の団といては「非常時用の切り札」といった感じでヴァーリの覇を補佐できるよう結界を強化したのですが、結果的に敵の方が恩恵を受ける始末。今後はこのプランは避けることになるでしょうね。

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