好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 本日ももう一度夜に投稿するのでご期待ください。


明星双臨編 第三十四話 不安と不穏のひと時

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は部屋に通された後、メンバーを少しずつ分ける形で行動することになった。

 

 アザゼル先生とリーネスは吸血鬼達の研究者側と接触するとのことで、リーネスの護衛にヒマリ。リアス部長はギャスパーと一緒にヴァレリーに呼ばれ、木場が護衛。他のグレモリー眷属やイリナ達教会側は、ギャスパーの父親と話をするとのことだ。

 

 そして、俺とカズヒねぇはインガ姉ちゃんと一緒に部屋に残っていた。

 

 というより、他のメンツが色々と気を使ってくれたと考えるべきだろう。ちょうどいい感じに色々やることがあったとはいえ、全員まとめて動く必要もないわけだしな。……ギャスパーの父親との件とか、吸血鬼の思想的にあまり人が多くても問題だろうし。

 

 だからまぁ、俺は今何をしているのかというとだ。

 

「……落ち着いたか、インガ姉ちゃん」

 

 そっとインガ姉ちゃんを抱きしめて、落ち着くのを待っている。

 

 インガ姉ちゃんにとって重い何かが起きたことは確信している。おそらくあのステラフレームが原因だとも察している。

 

 だからこそ、無理強いして聞くのは最終手段。インガ姉ちゃんの気持ちが決まってからでいいと思う。

 

 だからゆっくりと落ち着かせながら、俺は静かにそれを待つ。

 

「……ごめん、落ち着いたかな」

 

 インガ姉ちゃんはそう言うと、苦笑しながらゆっくりと俺から離れた。

 

 とはいえ、精神的に消耗している感じだ。

 

 元々クーデターに巻き込まれたうえ、軟禁までされていたからな。リアス部長の護衛も兼ねている立場だし、張り詰めた状態にならざるを得なったんだろう。

 

 駒王町に戻ったら、デートを一回ぐらいした方がいいかもな。

 

「……持ち直したようで何よりだわ。ほら、とりあえず何か飲みなさい」

 

 と、カズヒ姉さんが人数分のココアをクッキーと一緒に持ってきてくれた。

 

 ちなみにこれは、カズヒ姉さんが自前で持ち運んでいたものだ。異界の蔵(スぺイス・カーゴ)はこういう時に凄まじく便利だ。

 

 そして俺もカフェオレを呑んで一息入れて、雰囲気はだいぶ和らいだ。

 

 だけど、インガ姉ちゃんはそこで気合を入れ直す。

 

 説明してくれる。そういうことでいいんだろう。

 

 そっとカズヒねぇと視線を合わせて頷き合うと、俺達は背筋を伸ばしてインガ姉ちゃんと向き合う。

 

 とはいえ、ある程度は予想ができている。

 

「……分かってると思うけど、あのステラフレームは私の知り合いが素体になってるみたい」

 

 そうだろう。

 

 ステラフレームは共有の星辰光を使う本体と、それに武装を提供する外部ユニット、そして中枢となる素体でワンセットの人造惑星だ。

 

 つまり素体となった人物がいる。それが第一世代魔星。

 

 素質のある人物を材料に、強い衝動をにより神星鉄(オリハルコン)を制御することで強力な星辰光を運用する。それが第一世代型魔星という物なのだから。

 

 問題は、具体的に誰がそんなことになったのか……だ。

 

 俺もカズヒねぇも、あえて黙ってそれを促す。

 

 インガ姉ちゃんも分かっているから、コップを握る手に力を込めながら前を向く。

 

「……単刀直入に言えば、私が入ってしまったヤリサーの女子の一人。年齢的には一つ上の先輩……って感じかな」

 

「……ぁ~……ッ」

 

 俺は思わず天を仰ぐ。

 

 確かにそうだ。うっかりヤリサーに入ってしまった挙句、その一人の恋愛絡みで起きた自殺騒ぎでそれが発覚して、結果として修道院に叩き込まれたのがインガ姉ちゃんだ。

 

 そしてヤリサーならば、当然だが男女問わず他にもいないとおかしいわけだ。この辺は当たり前ともいえるだろう。

 

 そしてインガ姉ちゃんが修道院に叩き込まれたように、人生のルートががらりと変わるのは当然考えられる。

 

 そんな一人が寄りにもよって、ミザリ達に目を付けられた結果がアレか。質の悪いルートを引き当てたという形か。

 

「……なんというか……責任を感じるわね」

 

 カズヒねぇも俯いて、手で目元覆っている。

 

 実際問題、ミザリ・ルシファーが何かやらかすというのはカズヒねぇにとって罪業の上乗せに近いからな。流石に全責任をカズヒねぇに負わせるのも問題だが、道間誠明(ミザリ)を最悪に近い形で自覚させたのは道間日美子(カズヒねぇ)ではある。だからこそ、俺も全否定させることはできないししていいことでもないし。

 

 だけど、インガ姉ちゃんは首を横に振る。

 

「そうじゃないよ。そういうことでへこんでるんじゃないの」

 

 違うのか。

 

 なら、いったい?

 

「私が一番つらく思ってるのは、私はあの件で私のことしかいまだに考えてなかったこと」

 

 そう告げるインガ姉ちゃんは、どこか悲しげだった。

 

「……客観的に見て酷い半生だと思う。だけど、ディオドラの眷属(悪魔になってから)のことだけを向き合って乗り越えようとしているだけで、修道院に入る理由(悪魔になる前)は乗り越えようという気になってるだけで向き合ってなかった。それを、いやって程痛感したからなんだ」

 

 ………そうか。

 

 確かにそうだ。

 

 インガ姉ちゃんは、何時かという前置き付きとはいえ両親に会おうとも考えている。

 

 だけど、そもそもインガ姉ちゃんと両親が疎遠になったのはディオドラの所為ではない。ディオドラは疎遠になった後更に悪い方向に引っ張り込んだだけだ。

 

 そもそもの疎遠に、半ば投げ出された理由。そこに対して、インガ姉ちゃんは向き合ってなかったのかもしれない。

 

 俺もまだ未熟だな。そこにもきちんと向き合って付き添ってやるべきだってのに、全く気付いていなかった。

 

 だからこそ。

 

「インガ姉ちゃん」

 

 俺は、インガ姉ちゃんの手をそっと取る。

 

 両手で包み込み、真っ直ぐにインガ姉ちゃんの目を真っ直ぐに見つめて、俺の本心を告げる。

 

「大丈夫だ。俺も、インガ姉ちゃんが笑顔になれるよう頑張るから。今からでも、付き添う覚悟を決め治すから」

 

 ああ、そこに嘘偽りなど欠片もない。

 

 インガ姉ちゃんを強引にでも救うと決めた。その俺には、インガ姉ちゃんが向き合おうとすることに付き添う責任がある。インガ姉ちゃんを愛する者として、必要なら共に支えあいたいと願っている。

 

 幸せを分かち合うのなら、悲しみだって分かち合いたい。嬉しいことだけ分け合うなんて、そんなことはしたくない。

 

 だから、大丈夫だ。少なくとも、俺一人分は大丈夫だ。

 

「……必要なら助けを呼んでくれ。できる範囲で必ず助ける」

 

「そうね。それでこそ私の愛しい救済者(タイタス・クロウ)よ」

 

 そして俺の手から更に包み込むように、カズヒ姉がそっと手を乗せる。

 

「人間はいつだって未来より未熟よ。自分の未熟を理解して、それでよしとしないなら是非も無い」

 

 小さく俺に頷いてから、カズヒねぇもインガ姉ちゃんに微笑んだ。

 

「必要なら力を貸すわ。だから、貸していい時に力を貸して?」

 

「……うん。ありがとう」

 

 そのインガ姉ちゃんの微笑みに誓おう。

 

 インガ姉ちゃんに、せめて胸の張れる決着を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 インガさんが持ち直したみたいで何よりだな。

 

 ギャスパーの父親と話し合ってから帰ってくれば、雰囲気も和んでいた。

 

 だからこそ、俺は九成やカズヒを連れ出して、俺達が聞いた情報を伝えている。

 

 ……ギャスパーは生まれてきた時、闇が蠢く訳の分からないものだという。

 

 それでギャスパーのお母さんは気が狂って死に、産婆達も急死した。ギャスパーの父親はそれをギャスパーが無意識に呪ったからだと考えている。

 

 正直訳が分からないけど、ここ最近のギャスパーが発現した謎の力から考えると納得できることもある。

 

 それに、俺達にとってギャスパーは仲間だしな! 既に悪魔に転生してるんだし、悪魔でいいだろ。

 

 ……ただ、ギャスパーの父親はそういう考えではなさそうだ。意外と話が分かる吸血鬼だったけど、ギャスパーに関しては化け物扱いで預かってくれるならそっちの方がいいといった感じだった。

 

 その辺りを何とかかみ砕いて説明すると、九成もカズヒも分かり易く困惑していた。

 

 こと二人は、ギャスパーの力を見てないから尚更か。あれ、めっちゃ凄かったしなぁ。

 

 ゲオルグが使った上位神滅具だって完封してたみたいだし。一体何だってんだ?

 

「……原因がさっぱり分からないし、能力の当ても分からないな。不気味ではあるけど、だからこそある程度の解明は必須ってことか」

 

 九成はそう言ってため息をつくけど、同時に不安そうな表情だった。

 

「しかもその際、ギャスパーは別人格じみてたんだろ? 何かに憑かれて生まれてきたとか、そんな感じか?」

 

 あ~。そういう可能性もあるのか。

 

 九成の言いたいことも分かる。そもそも神器(セイクリッド・ギア)だって、聖書の神様が遺したシステムが人間の魂に宿らせるわけだしな。

 

 カズヒもそれに納得しているのか、なんか急に閃いた表情を浮かべていた。

 

「……ヴァレリー・ツェペシュは命と魂を司る、幽世の聖杯(セフィロト・グラール)を持って生まれてきた。そして近年、ハーフの吸血鬼が神器を持って生まれてくることが多い。……もしかして、それら全部が繋がっているのかもね」

 

 な、なんかよく分からんけど凄いこと言ってきたぞ。

 

「ど、どういうことだよ。馬鹿な俺にも分かる様に言ってくれ」

 

 俺がそう言うと、カズヒは少しだけ考えてから、俺達に真剣な表情を向ける。

 

「ヴァレリーが幽世の聖杯を持ったことが連鎖反応になって、後続のハーフヴァンパイア(同胞)に無意識レベルで加護を与えている可能性があるってことよ」

 

 ……っ

 

 確かに、言われてみると納得だ。

 

 ヴァレリーは心優しい女性だと、少しの会話で分かっている。そんな彼女が自分と同じハーフヴァンパイアが酷い目に遭うことに、心を痛めるのはすぐに考えられる。

 

 だからこそ、無意識に何かしらの恩恵が与えられるように願った……?

 

「……ハーフとはいえ悪魔の王族なヴァーリが現在過去未来で最強の白龍皇になると言われてるからな。ハーフとはいえ吸血鬼の王族なヴァレリーでも、似たような可能性はあり得るか」

 

 九成も唸ってるけど、言われてみると確かに!

 

 ……これは、本当にマリウスなんて奴にヴァレリーを預けさせるわけにはいかねえぞ。

 

 なんとか、助け出すチャンスを考えないと……っ

 

「イッセー。言っとくが逸るなよ」

 

 と、俺に九成が声をかける。

 

 見れば、九成は真剣に、だけど心強い笑みを浮かべていた。

 

「お前やギャスパーだけじゃない。ヴァレリー・ツェペシュをこのままにできないってのは、オカ研ならほぼ全員が思ってることだろうからな」

 

「安心なさい。タイミングさえ合わされば、私もあの外道を良しとはしないから」

 

 カズヒもすまし顔で、だけどちょっと微笑みながらそう言ってくれる。

 

 ああ、本当に心強いぜ。

 

「いざという時、頼んだぜ?」

 

「「もちろん」」

 

 ああ、気合も十分入った。

 

 あとは、タイミングを見計らうだけだ。

 

 待ってろよ、マリウス・ツェペシュ。リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。

 

 お前達の好きには、絶対させやしないからな!

 




 ギャスパー関連は勝手な独自考察に近いのでぶん投げといて、インガの方ですね。

 サブヒロインのスポットを当てた部分を一巻分につぎ込む感じで入れるという方向性において、インガにスポットを当てるのなら彼女の過去に関して一歩踏み込むというのが方向性にふさわしいと判断しました。

 そこでステラフレームを戦闘面での底上げとする形で利用して、インガの過去に縁のある人物をぶつけることで自覚させるという方向性は決定。元々ステラフレームはカズヒの因縁以外にも使う予定だったので、ここまではスムーズ。

 で、どんなキャラを素体にするかを考えましたが、此処でヤ〇サーの男のほうにするというのも考えましたが、それだとただ単に「ムカつくやろうぶっ飛ばすぜぇ!!」でディオドラをぶっ飛ばすのとなんか変わらない気がしたので、逆に「同じように引きずり込まれた側の成れの果て」といった方向性となりました。

 まあ一巻分かぎりのチョイ役ですが、なかなか第一世代魔星っぽい星を思いつけたので、相応に面倒くさい奴になると思います。

 
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