好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 ハイどうもー! 感想・高評価・創作掲示板での紹介をガチで欲している男、グレン×グレンでっす!

 ついにここまでやってきたぜぇ! これ予約投稿している段階で、まだ160kbはあるぜぇ!

 そんなこんなでハイどうぞ!


明星双臨編 第四十話 リリンの野望

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聖杯が抜かれと思ったら、二つあるから大丈夫となって、実は三つ目が抜き取られていた。

 

 ギャスパーの秘密といい、想定外の事態が起こりすぎだろ。こっちはちょっとついていけてないぞ。

 

 いや、それより警戒するべきは目の前のリゼヴィム・リヴァン・ルシファーだ。

 

「うひゃひゃひゃ! 解説の通り、ヴァレリーちゃんが持っていた聖杯は三個一セットっつーとんでもない亜種だ。聖杯研究者を自称しながら、いくつもあることすら気づかなかったマリウス君を笑ってやっていいと思うぜ?」

 

 悪意ある表情で失神しているマリウスをあざ笑うリゼヴィムに、俺達は不快感が消えやしない。

 

 実際問題マリウスは外道だが、だから目の前の外道の悪意が気にならないわけじゃ断じてない。

 

 何より、絶対碌でもないことを考えていると、それがよく分かるからな。

 

「……リゼヴィム………っ」

 

 しかもヴァーリはヴァーリで凄まじい表情だ。

 

 殺意と憎悪がこれでもかと込められているこの顔には、ちょっと引くぞ。

 

「せ、先生? ヴァーリはリゼヴィムのことがそんなに嫌いなんですか?」

 

 イッセーも戸惑ってそういうが、アザゼル先生は嫌悪感をあらわにしながらリゼヴィムを睨んでいる。

 

「そりゃそうだ。そいつは自分の息子にヴァーリを迫害しろと命じたからな」

 

「……そりゃ、外道ですね……っ」

 

 あまりの内容に、俺は嫌悪感が表情に出ていると自覚する。

 

 あの外道極まりないモデルヘキサ、道間六郎だって娘である道間七緒(鶴羽)に相応の気遣いは出来ていた。当人なりにはしていただろう。

 

 それが、自分の息子に孫を迫害させるだと?

 

 血の繋がった親族に外道な行為ができる奴なんて腐るほどいる。だが、それを見て不快感を抱かないほど俺は人間を辞めちゃいない。

 

 俺達全員の嫌悪に満ちた視線を受けて、リゼヴィムは悪ガキのように口を尖らせた。

 

「語弊があるぜぇ、アザゼルおじさんよぉ。俺はビビりでヘタレなラゼヴァンが、ルシファーの才覚ですら上なのに神滅具まで持ってるヴァーリ(そいつ)にビビってたから的確なアドバイスをしただけだぜ?「怖いなら虐めろよ」ってな?」

 

 ……そういうことか。

 

 父親由来のルシファーの力と、母親由来の白龍皇。その二つを持っているヴァーリが何故堕天使側にいるのかは、考えてみればちょっと不思議にはなるだろう。

 

 だが、迫害までされていたのなら逃亡する選択肢は確かにある。

 

「ま、我慢できずに逃げ出したヴァーリきゅんはラッキーじゃね? アザゼルおじさんは面倒見がいいしぃ? あのヘタレ息子はムカつくぐらいヘタレだったんで、ついはずみで殺しちゃってるしね~?」

 

「……そうか。まぁ、奴のことは別にいい」

 

 ヴァーリはかなり激怒しながら、おちゃらけるリゼヴィムを睨み付ける。

 

「奴も殺したいが、それ以上に殺したいのは貴様だからな。明けの明星たるルシファーに相応しくない、貴様は殺す……っ!」

 

 今までにないぐらいの負の思念をまき散らすヴァーリに対し、リゼヴィムはむしろ嬉しそうに頬を歪めている。

 

「なんて劇的ビフォーアフター! オナ〇ー感覚でこさえちゃったミザリといい、俺って意外と血族に恵まれてる感じかな?」

 

「……まぁいいわ。腐臭のする外道が腐れっぷりを見せている程度で、一々激高するほど私も馬鹿じゃないの」

 

 不愉快な言動をまき散らすリゼヴィムに、カズヒねぇはため息をついてから鋭し視線を向ける。

 

「で、態々取り返すべきそれを持って出てきたのはどういうつもりかしら?」

 

 その通りだ。

 

 ヴァレリーの意識喪失を回復させるなら、おそらく抜き取られた聖杯を確保するのが最適解。取り返す為にも誰が持って行ったのかを探る必要があった。

 

 それが態々この場に出てくるとか、どういうことだ?

 

「簡単だよ。悪の親玉らしく、どんな事計画してるか話したくて堪らねえのさぁ」

 

 そう嘯くリゼヴィムは、聖杯を器用に魔力で浮かべながら、指を一本立てる。

 

「そのきっかけは今からちょっと前。俺達の世界において、「多分あるけど実証できない」って存在が()()()()()出来事があった

 

 そう告げるリゼヴィムは、明らかに嬉しそうな表情だった。

 

「実証として出てきたのは、神様の使い。だがそのオーラは間違いないことに、北欧神話でもギリシャ神話でも日本神話でもなく、もちろん聖書の神様でもない未確認の存在であることが証明された。そう、つまりは()()()()()()()()()()()わけなんだよ。これって専門家の間邪すっごい大発見なんだぜ? 自覚あった?」

 

 そう言いながら、リゼヴィムの視線はイッセーに向けられる。

 

 この流れ、イッセーが異世界の実証に一役買った………あ。

 

「おいまさか……!」

 

「……あの時の!?」

 

 先生と俺が目を見開いてイッセーの方を向いて、イッセーはさっぱり分かってないのか首を傾げる。

 

 だがその答えに、リーネスもまた辿り着いていた。

 

「ロキとの戦いに出てきたとかいう、乳神の使い……っ」

 

 その言葉に、残りのメンバーが一気に悟る。

 

 そう、ロキと戦うことになった時、突如としてイッセーに接触して支援した、乳神とかいう謎の存在。

 

 八百万に出てくる多産とかそういう神様ではなく、文字通りおっぱいを司るとかいう訳の分からない存在。しかも性欲を持っていると振るえないミョルニルを、レプリカとはいえイッセーが使えるようにしたとんでもない奴。

 

 確かに、言われてみれば凄いことではあるんだよ。

 

「ユーグリッドきゅんからそれを伝えられ、更にミザリ達が独自にヴァレリーに宿った聖杯とか色々伝えてきてくれてねぇ。それを知った俺に、夢が宿ったんだ」

 

 夢だと?

 

 おい、流れから言って嫌な予感しかしないぞ。

 

 何より、リゼヴィムの悪意ある笑顔がそれを確信に近づける。

 

「はっきり言うぜ? 俺ってば、異世界侵略したいんでございます!

 

「はぁ!?」

 

 思わず俺が声を上げるが、当然だろう。

 

 異世界があるから侵略したいとか、どういう理屈だ。

 

 いや、新大陸が発覚した時にもヨーロッパでは侵略活動は行われていた。植民地が大量に解放されたのも、結構時代としては浅い時期だ。

 

 大昔から生きているような奴なら、そういう感覚を持ってもおかしくは、ない。

 

「いやもぅほんとにやってみたい! 邪龍軍団を引き連れて異世界を蹂躙してみたい! そんでもって異世界に俺達の名が知られるとか、すっごいワクワクするロマンだぜ!」

 

 そんな質の悪いことを言いながら、何故かリゼヴィムは急にテンションを落とした。

 

「だがそれはまず無理。理由は簡単で、この世界最強の存在が次元の狭間を牛耳ってるから出ていこうにも行けないんだよ」

 

「……そういうことか。お前、グレートレッドを!!」

 

 リゼヴィムの言い草に何かを気づいた先生が激高する。

 

 そしてリゼヴィムは、更にニヤリと笑う。

 

「正解です! 俺達の目的は異世界侵略で、その為の手段としてグレートレッドを滅ぼしちゃったりしたいのです!

 

 いろんな意味でやばすぎる。

 

 禍の団だってグレートレッドの撃破には二の足を踏んでいた。世界に悪影響が齎されると、三大勢力や神話の専門家も踏んでいた。だからこそ、オーフィスの目的としてグレートレッド抹殺は掲げられていたが、結局禍の団はその為の積極的な行動をしなかった。

 

 そしてオーフィスも、今のところは対グレートレッドを意識していない。イッセーと結んだ友情と、駒王町での生活が気に入っているようだからだろう。

 

 それなのに、この期に及んでグレートレッド抹殺計画だと!?

 

「ちなみに、今の禍の団では割と好評だったりするんだよ。冥革連合にもOKしてくれてるし、むしろ積極的に研究が進められちゃっております!」

 

「何考えてんのかなあいつら!?」

 

 ヒツギがそう絶叫するけど、本当だよ。

 

 色々あれだけど、冥界発展を考えて行動しているのにグレートレッド抹殺とかやめろ。本当に何を考えてるんだよ。

 

 いや待て。そもそもできるのか?

 

「どうするつもりですの!? は、まさか超越者というだけあって、何か超越しちゃってますのね!!」

 

 ヒマリがそう大声を上げるが、リゼヴィムはわざとらしくしょんぼりする。

 

「いや、俺は超越しちゃってるけどそっち方面じゃないから無理無理。かといってサマエル奪おうとすると、ハーデス爺さんがマジギレしそうだし、そもそもこっちの邪龍軍団が全滅しそうだし?」

 

 そこまで言ってから、リゼヴィムは指をぴんと立てる。

 

「だがしかし、そこに抜かりはありません! ヴァレリー君の聖杯と、ある協力者によって俺達は()()()()()()をマジで見つけちゃったのです!

 

 つ、対を成す存在?

 

 二天龍みたいにグレートレッドにも、真なる白龍神皇とかがいたってのか?

 

 俺達が戸惑っていると、先生が目を見開いて顔色を変えていた。

 

「まさか、黙示録の一説を……獣の方を見つけたってのか!?」

 

「大正解でございます! 分かるの早い人がいるとテンポがいいぜ!」

 

 両手の指で先生を差しながら、リゼヴィムはわざとらしくはしゃぐ。

 

 そして俺達の前で、更なる宣言をかましやがった。

 

「異世界とは別の意味でいるだろうけど分からない存在。黙示録に記されし獣。黙示録の凶獣(アポカリュティック・ビースト)、トライヘキサを見つけちゃったのでぇ……ございます!」

 

 ふざけるな!?

 

 黙示録の獣って、黙示録の赤い龍であるグレートレッドと同格だろうってどこかで聞いたことあるぞ!?

 

 カズヒねぇ達教会側なんて顔色が真っ青どころか白くなり始めてるし。悪魔側も堕天使側もやばいよこの状態。

 

 あ、イッセーだけさっぱり分かってない顔だ。首までしっかり傾げてる。

 

「黙示録にグレートレッドと同じく記されている存在。それを司る数字として、666が記されている獣です。666が不吉な数字だというのはご存じですよね?」

 

「あ、あれそういうことか!」

 

 ルーシア解説ありがとう。

 

 っていうかリゼヴィム。なんでお前が嬉しそうにうんうん頷いているんだよ。

 

「うんうん。解説会に必要なのは、理解が早いアザゼル叔父さんみたいなタイプ。そして君のように説明されるわかってないタイプだねぇ、赤龍帝くん」

 

 ある意味正論だからムカつく。

 

「ただ残念なことに、見つけたトライヘキサはやばいぐらい厳重に封印されてたんだよ。誰が俺達より先に見つけて封印してたかっていうと、なんと聖書の神様だ」

 

 更にとんでもない情報がぶっ困れすぎだろ。

 

 神器という神の残滓すら宿す代物を創り出しただけでもやばいだろうに。更に龍神に匹敵するだろう化け物を真っ先に発見して、人知れず封じただと? どんだけだよ。

 

 俺達がついていけてないでいると、リゼヴィムはドン引きと関心が混ざった表情で遠くを見ていた。

 

「いや、それも下手な神様じゃ一つ使っただけで死んじゃいそうな禁呪を何十レベルで使って封印しててねぇ? 下手すると封印したの、俺の親父達と戦って相打ちになる直前かもしれないんだよ。それだけやって弱りまくったうえで漸く親父達と相打ちとか、どんだけだろうねぇ?」

 

 更にとんでもない情報をぶっこむな。

 

 いや、これ以上考えているとこっちの頭が痛くなる。話を前に進めよう。

 

 とにかく、奴は異世界を侵略する為にグレートレッドを打倒する為にトライヘキサの封印を解除したい。ややこしいがそういうことだ。

 

 賭けてもいい、状況は十分以上にやばすぎる……っ!

 

「ちなみに聖十字架の使い手にも協力を貰っており、封印解除はだいぶ進んでます!」

 

 しかも封印解除は進んでいるのかよ!?

 

 おいおい冗談だろ。ふざけるな……っ

 

 控えめに言って、世界崩壊の危機とかそういうレベルだろうが!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 なんていう、悍ましい考えと計画なんだ。

 

 リゼヴィム・リヴァン・ルシファーの目論見は、異常というほかない。

 

 異世界の存在を知ったから侵略したい。その邪魔になるからグレートレッドを滅ぼしたい。その為に必要だから、封印された黙示録の獣を解き放ちたい。

 

 寒気がするほどのその考えに、僕達は戦慄を誰もが覚えているだろう。

 

「ふざけんじゃねえ! そんな下らねえことの為に、いろんな人達に迷惑をかけるんじゃねえ!」

 

 イッセー君が激高して、拳を突き付けるのもよく分かる。

 

 それほどまでに、質が悪いというほかない。

 

 だがリゼヴィムは、むしろ不満げにイッセー君を見る。

 

「そこまで言うかー? 自分で言うのもなんだけどさ? これって俺が生まれた初めて持った願望って言ってもいいんだぜ~?」

 

 そう言い返すリゼヴィムは、どこか虚無を感じさせる表情を浮かべていた。

 

「ぶっちゃけ、今までの俺は生きてちゃいねえ。ただ考えることができるだけのものだったのさ。夢も野望も理想もないし、そもそも生きてるってなんだとか悪魔ってなんだとかって、そんな下らねえことばっかり考えてワイン飲んでただけなんだよ」

 

 心底から嫌そうにそういう彼は、ふと僕達元人間や人間のメンバーを羨ましそうに見ていた。

 

「そういう意味じゃ、人間ってのは凄いと思うぜ? 短い人生で次々野望とか夢とか理想が生まれるんだろ? 生物学的な違いってのを踏まえても、凄いことじゃね?」

 

 師匠が似たようなことを言っていたの思い出す。

 

 人間から悪魔に転生した者は、早い段階で夢を叶えてしまい燃え尽きるように虚無的な人生を送ってしまうことがあるらしい。

 

 むしろリゼヴィムの場合は更に酷いんだろう。元から持ってないみたいだしね。

 

「そんな俺にとっちゃぁこれはマジで人生懸ける理由なんだよ。異世界に悪意ばらまいて大暴れとか、めちゃくちゃ胸がときめいてるんだよねぇ!」

 

「ふざけやがって! 今まで戦ってきた連中でも、一番ろくでもねえな、おい!!」

 

 イッセー君が激怒するのも当然だ。僕達も敵意があふれ出てくる。

 

 そんな僕達に視線に、リゼヴィムは嫌そうな表情をする。

 

「……正義の目だねー、ろくでもねぇ。教会の連中とかはともかく、仮にも悪魔になった奴がしていい目じゃねえだろ」

 

 蔑むように向ける視線は、本心から嫌そうな本気の目だ。

 

「俺達は悪魔だ。悪魔ってのは、邪悪で悪辣で悪質であるべきだろ。悪徳ってもんを体現しようとか思わねえのか、おい?」

 

「興味がねえよ。少なくとも、お前みたいなろくでもねえ奴になる気はねえ!」

 

 何時でも殴り掛かれる体制になりながら、イッセー君はリゼヴィムの言い分を切り捨てる。

 

 それに対して、リゼヴィムも手を上に向けると不敵な笑みを浮かべてきた。

 

「そういうことなら仕方がねえ。中二病をいい年になってこじらせたダメ親父でいいなら、相手すんぜ?」

 

「上等だ……っ」

 

 その長髪に、イッセー君は渾身のドラゴンショットを放つ体制に入る。

 

 かなりの魔力が込められている。直撃すれば、最上級あくまでも相応のダメージが入るだろう。

 

 それに対し、リゼヴィムは一切構えをとらずにノーガード。

 

 いくら超越者とはいえ、そこまでの余裕を二天龍に向けれるとは―

 

「待てイッセー! そいつには―」

 

 ―その先生の声と共に、イッセー君のドラゴンショットが放たれ……掻き消えた。

 

 僕達はきょとんとするが、僕達側に二人ほど平然としているものがいる。

 

 ヴァーリ・ルシファーとアザゼル先生。二人はむしろ納得の表情だった。

 

 イッセー君がドラゴンショットを放った手とリゼヴィムを何度も見直して言ると、先生が首を横に振る。

 

「よく聞けお前ら。リゼヴィム・リヴァン・ルシファーの超越者たる特性は、神器無効化能力《セイクリッド・ギア・キャンセラー》。神器及び神器で高まった力全てが、あいつには効果を成さねえんだ」

 

 なんだって?

 

 まずい。イッセー君の神滅具はもちろんのこと、僕達はかなりの人数が神器保有者だ。

 

 この状況では、戦力は数割減と言っても過言ではない。

 

「そういうこと。ま、その所為で聖杯にもあんまり触れれないし? サーゼクス君も神器保有者以外で眷属を固めるぐらい対策しちゃってるんだけどねぇ」

 

 そう言いながら、リゼヴィムは聖杯を異空間に格納する。

 

 ただある意味で納得だ。ヴァーリがうかつに手を出さないわけだし、サーゼクス様の眷属に神器保有者がいないわけだろう。

 

 憎悪に燃えるヴァーリ・ルシファーが何故か手を出してこないのも、サーゼクス様の眷属に神器保有者が一人としていないもの、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーのこの力があるなら納得できる。

 

 これが第三の超越者。ここまで厄介とは!

 

「なら神器以外で仕掛ければいいのだろう」

 

「確かに正論!」

 

 ゼノヴィアが勢いよくデュランダルから聖なるオーラを放つ。

 

 同時に九成君もショットライザーを構えて、別の方向から射撃をしかける。

 

 だがゼノヴィアの一撃は割って入ったリリスが吹き飛ばし、ショットライザーの射撃はリゼヴィムは指先で弾き飛ばす。

 

 リリスはもう一つのオーフィスだから納得だけど、あの射撃を指一本でとは。

 

「残念? 護衛のリリスちゃんも凄いしぃ? 俺も一応超越者の看板背負ってるだけの性能はあるんだよん?」

 

 これが超越者。ここまでの物か……っ

 

 僕が戦慄していると、リゼヴィムは素早い動きであらぬ方向に蹴りを叩き込む。

 

 その衝撃で何かが俺、そして数舜遅れて着地した影があった。

 

「さっすがアサシンのサーヴァント。でも神滅具ゼロじゃぁ、俺には通用しないぜぇ? 残念でーした♪」

 

「……やはり、そう上手くはいきませんか」

 

 シャルロットも動いていたのか。

 

 アサシンのクラススキルを使って仕掛けたけど、それすら察知されたのか。

 

 やはり、超越者の名は伊達ではないか。

 

 僕達がその実力に手を出しあぐねていると、リゼヴィムは明らかに楽しそうにしながら僕達を見渡した。

 

「あと、それはそれとして見せたいものがあるのよ」

 

 そう言ってリゼヴィムは指を鳴らし、祭儀場に立体映像が出現する。

 

 どこだ? 一見するとツェペシュの城下町に近い雰囲気だけど。

 

「……カーミラの城下町?」

 

 カズヒがそう口にすると、リゼヴィムはぱちぱちと拍手をする。

 

「大正解! そしてこれから俺が指を鳴らすと、素敵なライブがあそこで始まりま~す」

 

 そういいながらリゼヴィムは指を鳴らす。

 

 ……数秒ほど経つが何も起こらず―

 

「……が?」

 

 ―その時、倒れ伏していたマリウスが痙攣した

 

 なんだ? このタイミングで一体何が?

 

「おっと忘れてた。ツェペシュでも起きるんだよ」

 

 そう言うリゼヴィムが愉快そうにするなか、マリウスは文字通り体が変貌する。

 

 骨格も体格も無視して膨れ上がり、マリウスはどんどん黒いドラゴンに姿が変わっていく

 

 そして気づけば、カーミラの城下町にも似たようなドラゴンが飛び上がり出現している。

 

 それも言ったいや二体ではない、数十を超え百すら超えて言っているドラゴンが、炎を吐いて町を破壊していく。

 

 これはいったい、どういうことだ!?

 

「リゼヴィム、てめえ何しやがった!」

 

 先生がリゼヴィムを問い詰めると、リゼヴィムは指を一本立てる。

 

「カーミラにもツェペシュみたいに弱点のない吸血鬼になりたいってやつはいてね? 情報を流すことと引き換えに強化してあげたんだよ……特典付きでな!」

 

 特典、だって?

 

「……まさか、それがこれだというのか!」

 

「その通り! 俺が指を鳴らすと量産型の邪龍に変貌するGとかCとかのウイルスみたいな案件なのでっす!」

 

 リゼヴィムはアザゼル先生にそう告げるが、なんてことだ。

 

 それは、つまり……っ

 

「ふっふっふ。伝統と血を重んじる吸血鬼君達の成れの果てが大暴れ! 吸血鬼の起こした問題は吸血鬼がするとかいうのがスタンスみたいなんで、吸血鬼を滅ぼすのも吸血鬼にしてみました! ……元だけどな!!」

 

 まずい。カーミラの吸血鬼は、クーデターを起こしたツェペシュの方にだいぶ割り振っているはず。

 

 しかもツェペシュの方には強化された吸血鬼が大量にいる。

 

 その懸念に、振動が応えるように発生する。

 

 やはり、既にツェペシュの強化吸血鬼達も……っ!

 

 僕達が怒りに震えていると、リゼヴィムは指を鳴らした。

 

「じゃ、映像より生で見に行くとすっか!」

 

 そして魔方陣が展開され、僕達を包み込んで強烈な光を放ちはじめた―。

 




 ……いやホント、あのトンチキな乳神来訪からよくこの流れにつなげられたとほめたくなるレベルです。素直に感心します。

 そしてマリウスは哀れ退場。まぁこいつが持っている一番大事な情報はこいつの死後に発覚するし、生かしておいても余計なヘイトを生むだけだから仕方がない。
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