好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 今回かなり長くなります!

 感想・高評価・創作掲示板での紹介は常時欲してます!


明星双臨編 第四十四話 決着、ツェペシュの激闘!

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よっしゃぁ! だいぶ有利になってきたっていうか、形勢はひっくり返せたぜ!

 

 なんかよく分からないけど、だいぶ前に手に入れた白龍皇の力が進化したよ。

 

 前は右の籠手を変化させて半減を使うという物だった。それも成功するかどうかはイマイチで、使うと寿命が削れるレベルの負荷がかかる。だから使いどころがあまりなくて、しかも色々あったから使用禁止だった。

 

 だけど今は違う。

 

 鎧の宝玉から現れる白い飛龍。いくつも現れるそれは半減を使うだけでなく、アルビオンの封じられた「反射」の力で俺の攻撃に変幻自在な特性を与えてくれる。更に負担も体力が減るだけになりました!

 

 これならシャルロットがいなくても何とかなる。少なくとも、ユーグリッドにだいぶ通用した。

 

「フハハハハ! まさかおっぱいに悩んでないことでキレたら進化するとはな! 乳房無しに進化を遂げるとは、新たな領域に至ったようではないか!」

 

 そう言いながら幸香は幸香で、星辰光で作った爆弾の獣達で邪龍達をぶちのめしまくっている。

 

 最も聖なる加護を受けている所為で中々減らないけど、滅多打ちになっているから邪龍達もろくに暴れられてない。

 

 人造惑星スゲー! 俺も負けてられないぜ!

 

 いや、負けるわけがない。

 

 なにせ今の俺も星辰光を発動している。因果律を上手く調整してバグらせることで、ドラゴンショットの反射にランダム要素を入れてユーグリッドを翻弄してやるぜ!

 

「なるほど。流石に本物は油断できません……が」

 

 その瞬間、ユーグリッドは絶大なオーラを放出して強引に飛龍とドラゴンショットを吹っ飛ばした。

 

 なるほどな! そりゃグレイフィアさんの弟で、リゼヴィムのお付きをやってるんだ。

 

 最低でも生身で最上級悪魔クラス。こっからが本番か。

 

 ふっふっふ。星辰光を使っているおかげで、体力の消耗は最小限で収まっている。体力の消費が一番少ない可能性を連続で拾ってるぜ。

 

 色々と不安定な現状だけど、それでも最良や事前の結果をシャルロットの力を再現して抑え込んでいるからな。今の俺は継続戦闘能力がかなり高いのさ。ありがとうシャルロット!

 

 だからまだまだ戦える。

 

 そう思った時、ツェペシュの城下町が急に闇に包まれた。

 

 炎が止まり、そして喰われる。

 

 これはまさか―

 

「ギャスパーか!」

 

『そうだよ。ちょっと寝てる間に色々とあったみたいだね、イッセー先輩』

 

 其処に闇の獣となったギャスパーが姿を見せてくれる。

 

「ほぉ? 中々愉快なことになっておるようじゃの。それがゲオルグを圧倒したとかいう力なのか?」

 

後継覇王(アレキサンダー)か。今は味方でいいみたいだし、君達は喰らわないで上げるよ』

 

 そう幸香に返しながら、ギャスパーは闇の力で邪龍達を攻撃する。

 

 停止の力を聖なる加護で防ごうとする邪龍達だけど、少しずつ確実に倒されて行っている。

 

 よし、これなら何とかなるか!

 

「うっひゃひゃひゃ! ユーグリット!」

 

『やっほー! ユーグリット君そこにいたんだ?』

 

 其処にリリスを抱えたリゼヴィムと、ステラフレームを一体随伴させたモデルバレットが合流した。

 

「リゼヴィム、逃げるなぁ!」

 

「イッセーにギャスパー? 幸香まで!?」

 

 其処にヴァーリとカズヒが追いかけてきて、俺達はリゼヴィム達と睨み合う。

 

 リゼヴィムはユーグリッドと少し話したかと思うと、ユーグリッドに転移魔法陣を展開させながらこっちに振り替えるとにやにや笑う。

 

「んじゃ、俺達はそろそろお暇させてもらうわー。ミザリが遺したあの巨大騎士は、壊れない限り残り続けるから頑張って壊してねー?」

 

 余計なお土産残してるんじゃねえ!

 

 こっちにムカつくことを言っておいてから、リゼヴィムは更に不敵な表情を浮かべてくる。

 

「最後に一つプレゼントだ。―――俺達の組織の名は、クリフォト。セフィロトの木って奴の逆向きみたいなやつでな。セフィロトってついてる神滅具の聖杯を悪用するからって感じでつけてみたんだ。……今後もバリバリテロりながら、トライヘキサの封印を解除して、グレートレッドをぶっ殺して見せるんでよろしくねー!」

 

 ああそうかい。

 

 だけど逃がすわけねえだろうが!

 

「逃がすと思うか、リゼヴィム!」

 

「てめえもだ、ユーグリッド!」

 

『ヴァレリーの聖杯を返せ!』

 

「貴様の首は逃せんなぁ!」

 

 ヴァーリを皮切りに俺やギャスパーがオーラを放ち、更に幸香も花弁を展開してリゼヴィムを狙う。

 

 だがリゼヴィムが軽く魔力を撒き散らしただけで、触れたその攻撃は霧散していった。

 

 くそ! 神器無効化能力があれば、あの程度の魔力で神滅具の力が無効化されるのか。

 

 今の魔力、下級悪魔クラス止まりだぞ。本気の神滅具の攻撃なんて、四つも集まれば魔王クラスは行くだろうに。

 

「残念でーす! それが神器を経由している以上、俺には通用しないんだよね~♪」

 

「……そう。ならこうしましょう」

 

 リゼヴィムの馬鹿にした声に合わせるように、カズヒが俺にプログライズキーを投げて渡す。

 

「イッセー譲渡してパスハリーッ!!」

 

「お、おう!」

 

 俺は咄嗟にプログライズキーに譲渡すると、それをカズヒに投げて渡す。

 

 そしてカズヒは受け取るなり飛び上がって、アタッシュナイダーにプログライズキーを装填すると一度開閉した。

 

『フルチャージ』

 

 そのまま飛び上がって仕掛けるカズヒに。リゼヴィムは微笑みすら浮かべながら堂々と手を開き。

 

『ダイナマイティングカバンシュナイデン!』

 

「それでも神器じゃ無理なんだ―」

 

 ああ、当たりそうだけどやっぱり無理なのか―

 

「知っているから使わないわよ」

 

『ハウリングカバンショット!』

 

 ―と思った瞬間、抜き放ったアタッシュショットガンでリゼヴィムの股間に接射した。

 

 余波で破裂するアタッシュショットガンと、真顔になって沈黙するリゼヴィム

 

 俺もギャスパーもヴァーリも、寒気を感じたとお互いに共感できた。

 

「……え、リゼヴィムさ―」

 

「そしてこっちはあんた用よ」

 

 そして同じく硬直したユーグリッドに、大振りで空ぶったと思ったアタッシュナイダーが振るわれる。

 

 当たるかと思ったけど、咄嗟にモデルバレットがリゼヴィムごとユーグリッドを引っ張り込んでそれを回避させた。

 

『あんたって、ホント怖いわね』

 

「お互い様と言っておこうかしら」

 

 そのままモデルバレットの蹴りを何とかガードしながら、カズヒはその勢いで距離をとって、建物の屋根に着地する。

 

『ちょ、お義父さん大丈夫?』

 

「ふ、ふふふ……っ。流石ミザリの昔の実妹、容赦ないぜぇ……っ」

 

 リゼヴィムはプルプル震えているけど、割と耐えれているみたいだ。

 

 あれ喰らってあの程度で済むのかよ。これが、魔王すら超えて悪魔と言っていいかも分からないとされる、超越者の力なのか。戦慄するぜ……っ。

 

 超越者は股間すら超越してるのか。なんて奴だ。

 

「戦慄するところが間違っておる気がするのぉ?」

 

「その辺にしてあげて。男は特にそこを気にするのよ」

 

 其処の親子! 女には分からないだろ、これはそれだけのことなんだよ!

 

 そのまま我に返ったユーグリッドともう一体のステラフレームが転移魔法陣を完成させて、あいつらは転移の光に包み込まれる。

 

「させると思っておるのか!」

 

 我に返った幸香が、今度は星辰光の爆弾魔獣を使って攻撃する。

 

 おかげで邪龍達の攻撃が活発化するけど、これでリゼヴィムがどうにかできるなら価値はある。

 

 だけど、その猛攻もリリスがオーラを放って吹き飛ばした。

 

 半分こになったオーフィスなだけあって、幸香の本気でもダメってことかよ。

 

「……じゃ、バイビー……。あと、悪祓銀弾(シルバーレット)ちゃんは後で泣かすんでよろしくね……?」

 

「安心しなさい。次は切り落としてあげるわ」

 

 中指立てたカズヒの返答を訊きながら、リゼヴィム達はそのまま転移していった。

 

 ……逃げられたか。

 

「グレートレッドを倒す? 俺と同じ夢を、あいつが……? ……いや、俺とアイツは違う、違う……違うんだ……っ」

 

 とても悔しそうなヴァーリが見えるけど、今はそれどころじゃない。

 

「ギャスパー。その力はいつまで使える?」

 

『十数分ぐらいは行けるだろうね。ただ、今のままだと膠着状態に近いかな』

 

 カズヒに尋ねられて、ギャスパーはそう答えながら闇の獣をどんどん出していく。

 

 ギャスパーは十分は持つのか。

 

 なら、俺達が何とか邪龍達を倒せば事態は収まるな。

 

「赤龍帝。あの飛竜は使えるのか? 妾はまだまだいけるがのぉ」

 

『安心しろ。こっちも十分ぐらいは持たせて見せるさ』

 

 幸香の質問にドライグが応えてくれるけど、ならまだまだやれますよ。

 

 これ以上、あいつらの好き勝手な理由でここに住んでいる一般市民まで傷つけさせてたまるかよ。

 

「カズヒはみんなの援護を頼む! お前、広域殲滅は苦手だろ?」

 

「そうね。ならシェルターの方に向かっておきましょう。誠にぃだとピンポイントで手駒を差し向けそうだもの」

 

 すぐに俺に頷いてくれるけど、それでいいのか?

 

 ……いや、確かにミザリを警戒するとそこは重要だけど。そういうこと聞いてるんじゃないんだよなぁ。

 

「九成やインガさんの方に行かなくていいのか?」

 

 二人のことも気になると思うんだけど。

 

 だけど、カズヒは不敵な笑みを浮かべて首を横に振った。

 

「大丈夫よ。私も空気は読めるもの」

 

 そう答えると、カズヒは微笑みを向けながらある方向を向いた。

 

「示してみなさい、インガ。貴女が和地に胸を張れるということを!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天衛せよ、我が守護星―――鋼の笑顔(誓い)で涙を変えろ」

 

 一歩を踏み込む枉法インガは、九成和地から託された細剣を持って突貫する。

 

「獣になりて檻へと連れられ、更に悪意に拾われる。愚かな少女の人生は、一冊の本へとなり果てた」

 

 それは九成和地が託した、インガの為の星魔剣。彼女を魔星の頂に高める、この戦いの趨勢を決める切り札の一つ。

 

 枉法インガは転生悪魔ではあるが、同時に異能としての素質は星辰奏者としての物に限定されている。

 

 人造惑星に星のみで対抗するなら、必然的に魔星の頂に届く必要がある。それはインガ自身を魔星にすることで、条件はクリアされたのだ。

 

「其処は超常の書庫なれば、余人が辿り着くことはなし。戯れに人に貸し出されようと、買い取られるなど夢のまた夢。人知を超える宿命は、まるで地球(ほし)よりかけ離れた暗き宇宙の片隅のようで、少女は諦観と絶望に凍り付く」

 

 だからこそ、今の彼女の圧縮大気は、呪いを一切受け付けない。

 

 密度が大幅に上がった、高い収束性により、枉法インガは呪怨を一切受けずに突貫する。

 

「―されど愛しき救い手は、星々の彼方に踏み入れる」

 

 そう。その事実こそ、インガに死地に挑む勇気を与えてくれた。

 

 だからこそ、諦観と悲嘆に沈む詠唱は、ここからが本番なのだ。

 

「幼き笑顔は消して変わらず、されど旧神の石が如く固く優しい光を胸に、私の鎖を砕き切る。過去を忘れず未来を目指す救済者は、我が涙の意味を変え、凍てつく体を温かい地球(ほし)へと連れ戻したのだ」

 

 モデルダストの猛攻を、繊細かつ機敏な動作で回避し、細剣と短剣を持っていなしていく。

 

 高密度の圧縮気流が補佐となり、細身の剣や短剣という代物で、最上級悪魔すら苦戦する猛攻に対処する。

 

「その救済に報いたい。彼を導き共にある悪を祓う銀弾のようにはなれなくても。愛しき思いは黄金に届くことが無かろうととも。銀のように光り続け翳らないでほしいと、心の底から願うのだ」

 

 そしてそんな一歩間違えた瞬間に散り果てる戦闘に、彼女は決意を持って向き合える。

 

 諦観ゆえに死すら無感動になっていた、かつての戦いを遥かに超える動きで、インガは戦闘を繰り広げる。

 

 それは強い意志で何かを成そうとする者が振える力。

 

 意志の力を必要としない魔星の星に、圧倒的弱者たる枉法インガは、意志の力を必須とする戦い方で食らいつく。

 

「故に我、主失われし図書館の主となり果てよう」

 

 決意を持って。

 

 覚悟を持って。

 

 そして強い願いを持って。

 

「刃は此処に、決意は胸に、そして笑顔は我が心に。黄衣を纏いし支配者が、悪しきに対して牙をむかん」

 

 圧縮大気制御能力を持つ、少女でもある淑女は此処に、自分がなりかねなかった闇と相対する。

 

 全ては、涙換救済(タイタス・クロウ)に応える為に。

 

超新星(メタルノヴァ)――救済の手を取る乙女よ(ハストゥール)()黄の衣を纏え(コンバート)!」

 

 黄衣銀妾(ハストゥール)は今ここに、魔の星を制する為に突貫する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

枉法インガ

 

 

救済の手を取る乙女よ(ハストゥール)()黄の衣を纏え(コンバート)(括弧内は人造惑星時)

基準値:B()

発動値:AA

収束性:D(B)

拡散性:E

操縦性:AA(AAA)

付属性:C(B)

維持性:B

干渉性:D

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔星の領域に到達した圧縮大気制御能力は、まさにステラフレームを縫い留める。

 

 そう、モデルダストを()()()()()ことには成功した。

 

 だが悲しいかな。ステラフレームは第一世代型人造惑星。それも戦闘特化型。

 

 自らの星に現地すれば食い下がれる領域には到達したが、決定打には届かない。

 

 戦闘特化型人造惑星相手では、インガの基本性能が届かない。更にステラフレームは共通の星辰光を使う星辰体運用兵器。この差はどうしても埋まらない。

 

『ああくそ……本当に妬ましい!』

 

 だからこそ、食い下がられていることにモデルダストは激高する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―モデルダストの素体となったのは、佐備羅美華(さび らみか)という。

 

 綺羅星という文字に妙な感銘を受けた両親が、綺羅星という言葉で感じそうな印象の漢字をあてたDQNネーム。そのストレスが、結果的にはけ口となる性交に溺れる一助となり、そんな親の元に生まれたからか、家族関係は事件後一気に破綻した。

 

 一年も経たずに自殺を考えた。一人で死ぬのは怖いからと、自殺目的のインターネットサイトを探した。そこですべてを吐き出して、そのまま死んでしまおうと思っていた。

 

 だが同時に、羅美華は周囲全てが妬ましかった。

 

 自分を助けない周囲が憎い。

 

 自分より幸運な奴らが妬ましい。

 

 そんな八つ当たりじみた嫉妬を無自覚に押し殺し、彼女は死ぬことを選んでいたが……故に悪魔に見い出される。

 

「君のような子に手を差し伸べたい。君が恨みを思う存分晴らすことが、僕にとって益になるからね」

 

 そう告げた、サイトの管理者でもある悪鬼明星に見い出されることで、彼女は魔星として生まれ変わった。

 

 とにかく周囲の自分がムカつく連中を苦しめたい。その煮詰まった衝動を軸に作り変えられたモデルダストに、躊躇や良心というブレーキは通用しない。

 

 だからこそ、自分と同じ目に遭いながら幸せになる、枉法インガは許さない。

 

 その憎悪をもって、モデルダストは拳を握り締め―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『殺す殺す殺す殺す殺すぅ!! なんであんたは私と同じ目に遭ってるのに、あんたは幸せそうなのよぉおおおおおおおっ!!』

 

 その激情と共に、呪怨の出力は更に跳ね上がる。

 

 圧倒的な出力の力押しによる圧殺。乱暴かつ大雑把だが、それができるならそもそも小手先など必要ない。

 

 故にこそ、小細工を必須とするインガは呑まれるほかなく―

 

「……そうだね。私は本当に幸運だよ」

 

 ―それを受け止めたうえで、インガは呪怨を切り裂いた。

 

 あり得ない。そうモデルダストが感じる中、インガは一歩を踏み出す。

 

「だからこそ、この幸運を無駄にしたくない。引っ張り上げてくれた和地君や、そこに繋いでくれた皆の想いに恥じない自分でいたいから」

 

 そう、インガがここにいるのは、和地だけのおかげではない。

 

 彼を繋げ、支えてくれたリーネス達。

 

 彼と共にあり、そして並び立つイッセー達。

 

 そして、彼の原点であり共に歩む、カズヒ・シチャースチエ。

 

 そんな彼らと同じように、和地と共に痛いと願うからこそ。

 

 黄衣銀妾(ハストゥール)は、その手に握った力を振るう。

 

 その決意を目にし、モデルダストは漸く気付く。

 

 その手に握られた短剣は、ワイヤーのようなものを細剣に繋げていた。

 

 そして、短剣と細剣は共に銀の光を薄く纏っている。

 

 知っている。何故なら、ミザリの宿敵故に教えられているし、そもそもデータベースに登録されている。

 

 そう、その銀の光こそ、今この場における自分最大の天敵。

 

 遍く邪悪を怒り呪う、生死を問わぬ人の思念。その集まりによる邪悪を滅ぼす銀の瘴気。

 

『……悪祓銀弾(シルバーレット)ぉおおおおおおおっ!!!』

 

「そう。カズヒの祈りも、ここにある!」

 

 これこそが、リーネスが今後に備えて開発した、試作型人工神器。

 

 その名を銀隕の共剣(サテライト・クリス)

 

 能力は極めて単純、短剣を基点とする形で指定登録された範囲内にいる人物の星辰光を使用するという物。

 

 インガの星が持つ性質以上の性能は発揮できず、インガより低い性質は()()()()()再現出来ない。それゆえに性能は完全下位互換であり、とどめに短剣を基点として使用する為、劣悪レベルに扱いが難しい。

 

 安定性や使いやすさを重視する、神の子を見張る者の人工神器としては欠陥品。元々それであっても通常の神器を下回っている以上、この人工神器は使い勝手が致命的に悪い。しかも短剣を基点とする為、扱いは非常に限定的になる。対策として制御においてはインガの星を流用しているが、いうなれば星を制御するコントローラーを操作する為のマニピュレーターを別のコントローラーで操作するような、非常に使いづらい装備といえる。

 

 だがそれでも、インガの力を底上げするには十分すぎる。

 

 もとよりインガの星は、極まって高い操縦性特化型。それが星魔剣で更に極まっている以上、インガならこの人工神器を十全に使うことができる。

 

 そして、今の収束性とカズヒの星があるのなら。

 

「……ぁあああああああああっ!」

 

 答えなど、一つしかない。

 

 遍く邪悪は尽く、銀の光が撃ち抜き滅ぼす。

 

 今ここに、一つの邪悪が滅び去る。その真実が決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 インガ姉ちゃんはやったようだな。

 

 俺もモデルダストが展開したドローンが消えたことで、それを確信できた。

 

 既にザイアの連中も禍の団も撤退を始めており、残っているのは邪龍と巨大な騎士。

 

 そして邪龍殲滅における最大の障害は、巨大騎士が原因と見られる邪龍に対する加護だ。

 

 だからこそ、後は奴をぶちのめして終わらせる。

 

 だからこそ、俺はサルヴェイティングアサルトドッグに変身して、突撃を敢行する。

 

 あれさえ倒せば邪龍の強化は消える。そういう意味では的がデカくて倒しやすい。

 

 問題は、ああいうでかいのは馬力と頑丈さとかの桁もでかいのが基本ということだ。

 

 だが、いや、だからこそ!

 

「さっさと片付ける!!」

 

 全武装を投射しながら、俺は魔剣を創造して巨人に突貫する。

 

 それに気づいた巨人もまた、聖なるオーラを剣に変えてこちらを薙ぎ払うように振り下ろす。

 

 それを回避しようとしたその瞬間、それ以上の聖なるオーラが剣とぶつかって弾き飛ばす。

 

「行け、九成!」

 

 ゼノヴィアか!

 

 俺がそっちに意識をとられた瞬間、更に大量の光の槍が、横合いから巨人を牽制する。

 

「美味しいところを独り占めはよくねえなぁ!」

 

「アーメン! 聖遺物の悪用は認めないわ!」

 

 先生、イリナ!

 

 っと。頭部から絶大な聖なるオーラがほとばしっている。

 

 これは迎撃必須―

 

「構わず進んで頂戴!」

 

「その通りです!」

 

 ―と思ったが放たれる直前に朱乃さんの雷光とロスヴァイセさんの魔法攻撃がそれにぶつかって相殺する。

 

 しかしそれはフェイントだったのか、大量の邪龍がこっちに向かって殺到する。

 

 流石に一旦迎撃するか通ったが、そこに大量の聖剣を持った騎士達が割って入ってきた。

 

「進みなさい! こいつらは私達が」

 

「流石にグラムを乱用できなくてね。本命は任せたよ!」

 

 リアス部長に木場まで来てくれたのか!

 

「先輩! こっちは威力が低いんで囮が限界でさぁ!」

 

「決着はお任せします!」

 

 アニルにルーシアまで!

 

 これは尚更失敗できない……あ、やばい。

 

 なんか胸部から聖なるオーラが雨あられと降ってきた―

 

「―掴まってぇええええ!」

 

 その声に咄嗟に手を伸ばせば、その瞬間天高くに俺は引っ張り上げられた。

 

「……ヒツギか!」

 

「私もいますわよー!」

 

 振り返ってヒツギが実装したフライングファルコンレイダーを確認すれば、ラクシュミーに変身しているヒマリがこっちに手を振った。

 

 とはいえ敵も気づいているな、残っている邪龍も一旦こっちに集まってきている。

 

 さて、これはまだまだ時間がかかりそう―

 

「はーい親子三人仲いいタイミングに水を差さないでねぇ?」

 

 ―更にその瞬間、そんな声と共に大量の砲撃が邪龍達を牽制する。

 

 加えてこっちを殴り落とそうとした巨人の拳に、大量の氷塊と炎弾が叩き込まれた。

 

「カズ! そのまま突っ込め!」

 

「懲罰部隊は素直に裏方に回っとくわよ、和っち!」

 

 リヴァ先生やらベルナやら春っちまで!?

 

 え、三人とも来てるってことは―

 

「和地ぃいいい! ヒマリにヒツギも!」

 

 ―飛び掛かる形で、仮面ライダーファストに変身している鶴羽が抱き着いてきたぁ!

 

「無事でよかったぁああああ! プルガトリオ機関のヴィクター部隊と合流してたら、ツェペシュもカーミラも城下町がドラゴンに襲われてるっていうからもぉおおおおお!」

 

「心配かけて悪かった! でもとりあえず、今は敵を―」

 

 俺が宥めていると、手の武器や砲撃だと迎撃されると踏んだ巨人が、高く足を蹴り上げてくる。

 

 オイ待て迎撃間に合わないしこの位置だとヒツギ見えてな―

 

「……隙ありだぜええええ!」

 

 ―どちらさまぁあああああ!?

 

 見たことないおっさんが軸足に跳び蹴りで膝カックン!?

 

 気づいた俺達が全員面食らっていると、そこに推進力と跳躍力で飛び上がる仮面ライダーアイネスが。

 

「説明は後よぉ! 今は、とどめが最優先でしょぉ?」

 

「「「「あ、はい」」」」

 

 ええ、もうどっから突っ込んでいいか分からないけど、あの明確な隙は逃せない!

 

『WING!』

 

「じゃあ一気に接近するよ!」

 

『フライングボライド』

 

 ヒツギが超高速で巨人に迫り、敵を引き付けながら俺達を投げ飛ばす。

 

 そして、一瞬だが相手が見失った隙は逃がさない。

 

『ASSAULT SAVE!』

 

『FREE!』

 

『SHINING JUMP!』

 

『MAGIC JUMP!』

 

 これ以上、此処で悲劇は産ませやしない。

 

『マグネティックスターブラストフィーバー!』

 

『リベレイティングブラストフィーバー!』

 

『シャイニングレインラッシュ!』

 

『コーリングチェインスマッシュ!』

 

 四つの蹴りが巨人の胴体をぶち抜いて、この戦いの趨勢は今度こそ決定した。

 

 

 




 とりあえずツェペシュの戦闘は決着です。




 カズヒ、正面から嵌め手を使ってリゼヴィムに一発かましました。こういう時にこういうからめ手込みで正面からぶちのめすのがカズヒクォリティ。


 そして和地は和地で、総力戦によりミザリの禁手を撃破。大一番なので出せるだけ出しました! 少しは出番を出さないとね!




 そしてラスト、かなり初期から出てきながらも、なかなか詳細を明かせなかったインガの星辰光となります!








枉法インガ


救済の手を取る乙女よ(ハストゥール)()黄の衣を纏え(コンバート)(括弧内は人造惑星時)
基準値:B()
発動値:AA
収束性:D(B)
拡散性:E
操縦性:AA(AAA)
付属性:C(B)
維持性:B
干渉性:D


 今ここに、黄衣銀妾(ハストゥール)が降臨する。
 銀弾と並び立つ救済者を想い、乙女は己の鎖を振り払い、風の衣を身に纏う。

 枉法インガの星辰光。能力は圧縮大気制御。大気を圧縮することで多種多様な手札をとることができる応用技術を持つ星辰光。

 拡散性と干渉性が低いことから広範囲に影響を及ぼすことは難しいが、出力・操縦性・維持性がもれなく高水準ということから、強大かつ多種多様な力を長時間運用可能という、星辰光としては破格のポテンシャルを保有。防御においては高密度圧縮した大気を高速移動させての被膜とし、更にある程度の大気をエアバックのように使用する対物理防御が可能。圧縮した大気に指向性を与えた放出をあえて付属性を生かさず使うことで、自在な高速移動も可能。それらの応用で近接攻撃の強化も可能。反面収束性は低いため、突破力に欠け繊細な運用を必要とする。
 また総合的な性能バランスは操縦性に一点特化しているため、本領を発揮する場合は単純な鍛錬や戦闘経験以上に緻密な制御をどう組み合わせるかを考慮する研究が必要不可欠。細剣に大気流の流れを組み合わせた攻撃力強化など本質的にはまだ序の口であり、その領域を究めることができれば、魔星にすら牙を届かせる星辰奏者となりえる資質を持つ。

 ―――ゆえに、涙換救済と並び立つ、黄衣銀妾は文字通り、魔星を穿つ剣となる。

 銀弾と並び立つ救済者に、ついていきたいと思うから。乙女の一念岩をも通す。銀の光も借り受けた暴風従えし銀剣は、巨星すら穿つ刃と鍛え上げられた。

★詠唱

 天衛せよ、我が守護星―――鋼の笑顔(誓い)で涙を変えろ。

 獣になりて檻へと連れられ、さらに悪意に拾われる。愚かな少女の人生は、一冊の本へとなり果てた。
 其処は超常の書庫なれば、余人がたどり着くことはなし。戯れに人に貸し出されようと、買い取られるなど夢のまた夢。人知を超える宿命は、まるで地球(ほし)よりかけ離れた暗き宇宙の片隅のようで、少女は諦観と絶望に凍り付く。

 ―されど愛しき救い手は、星々の彼方に踏み入れる。
 幼き笑顔は消して変わらず、されど旧神の石が如く固く優しい光を胸に、私の鎖を砕き切る。過去を忘れず未来を目指す救済者は、我が涙の意味を変え、凍てつい体を温かい地球(ほし)へと連れ戻したのだ。
 その救済に報いたい。彼を導き共にある悪を祓う銀弾のようにはなれなくても。愛しき思いは黄金に届くことが無かろうととも。銀のように光り続け翳らないでほしいと、心の底から願うのだ。

 故に我、主失われし図書館の主となり果てよう。
 刃は此処に、決意は胸に、そして笑顔は我が心に。黄衣をまといし支配者が、悪しきに対して牙をむかん。

 超新星(メタルノヴァ)――救済の手を取る乙女よ(ハストゥール)()黄の衣を纏え(コンバート)


 ちなみに二つ名は本文かいている最中に即興で作成しました。


 とにかく操縦性一点特化型。そのため星辰奏者としては厄介ではあるのですが、しかし使い手がよほど鍛え上げなければそこ止まりになる星でもある。

 意識改革、魔星化、さらに強化装備があるからこそここまでパワーアップ。ついに魔星撃破という大戦果まで挙げるようになりました。いっそのこと、没にしたディオドラ魔星化を実行して落とし前を付けさせてもいい気がします。
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