好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
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和地Side
「よし、分かったなイッセー。D×Dのモットーは―」
「―おっぱいは正義!!」
とりあえず馬鹿なことになっているのは無視したうえで、大義名分は後に回しておくとしよう。
とはいえだ、万が一に備えた対テロ部隊ができたことは都合がいい。
こういう集まりが結成してメンバーになった以上、大事になった時にD×Dに属するメンバーは優先的に派遣されることになるだろうからな。俺達が窮地な時に何割かは来てくれることが確定でいいし、逆に彼らがピンチの時に俺達が出張ることになるのもいい。
「……しっかし、まさかあの乳神がきっかけでリゼヴィムがハッスルするとはなぁ」
「同感だな。確か、乳神とやらは自分達の世界で邪神達と争っているのだろう? 共に異世界に介入しているそうだが、まさか逆に侵略を受けるとは思ってもいないだろう」
俺の呟きにサイラオーグ氏がそう言うが、確かにそうだった。
まさかあのどこからツッコめばいいのか分からない訳の分からない状況下がこんなことに繋がるとは。世界って訳が分からないよなぁ。
と、俺がそんな感慨にふけっていると、先生がヴァーリの方を振り向いた。
「……ヴァーリ。分かってると思うが、リゼヴィム達に対する抑止力として、お前達にD×Dの参加を要請する。その事実と功績をもって、お前が禍の団に参加していたことに由来する不信感を払拭させるつもりだ」
……まぁ、此処にヴァーリチームがいるというのならそうなるわな。
正直に言えば、シーグヴァイラ・アガレスなど不満げな表情を浮かべている者も多い。
それを分かったうえで、先生もあえて言っているんだろう。
となると、組織の一員として話を進める提案をした方がいいか。
「でも先生、各勢力から反対意見が出てきてもおかしくないのでは?」
俺がそう言うと、先生は少し頷いてから軽く肩をすくめる。
「確かにそこは懸念だが、オーディンの爺さんが全て承知のうえでヴァーリを養子に迎えたいと言っててな。世間的に悪役イメージが積み重なってる
なるほど。その辺に抜かりはないと。
そういえばヴァーリのこと気に入っている感じだったな、オーディン神。
「……アルビオン。宿敵と組むことになりそうだが、構わないのか?」
ヴァーリは相方を気遣ったのかそう確認するが、つまり色よい返事が貰えそうだな。
正直もっと厳しい対応をしてもいいと思うんだが、まぁ相手が超越者と邪龍軍団じゃそうも言ってられないということか。
とはいえ、長年の宿敵と本格的に轡を並べるのはアルビオン的にどうなんだ?
『構わんさ。むしろ赤いのとこれからも話し合えるとは素晴らしいことじゃないか』
はい?
アルビオンの言い草に俺が目を丸くしていると、イッセーの左腕からドライグの気配が目覚める。
『まったくだ。白いのとかつての話をしていられるとはいい時代になったもんだ』
ドライグまでなんて機嫌がよさそうなんだ。
正直二天龍の関係性を知っている者達全員が、軽く驚き気味だったりしているな。
「ずいぶん、仲が良くなったな?」
ヴァーリも思わぬ展開に戸惑っているが、二天龍はむしろ上機嫌だ。
『当然だ。我らは対を成す二天龍であり、ともに乳と尻の苦しみを味わった者。同胞といがみ合ってどうするのだ』
『そう! 我らが組めば、乳だの尻だのは怖くない! 白いのとなら耐えられる、乗り越えられるのさ!』
ドライグもドライグでノリノリだな。
『『ねー!』』
ねーってなに!?
どんだけ意気投合してるの? っていうか性格が大きく変わっているぞ!
こ、これが乳と尻の苦しみを共に味わい、分かち合った者達の関係性だというのか。
「長年続いた二天龍の確執が、こんな形で収まるとはな」
サイラオーグ・バアルも地味に唖然としているし。
幼児退行や失語症を患い、封印された魂を癒すために試行錯誤で投薬までされた。その果てに、過去の確執を乗り越えて同胞とみなすようになったというのか。
とりあえず、言うべきことは一つだな。
「イッセー。お前マジで何やってんだ」
「俺のせいかよ!? ……ですよね! なんかゴメンね!!」
俺がつい言ってしまうと、イッセーもやけくそ気味だった。
まぁそれはそれとして、返答はいかに?
俺たちがその様子をうかがうと、ヴァーリは少し考えてから肩をすくめた。
「お互いに利益が出そうなときは協力しよう。後は独自にやらせてもらう」
「へいへい。素直じゃねえ合意だこと」
勝手知ったる先生がそう受け取ったのなら、まぁそういうことなんだろう。
なんか釈然としないものもあるが、まぁ戦力が増えるのは―
「異議あり。というか、異議ができたわ」
―うん、そこで終わらないよね。
たぶん何かしら言ってくると思ったよ、カズヒねぇは。
最悪、俺が体を張って止めよう。
俺はその辺の覚悟を決めながら、とりあえず様子を見ることにした。
アザゼルSide
おいおい。和地の奴、覚悟決めた目をして様子見に入りやがった。
最悪の事態になる前には止めるが、そうならない限り割って入らない方向だな。あいつもヴァーリチームのスタンスは受け付けないだろうから、まぁ仕方ねえのか。
ったく。絶対何かしら言うと思ってたが、寄りにもよってこのタイミングで言うか?
まとまりかけたタイミングじゃなくて最初の方で言ってくれよ。ここからとりなすの大変だろ。
俺はため息をつきたくなるのを我慢して、とりあえずカズヒに向き合った。
「……お前、今まで何も言わなかったから容認はしてくれると思ったんだがな」
イヤ、ホントそこだ。
カズヒだって状況はわかってるだろうし、戦力は多い方がいいともわかっているだろう。ガチのダーティジョブ担当だろうし、なおさらその辺はわかってるはずだ。
これはあれか? とりあえず反対意見を出して俺が説得させる形で納得させるとかか?
そうであってほしいと思いながら、俺は概要をまとめることにする。
「いいか? 北欧アースガルズ主神であるオーディンの爺さんが養子にする形で恩赦を引き出したうえで、史上最強の白龍皇になるっつーかすでになってるヴァーリ率いるヴァーリチームを戦力にする。もちろんうるさい奴もいるだろうが、成果を上げることでさらに恩赦を引き出せればいい。……ここで異議を立てれるだけの要素、さすがにお前も持ってないだろ?」
実際そうだと思ったんだが、カズヒは肩をすくめながら首を横に振った。
……あ、これマズい。
絶対何かしらの切り札がある。そういう顔だ。
と、とりあえず最悪の場合、プルガトリオ機関を経由する形でミカエルに出張ってもらおう。
さすがにミカエルやクロードから言えば、引くはずだし―
「悪いけど、それは白紙にできるわ」
―と思った瞬間、カズヒの奴は一枚の書状を見せつけた。
っていうかちょっと待て、その紋章とオーラって……っ!
「オーディンの爺さんからの委任状だとぉ!?」
俺は速攻で確認してから、勢いよくリヴァの方を見る。
「ごめんなさいね、総督。カズヒの言い分に私も一理あると思ったから、お父様に繋ぎを作ったわ」
マジか!? っていうかそういうことは言っとけよ!?
しかも文面を確認するとマジでやばい。
「……ヴァーリ・ルシファーを養子とすることによるヴァーリチームの減刑措置において、下記の条件を満たした場合、その判断を実子リヴァ・ヒルドールヴ及び将来の養子であるカズヒ・シチャースチエに一任する……っ」
あの爺、そういうことは伝えとけよ!?
しかも下記の条件は―
「……ヴァーリチームが己が罪人であることをわきまえ、それにふさわしい態度と感謝を、
俺はカズヒを見ると、カズヒは眉間にしわを寄せながらうなづいた。
「私としても、この馬鹿どもに後悔とか改心までは求めないわ」
そういったうえで、つづけてヴァーリたちに心底から嫌悪の表情を向けてきた。
「ただし、懲りて己を戒めることは絶対条件よ。寄りにもよって和平会談にテロリストを招き入れる形で裏切った挙句、その理由が強者と戦いたいとからいう愉快犯じみたものだもの。恩赦を受けるにしてもそれ相応の殊勝さは必須だわ」
「……別に、俺は協力なんて無くても構わないんだがね」
ヴァーリもヴァーリでそういうこと言うのやめろよな!?
完璧に一触即発になっちまったぞ、どうすんだこれ。
「それならなおさら反対ね。自分のやったことの
カズヒもカズヒでキレッキレなことを言ったと思ったら、なんか急に考え込んで軽く頭を下げてきたぞ。
ヴァーリですらなんでそうなったのか理解できない顔だ。っていうか、俺たちもさっぱりわからないんだが。
こいつなら意図を言うと思ったんで見守ると、カズヒは苦笑を浮かべていた。
「……ごめんなさい。そんなことを言われたら、本当に
……周囲の気温が十度ぐらい下がった気がした。
というか、ヴァーリチーム全体がピリピリしてきてるし、ヴァーリはキレる一歩手前だ。
「……おかしいな? 俺がリゼヴィムに挑まないと思っているのか?」
「繕わなくていいわよ。さすがにかわいそうだから、こんなことを言いふらしたりはしないもの」
カズヒの奴は動じることなく、むしろ半分ぐらい本気の表情でそんな風に返してきやがった。
おいおい、なんかこのままだとまずいんじゃないか―
「……大嫌いでも勝ち目なんてない。だったらせめて隙あらば潰すポーズを付けないと、薄っぺらいプライドなんて守れないものでしょう? 白龍皇なんて立場だと、どうしてもそういう体裁を気にせずにはいられないものね―」
―その瞬間、ヴァーリが抜き打ちで魔力弾を放った。
和地がとっさに障壁を張ろうとしたが、カズヒはむしろ踏み込むと、神器から取り出したアタッシュナイダーのアタッシュモードでそれを砕く。
おいおい勘弁してくれよ。このままだとマジで殺し合いになるぞ。
つってもうかつに介入すると、それこそが血で血を洗う大暴れになりかねねえ。ヴァーリの野郎がマジギレしたらシャレにならねえ。
「あの明けの明星の面汚しは、俺が殺したくてたまらない奴の筆頭だ。俺はもともと奴を殺すために力をつけてきたといってもいい。それを―」
「そういうことにしたいんでしょ? わかってるわよ」
カズヒの奴はさらにキレッキレで笑顔まで浮かべている。
おいおい、この期に及んでさらに挑発するってか。
もう挑発目的なのが見え見えで、カズヒはむしろ慈愛の表情まで浮かべてやがる。
まずいぞこれ。
こいつが悪意を持ってガチで動くとまずいのはよく知ってる。だがヴァーリチームはその辺について理解が足りてないだろうし、多分ここからが本番だって気づいてない。
最悪、俺が体を張らないとまずいんじゃねえか!?
もう寒気が止まらねぇんだが―
「リゼヴィムに比べれば貴方なんて豆電球だもの。勝ち目がないことを理解したうえで、勝てるというポーズをとらないと耐えられないメンタルの矛盾には同情するわよ」
―あ、これ不味い。
「………いいだろう。ここまで愚弄されておきながら、このまま帰ってはそれこそ沽券に関わる」
やばいレベルで殺意を出しながら、ヴァーリはカズヒに近づくと殺意の籠った目で睨み付ける。
それをカズヒは涼しい顔で受け止め、更に一枚の紙を取り出した。
「ならこうしましょう。この条件の元、
おいおい、その紙は―
「
―この女、そんなものまで用意してやがったのか!?
最初っから覚悟完了で準備してやがったな。それも、この流れになる可能性を踏まえて、絶対に断れないように激昂までさせやがった。
駄目だ、こうなったら俺も止められねえ。
「……なるほど。アザゼルがオーディン神やサーゼクス・ルシファー達の協力をもって進めている、他勢力も行える国際レーティングゲーム大会。そのルールのテストも兼ねて、俺達と君達でレーティングゲームをするということか」
ヴァーリは書面を確認しながら、その条件を見てけげんな表情を浮かべている。
「試合内容は時間無制限一本勝負。現在試験中の国際レーティングゲームの判定基準に合わせたチーム構成ができるなら、何人でも追加メンバーを用意してもいい」
あ、その辺はしっかり用意しているんだな。
増援メンバーも用意できるってのは、ヴァーリチームにとってもカズヒにとっても有利か。
最悪ヴァーリはルシファーの直系だから、ある程度は当てもありそうだしな。
まぁたぶんしないだろうがな。それでもできると前もって明言しておくのなら、しなかったヴァーリの落ち度にできるというわけか。
外野からの物言いをなるべく避けることまで考えてやがる。カズヒの奴、最初からここまでプランを立てての行動か。怖い奴だ。
「……君達の勝利条件は王の撃破。俺達全員の対テロチームでの処遇は、アザゼルやリアス・グレモリーの前で君が告げ、了承された物を無条件で受け入れる」
お、思ったよりマシな条件だな。
俺やリアスがきちんと精査して是非を決めれるなら、まぁやばすぎる内容になることは―
「そして俺達の勝利条件は、カズヒ・シチャースチエの抹殺のみ。それが対価そのものともいえるわけか」
―オイちょっと待て。
「……カズヒねぇ。流石にそれは止めたいんだけど?」
和地もそりゃ言うわな。
ただカズヒの奴はすました顔だ。
「……堕天使元総督や現ルシファー。更に北欧アースガルズの主神の顔に泥までぬる要求をするのだもの。命ぐらいかけるのが責任という物よ」
あ、これ説得できねえ。
いつものことだが既に覚悟を決め切ってやがる。
カズヒもそうだが、ヴァーリもヴァーリで止まる気がねえ。
徹底的に挑発までされたしな。こりゃ絶対止まらねえぞ………っ
「前から思っていたが、君はどこまでも俺達のことを舐めているらしい。君も相応に事を起こしてる*1ようだけどね?」
「だから言うのよ。折角恐ろしく軽いケジメ*2で済ませられるっていうに、それを理解もしないなんて、論外でしょう?」
互いに至近距離で睨み合っている。
敵意も怒気も殺意も溢れまくっているが、戦う機会は別にあるから今は動かない。それ止まりなのがよく分かる展開だ。
ああ全く。これ絶対ガチの激突で決着つけないと収まらねえ。
「……誇り高き明星にして白き龍の皇帝は縛られない。それが理解できないなら、死を持って思い知らせてやろう。醜悪な悪逆に染まった銀メッキ如きが、白銀の極覇龍に叶うと思うなよ?」
「白ペンキで塗られた蜥蜴には分からせてあげるわ。……先達とは後進に、自分と同じ失敗を繰り返させないのが務めの一つ。そして誇りとは貫く為に己すら縛る矜持だとね」
……止められねえなぁこりゃ。
はぁ、サーゼクス達になんていえばいいんだよ。
和地Side
思わぬ形で決闘が成立した後、俺はそのまますぐに「じゃあ人員を集めてくるわ」といったカズヒねぇを追いかける。
「カズヒねぇ! ストップストップ!」
「悪いけど忙しいから、歩きながら話してくれる?」
ああもう!
俺は何とか歩幅を合わせると、カズヒねぇの方を覗き込む。
自己契約証明文なんて使ったらもう断りようはない。そういうものだということは俺も分かっている。
っていうかあそこまで用意してるってことは、ヴァーリがどういう反応するか読んでただろ。
「……そこまでする必要あるのか?」
「当然でしょう? 和地こそ冷静に考えて」
俺にそう断言しながら、カズヒねぇは俺の目を覗き込むように見つめてくる。
……その眼には怒りはあまり込められてない。少なくとも、ヴァーリに対する怒りは俺達が思っているほどじゃないようだ。
だったら、なんでだ。
俺の視線に込められた意味を受け取ったのか、カズヒねぇは肩をすくめる。
「あんなふざけた態度で恩赦が認められれば、まともに*3わ。……何より*4」
「……た、確かに」
それは確かにそうだよ。
兵藤邸のメイドの殆どは、ディオドラの眷属が主体になっている。
やむを得ない理由とはいえ禍の団に協力した彼女達が、社会復帰することを認めさせる為の一種の形式的な罰という側面がある。それが兵藤邸のメイド達だ。
だからインガ姉ちゃんはもちろん、ベルナや春っちだってメイドをやっている。
確かに、それに対してろくすっぽ反省している風に見えないヴァーリチームがあの流れで免罪というのは、メイドのみんなに対してなんか悪い気はする。
……いや違うな。
だとするなら、俺が言うべきだった。
インガ姉ちゃん。春っち。ベルナ。彼女達が馬鹿を見ているような流れに異を唱えるのは、むしろ俺がするべきことだ。
あの流れでそれを怠っていたのは事実。それは素直に認めて反省しよう。
だからこそ。
「分かった。なら俺もメンバーに入れてくれ」
「却下」
即答で切って捨てられた。
流石に非難めいた視線になってる自身があるが、カズヒねぇは肩をすくめている。
「貴方はまず、インガの方についててあげて。〆るのは私がメインでやるから、貴方は支える方をお願い」
……そうだな。
俺が納得したように、カズヒねぇも微笑みすら浮かべていた。
「私を本気で愛してくれるなら、私以外もないがしろにしないで愛してあげて。それこそが、私の愛する瞼の裏の笑顔の君なんだから」
ああ、そこは確かにそうなんだ。
だからこそ、俺にはそっちを優先させたいのだろう。というより、多分強引に参加しようとしたらこの場でガチバトルが発生しかねない。
……だけどさぁ。
「実際問題、俺無しで勝ち目あるのか? イッセー達も参加させる気ないんだろ?」
パラディンドッグやサルヴェイティングアサルトドッグを併用してとはいえ、俺のポテンシャルはオカ研でも指折りだ。
たぶん使用した状態の総合力なら、上回っているのはイッセーかアザゼル先生、そしてカズヒねぇぐらいだろう。
そして先生やイッセーを入れるつもりもないんだろう。それぐらいは読めている。
実際素直に頷いているし。
「ええ。この件はヴァーリに対して
だろうなぁ。
まぁ、カズヒねぇのことだし当てもあるとは思う。
思うけどさぁ。
「……ほんと、勝ってくれよカズヒねぇ」
こんな理由で死別とか、流石に嫌だぞ。
俺の心配を素直に察してくれたのか、カズヒねぇはむしろ不敵な表情を浮かべていた。
「大丈夫。勝ち目はある……というか、決まれば絶対にヴァーリをぶちのめせる伏札はあるもの」
そう言いながら視線を変えるカズヒねぇに釣られて、俺もその先を見る。
其処には、カズヒねぇにとって頼りになる親友がいた。
鶴羽にリーネスに謎のおっさん……いや待って?
「その、どちら様?」
俺が思わず効くと、そのおっさんは軽く手を上げる。
「お前さんが、ブラコン超直球の日美っちを射止めた坊主かい? 俺は道間日美子の高校時代のクラスメイト、接木勇儀ってんだ」
………俺はカズヒねぇの方を勢いよく振り返った。
「え、カズヒねぇってまだそんな繋がりあったの!?」
「いえ、私もびっくりしているの。異能とは全く関係ない、一般人としての繋がりがこんなところで関わるとは思ってなかったわ」
カズヒねぇもなんかすすけた感じだった。
なるほど。つまり松田や元浜みたいな繋がりだったと。
だったらなんでこんなところにと思うが、それはこの際おいておこう。
俺は勇儀さんの方を向いて、しっかりとその目を見たうえで問いかける。
「カズヒねぇを任せていいんですね?」
「安心しとけ。事前にそういった依頼も受けて、上にも話を通している。……ダチの力になるし仕事はきっちりこなす。両立できるならするのが大人ってもんだ」
真っ直ぐに視線を合わせての答えに、俺は息を吐いて力を抜いた。
ああ、この人は信用に値する。
視線ではなく顔の向きを変え、初対面の俺に対して真摯な言葉を投げかけた。そもそも、この場にいるならカズヒねぇの事情を知ったうえでだろう。
なら、託せる。
「……鶴羽も頼む。リーネスもお願いな」
愛する女と頼れる仲間に頭を下げると、鶴羽は胸を張ってそれに応えてくれる。
「任せときなさい! 既に準備は進めてるってね!」
隣のリーネスに至っては、すっごい勝利の確信に満ちた表情だ。
「既にほぼ完成しているから大丈夫よぉ。ふふふ、白龍皇なら絶対効くし、実験台にはちょうどいいわぁ」
……逆にヴァーリが心配になってきたな。
いやまぁ、カズヒねぇもレーティングゲームのルールに乗っ取るなら殺しはしないだろう。うん。
そこまで考えて、俺はカズヒねぇに向き直る。
「そっちは任せる。勝てよ、カズヒねぇ」
「勝利の美酒は注いで頂戴。それにインガは任せるわよ」
どうせ言っても聞かないし、ならやることをしっかりやるとするか。
本当に、頼んだからなカズヒねぇ!
……なお、勇儀の上司は罰喰らってない禍の団幹部なので、マジで参加すると異議が薄れる模様。
さて、やりたくてたまらなかったことである「ヴァーリチームケジメ案件」が要約できそうです。
イヤ、本当に常々数少ないD×Dの不満点だったんですよ。ヴァーリチームに対するあまりにも軽すぎる対応。
D×Dって基本的に馬鹿やった連中は、ギャグやシリアスの区別なくそれなりの仕置きはされるのが基本ですからね。こと禍の団に参加した連中は、英雄派ですら処罰を受けて相応の刑に服しながら、監視役もつけられたうえでようやくアザゼル杯参加です。かなり同情できるというか現政権側に要因があるといえるディハウザーに至っては、一応収監までされてます。なのにヴァーリチームはかなり愉快犯的なノリなのに、ろくに刑罰が執行された様子もなく自由に動き回っている。これホント残念に思ってました。
二次創作を書くのなら、あくまで自分の視点とは言え改善や改良を目指すべきだと思っているので、いい機会なのでケジメを付けさせる方向にもっていきたいと思っていました。なので今回やることにします。
あと今回、サーヴァント風に書くなら秩序・悪であるカズヒが、よくて混沌・善であるヴァーリと相性がいいわけないと確信しているのもあったので。カズヒの観点から見て、ヴァーリチームのこの態度を良しとするわけがないよなぁとも思いました。
ケジメはきちんとつけねばならない。かつて付けれずに死んだ身として、カズヒはそれを自他問わず徹底させる女傑です。
明星双臨編の題名は、ある意味これから付けられました。つまりリゼヴィムとミザリが二人で降臨する話であり、ヴァーリはそこに含まれておりません。