好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 感想・高評価・創作掲示板での紹介をすっごく欲するグレン×グレンでっす!

 アウロス学園まで書ける機会はなかなかないので、此処で座学コーナーです。


英雄乱戦編 第十一話 ゴマすりも立派な処世術である。

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、出たよ後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)

 

 俺は一応周りを見渡すけど、特に他のメンバーがいる雰囲気はない。

 

 そんな俺の対応に気づいたのか、フロンズさんは苦笑を浮かべている。

 

「流石に懲罰部隊を何十人もこんなところには連れてこんさ。審査のうえで数名を特別講師として連れてきたにすぎんよ」

 

 あ、そうなんだ。

 

 この人、本気で相容れないところがあるからな。下手すると遠慮なくたくさん連れてきているかもとか不安になってたよ。

 

 そんな俺達の反応をしり目に、幸香の奴は笑顔でカズヒに近づいていた。

 

「はっはっは! 母上も中々活躍しているようではないか! ヴァーリ相手の大立ち回りは見ていて面白かったぞ!」

 

「……色々と複雑になるわね。ま、そっちはそっちで元気そうで何よりね」

 

 カズヒはちょっと戸惑いながら、幸香が差し出した手を掴んて握手をする。

 

 この二人の関係って、かなりアレだからなぁ。

 

 カズヒが前世の頃に産んだ娘だけど、実の兄との間の子供だから当然だけどカバーストーリーを入れるまでの間別の家に預けられていた。だけど色々あってカズヒ・シチャースチエとして再会するまで、顔を合わせることもなかったわけだ。

 

 しかも幸香はその辺のあれこれをいきなり教えられても気にもしていない。ヴァーリ相手の自分が殺されることを踏まえた決闘も、娯楽感覚で見に来てたしな。

 

 だからむしろ、カズヒに対して幸香がフレンドリーなのが驚きだ。

 

 正直俺達はもちろんカズヒも戸惑っているけど、幸香はむしろ上機嫌だ。皮肉とかそんな感じが一切ない。

 

「ふっふっふ。悪魔祓いであり年若い時から兵士として活動してきた母上ならば、レーティングゲームという戦闘競技において的確なアドバイスもできるであろう。ただアシスタントをするわけではないのだろう?」

 

「ええ、まぁ。悪魔祓いの観点から見る悪魔の戦い方ぐらいは言えると思うわよ」

 

 カズヒも特に悪意がなさそうなので、多少は警戒しているけど会話はきちんと応じている。

 

 でも、幸香達後継私掠船団が特別講師かぁ。

 

 戦闘面でやばい方向に行きそうだし、なんか嫌な予感がするんだけど。

 

 でもアウロス学園の権限とかは、ソーナ会長とフロンズで互いに結構持ってるからな。流石に断り切れるわけがないだろうしなぁ。

 

 俺はちょっと不安に思うんだけど、大丈夫だろうか。

 

「……なぁ九成、どうにかできないか?」

 

「どうしろってんだよ。俺は学園的に部外者だぞ」

 

 でもさぁ、なんか不安というかなんというか。

 

 だって後継私掠船団って、言っちゃなんだけどヒャッハー系というかトンチキ系というか。とにかくあまり参考にすると、子供達に悪影響がありそうで不安なんだけど。

 

 そんな感じで九成とぼそぼそと話してたけど、幸香は普通に聞こえてたらしい。なんか心外そうな表情を向けてきた。

 

「……失礼な。この学園の本質的な目的を見落とす妾ではないぞ?」

 

 あ、そうなのか。

 

 ……いや、この学園って一応はレーティングゲームの選手を育てる誰もが通える学園なんだけど。

 

 そりゃぁ冥界では下級や能力の低い子供達が通える学園ってのがまず少ないし、本命の目的はそうらしいけど、どういう意図で考えてるんだ?

 

 俺がなんか不安に思っていると、幸香の奴は胸を張る。

 

「この学び舎は、これまで未来を選べぬ者の可能性を広げる場所であろう。そもそも学び舎とは未来を切り開く為の知恵と知識を得る為の場所じゃろうて」

 

 ……あれ? もしかして俺より意識が高いこと言ってる?

 

(おの)が未来に勝利を掴まんとする後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)が、未来に勝利を掴ませるための学び舎に行くのだ。告げるべきは他にあるだろうて」

 

 お、おぉ。

 

 なんか本当にいい教えを授けてくれそうな予感がする。

 

 予感がするけど、こいつら後継私掠船団なんだよなぁ。

 

 な、なんか不安だ!

 

「……とりあえず、私も見学しようかしら」

 

「……姉貴が何するか分からねえからアタシも」

 

「じゃ、俺も付き添いで」

 

 任せた、カズヒ、ベルナ、九成!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 不安になる後継私掠船団の特別授業……というか講演。

 

 正直すごく不安だったので、カズヒねぇやベルナについていく感じで俺もちょっと確認に来ていた。

 

 ……が、あのフロンズ・フィーニクスが許可を出すだけのことはあったようだ。

 

「……このように、人間世界の勢力たる国という概念において「失敗と判断する」大きな要素は「国民に学があるか」及び「国民を学ばせているか」である!」

 

 星辰光で巨人を作り、黒板にでっかく図を描きながらの幸香の授業。

 

 その本質は「学のあるなしがどれだけ大きな差であるか」という点に絞っている。具体的には学のあるなしで発生する差という者を統計学まで使って説明している。

 

 名門大学と中卒での平均年収や就職の幅。国家における識字率の差と世界的に見た国家の格。そういった「学の有無と国の強弱の関連性」を、務めて分かり易く教えている。

 

 一周回って俺達も感心してきたぞ。

 

「これに関して、妾の母国である日本の言葉で一例を締めそう」

 

 そう言いながら書き出すのは「学問ノススメ」の文字。

 

「この書には「天は人の上に人を作らず。人の下に人を作らず」と書かれており、そこから「しかし実際に人に上下が生まれるのは何故か?」と現実を示し、その理由として「それ学のあるなし及びそこからくる就職できる職業の差ではなかろうか」と自説を提唱することで「勉強した方がいいよ」と人々に勧める本である」

 

 そこまで書き、そこで「学有る」「学無し」の文字をそれぞれ分けて書いた。

 

「そして学のある者はこれをきちんと知っているから勉学に励む。学のない者は最初の文しか知ろうとせんから、最初の文だけ持ち出して不平等に文句をつける。……まさに学の有無が人の能力や価値を示す分かりやすい一例じゃ」

 

 そこまで告げ、幸香は子供達だけでなく大人達まで見回して告げる。

 

「人より物を知る、すなわち知識多い者は他者より有利。知識を適切に運用できる、すなわち知恵者は更に有利。そして勉学とは多くの知識を会得し、それを知恵として運用する方法を習得することであり、その為の施設こそが学び舎である」

 

 そう告げる幸香は、教卓に両手をついて声を張り上げる。

 

「汝らはこの冥界を一新させる可能性を持つ場所に入らんとする者。すなわち天運に恵まれし者である!」

 

 不敵な笑みと共に告げる言葉はしかし、成功を確約する言葉ではなかった。

 

「だが天運とは掴み取り活かした者に真の恩恵を与える! そしてこの天運はそれができなければ冥界の民草全ての未来すら左右するのだ!」

 

 声を張り上げ、そして改めて見回した。

 

「自らが冥界の未来を左右することを意識せよ! そして学び己を磨き上げ、冥界すら輝かせるがよい! 貴様らこそが新たなる冥界の繁栄を左右する先駆者であると心するがよい!」

 

 ……お、おぉう。

 

 ちらりとカズヒねぇのほうを見ると、うんうんとうなづいていた。

 

「そうね。勉強ができるというのはそれだけで幸運だもの。……いや本当に幸運なのよね……」

 

 前世の勉強経験、根性のストリートチルドレン生活でだいぶ流れているからなぁ、カズヒねぇ。スラム生活で痛感して、レストランの店長が良い人だったこともあって基礎学力は自他含めて何とかしてるけど。

 

 そして実際問題、言ってることは間違ってはいない。

 

 俺自身、今の自分の地力がザイアの英才教育にあると自覚している。だからこそこういった「誰でも一定水準の学を得られる」ことが重要だと断言できる。

 

「……さて、大きな根幹を語り終えたところで、妾は一旦下がるとしよう。さぁ、この二人の講師から、ある意味この学園で最も学ぶべきことを学ぶがよい!」

 

 そう言いながら下がる幸香と入れ替わるように、アーネとユーピが前にである。

 

「我らが団長に代わりまして、此処からは数多くの英雄を導くこの聖継娼婦(シャムハト・セカンド)アーネ先生と―」

 

「―いずれ学でも幸香という凡人を超える男、第三征王(ナーディル・イスカンダル)ユーピ・ナーディル・モデウ様がお前達に眷属悪魔が最も習得するべきことを教えてやろう!」

 

 ……掴みは肝心だけど、掴みすぎだろ。

 

 ユーピの方に良くも悪くも注目が集まってぽかんとしてるぞ全員。

 

 そして何故か満足げに頷きながら、ユーピは宣言する。

 

「レーティングゲームの選手、すなわち眷属悪魔を目指す貴殿らが最も習得するべきもの。それすなわち――」

 

 なんか溜めてから、ユーピは目をくわっと見開いた。

 

「―――へりくだり方だ!」

 

「「「なんでだ!?」」」

 

 俺達三人含めて総出で同時ツッコミ。

 

 いや、マジでなんでだ。

 

 もっとこう何かいるだろ。なんだよへりくだり方って。

 

 ただユーピの奴は何故か嬉しそうに俺達の方を向いた。

 

「いい反応だ。故に応えるが、貴族に対して下民がとるべき態度はさほど多くはないぞ?」

 

 そう鷹揚に頷いたユーピは、なんか自己陶酔しているような表情で両手を広げる。

 

「貴族とは生まれつき偉い者であり、自分が偉いと思っている者で、何より貴族社会の冥界ならなおの事そうなる者だ。そしてそんな貴族からすれば、自分に従い敬い立てる者より、自分の反抗的で不敬な者を優先することは基本的にない」

 

 そう言い切ってから、ユーピは子供達を見回した。

 

「眷属悪魔とは主の従者であり下僕であり部下だ。そして偉い者とは下の者が自分を敬いへりくだってくれることに機嫌が良くなってしまうのが人情。……そう、主の気分を良くする為に自分を下における者こそ、貴族の過半数が欲す眷属!」

 

 ……あながち的外れでもないのがなんかムカつく。

 

「どちらにせよ対外的には主君という上司である以上、態度で自分を下に置くべきものだ。これをきちんと考慮して立ち回れる方が、貴族達にも厚遇されやすいぞ?」

 

「そういうわけで、私とユーピが下僕と主といった形で「どんな態度の主にどんな反応するべきか」について教えるわね?」

 

 ……す、寸劇形式か。

 

 確かに幼少の子供が多いし、そっちの方が分かりやすいし見る気にもなりやすい……のか?

 

 俺はちらりとカズヒねぇやベルナの方を向く。

 

「……まぁ、これぐらいなら止めるほどではないでしょうね」

 

 カズヒねぇはとりあえず静観の体制らしい。

 

 ただ、ベルナの方はちょっと苦い態度だった。

 

「………」

 

 ……ちょっと、後で時間を付けた方がよさそうだな。

 




 意外とまともだったり効果的な授業を行う後継私掠船団な回。

 基本的に後継私掠船団は光狂いなので、極まりすぎているだけで案外まともなところがあったりします。

 そして本章で本格的にでてくるユーピ・ナーディル・モデウ。

 ある程度の手札を見せますが、とにかくインパクトがデカい存在になると思うので気を付けてください。
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