好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
現状どうも200人前半代がこの作品の読者な今日この頃。できればもっと増えてほしいと願いつつも、もっと少ない読者の作品もいるんだからと己を奮い立たせて描いております!
Other Side
振るわれる拳と拳がぶつかり合い、激しい衝撃が周囲の民家を破壊する。
直撃ではなく余波でヒビを入れ砕き、場合によっては粉砕する。そんな熾烈な打撃戦を、カズヒ・シチャースチエは繰り広げていた。
既にジャッジングサマエルに再変身し、龍殺しの星辰光による戦闘に徹している。
その上で、クロウ・クルワッハはその猛攻を凌いでいた。
「……流石だ。ツェペシュの城で一戦交えなかったのを後悔したくなるな」
「それはどうも。合わせてくれる余裕を持ちながらよく言うわ」
賞賛を流しながら、カズヒは内心で舌打ちする。
一件熾烈な戦いが繰り広げられているが、その実この戦いはクロウ・クルワッハがペースを握っている。
カズヒがクロウ・クルワッハと戦えている最大の理由は、彼がカズヒに合わせてくれているというその一点に尽きる。
クロウ・クルワッハはカズヒを倒しに来たのではなく戦いに来た。故にカズヒを嵌め殺しにするような戦法はとらず、真っ向からの打撃戦を挑んでくれている。
そうでなければ負けていたと、カズヒは自覚している。
仮面ライダー道間は、基本設計として人造惑星化及び星辰光の変化が基本。星辰奏者が時速百キロレベルで走れるとはいえ、仮面ライダーとしての基本性能が低いのはどうしても問題点が大きいといえる。
だからこそ、高速機動を併用して三次元で仕掛ければもっと有利に戦えるのだ。
「戦士の驕り……いえ、誇りと考えましょうか」
「当然だ。俺は敵を潰しに来たのではない、挑みに来たのだ」
相手から合わせてくれるのなら、態々不利になることはない。
カズヒはクロウ・クルワッハの価値観をあえて利用し、食らいつく体制をとる。
そして同時に、気になることを確認するべきだろうと考えた。
「そういえば、モデルバレット達は来ていないのかしら?」
ここ最近は禍の団とかち合う度に出てきたので、そこが懸念事項だ。
不意打ち気味に仕掛けられれば詰む。まして彼女は自分を集中的に狙っているのだから。
それに対し、攻防を繰り広げながらクロウ・クルワッハは小さく頷いた。
「心配するな。作戦目標が達成するまでは手を出さないと、許可をきちんととってから来ている」
「律儀なことで感心するわ」
ならば構うことはない。
この戦いにおいて、カズヒ・シチャースチエはクロウ・クルワッハを抑え込むことと覚悟する。
暗部出身故に汚い手段も取れはするが、する必要がない時に積極的にとる必要はない。出した瞬間にぶちぎれられて逆に厄介になるのなら尚更だ。
故に、真っ向勝負を挑むとしよう。
「相手をしてあげるわ、クロウ・クルワッハ。……
「ありがたい。こういうことがしたかったのだ」
そして、戦いは更に激化した。
和地Side
ええいしぶとい!
グレンデルとの戦いは、まごうことなく苦戦としか言いようがない。
アンキロサウルスソルドマギアとかいうのになったことで、グレンデルは頑丈さと攻撃力が更に絶大になっている。
おかげでこちらの攻撃があまり通ってないのが実情だ。更に量産型の邪龍がポコポコ来ているが、こっちは一年生達に任せるほかない。
……あとカズヒねぇがじわりじわりとアウロス学園の方に近づいているのがちょっと不安なんだが。通信したいけど余裕がないから確認できない。
以前のデートで貰ったチェーンブレスレットがこんなことを伝えてくるとは。学園外では常に付けているのが仇になったか。
そっちの確認をする為にも、とにかくここでグレンデルを何とかしないと。
ただ正直忙しい。具体的にはグレンデルの猛攻や邪龍の猛攻を障壁で迎撃するのに忙しい。全員のカバーしながらグレンデルの相手は流石に負荷が大きい。
「なろぉっ!」
「できるな!」
『ぶっ殺すぜぇ!』
ドラゴン同士の激戦に介入して戦えているだけ、俺も十分やばいとは思うんだがな。
それでも思う。足りない……と。
今の俺は地力を伸ばすぐらいしか強化の手法がない。実際強くなるのはそういう物だが、発想の転換といった転機といえるアプローチが俺には欠けている。
今後の敵の強化度合いから考えると、このままではカズヒねぇ達に追いつけるのか?
カズヒねぇも禁手に至っている以上、此処からどんどん離れるんじゃないか?
考えろ、考えろ。どうにかできるかもしれない方法を。
とはいえ禁手は神器の究極であり、俺は既に亜種の神器に至っている。更に禁手の使い分けをプログライズキーで習得している以上、むしろ十分恵まれている方だ。
ならやはり、これ以上は無理なのか?
『お、隙ありだぜぇええええ!』
咄嗟に振るわれる攻撃を、俺は何とか凌ぐ。
糞ったれ! 考えてる余裕がないのを忘れていた!
『余裕がなくなってるみたいだなぁ! そろそろ一人はぶっ殺せるかぁ!?』
悪かったな。ゆとりとか余裕とかがないのは自分で……も……
「……あ」
今、俺の中で何かがハマった。
ならいけるか?
ここで、それを試せるか?
そう思い、だが俺は―
「……ふん!」
―その誘惑を、自分で顔面を殴りつけて黙らせた。
「「「「『……は?』」」」」
ほぼ全員が一瞬目を丸くするが、俺はそれで冷静になれた。
……まったく。俺は馬鹿か。
戦闘中の土壇場で奇跡を掴むとか、基本的に俺の柄じゃないだろう。
毎度毎度窮地に妙な進化や新技をぶちかますイッセーを参考にするな。あれは特例側だし、それだけじゃない。
きちんと毎日鍛え上げて、色々考えているからこその結果だ。積み重ねたものがあるからこその進化だと言ってもいい。
だからこそ、俺がやるべきことはそこじゃない。
俺がやるべきことは、今をできる範囲内で切り抜けることだ。
その基本を忘れるな。奇跡を掴み取る前に、できることをきちんとやり切っていけ。
ああ、落ち着いた。
だからこそ、俺は呼吸を整えて静かに魔剣を構え―
「……よう。なんか吹っ切れたか?」
―その隣に、匙が並び立った。
「匙!?」
「ほぉ、思ったよりも頑丈みたいだね」
イッセーとヴァーリが少し目を見開くが、逆にグレンデルはつまらなさそうだ。
『よわっちぃ雑魚がよく吠えるぜ。流石にしぶといだけってのは面倒なんだけどよぉ?』
そう馬鹿にするグレンデルだが、匙は意に介さず一歩を踏み出す。
「てめぇに好かれようなんて思っちゃいねえよ。……俺達の学園を遊ぶ為の餌にするような奴なんかにはな」
「……無理するなよ、お前本調子じゃないんだろ?」
俺はそこが気になる。
今、実際のところドラゴン組は本調子じゃない。
アルビオンの深層に潜って赤龍帝被害者の会などという、歴代白龍皇残留思念の説得中だからだ。
それさえ終われば一気に形勢が逆転するんだろうが、それができないと不利だろうに。
俺はそこが心配だが、匙はむしろ俺の方を見るとにやりと笑う。
「安心しろよ九成。お前と同じでちょっと吹っ切れた」
……っ
気づいてたのか。
吹っ切れた、か。
まぁ確かに。吹っ切れたといえば吹っ切れたといえるな。
そして、吹っ切れたことを形にするにはここで生き残らないとな。
……うん。
「訂正する。手を貸してくれ匙、さっさとグレンデルを片付けるぞ」
「当たり前だろ。こいつ以外にも色々いるんだからよ!」
ならいい。
ちょうどいい。吹っ切れたついでに一つ策を思いついた。
それでさっさと、目の前の糞野郎をぶっ飛ばす!
本日はキリを重視してちょっと短めです!