好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
ぶっちゃけあまり話そのものは進みませんが、此処から数話は因縁を結ぶことになるフロンズたちとの顔合わせ会ともいえます。
和地Side
実をいうと、俺はあまり列車に乗ったことが無い。
親を失う前は乗ったことがあるかもしれないけど、かなり昔のことなんでよく覚えてない。その後はザイアコーポレーションの孤児院や秘匿施設にいたわけだから、外出の機会がまず少ない。とどめに
なのでまあ、列車というものに幼子みたいな好奇心があった。
あったけど―
「……世界を渡る列車とか、悪魔だから当然だけどファンタジーまっしぐらだな、おい」
「そうね。信徒としては地獄に行く為の列車だから、なんというか複雑だわ」
―姉さんと一緒に苦笑いする感じで、俺達は今グレモリー家が所有する専用の列車で冥界のグレモリー領に向かっている。
「列車は走るよどこまでもですのー!」
後すいませんがヒマリさん。あんた俺と同じぐらいなんだから、はしゃぐにしても人目を気にしてくださいな。
などと思いながら、俺はとりあえずガイドブックに目を通す。
なり立ての転生悪魔用ガイドブックには、冥界の都市でのグルメスポットなどが載っていた。
グレモリー領についてから何日かたったら、部長達グレモリー眷属は若手悪魔の会合だからな。
「しっかしまあ、堕天使側で冥界に行ったことはあるけど悪魔ルートで行くことになるなんて思ってもなかったっていうか」
「同感ね。私に至っては信徒だし、真で地獄に落ちる以外で地獄に行くことなんて思ってもいなかったわ」
感慨深いというかなんというか。俺はカズヒ姉さんと一緒にそう漏らし、そして外をちょっと見る。
次元の狭間を越え、紫色に輝く冥界の空を見ながら、俺達はそんな感じで時間を過ごす。
「あらあら。イッセー君を独り占めしては駄目ですわよ?」
「朱乃……ぉ! 私のイッセーと私の家に行くのに、なんで私が蚊帳の外にされないといけないのよ!」
「あぅ。朱乃さんも部長さんも、イッセーさんを変態にしないでください!」
「ふ、ふへ、おっぱいいっぱい……ぁあ、でもあまりのめりこんだらシャルロットに……ふへうえはぁ」
「部長達、イッセーの表情が何やら奇妙なことになってるんだが大丈夫なのか? あと大丈夫なら私にも譲ってくれ。肩車で良いから」
……前の席で繰り広げられている光景は意識して無視している。
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてなんとやら。あまりにもあれだと思わない限りは、不用意な深入りをあえてするのもあれだしな。
とはいえ、ちょっと気になることが無いでもない。
「そういえば、カズヒ姉さん」
「あら、何かしら?」
カズヒ姉さんにちょっと聞きたいことがあった。
「
「あら、もしかして和地はハーレムに興味があるの?」
あれ、もしかして藪蛇?
いや、年頃の男であり貞操観念がザイアの所為でちょっと壊れ気味な俺としては、興味がないと言えば嘘になる。
そりゃ俺だって性欲は豊富だ。可愛い女の子や美人なお姉さんに囲まれてちやほやされたいと思う願望はちょっとぐらいある。性欲過多な青少年なら、過半数が一度は思い描くだろう。
だけど俺はカズヒ姉さんを悲しませる気はない。仮にも信仰の為に必要悪すら背負う正義の味方なカズヒ姉さんと付き合うに至って、それがOKだと思えるほど馬鹿じゃない。
「カズヒ姉さんを悲しませる気はない。ちょっとうらやむけどその為に本末転倒なことをする気はないから安心してくれ!」
なので、本音をしっかりと示しつつ、しかし断言する。
うん。あえて本音を取り苦労のもあれだ。正直に言った方がいいだろう。
で、返答は如何に。怒らないでくれると嬉しい。
「心配しないでいいわ。実際に付き合うかどうかはともかく……むしろそれぐらいのノリの方が付き合っていいと思うから」
そうか。安心した。
………ん?
俺は、自分の耳が不調になったのかと思ってちょっと真剣に首を傾げる。
うん、これはあれだな。
「木場、この列車に耳かきなかったっけ?」
「いや、僕の耳にもしっかり聞こえたから。聞き間違いでも何でもなく、カズヒさんはハーレムに肯定的な発言をしてたよ」
マジか。
「あのぉ。カズヒ先輩はそれでいいんですか?」
「むしろ逆ね。私は今のところ彼氏を作る気ないけど、もし作るなら必須条件よ。より具体的には「来る者拒まず去る者作らず」を地で行く懐広く愛多い男がいいわ」
ギャスパーに聞かれて語るカズヒ姉さんの発言には、なんというか熱が篭っていた。
なんか凄い真剣に凄いこと言ってるんですが、どういう状況だこれ。
俺はできるだけ一途に頑張る発言をしたわけで、普通その返答として「むしろハーレム作ってから出直してこい」なノリが返されるとか予想できるか。
いや、俺確かに堕天使側ですよ? 欲望には甘いというか緩いというかそんなところがあるのは分かりますよ?
でもあんた、一目惚れした女に「むしろ私と付き合うならハーレム作れ」とか言われたら微妙ですよ?
俺もう返答できないです。
「……ふぅ。お手洗いも豪華でちょっと緊張しました……あの、日本でいう「鳩が豆鉄砲を食ったような」を体現したその顔は何ですか、九成さん」
すまないシャルロット。俺は今、声を出せない微妙な感覚なんだ。
そんなこんなで冥界についたけど、グレモリー城にはまだついてない。
何せ俺達はアザゼル先生の直轄部隊として再編されてるわけだ。必然的にアザゼル先生が動く時は付いていく必要性がある。
しかも最悪なことに、リーネス達は諸事情あって堕天使側に行っているので、俺とヒマリは総督の護衛として動くことが確定しているわけだ。
で、そんなわけで俺とヒマリは総督が向かった会議で護衛役として派遣された。
まあその辺は意外と緩い三大勢力……というかトップが強いから護衛の必要性が人間界より緩い異形社会。護衛は会議室の外で待機して、適当に暇な時間を過ごしていたりするわけだ。
わけなんだけどさぁ。
「ねえ和地? 正直最近ご無沙汰ですし、そろそろしませんの?」
なんて上目づかいで俺に誘いをかけないでくれないかヒマリさん。
「あのなぁ。一目惚れした女と同居生活すってのに、それ以外の女とエロいことするってのもどうなんだよ」
「私もそう思ってたから我慢してましたけど、カズヒはそういうのに寛容だと分かりましたもの。たまにはいいじゃありませんの」
おのれ、外を見てはしゃいでいたと思ったら、ばっちり話は聞いてやがったか。
っていうか、この倦怠期の夫婦のセックスレスみたいな会話がどうかしてる。
普通そういうのを言うのは男の方だろ? あとカズヒ姉さんのトンデモ発言がきっかけだから、色々とおかしなことになってるぞオイ。
くっそぉ。恨むぜリーネス達。
クックス達の再調整を本格的に行うからって、一人ぐらいよこしてくれればツッコミ役もいただろうにって感じなんだけどなぁ。
俺がどう反論したらいいか悩んでると、ヒマリのスマホがバイブレーションでメールを知らせた。
それを確認したヒマリは、途端に不満顔から目の色を輝かせる。
「おぉ! ヒツギってば、仕事で冥界に行くかもしれないって話ですの! タイミングがあったら応援に行きたいですわ」
ヒツギっていうと、あのデュナミス聖騎士団の緑髪の女の子か。
何故かヒマリとめちゃくちゃ仲良くなったけど、まさか既にメルアド交換してたとはな。
何故かリーネスが微妙な顔をしてたのも印象深い。普段から余裕ある態度が基本な印象だたんだけどなぁ。
でもまあ、会議終了まで後数分だしな。これなら気を取られている隙に終わるだろう。
さて、手土産として買っていた羊羹を確認しておかないとな。
「……失礼。少し聞きたいことがあるのだが、よろしいかね?」
そんな声がかけられたのは、まさにその瞬間だった。
少し警戒しながら視線を向けると、そこにいたのは三人の男女がいた。
一人は二十代後半の外見をした男性。最低限の身なりは整えているが、ホストクラブにいそうなタイプというかなんというか。貴族や金持ちのボンボンというよりかは、なんというか稼いでいる若い企業主とかフリーランスの雰囲気がある。
一人は二十代前半の外見をした女性。知的な雰囲気を持ちながらも、退廃的な雰囲気を併せ持っている。こっちもこっちで従者とか秘書というよりは……峰不〇子とかそんな感じのトリックスター気質の美女だった。
そんな二人を背後に控えさせた最後の一人。十代後半程度の印象を持つ、金色の髪を持った青年。
金髪少年だと木場を思い出すけど、雰囲気が全く違う。
間違いない。彼は仕える者ではなく従える者。純血の上級悪魔、それもかなり高貴な部類だ。
雰囲気が違う。リアス部長やサーゼクスさんが持つ雰囲気とは違う。
気圧されている。それを俺は自覚して―
「ん? なんだ九成にヒマリ。っていうかそいつ誰だよ」
―後ろから来たアザゼル先生に目を輝かせるその青年に、ちょっと面食らった。
十分後。
「やはり総督は現代文明にも造詣がありましたか。ええ、私も近年発展した人工光合成は様々な可能性があると思ってましたよ」
「全くだ。人間の科学技術ってのは馬鹿にならねぇ。地球温暖化対策から宇宙開発まで、発展していけば無限の可能性があるってもんだ」
さっきの女性も。
「いやまったく! 酒に女に美食に娯楽! 人間世界の娯楽ってのは最高だ! しかもほら、俺はこの程度なら片手間で作れるから代金も困らねえってもんでよぉ!」
「ったくだ。こんな実用性も芸術性も抜群のナイフとかそうはねえ。ほれ、代金代わりにこいつももってけ!」
さっきの男性も。
「……本当にありがとうございます。対価は用意するといいましたが、まさかいきなりこれだけの資料を用意してくださるとは」
「気にすんな気にすんな。どうせ誠意をもって要請するなら渡すつもりだった技術ばっかだ。貴族様が頭下げて対価までくれるってんなら、ちょっとばかし早く渡したって文句は言われねえよ」
そして青年も含めて。
総督と凄く話が盛り上がってる。
っていうか、どいつもこいつも技術科肌だったらしい。
先日グレモリー眷属と話してた時に出てきた、フィーニクス家の次期当主さんとその眷属が、さっき近づいてきた三人組の正体だった。
なんでも連れてきた眷属は双方ともに鍛冶屋と技術者上がりの眷属らしい。技術者上がりの女性は芸術が主体だったとか。
で、フィーニクス家の若旦那さんは、そんな二人を眷属としてスカウトして、二人に必要な資金や遊ぶ金を提供しているらしい。その対価として成果を提供したり、フィーニクス家が集めた純血悪魔の若者に技術を教えたりしているとか。
なんでもこの御曹司、人間世界で色々あって業界を追い出された教師とか職人を私費で養う代わりに、純血悪魔の子供達にそれらの技術や教育を行っているそうな。
「知識の習得や職人芸は、魔力や肉体強度のように血統の影響が出やすい物とは異なります。フィーニクス家はこれからの悪魔達を増やしていく以上、彼らが冥界に貢献できる社会にしていくことが責務と思っているのですよ」
そう朗らかに笑いながら、フィーニクス家のお坊ちゃんは帰って行った。
……そして俺とヒマリは両手でお土産として買ってもらったものを抱えている。
お酒におつまみ、ジュースにお菓子。色々買ってもらったけど、消え物だけって当たり外れを引いた時の処分のしやすさとか考えてもらったんだろうか?
「あれが、リアス達の同期にいる大王派の筆頭格か……」
そう呟きながら先生は、代金として提供された資料に目を通している。
ただ、なんというか雰囲気がおかしいというかなんというか。
「どうしましたの? さっきまですっごく楽しそうでしたのに。なんか急に警戒心満々ですのよ?」
ヒマリの言い方がぴったりだ。
さっきまですごいテンション高かったのに、急に下がってるというか下げているというか。
何より、気分を良くした彼らに買って貰ったお土産のお菓子やらお酒やらで俺達の両手は埋まってるのに。
全方位で話を進めてきておきながらこれってのは、流石にどうなんだよ。
と思っていると、先生は少しだけどマジの警戒心を見せていた。
「確かに話をしていて楽しかったのは本当だな。フィーニクス家の坊主も一定以上の知識はあるし頭の回転も速い。あの二人に至っちゃ間違いなく天才な上に勤勉だ。冥界の技術発展は進むだろうさ」
そう返す先生は、だけど更に続けた。
「だが、奴さんは間違いなくサーゼクス達とは違う思想だ。大王派の老人共よりはまともに見えるが、それ以上にヤバい予感がするんだよ」
その言葉に、俺達は正直首を捻るしかなかった。
大王派だって和平そのものは賛同していた。そりゃ在り方そのものは嫌な貴族とかそんな感じっぽいけど、あの跡取りはそんな風には思えなかったけどなぁ。
……でもまあ、なんだかんだでトップを続けて長い先生が言うんだ。ちょっと気にした方がいいんだろうな。
Other Side
「……さて、これらの技術で出来ることはあるかね?」
「あるとも、なあ?」
「全くだぜ」
契約者二人の言葉に、青年は満足げに頷く。
「数年単位で少しずつ進めていく予定だった例のプランだけど、これなら40日もあれば完成するといえるね」
「こっちに関しても、こんだけあれば試作型一本ぐらいは作れるぜ?」
「実にいい。とてもいい。そうでなくてはこれから先の未来を掴めはしないだろう」
「……で? そんなにばらまいていいのか大将? いや、俺としては代金が貰えるならどうでもいいんだがよ?」
「私は少し困るかな? 一応、貴方の理想そのものにも賛同しているのだから」
「構わないさ。それに、これは序の口に過ぎないよ」
「これから進む和平に便乗し、我々は数多くの勢力と交流を持つつもりだ。同士をヘッドハンティングされるリスクを背負う代わりに、それ以上に同志たり得る者達を確保する。……この程度のリスクすら乗り越えられないようでは、我が理想を叶えることなど不可能なのだからね」
と、そんな感じで和地達が先にフロンズと顔合わせ。