好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
それはそれとして今回は、リヴァ絡みの導入部になります。
和地Side
「……知っての通り、先生は世界大戦を経験している割と長生きしている女でしょ? まぁそんなわけで、ちょっと気が引けるけどカズ君以外の男も経験しているのよ」
そうそれとなく俺から目を逸らしながら、リヴァ先生は話し始める。
「……第二次世界大戦前の時期、一人の魔法を独自研究している人といい仲になったことがあるわ。ま、戦争秒読み段階で変なことになりそうだから先生雲隠れしたんだけど」
なるほどなるほど。
さて、そこから一体何が―
「その男の使っていた魔法に酷似した術式が、クリフォトに内通していた魔法使いに使われていたのよ」
―なるほどな。
しんと静まり返る中、リヴァ先生は目を伏せる。
「なんていうか敵が待ってる感じがしたんで地下に確認した時、ちょうどその魔法で内通者が戦闘をしててね? 本当にびっくりしたからモロに喰らっちゃったわ………その後しっかり伸した上、掛けられてた自爆術式は無効化したけど」
なるほど、な。
最近様子がおかしかったのはそれが理由か。
しかも第二次大戦直前のドイツ。禍の団が絡んだ事件でそんな頃の遺物が出てきたというなら、厄介な連想ができる。
禍の団の派閥が一つ、ツヴァイハーケン。
ナチスドイツの流れを組む、人体改造技術を中核とする小規模派閥。ゼツメライズキーを使うことを前提としたアステロイドというサイボーグ技術を確立させ、禍の団に貢献している連中だ。
そんな連中がいる状況下で、禍の団に繋がっている魔法使いが、昔の男が扱う術式の流れを汲んでいる魔法を使った。
最悪の答えはすぐに思いつく。
「……最悪の場合、禍の団にあいつがいることになるのよねぇ」
そう、絞り出すようにリヴァ先生は言葉を吐き出した。
Other Side
「……で、だ。例の件についても話とこうぜ?」
『後継私掠船団や英雄派から確認をとった。ヴォルフ・フォン・ミッドガルズはツヴァイハーケンから禍の団に派遣されたメンバーでは最高幹部だそうだよ』
「なるほどな。ヴァーリはその辺について深入りはしてねえから助かるぜ」
『オーディン殿の娘であるリヴァ・ヒルドールヴ。彼女とかつて親交のあった男が、まさか禍の団でも有力な立場についていたとはね』
「あいつにとってもきつい話だ。だがまぁ、そこは和地達にフォローを任せるとするか」
『流石に雑な対応ではないか?』
「そうでもねえだろ。嫁のフォローは旦那の仕事だ。そして俺達大人はその間に、えげつねえ部分をなるべく引き受けねえとな」
『……確かにそうだな。アザゼルの言う通りだ』
「そういうことだよサーゼクス。ただでさえガキどもに負担懸けてんだから、こういうところぐらい大人がしっかりケツもってやらねえとな」
『……リアスやイッセー君にも迷惑をかけているしな。それにリアスにはこれから苦労を掛ける以上、それ以上の黒い部分は我々がどうにかせねば』
「リゼヴィムと繋がっている連中、そんなにやばいのか?」
『残念ながらね。ユーグリッドも詳しい事は知らないようだが、候補として絞れた者の中には考えたくないような者もいる』
「……和平を各勢力と結んで争いを止めたところで、争いたがっている者からすれば逆に敵意が生まれるってことか」
『そして、和平を加速させる外敵たる禍の団は彼らの受け皿として機能する。そこに各勢力の不満を煽っているリゼヴィムが統率までしているのでは……ね』
「あの野郎にまさかそんな才能が有ったとか、流石に読めるわけがねえ。異世界の実証ができたことでこんな事態になるなんざ、それこそ聖書の神が生きてたって読めなかったろうさ」
『それはそうだが、だからと言って開き直るわけにはいかない。ロスヴァイセ君の論文から、新しいトライヘキサ封印の術式を用意するといった対応だけは確実にこなしていかなくてはね』
「……確かにな。禍の団の連中、アジトがアジトだからどうにかすんのも一苦労だ」
『後継私掠船団やヴァーリチームからの情報提供に出た、タイフーン級神器力潜水艦……恐ろしいものだ』
「移動拠点をいくつも持ってりゃ、アジトの撃破なんて困難だしな。……こっちも相応の対策は必須になるし、水中戦闘用TFユニットでも研究するかねぇ?」
『大王派は水陸両用DFを開発中とのことだよ。平和という物は本当に苦労するものだ』
「ま、生みの苦しみって奴だろうさ。……なるべくガキどもには苦労を掛けない形で苦しみたかったけどな」
和地Side
「……とまぁ、そういうわけでねぇ」
そう言うリヴァ先生は、ため息をつきながら体重を後ろに預けて天井を見上げた。
「ひと夏の恋とは言わないけど、根無し草故の適当感はあったから大した思い出にもならないと思ってたけれど……意外と凹むわね」
苦笑するリヴァ先生に、俺はなんというかちょっと立腹者だった。
リヴァ先生に男の影があることではない。それについて俺が何か言うことこそ大の問題だろう。
俺が立腹する理由なんて、ただ一つだ。
なんというかムッしたので、俺は強引にリヴァ先生を抱き寄せる。
「にょわぁっ!? ちょ、ちょちょちょちょっとカズ君っ!?」
思いっきり顔を真っ赤にして大慌てするリヴァ先生は珍しいが、そこに感慨深いものを感じる余裕は俺にもない。
もう片手では我慢できないので、両手を広げてガバっとリヴァ先生に抱き着いた。
「お、おわわわわ……っ」
「……鶴羽、その驚き方は女の子としてどうかな?」
そしてリヴァ先生以上に顔を真っ赤にしている鶴羽に、インガ姉ちゃんからのツッコミが飛ぶ。
「おわわわわってなんだよ。おわは違うだろ」
「ちょっとそれ、女子力がちょっと……」
ベルナと春っちが軽くドン引きしているし。
正直ちょっと気がそれたぞ。軽く引くぞ。
まぁそれはそれとしてだ。
「リヴァ先生、そこはちょっと怒るぜ?」
まったく、ちょっとそこはなぁ。
そりゃまぁ、リヴァ先生は俺に対するスタンスとして俺を振り回してある意味で気楽にさせる方向性を自負している。
まぁそれはそれでありがたいし差別化としてもポテンシャルは高いわけだ……が。
「別に一切甘えるなってのは逆に俺が困る。というか、自分の女が困っている時ぐらい肩を貸させてほしいんだけどな」
ほんとそこだ。
まったく、水臭いぜリヴァ先生。そりゃないとすら言いたくなる。
俺はリヴァ先生のことを大事に思っているし、一緒にいたいと思っているんだ。
だからこそ。
「今度思いっ切り甘えるから、たまには俺に甘えてくれ」
……困ってる時ぐらいは助けを求めてほしいんだよ。
自分のことを好きでいてくれる人に対して、できることなんて実際のところ何処まであるのだろうか。
その中に、俺が絶対に譲れないことが一つある。
「……リヴァ先生が嘆いているなら、俺にそれを拭う手伝いをさせてくれ。……頼むよ本当に」
俺は目を伏せ、そう言うしかない。
……甘えるより甘えさせたいというのなら、俺はそれをすることで甘えたい。
「……ふぅ。カズ君も大概難儀な性格ね」
そう、リヴァ先生は苦笑する。
その瞬間、思いっきりリヴァ先生は俺に抱き着き返してきた。
というか頬ずりまでしてくるし。いやホント何してくださいますか。
「ん~。だったら今日はカズ君に甘える日にしましょう。アザゼル元総督には言えることは全部言ってるし? 明日からは対策を考えるってことでよろしくね~♪」
……敵わないなぁ、本当に。
ただまぁ、ぎゅっと抱き着いてくれるのはありがたい。
あとはその抱き着きに対して、俺がどうにか対応できるかどうかの話だ。
「……もしかして、その辺り読んでたからこういった真似を?」
「時には強引に巻き込むしかない時ってあるでしょう? そういうのは私の得意技よ」
……カズヒねぇにも、敵わないなぁ。
「あうあうあうあうあうあぁ~っ」
「あとリーネスは結局何しに来たんだ?」
「「「「……さぁ?」」」」
「「ああ、全くもう……っ!」」
Other Side
「……さて、調子はどうかな?」
『いい感じだよ。慣らしも終わったし、そろそろ本命かな?』
「獲物に関してはいい物を用意したよ。皮肉が実に聞いているし、かちあう相手が相手である以上、ステラフレーム自我覚醒体でも単独だと厳しいからね」
『至れり尽くせりで感謝するね。君達はいかないのかい?』
「ちょっと大仕事の予定があるんだ。まぁ、上手くいけばそこでとどめというコンボも仕掛けられるはずさ」
『ありがとう。……あぁ、殺さずにはいられないさ』
「和平なんて結ばれてるのは、お気に召すわけないか」
『当然だね。……三大勢力が今更和平を結ぶというなら……全部壊しつくすだけさ』
「いい感じに壊せて何より何より。これでどう転んでも悲しんでくれるかな?」
「……どうやら、三大勢力も次々に動くようだな」
「酷い話。ろくに仕事もしないくせに、餌を適当に与えれば宥められると思ってるみたいね」
「どうします? 無能共に一発かましてやりたいんですけど」
「前回の戦闘で経験を積んだものは増えたが、好機といえるものもないしな。ちょうどいいからいいガス抜きに仕掛けるとするか」
「我らサウザンドフォースは人類の防人。神祖の遺志を継ぐ為にも、火を絶やさぬように適度な動きは繰り返すぞ」
「「了解!」」
「……さて、そろそろリゼヴィム殿が動くようだ」
「あら大佐、となると……要所に仕掛ける作戦でも?」
「ああ。天界に仕掛けるそうだ。データをとる為にも私も出るとしよう」
「大佐に何かあると、禍の団での活動に支障が出ることになりますが」
「その時は南海同盟に移動してくれ。あそこのボスとは話がついているから、君達を悪いようにはしないだろう」
「え~? 私は参加できないんですかぁ?」
「……まぁ、前線戦闘担当の武将型アステロイドも一人二人は連れていくべきか。構わないけど、死ぬ覚悟はしといてくれ」
「当然ですよ大佐。戦士は前線で命を犠牲にすることが仕事の内です」
「それなら構わない。……こっちもあまり余裕がないだろうからね」
「そうですか? 何かありましたか?」
「ああ、昔の女がグレモリー眷属と組んでいるようでね。少し手を出す余裕がなくなりそうだ」
リヴァが持つほかと全く違う部分はどこかを考えた場合、「人生経験の長さ」であることは確定的に明らかです。
彼女は第一次世界大戦前の生まれで、二十一世紀まで生きている人物。その人生からくる厚みもあり、そこが彼女のポジション確立につながっているのはおそらくわかっている方も多いとは思います。
それは裏を返せば「和地の知らない部分」がいっぱいあることにもつながるわけでして、そこから今回の「VS元カレ」の予兆を組み込むことに成功しました。
まぁ元カレとの戦い以上にそこにつながる心情面が中核になるかと。
ファニーエンジェル編の本格バトルは、前半部分で和地はそこの担当になるでしょうねといったところです。