好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
まぁそれはそれとして、今回は恒例トレーニング回! D×Dはこういうところがちゃんとあるのがいいですよね♪
和地Side
リアス部長が冥界に戻った次の日のことだ。
どうもバアル家に関与する者が襲撃されていることもあり、何かありそうな気はするはずだ。
わざわざ次期当主を実家に呼びつけるわけだし、相応の厄ネタが冥界で動いているのかもしれないな。リアス部長の母親はバアル家出身だし、部長がターゲットになる可能性は十分あるしな。
ただ連絡ではなく呼び出しである以上、可能な限り情報が洩れてほしくない雰囲気が漏れている。
……おそらくは暗部が動くような事態なのだろう。あの親馬鹿兄馬鹿のグレモリー本家なら、可能な限り内緒にしたいと透けてみる。その上で……か。
それを考えるとやっぱり気になることも多いな。
どうもリゼヴィムは、あの手この手で不満分子を挑発するスタンスをとっているようだ。
リゼヴィムからすればトライヘキサ復活までの時間稼ぎが必要なんだろう。……問題は成果が出まくっていることだ。
こと和平は一年も経たずに一気に進んでいるからな。何事も急激な変化には反発や抵抗があるものだ。
それに過去の遺恨とかっていうのは中々拭えないものだ。割り切れる奴や流せる奴はそこそこいるだろうが、できない奴や難しい奴もそこそこいる。ましてパニック映画でよくあるように、余裕がない時ほど常に理性で抑えているところがダメになるしな。
元々禍の団という外敵兼受皿があるからこそ、和平も急激に進んだだろう。だが半端に禍の団はまずいと考える頭があり、しかし和平に不満がある奴は絶対にいる。
もしその辺りを突かれると、でかい火事が巻き起こりそうだ。
その辺を考えながらちょっとお茶を飲んでいると、リビングをカズヒねぇが覗き込んできた。
「あ、和地。ちょうどよかったわ」
「カズヒねぇ。どうかしたのか?」
俺が首を傾げていると、カズヒねぇは少し肩をすくめて苦笑いだ。
「クロード長官から連絡が来てね。最寄りの機関支部で話があるからできる限り早く来てほしいって」
……ん~?
なんかきな臭いな。
クロードさんの人間性は信用に値する。人間時代も英霊時代も暗部やっているから信頼はしすぎない方がいいが、あくまで必要悪を担う範囲内だから、そこまであれなことにはならないだろう。
だがそんなこと、クロードさんだって承知しているだろう。
普通に地下に通信可能な設備があるのに、わざわざ俺達がいないプルガトリオ機関の支部で話す。
……もうこの時点で厄ネタ確定だ。下手すると身内案件かもしれない。
「OK。話せる内容だけ後で話してくれ」
「理解のある旦那で助かるわ」
うかつに突けないからこう言うほかないからな。
ただまぁ、その辺の口止めをしてないのなら……致命的ってわけじゃなさそうだな。
「ちなみに言わない方がいい相手は?」
「……紫藤トウジ氏には知られないように、とのことよ」
おいおいまじかよ。
あの人何かやらかし……あ。
「イリナの親父さんだからなぁ」
「ええ。何かやらかしてそうよね」
いや、悪い人ではない。敬虔な信徒でもある。そこは信用も信頼もしていいだろう。
だが信仰にのめりこんで酔いしれるタイプのイリナの親父だ。短い付き合いだがどうも親あっての子と言ってもいい気がするしな。
何かやりすぎたとしてもあり得るだろう。真剣にその辺は考慮しなければ……っ
「よっし任せろ! 今日は外出の予定だったし、トウジさんの方は俺が様子を確認しておくから!」
「……できる限り手早く済ませて帰ってくるから、無理はしないでね? リヴァの事とかもあるし」
其処は確かに要注意点だよなぁ。
いやほんと、やることも気を付けることも多すぎる。
「……カズヒねぇ」
「……何かしら?」
「帰ってきたら膝枕をお願いしていいかな?」
「そうね。リヴァと一緒に徹底的に甘やかしてあげるわ」
よし、ご褒美ゲット!
祐斗Side
リアス部長が前夜にグレモリー城に出立し、カズヒが急用でプルガトリオ機関の施設に出向して少しして、僕達は日課のトレーニングを行っていた。
敵が何をしてくるか分からない以上、僕達が今まで以上に鍛え上げる必要があるのは明白だ。
明白……なんだけど……
「もらったぞ、九成!」
「嘘だろおい!?」
ゼノヴィアが一撃で九成君の障壁を吹き飛ばし、僕達は目を見開いた。
彼の星辰光で生成される障壁は、はっきり言ってかなり厄介だ。
収束性が低い為、単純強度は決して絶大ではない。まして瞬間的に作るとするなら尚更だ。
だが彼はそれを承知のうえできちんと対策をとっている。様々な特性の多層構造にし、更に受け流しや脆性破壊による衝撃吸収も組み込んだ、多種多様な防御障壁。その突破は基本的に難しく、グラムでも抜き打ちでの突破は難しい。
それを、ゼノヴィアは一刀両断した。
「ふっふっふ。テクニックというのはとても大事だと今更ながらによく分かった。正確無比かつ瞬間的に力を叩き込むことで、こうも攻撃力が向上するとはっ」
笑顔すら浮かべてゼノヴィアは震えているけど、そうじゃないんだよ。
夢幻召喚により、ゼノヴィアは源為朝をその身に宿している。
クラスこそアーチャーであるものの、優れた武将としての力に偽りなし。当時武家という物は一人で様々な戦い方を習得して当然である以上、その戦いぶりは凄まじい。
結果として、為朝状態のゼノヴィアは圧倒的な技量を獲得したと言ってもいい。
そう。ゼノヴィアは絶大な力を最大効率最小負担で相手に叩き付ける術理を会得したといえるだろう。
……違うんだよ! そうじゃないんだよ!?
僕が手にしてほしいのはそうじゃないんだ。もっとこう巧みかつ複雑な戦い方なんだよ。
夢幻、透明、擬態、支配、祝福といった各種ヘキサカリバーは、もっとこう変幻自在な戦闘が可能なんだ!
なにせ他二人の使い手は練習で活かし始めている。イリナさんは擬態と夢幻を併用したフリードのような霍乱攻撃を試しているし、アニル君も天閃と透明を併用したヒット&アウェイの応用発展に手を出している。こうして考えれば、殺気が読みやすいから捌きやすかっただけで、手にした瞬間に複合戦術や瞬時の使い分けをしたフリードがいかに天才的だったかを痛感するレベルだ。
頑張れば彼の域に到達できるだろう。むしろ完成度が高いからもっと上だろう。それがヘキサカリバーなんだ。エクス・デュランダルなんだ。
なんで戦術の幅を広げるのではなく、あくまで破壊やデュランダルをサポートする補助輪的運用しかしないんだ、ゼノヴィア!?
ゼノヴィアが為朝と同調することで放つ、極聖・弓張槍ヶ月が典型例だ。
あれは擬態でエクス・デュランダルを槍のような矢にし、夢幻と透明の応用でスコープを疑似生成して遠距離の敵を正確に目視、支配で弾道を制御して、破壊と天閃でより速く強力にした矢を、祝福により成功率を高めることで放つ奥義。
全ヘキサカリバーの適性を、「デュランダルの威力を最大効率で遠距離の敵にピンポイントで当てる」という形に発現する技だ。
……合ってるけど合ってない!?
あ、思い出したら僕は崩れ落ちていた。
ふふふ。グレモリー眷属のテクニック不足は深刻すぎる。テクニックタイプの資質を持ってほしい、譲渡が使えるイッセー君やエクス・デュランダルのゼノヴィアがこれだからかな?
もったいない、もったいないよ……っ
「……そろそろ諦めた方がいいんじゃないかしらぁ?」
そんな中、リーネスが僕の隣に座るとぽんと肩に手を置いた。
「向き不向きって、性能だけじゃなくて性格も関わるものぉ。ヘキサカリバーを有効活用はしているし、妥協は必要よぉ」
「そうなんだけどね。でも、グレモリー眷属にはテクニックが少なすぎるよ」
僕はとりあえず座ると、水分を補給しながら黄昏ていた。
グレモリー眷属のパワータイプ重視は偏りすぎだしね。いい加減、僕以外のテクニックタイプを真剣に用意してほしいぐらいだよ。
部長や朱乃さんもウィザード系だけどパワーよりだし、サポートタイプのギャスパー君もバロールの力でパワー系によっている。正直僕にテクニックを押し付けないでほしい。疲れるし休みたい気持ちだってあるんだよ。
分散を、分散を……っ
「イッセー君の眷属を考えている、レイヴェルさんは気にしてないのかな」
「あの子ぉ、むしろ「不得手なテクニックにリソースを割くぐらいなら、テクニックを吹き飛ばせるぐらいパワーを高めるのがグレモリー眷属の方向性」とか言っていたみたいよぉ」
……ある意味真理だけど。真理だけど……っ!
「まぁ実際、特化型って運用面だと分かりやすいしぃ、基本的に戦闘って如何に長所で短所を押すかだしねぇ?」
「技術開発者としては、反対はできないわけかな」
……僕がおかしいんだろうか。
なんだろう、心がきしみを上げそうだよ。
少し俯き気味になっていると、リーネスはぽんぽんと僕の背中を優しく叩いてくれる。
「どちらかというと、リアス部長や小猫に割いた方がいいんじゃないかしらぁ? 朱乃さんやギャスパーも小技ができる方でしょぉ?」
「そうなのかもね。少し、発想を転換するべきかな?」
僕は何とかその言葉で持ち直すと、少し考えることを変えることにする。
「そういえば、あのグレートアントニオンは凄かったね。できればもっと早く出してほしかったけど」
「ごめんなさいねぇ? あれ、まだまだ技術的にこなれてないからオーバーホール必須なのよぉ。……当分出せないわねぇ」
ああ、そういうことなのか。
イッセー君のロンギヌス・スマッシャーも、当面は撃てないそうだ。それだけの威力であり、また影響もあって飛龍の扱いにも制限が掛かってしまったとか。
そういう意味では、僕達は若干弱まっているともいえるのか。
……やはりゼノヴィアにテクニックに目覚めてほしいけれど、当分は無理だろう。
となると、僕がやるべきことは―
「……木場くん、いいかしらぁ?」
―その時、リーネスが真剣な表情で僕の目を覗き込む。
なんだろうと思わず身構えると、彼女は僕の手の方に視線を動かしながら苦笑した。
「魔剣に意識を向けるのも仕方ないけれどぉ、聖魔剣も忘れちゃ駄目よぉ?」
その言葉に、ちょっと気が逸れたのは事実だ。
確かに、グラム達五本の魔剣を獲得してから、僕はあまり聖魔剣を使っていない。
魔剣を最大運用することを踏まえると、聖剣創造の禁手を使った方が有効だからだ。
ただ、リーネスからすると違うらしい。
「貴方の
……なるほど。
確かにそうだ。可能性があるのなら、グラムの制御と並行して新しい可能性を考えるべき……かもね。
そう考えた時、轟音が鳴り響いた。
ふと振り返れば、そこにはゼノヴィアが振ったエクス・デュランダルを受け流すどころか、絡めとる様にして打ち上げる九成君がいた。
ゼノヴィアはすぐに体勢を立て直すと仕切り直しになる。だけど、彼女を含めて僕達は全員が目を見開いていた。
何故なら彼が打ち上げに使ったのは、禁手でもないただの魔剣。
まるで青い飛沫が飛び散るように力を放った九成君は、同時にどこまでも澄んでいるような雰囲気で微笑んでいる。
「……ああ、掴めたかもしれないな」
あの感覚、あれがグレンデルと戦っていた時に入ったとかいうゾーンか。
一度入ったことがあっても、任意で入れるようになるのはひと握り。それを、こうして模擬戦で再現させれるだけでも彼は非常に優れている。
イッセー君のような必要な時に可能性をつかみ取る形でも、カズヒのように意志の力で限界を超え続けるのでもない。本来出しうる力を必ず出し切る可能性。それが、彼が掴み取るに値する方向性だろう。
「……よし、これならいけるか……?」
ただ、その直後から―
その後の光景は、僕達にとっても驚愕だった。
目を見張る。信じられない。唖然とする。現実を受け止めきれない。
そんな恐るべき光景の中、リーネスが隣で漏らした感想が、ある意味一番真理をついていただろう。
「……その発想は……なかったわねぇ……」
弓張槍ヶ月のメカニズムが明かされる話でした。
まぁ本文の通りですが、これはヘキサカリバーの全機能をもってして「デュランダルの破壊力を遠距離の相手にピンポンとで当てる」ことに特化した大技です。遠距離攻撃という点において言えば、今後もゼノヴィアにおける最優となるでしょう。なにせ為朝を夢幻召喚しているので。
そしてグレートアントニオンは今回出せません。
アントニオンがさらに強くなるのは単純にすごいのですが、強くなりすぎて本体に負荷がかかりすぎることから連発は不可能となっております。今後も一巻分で出てきたら次の一巻分では出てこない方向性です。
そして和地、さらなる高みに手を伸ばす。
ファニーエンジェル編でちゃんとお披露目しますが、かなりすごいことを成し遂げました。
……さぁ、もうちょっと待ってね!