好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 感想・高評価・捜索掲示板の紹介を常々欲するグレン×グレン、久しぶりの作品の平均評価も黄色台に戻ってかなりうれしいグレン×グレンでっす!

 今後もお気に入りに入れてくれる方々の清き感想と高評価はお待ちしております!


英雄乱戦編 第四十七話 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 オカルト研究部用に与えられた、訓練用の異空間。

 

 レーティングゲームの技術を流用したこの空間で、オカルト研究部のメンバーは沈黙していた。

 

 その視線の先にいるのが俺とイッセー。

 

 まずイッセー。全身の鎧が切り刻まれ、俺が加減を誤ったことで少し切り傷まみれになっている。

 

 そして俺。イッセーもまた加減をし損ねたこともあり、防御に回してしまった左上腕部の骨が折れている。

 

 イッセーは赤龍帝の籠手が秘める可能性を更に引き出す余地があり、それを掴みかけた。俺は先日見出した更なる可能性を、形に仕掛けているので試してみた。

 

 ウォーミングアップも兼ねて色々調整したうえで、同じタイミングで発動した結果だが……加減し損ねるぐらいの出来だな。

 

「……これなら、リゼヴィムの野郎にも通用させれそうだな」

 

「お前はアサルトの方になるけどな」

 

「と、とにかく二人とも治療をしてください!」

 

 お互いに苦笑しながら立ち上がり、血相を変えたアーシアの治療を受ける。

 

「……末恐ろしいことになってますね。正直、そろそろ反則の領域に入っている気がします」

 

「ふふふ。私達の夫は全盛期の天龍に迫りそうね」

 

 シャルロットとリアス部長が感心半分呆れ半分でそんなことを言い合っている中、カズヒねぇがこれまた苦笑を浮かべながら俺達の方に寄って来る。

 

「まったく。私も負けてられないぐらいの成長ね」

 

「「え˝?」」

 

 思わずイッセーとハモってしまった。

 

 あのすいません。毎日毎日成長し続け、戦闘中に覚醒して跳ね上がる人が何を言っているのでしょうか?

 

 ほぼ全員の視線がカズヒねぇに突き刺さり、気づいたカズヒねぇもちょっと咳ばらいをした。

 

「……覚醒なんて普通はできないし、普段の鍛錬で成長できるならそれに越したことはないのよ」

 

 そう言うと、そのままカズヒねぇは肩をすくめながらリアス部長の方に視線を向ける。

 

「では行きましょうか、部長」

 

「そうね。紫藤局長の体調もあるし、時間をとらせるわけにはいかないわ」

 

 そう、俺達はこれから天界に再び向かう。

 

 全ては、紫藤トウジ氏に直接例の話を聞く為だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 天界に到達し、僕達はトウジさんの病室に通された。

 

 人間界の電子機器があり、宙に浮かぶ寝台がある。天界は冥界とは別の意味で、古き異能と新しき技術を組み込んだ独特な空間になっている。

 

 そんな病室で、だいぶ顔色が良くなったトウジさんは目を伏せてでリアス部長の話を聞いていた。

 

 ゼクラム・バアルから聞いた内容を部長が語り終え、トウジさんは上半身を起こしながらも俯いていた。

 

「……我々は最後まで八重垣くんの説得を続けました。今でも根強い同意者は多いでしょうが、当時の概念で悪魔と信徒の恋愛は許されるものではありません。しかも分家とはいえベリアル家という元七十二柱の家の者が相手では、ベリアルそのもの……いえ―」

 

「魔王に並ぶと称される、ディハウザー・ベリアルが出てくると?」

 

 リアス部長が引き継いだ言葉に、トウジさんは頷いた。

 

 確かに、ベリアル家と揉め事になれば最終兵器として皇帝(エンペラー)が出てくる可能性は考慮するべきだ。そしてそれはすなわち、悪魔にとっての頂点と敵対することになる。彼が冥界で確固たる人気を確立している以上、民意に後押しされる大騒ぎになりえただろう。

 

 ……コカビエルがかつて、エクスカリバーを奪ったうえでリアス部長とソーナ会長を狙ったようなものだ。ネームバリューが大きすぎて、そうなればミカエル様達天界のトップが出てくる必要性がある。そしてそうなれば、神の子を見張る者も注目し、コカビエル辺りは嬉々として介入しそうだ。

 

 そうなれば三大勢力の戦争は再開だ。言って間違えれば戦争再開の火種になりえるともなれば、彼らからしても警戒は必須だろう。

 

「……小競り合いでは済まなくなりかねない問題に対し、悪魔側も同様だったのでしょう。バアル派の悪魔が内密に、穏便に済ませたいと接触してきたのです」

 

 戦争をしたくないのは教会側も悪魔側も同じ。

 

 今にして思えばそれがトップの意見だと分かっているが、当時の状況で互いのトップのそれを知ることは難しい。結果として彼らは上層部に相談することなく、内密に収めようと動いていた。

 

 そしてその結果、『反逆者』は始末された、ということか。

 

 その結果として双方の間で手打ちが行われた。

 

 バアルはベリアル家にすら一部の者だけに事情を伝えるにとどめ、カバーストーリーを用意したうえでリアス部長を後釜に据えて評判の塗り直しを図った。クレーリア・ベルアルの眷属も、口止め料の類を貰って冥界の僻地に飛ばされたとのことだ。

 

 教会側も駒王町から手を引き、それぞれが別の部署に飛ぶことになった。トウジさんの場合はイギリスに転任されて、そこでイリナさんが悪魔祓いにということになったのだろう。

 

 トウジさんはそこまで語り、涙を浮かべながら歯を食いしばる。

 

「……ゴメンね、イリナちゃん。パパの手は天使のイリナちゃんが娘だなんて言えないぐらい汚れているんだ。もっと上手く収めることができれば、イッセー君と離れてイギリスに行くこともなかったんだよ」

 

「やめてよパパ。私だって教会の戦士だったから、その時のパパがどれだけ大変かなんて分かるわ。それにパパの手が汚れていたとしても、家族だもの。……パパは私が守るわ」

 

 イリナさんが首を振りながら告げる言葉に、トウジさんは何も言えずに涙を流し続ける。

 

 その様相を見ながら、リアス部長は覚悟を込めた表情でトウジさんを見る。

 

「過去の出来事は事情が有れど悲劇でしょう。ですが彼がクリフォトの手駒となっている以上捨て置けません。……どんな結果になっても、悲劇と憎悪を増やさない為にも止めるしかないのですから」

 

 その言葉に僕達は全員が頷いた。

 

「こう言っては何ですが、同様の事態は歴史を振り返れば数えきれないほど転がっています。それを重く受け止め改め償うことはあっても、此処でテロを認めて殺されるわけにも殺させるわけにもいきません」

 

 カズヒもまたそう告げ、視線をトウジさんに合わせて真っ直ぐに彼を見つめる。

 

「貴方の身は守ります。それが教会の必要悪を担ってきた辺獄騎士団の責務であり、八重垣正臣を利用する道間誠明たるミザリ・ルシファーの妹としての責任です」

 

 ……カズヒもつらいだろう。

 

 彼女は教義上のグレーゾーンに位置する者達が多く在籍する、プルガトリオ機関の一員だ。それもグレーゾーンの者をあえて入れないダーティジョブ専門部隊の出身なんだ。同様のケースは知識としていくらでも知っているだろうし、場合によっては自身が動いたこともあるだろう。

 

 まして八重垣正臣をステラフレームとして復活させたのは、ミザリ・ルシファーがサブリーダーになっているクリフォトだ。様々な意味で重く受け止めるしかない状況だ。

 

 そして、例えそうであっても彼女の判断は変わらない。

 

 業を背負い、汚れを浴び、そして自らが苦痛を味わおうとも。悪祓銀弾(シルバーレット)は自らの道を定めているのだから。

 

 その強い二人の決意を受け止めながら、トウジさんは涙をぬぐう。

 

「……実は、私はクリスマス企画の為だけに来日したわけじゃありません。D×Dにある物を提供することも仕事なのです」

 

 そう言いながら、トウジさんは細長いケースを取り出す。

 

 そしてイリナさんに渡しながら開ければ、そこには聖なる力が溢れていた。

 

「これは……?」

 

 イリナさんが取り出したのは、聖なる波動をもつ一振りの剣。

 

 エクスカリバーやデュランダルに次ぐだろうその剣は、魔剣で言うならダインスレイブといった伝説級のそれだ。

 

 僕達がそれに目を奪われる中、トウジさんはイリナさんを見ながら小さく頷いた。

 

「かのデュランダルの持ち主たるローランの親友オリヴィエ。彼が持っていたオートクレールが其れです」

 

 聖剣、オートクレールか。

 

 確かにそれなら、ダインスレイブ級の伝説クラスはあるだろう。逸話から言ってもそれぐらいはないとおかしいレベルだ。

 

 そしてトウジさんは、オートクレールの刀身を見ながら感慨深い表情になる。

 

「真に清き者以外は触れられないとされ、斬った者の心すら洗い直すと言われる聖剣。イリナちゃんが一番適性を持っていると結論付けられたんだ」

 

「……でも、イリナ先輩は人工聖剣使いになってからも与えられてはいなかったはずですよね?」

 

 ルーシアちゃんがそう首を傾げると、トウジさんも少し苦笑して頷いた。

 

「おそらく天使になったことで、取り込んだ聖剣因子を後押ししたんだろう。研究者はデュランダル使いのゼノヴィアさんの相棒を務めていたことも作用したと考えていたよ」

 

 その言葉に、ゼノヴィアとイリナさんは思わずお互いを見つめてしまう。

 

 お互いエクスカリバーの使い手を任命され、ヘキサカリバーの使い手にもなっている二人。デュランダルの持ち主たる先天的聖剣使いのゼノヴィアに影響され、後天的聖剣使いであるイリナさんがオートクレールの使い手となった。何かしらの因果を感じるね。

 

 そしてトウジさんは、真っ直ぐにイリナさんに託す視線を向けると、小さく頷いた。

 

「……イリナ、八重垣君を止めてくれ」

 

 その言葉に、イリナさんは強い決意をもって頷いた。

 

「ありがとう、パパ。必ず、あの人を止めて見せるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九成Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トウジさんからイッセーだけ残ってほしいと言われて、俺達は先に退出する。

 

 その上で、これはちょっと離れたところで少し残ったうえで現状を再確認だ。

 

 ここは天界であり、天使達の本拠地だ。

 

 本来悪魔であるグレモリー眷属や、堕天使側であるAIMS第一部隊が入れる場所ではないが、技術革新でその辺りがだいぶ安全になっている。

 

 とはいえあまり大人数でお邪魔するのもあれなので、メンツは前回来たメンバーだ。

 

 つまりインガ姉ちゃん達はいないし、未だ厳密にはシトリー寄りの鶴羽も来てない。リヴァ先生は来ているけどな。

 

 まぁここにいきなり襲撃が来る可能性は薄いだろうし、来たとしても天使の本拠地なのだから戦力は豊富だ。

 

 そしてそれはそれとして、相応の備えもしているようだ。

 

 ちらりと外を見ると、外付けの輪を取り付けた悪魔や堕天使が何人確認できる。他にも生きたままの人間もな。

 

 三大勢力を中心とする和平が進んでいることを示し、各勢力が仲良くやっていけることを証明する為の融和政策。その一環として各勢力の重要拠点に対し、他勢力の部隊を衛兵の一人として派遣するという運動が進められている。

 

 ……まぁ確かに、融和の象徴としてそういった活動に価値はあると思う。思うけどそれはそれとして反発も強まりそうだな。

 

 結局どう動こうが反対勢力は必ず出るだろう。だがなんというか……できない奴の配慮がちょっと足りなすぎないだろうか。

 

 う~ん。どうも異形社会のトップ陣営、種族や存在的なあれもあって、その辺りの配慮が苦手な印象があるな。

 

 これ大丈夫なんだろうか? ちょっと不安になってくるぞ。

 

 そんな不安を覚えていると、病室のドアが開いてイッセーが出てくる。

 

「九成か? なんでまだ残ってるんだ?」

 

「単独行動はあれかと思ってな。許可をもらっているとはいえ、天使にだって複雑な感情を持ってるやつはいそうだろ? 複数人行動しておくに越したことはないさ」

 

 未然に防ぐ対策とかは必要だしな。

 

「で、これはあれか? 娘をよろしくお願いします的な?」

 

 俺が茶化すようにそう言うと、イッセーは面食らった。

 

「なんで分かった?」

 

 半分冗談だったが、どうやらマジらしい。

 

 おいおい、もうお父さん公認かよ。こいつ凄いな。

 

 ……まぁ、それはそれとしてだ。

 

「イッセー。一応気を付けとけよ?」

 

「……クリフォトが天界に何か仕掛けてくるってか?」

 

 いや、そんなレベルじゃない。

 

 俺は首を横に振ったうえで、イッセーの認識を改めさせることにする。

 

「今回の件、ミザリからすれば垂涎ものの状況だ。……奴が八重垣正臣をステラフレームにするだけで済ませるとは思えない」

 

 そう。最大の懸念点はそこなんだ。

 

 和平の象徴たる駒王町のグレモリー眷属を中核とするオカルト研究部メンバー。

 

 その駒王町そのものと主要メンバーであるイリナ。そこから負の歴史をほじくり返す八重垣正臣の一件は、俺から見たミザリにとってこの上ない悲劇の元だ。

 

 質も量も拘りその為に資材や時間を費やすことをいとわない。そんな悲劇を求めるミザリ・ルシファーが、たった一人をステラフレームにするだけで終わるとは思えない。

 

 流石に天界に仕掛けるのは難しいだろうが、いずれ必ず相まみえる時、更なる上乗せを仕掛けてくることは想像に難しくない。

 

 考えるだけで嫌な予感が止まらない。どんな上乗せをしてくるか、想像ができないからこそ備えと覚悟をしておかなくては。

 

 初見殺しに対する真っ当な策などという物は、根本的に喰らっても持ち直せる備えをしておく以上にないのだから。

 

「帰ったらあれを煮詰め直すぞ。最悪リゼヴィムとミザリがどっちも出てくると考えるべきだ」

 

「最悪のパターンを想像しろってか。あいつらその斜め上を行きそうだしな」

 

 俺とイッセーは頷き合うと、先に第一天に戻っているカズヒねぇ達と合流しに向かう。

 

 まずはあれをしっかり煮詰めて確立させることだ。それができれば……おそらくリゼヴィムにも通用するはずだから……な。

 




 ちょっとした指摘を受け、書き溜めの段階がギリギリ間に合うことからファニーエンジェル編の方針をごっそり変える可能性があります。

 状況次第では更新がごっそり遅くなりますが、そのあたりはご了承ください。
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