好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
さて、今回はイッセーがイリナといちゃついたり公園で邪龍とうんたらかんたらする当たりの時間帯を描いております!
祐斗Side
トウジさんから話を聞いた後、僕達は天界で一時を過ごしている。
アーシアさんがアウロス学園防衛戦で量産型邪龍を仕えさせることができたり、この機会に天界側が僕たち関係で調べたいことがいくつもあるからだ。ゼノヴィアのエクス・デュランダルも大いに調べたいだろうしね。
僕も聖魔剣関係で色々調べてもらった後、喫茶スペースに一休みしに来てみた。
そこには既に先客が何人かいたよ。
「あ、祐斗くんやっほー♪」
「そっちはもう終わりかしら、祐斗」
リヴァさんとカズヒもまた、喫茶スペースでそれぞれドリンクを飲んでいる。
僕も会釈しながらドリンクを買うと、二人の近くに腰を下ろした。
「二人も所用は終了ですか?」
「まぁね。和地も独自に色々用事があるみたいだし、たまにはこういう女同士の時間も必要でしょう?」
「既に北欧から人員来てるみたいだから、先生の出番ってあまりないのよね~」
なるほど、そういうことか。
となると僕はお邪魔になるかとも思ったけれど、そこまで深く真剣な雰囲気でもなかったら雑談に混じらせてもらった。
基本的には天界の雰囲気とかが中心になったけど、その話が各勢力からの護衛部隊派遣という話になった時、カズヒが少し俯き気味になった。
「言いたいことも理念も理解できる。ただ、それを一番理解させたい相手が言いたいのはそういうことじゃないでしょう……とは思うわね」
「そうかい? 各勢力がきちんと仲良くやれることを示すのは重要だろう?」
僕としてはそう思うけど、カズヒはどうも違うらしい。
「いえ、むしろ逆効果になりそうな気がしてならないわね」
その言葉に少し理解が追い付かないけど、リヴァさんは少し分かるらしい。
何かを思い返すように、遠い目をしながらリヴァさんは苦笑した。
「あ~確かに。大戦後の敵対国同士だとやっぱり色々いがみ合いはあったものねぇ。あれってどうしても時間が必要だもの」
そう苦笑するリヴァさんに、カズヒも神妙な面持ちで頷いた。
「基本的にできない奴にとって、「正しいからそうしなさい」なんて言ってもどうにもならないのよ。そういう連中は少しずつ変わっていくしかないわけで、その間のストレスも発散させながらじゃないとどうしようもない。だってできないんだもの」
「そういう意味だと、各勢力の和平は早く進みすぎだよねぇ? 折り合いをつける時間や鬱憤を晴らす手段が全然足りてないところはあるかな?」
……なるほど。
言われてみれば、僕達オカ研のメンバーは各勢力から見てもできる人物が多いだろう。
元から和平に対して肯定的な人物が主体だからこそ、僕達の関係性は良好だ。そういう人物を積極的に見繕ってもいる。
そして能力面でも優秀だろう。誰もが自主鍛錬を欠かさず行い、大抵のメンバーは何かしらに秀でた才能を持っている。その上で各勢力からも十全な支援を受けている。とどめにそれらをもってして苦戦する難敵との戦いも、経験値として見て考えれば凄まじいものだ。
そういう意味で見れば、僕達オカ研のメンバーはできる人物が主体だね。
しかもそこにイッセー君だ。彼の在り方は僕達全体に前を向いて進もうという意識を持たせてくれる。
「……僕達にとってのイッセー君が必要、ということかな?」
「いえ、それでどうにかならないからできないのよ?」
カズヒから呆れ顔でそう指摘されるけど、そういう物かい?
少しピンとこないけど、カズヒはふと上層に移動する為の門の方を向きながら、複雑な表情を浮かべる。
「本来聖書の教えにおいて、主である神の教えは絶対であり疑念を持つことすら未熟。その代行者たる教皇猊下や使者たる天使の下す言葉をもってしても、和平に納得がいってない者がいるということはとても重いわ。……それほどまでに、彼らはできないのよ」
そう告げるカズヒは、本当に事態を憂慮している雰囲気だった。
「どうも異形は才能差がもろに出るから、その辺りがおざなりになっている節があるわ。……リゼヴィムは
……なるほどね。
これは、まだまだ波乱は発生しそうだね。
和地Side
俺は何となくだが、天界の第一天を巡っていた。
特に理由はないが、気分転換も兼ねた観光的なあれだった……ん、だが。
「……貴殿は、確か英雄派の曹操にヴァーリ・ルシファー殿か」
「ん? 誰だったかな、覚えがないな」
「俺達は異形社会じゃ有名人だからね。そういうことじゃないのかい?」
数人の従者を引き連れた男と、それに対面しているヴァーリに曹操だ。
あと従者を引き連れた方、服装から言って悪魔の貴族だな。
悪魔絡みの面倒ごとを、よりにもよって天界の第一天でやられても困る。
なので俺は割って入って、半目で二人の方を軽く睨む。
「……何やってんだそこの元テロリスト」
俺がそうツッコミを入れると、二人揃って肩をすくめた。
意外と仲良いな。なんかムカつく。
「ハーデス神がクリフォトに何か情報を流したみたいだろう? それでリゼヴィムが動き出しそうだと曹操が言ったんでね」
ヴァーリがそう言うと、曹操は俺達の方を見ながら苦笑交じりで肩をすくめた。
「経験論から言って、グレモリー……というより兵藤一誠や君はその手のトラブルに巻き込まれやすいと踏んだのさ。だから色々と手を回してもらったんだよ」
手を回してもらった? 一体どういうことだ?
怪訝な表情を浮かべていると、近くの建物から見たことのある女が現れた。
「曹操、話は終わったわ。ここの部屋を一時的な拠点にして言いそうよ」
「ご苦労様、サイリン。いつも助かるよ」
曹操が返事をしておかげで分かった。
英雄派のサブリーダーの一人にして、国際PMCのCEO。ドゥルヨーダナの血を引き、更に日本の大名に連なる血筋。サイリン・アマゴ・ドゥルヨーダナだ。
この女がフォローする形で、俺達のストーカーじみた真似をしてきたってわけか。
張り倒したいがまあいい。そして俺も危機感を再認識するべきだろう。
フラグがここまで立っている状態でイベントレベルの移動だからな。実際に何が起こっても不思議じゃないだろう。警戒は必須か。
「分かった分かった。他の人達に迷惑をかけないようにな?」
俺はそれで話を打ち切ると、後ろの悪魔の方に振り向いて肩をすくめる。
「すいませんねぇ。あいつらあんななんで適当に流した方が得ですよ?」
「そのようだな。余計な手間をとらせてすまなかった」
お、意外と傲慢さとは離れている感じだ。
というかだ、こんなところに悪魔がいるってことは……あれか。
「天界に派遣された悪魔の方々ですか? もしよければリアス・グレモリーを紹介しますよ? コネづくりとか、便利では?」
貴族となると繋がりもあるに越したことはないだろうからな。そういうので機嫌は取れるかもしれない。
リアス部長からは睨まれそうだが、それとは別の意味で懸念も生まれた。
俺やら部長やらイッセーはトラブルに巻き込まれまくりだからな。フラグまで立っている以上、真剣にそのあたりを警戒するべきだ。
顔だけでも合わせておいた方が、いざという時連携も取りやすいだろう。
そういったことも踏まえた気づかいだが、その貴族さんは首を横に振る。
「いや、気遣いはありがたいが遠慮しておこう。私はグレモリー眷属からは敵視されているだろうからな」
……?
グレモリー眷属がわざわざ敵視する相手? 冥界政府のメンバーだし、余程のことがなければないだろう。
態度から見てもそういったことはあまりしそうにない。となると勝手にそう判断しているようだが、大王派の重鎮か? それもガチガチの。
悪魔は外見で年齢を探りづらいからな。その可能性はあるか。
「……それは失礼。ならブッキングしないようにフォローしますんで、一応名前をうかがっても?」
「そうだな。いずれ顔を合わせることになるだろうし、名前ぐらいは名乗っておくべきだろう」
そう小さく頷いた彼は、少しくたびれたような表情を浮かべている。
「私はマグダラン・バアルだ。兄のサイラオーグと懇意の君達からすれば、鬱陶しく迷惑な男だろうさ」
あ、この人が。
つい先日話題に上がっていたが、サイラオーグ・バアルの実の弟さんか。
そういえばサイラオーグ・バアルに嫌がらせをしているとか言っていたしな。その辺で敵視されてもおかしくないとかいう認識はあるんだろう。
まぁある意味で妥当な判断だ。だがそれはともかく。
「あれが実のお兄さんだと、名門悪魔としては色々苦労しているでしょう? そちらはそちらで大変でしょう」
「……驚いたな。兄から話は聞いてないのか?」
割と本気で驚かれているようだけど、それは違う。
「いえいえ。むしろあの人、「恨まれて当然なのだから、自分個人に向ける嫌がらせは受け止める」とか言ってましたんで」
下手に突っかかると逆に怒られるだろあれは。
そしてその返答も想定外だったのか、マグダラン・バアルは複雑そうな表情を浮かべていた。
「……あの兄は……なんなんだ……っ」
あ、こっちはこっちで大変そうだな。
「えっと……よければ愚痴でも聞きましょうか? なんか
俺は当たり障りがないように言い方を考えながら、とりあえず対処法を考えようとする。
……と、天使の一人が植物の束をケースに入れて持ち運びながら移動していった。
思わずつい視線がずれてしまっていたが、それにマグラダンも気づいたらしい。
「……あれが気になるか?」
「え、いや―」
俺はちょっと戸惑ったが、マグダランは小さく頷いた。
「冥界で生えている野草の一種だ。そのまま摂取すると意識混濁といった症状を引き起こす毒草だが、少量を少しだけ取れば軽い不眠症の薬にできる。人間にも同様の効果がみられると一月前に論文発表がされていたな」
……あれ?
今の植物、足早に移動している天使が持っていたから一瞬しか見えないはずだが。
あとその知識量、雑学とかそういったレベルではない。あと冥界の貴族が覚える類の知識として、今どき野草関連が出てくるか?
もしかしてだが、この人まさか―
「植物、お好きなんですか?」
「……ああ、すまない」
なんで謝る。
「大王バアルの次期当主として育てられた者として、不適格ではあるだろうな。ちょっと聞かれただけで語りすぎてしまったようだ、忘れてくれ」
………ああ。
なんとなくだが、この人のことが少し分かった気がする。
「……大王とかいう格の違う家に生まれると、しがらみの類も多いんですね」
正直だが、この人にちょっと同情してしまった。
勘違いかもしれないけど、この人多分、政治の場より学者とかになりたい人なんだろう。
ただ、大王バアルの次期当主としてはどうかと言われっぱなし。しかも次期党首の座をサイラオーグ・バアルに奪われる形になった。
そういう意味では、この人も大変ではあるんだろう。
サイラオーグ・バアルに対する嫌がらせのこともあって、俺はちょっと一言で言い表せない感情が渦巻いてしまった。
「……一つ、指摘をしていいかな?」
そこに何時の間にやら曹操がこっちを……というか、マグダランの方を見てこっちに声を飛ばしてくる。
「経験論だが、時折足を止めて自分や周りを見つめ直すのは重要だ。人間と悪魔では勝手が違うが、それでも迷走とは何時の間にかしているものだからね」
「……っ」
図星を突かれたかのようなマグダランに、だが曹操はもう視線を向けない。
気まぐれにアドバイスをすると、曹操はそのまま建物の中に入っていく。
っていうか、俺はどうしたらいいんだ。
後ろの従者さん達もちょっと困っている感じだし。
「えっと……愚痴ができたなら聞きますよ?」
とりあえず、変な爆発をさせないようにフォローに回った方がいいんだろうな。
そう思って俺が声をかけると、マグダランは俯き気味になった。
あの、誰か。俺はどうすればいいのか教えてくれ。
と、とりあえず言い出しっぺの責任として、一時間ぐらいは愚痴を聞く覚悟を決めるべきだとは決意をする。
そして固唾をのんで見守っていると、マグダランは声を絞り出す。
「……無言、なんだ」
その言葉を、沈黙で促す。
「食事の時だけではない、一事が万事そんな感じなのが今の我が家だ。父と側室である私の母、そして私と兄のサイラオーグの関係は、兄が当主の座についてからそんな感じだ」
……なるほど。
サイラオーグ・バアル。より厳密にいえばバアル本家は色々と厄介なのは分かっている。
本妻との間に生まれた子であるサイラオーグ・バアルは消滅の魔力を持たず、それゆえに冷遇というのも生ぬるい扱いを受けていた。
しかし彼は努力で体を鍛え上げることで、既に単独で最上級悪魔の上位級に届く力量を獲得。その力によって、目の前のマグダラン・バアルを打倒して次期党首の座を獲得。だが強引な手法故に内部に敵が多く、力そのものは認める初代バアルも、消滅の魔力を持たぬがゆえに魔王の座に据えてでも大王家当主の座に座らせる時間を減らす腹積もりだ。
そんな彼らがどんな生活をしているかについては知らなかったが、相応に胃が痛くなるようなものだとは思っていた。
……当人の視点から聞くと、本当に胃が痛くなりそうだな。
「先日、リアス部長たちグレモリー眷属に初代殿が会いに行ったのは知ってますか?」
さわりぐらいは伝えられているだろうが、まぁ一応確認するべきだろう。
とはいえまぁ当然だが、心当たりはある表情で頷いていた。
「父上達が慌ただしくなっていたよ。……なんでも、十年ほど前に彼女の管轄を担当していた先代が起こした過ちの、隠蔽工作について話に行ったとか」
「その話が終わった後、赤龍帝を「サイラオーグも狙える地位」と前置きして次期魔王に勧めていましたね。次期大王はバアルの「消滅」を受け継ぐ貴方でなければならないというスタンスを宣言していました」
俺がそれを伝えると、マグダラン・バアルは少し苦笑いを浮かべていた。
「兄に手も足も出ない私がバアル本家の後継ぎか。……まぁ、そういう家に生まれたということなのだろう」
当人としてはどうしようもないと思っているんだろうな。
ただ、俺が言いたいのはそういうことじゃない。
「……だからこそ、せめて自分はどうありたいかは見定めるべきかと。今のままだと、貴方は自分の人生に折り合いをつけることすらできないと思います」
おそらくだが、サイラオーグ・バアルと彼の関係性における最大の問題はそこだろう。
マグダラン・バアルの反応から見て、俺は彼が本気でサイラオーグ・バアルを憎んでいるとも思えない。
そんなままではこじれるとかこじれないとかの問題以前だ。関係を改善しろとまでは言わないが、嫌うなら嫌うでその辺りをしっかりと見定めるべきだろう。それができなければ、サイラオーグ・バアルの方がどう動こうが意味がない。
「実は俺、彼のことが少し苦手でして。機会があれば愚痴の一度や二度は付き合いますよ。……彼はあまりにまっすぐすぎて、俺みたいなタイプとは噛み合いが悪いんでね」
「……意外だな。グレモリー眷属の食客ともいえる者が、兄ではなく私の肩を持つとは」
本気で意外そうに言われたが、問題はそこではない。
「好き嫌いと良し悪しは別の観念でしょう? 俺は俺のスタンス上、彼のようなタイプを全肯定しにくい。そしてそういうできる側に振り回される人に同情しやすいんですよ」
ああ、彼も彼で大変だ。
人生の方向性が定められたまま生きている中、横からいきなり壊されてそのままだ。そこからどうすればいいかについて、誰も彼もがいい加減だろう。
誰もが困難に真っ直ぐ立ち向かい続けられるわけではない。俺は俺の誓いにかけて、彼を無視するのはちょっと許容できない。
己の夢の為、真っ直ぐ前を向いて歩き続けられる奴ばかりじゃない。むしろそういう手合いほど、助ける必要がある事態に巻き込まれることが少ないからな。俺が動く相手はそうでない奴が殆どだ。
詳しくは知らないが分かり易い大王派の貴族主義者らしい、現バアル。己の夢の為に競技試合ですら命を懸けるレベルで邁進する、サイラオーグ・バアル。そしてイッセーが言うには強い意志を持つ目をした、初代バアルことゼクラム・バアル。
マグダラン・バアルはこれだけのいろんな意味で強い連中に振り回されている。なんというかほっとけなく思えてしまった。
俺は苦笑交じりで彼に手を差し出す。
「もしよろしければ、冥界の植物について今度教えていただきたい。冥界でも活動することがある立場なので、薬草や毒草、あと食用などを見分けられるに越したことはないんですよ」
その俺の対応に、マグダランと彼の従者はかなり戸惑っている。
ただ、マグダラン・バアルはその手を握り返してくれた。
「そうだな。趣味について語れる相手がいると、少しは気晴らしになりそうだ」
そうして軽い握手を交わしたまさにその時だ。
―あらゆるところから、非常時を告げるものと思われる陣が浮かび上がった。
……曹操の発言通りの展開になってきたな、オイ。
「失礼。俺はリアス部長達のところに戻ります」
「そのようだ。私もここに招かれた役目を果たさせてもらう」
俺達は頷き合うと、急いで行動する為に走り出した。
自分は初期のころから作品全体の傾向として「凡人は天才と違うことを理解したうえで凡人なりに頑張るしかない」といった感じの傾向があります。
其処に「正しさという概念が持つ光と闇」をコンセプトに描いたシルヴァリオサーガに触れたことで、コンセプトの方向性がそっちよりに完成した感じです。
なので、クーデターを起こす側の心理や、マグダラン・バアルに対する一種の同情的思想を持ちやすい傾向ですね。
……特にこの二つ、ネタバレになりますけど今後大変なことになりますので……はい。