好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
高評価、および感想と捜索掲示板での紹介を望みまくっているグレン×グレンです。
今回、アップダウンがめっちゃ激しい内容となっております。
Other Side
ヴァーリ・ルシファーは極僅かずつだが、ラードゥン相手に押されていた。
死徒と化したラードゥンは、復元呪詛による回復力で長期戦の優位性を獲得している。
少しずつだが確実に削られ、極僅かずつだがラードゥンは有利になっていく。
『どうですか? いっそのこと極覇龍を使ってみては?』
余裕を持ったことで怒りを隠せるようになったラードゥンは、そんな皮肉を言えるようになっていた。
死徒には相応のデメリットもあるが、しかしラードゥンなら問題ない。
死徒は基本的に太陽光に弱く、だが太陽光に関しては結界術の雄たるラードゥンならどうとでもできる。そして血液もまた対処ができていた。
つまり、ラードゥンは自分の勝利を半ば確信していた。
『ふふふ。実は私が展開する結界は、極僅かですが吸血を可能としています。そしてご覧ください?』
そう告げて周囲の視線を向けるに促し、遠く離れた結界の中を魅せる。
其処には戦闘不能になった邪龍や天使達が封じられている。
いわば戦闘用の血液補給ユニット。一時間や二時間で失血死はしない程度の速度で血を常に補充しており、また解放しようにもラードゥンの結界はすさまじい。
補充は万端。負傷はすぐに復元する。そして確実に敵は削れている。
その勝利の方程式に高笑いすらしたくなったラードゥンは―
「―お前は俺を舐めすぎだ」
―その言葉と共にヴァーリが取り出したラーメンに、凍り付いた。
凍り付くのも仕方がない。
そもそもラードゥンがヴァーリを狙ったのは、ラーメンによるものだ。
ラーメンを封じられて発狂寸前になり心を病みかけたヴァーリ・ルシファーは、それによって兵藤一誠の領域に到達した。
それこそが白龍製麺。ラーメンを作り食すという過程を踏むことで、奴は自身だけでなく下級悪魔にすら自分の力を使えるようにした。
屈辱だった。逆鱗で太鼓の達人最高難易度をするかの如き所業。ラードゥンは激怒した。
故にこそ、今ラードゥンは寒気すら覚えていた。
何故ならば、今ヴァーリのラーメンは形を変えていっている。
麺が絡みついて大筋の体を作り上げ、スープがまとわりついて繊細な表現が成され、具のメンマが目のようにくぼみの中に入って輝く。
今ヴァーリが掲げる器の中に、ラーメンで構成されたラードゥンが誕生していた。
『さ、させるかぁあああああっ!』
ラードゥンはすべてをなげうって、死のリスクすらある禁呪をもってしてヴァーリの封殺を試みる。
なんとしても防がねばならない。そうしなければ自分は負ける。それも呪わしい形で敗北を喫する。
その判断は間違っていなかった。だが対応が二手遅かった。
「遅い。我が龍麺皇亭は完成した」
その瞬間、ラードゥンの結界は大きな力を失った。
結界が干渉されている。力が削減されて―否、相殺されている。
その現象を引き起こしているのは、ラーメンで作られたラードゥン。
そう、あの現象は―
「これが我が龍麺皇亭の力。俺はラーメンを経由することで、お前の力の残滓を変換して龍の力を再現できるようになった」
―更なる悪夢の権限だった。
まるで極覇龍の域に到達する現象であり、ヴァーリ自身汗をかいている。
だが、その圧倒的な力の価値は、ラードゥンに敗北を確定させる。
趨勢が完全に崩れたことで、一気に負傷の速度が増した。これでは復元呪詛も追いつかない。
更にヴァーリは大いなる力を籠め、勝利を叩き込む為のとどめを刺さんとする。
だがそれは、圧倒的な暴力による悪意ある蹂躙ではない。
そう、何故ならそれは―
「いい戦いだった。故に、俺の極限をもって滅びるがいい」
―敬意を持つべき敵に対する、慈悲の心によるものだ。
極覇龍の猛威が、ラードゥンを無様な死骸を生むことなく吹き飛ばした。
イッセーSide
間に合った……ギリギリで、間に合った……っ
ステラフレームがトウジさんをこっちに引っ張ってきたからだけど、おかげで俺達は助けられる。
「パパを離して! あなたの事情は知ったけれど……パパだって好きでやったわけじゃないことぐらい、パパの部下なら分かるでしょ……っ!」
イリナがオートクレールの切っ先を向けると、ステラフレームは殺意を明らかに浮かべていた。
『偉そうなことを言ってくれる。僕からすれば、君が彼と良い仲であることが挑発なんだよ』
深い気な雰囲気をあからさまに見せながら、ステラフレームはトウジさんを投げ捨てる。
トウジさんはボロボロになっていて、暴行を受けていたが丸分かりだ。
それだけのことをしたくなる気持ちは分かる。分かるけど……。
俺達が複雑な感情を浮かべていると、ステラフレームは静かに肩を震わせる。
怒りのあまりってやつかと思った。
だけど違う、あの気配はそんなものじゃない。
あれは逆だ。愉悦とか、そういった嫌な気配だ。
『元々天の国で殺そうかと思ってはいたんだ。だけど……ちょうどいい』
そう前置きして、ステラフレームは剣の切っ先を俺達に向ける。
『自分の娘である天使と、恋仲や友人である悪魔たち。彼らの無残な姿を見せてから、ゆっくりなぶり殺しにした方が……愉しそうだ』
……その時、俺達は漸く分かった。
あれはもはや、八重垣正臣って
あの人はもう壊れている。何かが決定的に崩れ果てて、そのまま人の道を外れている。外れたまま、壊れたまま、突き進みすぎている。
『抵抗せず切り刻まれるなら殺しはしないよ。でも殺して惨殺死体にした方が……局長は絶望したまま死ぬだろうな……ふふふ……ふはははは……っ』
駄目だ。あの人はもう止まらない。
そもそもあれはもう人じゃない。
……そういえば、リーネスが提出した資料か何かで見たな。
そうか、あいつは、アレは……それを突き詰めたステラフレームなのか……っ
俺は拳を握り締めて、後ろの皆に告げる。
「倒そうっ。これ以上、あいつを動かすのはクレーリア・ベリアルにも、トウジさんにも、何より八重垣正臣さんが可哀想だっ!!」
「ああ。あれはもう、救えない」
ゼノヴィアは、エクス・デュランダルを抜いて歯を食いしばる。
「回復は任せてください。私も……手伝います……っ」
アーシアは手を組みながら、抑えきれない涙を一筋零す。
そしてイリナもまた、俺と並び立って剣を構える。
ヘキサカリバーをオートクレールに纏わせて、涙の浮かぶ目で俺を向いて頷いた。
「手伝って、イッセー君。これ以上、パパも彼も苦しませない!」
ああ、やろうぜ。
そして俺達を見ながら、ステラフレームも愉快そうに肩を震わせて剣を構える。
『抵抗してくれてありがとう! 君たちをこのモデルジューダスの贄にできる。紫藤局長をもっと絶望させれるんだ……アッハハハハハハハハハハッ!!』
「させねえよ……っ!」
ああ、お前はもう逃がさない。
絶対に止める。それが、俺達が八重垣さんにできる唯一の事だろうから。
必ず……止めて見せるっ!!
和地Side
「嫉妬したことがないなんて言わない。君は何でも出来て、そして女神としての力も強大だったからね」
そう語るヴォルフは、苦笑の雰囲気を纏っていた。
ただ懐かしそうに語るその口調からは、嫉妬の感情がそこまで感じられない。むしろ、これはその逆ともいえるだろう。
「ヴォルフ……?」
その態度にリヴァ先生も、どう返していいか分からないでいるようだ。
「君は本当に素晴らしい人だった。嫉妬も覚えていたけど、それと同じぐらい尊敬していた。そこは決して嘘じゃない」
それにさらに苦笑の雰囲気を濃くしながら、ヴォルフは、だがそこの決意の雰囲気を見せていた。
「……だからこそ、僕はこの間違った道を選んだことを後悔していないんだ」
マギア故に表情は分からない。
ただ、その表情が笑顔であることは俺にも分かった。
それほどまでに―
「だって、今俺は君と戦えるまで強くなった」
―その想いは、俺にも僅かに分かってしまうものだ。
ああ、理由は単純だった。
半世紀以上に亘り人の道を外れ、自分の体すら切り刻んで改造する。その果てに、テロ組織の最高幹部にまで上り詰めた男。ヴォルフ・フォン・ミッドガル。
その理由は、愛を知る男なら一度は思うだろう、ただ単純な理由。
その理由に、リヴァ先生は泣き笑いの表情になっているのがどうしても分かってしまう。
「……馬鹿だろう? 好きな女と肩を並べるようになりたい、ただそれだけの為に俺はテロリストに落ちぶれたんだ」
本当に、馬鹿な男だよ。
六十年間一人の女に惚れこんで、並び立てるぐらいの実力が欲しいからって、こんな形……か。
「……ゴメンね。私、今もう恋人いるから」
リヴァ先生のその言葉に、ヴォルフは肩をすくめて苦笑したらしい。
その視線が、俺に真っ直ぐに向けられる。
「知っているとも。だからこそ……いい機会だ」
そしてそのまま、両手に持つブレードの切っ先を俺に向ける。
「こんな馬鹿野郎より上等の男なんだろうが、生憎こっちは馬鹿なんでな。……俺より弱い男に任せられるか」
……まったく。本当に……馬鹿な男に引っかかったもんだよリヴァ先生。
俺は肩をすくめると、リヴァ先生より前に出て魔剣を構える。
「いいぜ、この大馬鹿野郎。お前はしっかりぶちのめして、俺の方が相応しいと冥途の土産に教えてやる」
まったく。本当に酷い大馬鹿野郎だ。
リヴァ先生がそんなやり方してまで強くなることばっかり望むと? まぁ半世紀以上前だから断言しないが、まずないだろうとは思うぞ。
そして同時に、男という馬鹿な生き物としての自分がちょっとは共感してしまうのが情けない。出なけりゃ、こんなことはしてないだろうからな。
本当に、男ってのは難儀な生き物だよ。俺だって、カズヒねぇやリヴァ先生達に情けないところや弱っちいところは、できることなら見せなくないからな。第二次大戦前なら尚更か。
……ああ、いいだろう。
「リヴァ先生……構わないか?」
「頼むリヴァ。男の意地ってものがあるんだ」
俺もヴォルフもそのつもりだったが、リヴァ先生はどうするんだろうか。
くっだらない男の意地だからなぁ。女の立場からすれば文句どころか大反対ってこともあり得るだろう
ちょっと不安げに俺達が見ると、リヴァ先生は肩をすくめて―
「……悪いけど、カズ君ばっかりに背負わせる気とか先生にはないから」
―そう告げ、俺と並び立った。
きょとんとするヴォルフを前に、リヴァ先生は指を突き付ける。
「今の時代は男女同権! 見せてあげるわ、私が選んだ男は、私と一緒に
その言葉に、ヴォルフは肩を震わせた。
「……ああ、そうだな」
その、寂しげなようでいて安堵している風にも聞こえる小さな言葉。
それを最後に、ヴォルフの気配は強い戦意に切り替わった。
「我が名はヴォルフ・フォン・ミッドガルズ中将。ツヴァイハーケン、
倒せるものなら倒してみろ。自分一人どうにかできない連中に、この先を進めるはずがない。
そんな意志を見せつけて、ヴォルフは宣言する。
「名を上げる機会と心した前。……さぁ、討ち取って見せるがいい!!」
「「……上等っ!」」
返答は、攻撃と共にある。
ああ、見せてやるよ元カレさん。
リヴァ先生が愛してくれる
試験的試みもかねて、ヴァーリの麺技第二弾。
ラーメンで龍を模すことで、目の前の龍に対し異能の模倣で隙を作る技です。ぶっちゃけラードゥン以外だと出す機会があまりないので、半ば強引にテストもかねてぶち込みました。
tappeさんや九尾さんがメッセージで似たような提案を出していたので、それを多分にアレンジした形となっております。
そして見事暴走モデルジューダス。
魔星は衝動を利用した、厳密には本人でない存在。ちょっと問題視されるかもですが、ミザリのアレっぷりを示す機会にもなるのであえてこうしました。
最後はヴォルフの内面です。
どうするかはいろいろと悩みましたが、最終的に「惚れた女に並び立ちたいために道を踏み外してしまった」という方向性になりました。
テロリストをやっている以上あまりかっこよくするのもあれですが、かといってあまりに下種にするのもあれ。そのあたりの配分を考えたつもりです。
ちなみにファニーエンジェル編は書き終えており、あとはメイン敵の仕立て上げを終わらせたら幕間を書いて即興を入れながらデュランダル編突入です。
基本的にルビ的なあれで悩んでいるだけなので、翻訳サイトとかを見ながら頑張って作ろうと思います!