好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 本日は変態集まる幕間……ですが!

 これまでにないレベルでシリアスとなります!


英雄乱戦編 幕間 聖なる教えが震える時

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本山間部、十二月某日。

 

 神滅具、現世聖域の墓標(カテドラル・グレイブ)によって作られた広大な地下空間。そしてそこに広がる地方都市レベルの街並みと、中心部にそびえる神殿のような建築物。

 

 そこは異形すら震撼させる驚異の組織。性欲を崇め性癖を極めた変態足らんとする世界規模集団、大欲情教団の本部。淫らなる者達の理想郷である。

 

 今この地は、一言でいうならば戦意に満ち溢れていた。

 

 本部たる神殿前に広がる広場では、老若男女を問わず人々が集まっている。

 

 その誰もが、発情し性別問わずペッティングで互いに宥めながら、しかし強い期待を秘めていた。

 

「漸く、漸く大きく動き出すんだな?」

 

「ええ。世界中の人々を、もっと淫らにできるんですって!」

 

「みんなでせっくすできるのぉ、おばあちゃぁ……んっ」

 

「そうだよ……ぉっ。ぼくちゃんも儂も、世界中の人々とまぐわえるんじゃ」

 

 誰もが性欲を満たしあいながら、その号令を待っている。

 

 その世界人口の九割以上が間違いなく正気を疑うような光景の中、神殿より何人もの神官を従える者が姿を現す。

 

 歓声を上げようとする心を抑え、静かに言葉を待つ者達。

 

 彼らに満足げな頷きを見せてから、男性のような雰囲気すら見せる女性に思える。

 

「……諸君」

 

 静かな、しかし欲情していることがよく分かる声が響き渡る。

 

 その声にときめき、興奮し、心を奮い立たせる者達の視線を受けて、言葉が放たれる。

 

「性都の洗礼に伴う人類の対抗。そして性都により目覚めた者達の協力。これにより、我らが次の目標は確定した」

 

 語る存在は、目を一瞬伏せてから宣言する。

 

「我らはこれより、次の目標をバチカン市国へと定める! 我ら大欲情教団の性都洗礼の妨害と除去を行う者達は、その多くがキリスト教の聖職者であることが判明したからだ!」

 

『『『『『『『『『『我ら、淫らなるままに!!』』』』』』』』』』

 

 ……なまじ三大勢力が何度も激突し、また世界最大宗教の都合上動く機会が多かった。また神器を利用した異能による者である為、能力的にも心情的にも信徒達は積極的に動いていた。

 

 結果として、大欲情教団はいまだ異形についてろくに知らないことからキリスト教をターゲットとしてロックオンすることになる。

 

「だが、大晦日と正月は性欲を滾らせてこそだろう。本格的な攻撃は年が明けてからとする」

 

 ……最悪のタイミングで、変態がバチカンに現れようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、イタリア某所。

 

 小さなパブで、一人の男が窓の外に視線を向けていた。

 

 視線の先にあるのは向かいのビルのカフェ。もしくは止まっている車。

 

 そこからくる小さな光の点滅を確認して、自身も小さなライトを点滅させる。

 

 それを数分ほど続けたのち、男はゆっくり酒を飲みながらつまみを楽しむ。

 

 車は発進し、カフェからは人が出ていく。

 

 そして一時間ほど経ってからパブを出た男は、自室にしている部屋に入ると、モップをとって上を何度も叩く。

 

 その後上からも叩く音が返ってくるが、それは小さく連続してだ。

 

 そしてそれを黙って聞いていた男は、窓を開けると何度か懐中電灯を点滅させる。

 

 その後、近くの窓からライトの点滅が返ってきたことで、男はホッとするとベッドに横になった。

 

「……同胞達は全員準備ができているな。あとは決起の時に合わせ、ユニフォームを着こんでそれぞれの合流地点に向かうだけだ」

 

 その時こそが、唯一神などという驕り高ぶった冠を掲げる邪神を報じる者達は、自分達の傲慢さを後悔することだろう。

 

 ……ここまでのことを可能とするきっかけは、半年ほど前だ。

 

 かつて自分達は、ただただ教会に嫌がらせをする不良集団だった。

 

 前に倣えといった乗りで信徒でいるのが面倒だった、ただ悪いことをしているとかっこいいと思い込んでいるだけの小物の悪党。

 

 だが半年前、すべては変わった。

 

 眠りについている時に急に声が聞こえ、慌てて起きてからもその言葉は脳裏にこびりついていた。

 

 それを否定しきれず声が示した場所に向かえば、同じように声を聴いた者達が集まっていた。

 

 そして互いに聞いた内容を示し合わせた時、自分達の中に異能を持つ者がいた。

 

 更にその場所を探せばいくつもの宝があった。星辰奏者(エスペラント)の処置を受ける為の各種装置があり、そこに書かれた名前の者は星辰奏者になることができた。薬を瓶に名前が書かれた者が飲めば、魔法としか思えない不思議な力を得ることができた。置かれている剣についている札に書かれた名前の者が持てば、その剣は神話の武器のような力を秘めていた。

 

 そしてその後授けられる神託。自分達が神々に見初められ、唯一神と驕り高ぶる邪神やその狂信者と戦う者達だと教えられた。

 

 その後半年の間、自分達が驚くほど鍛錬をし続けることができた。

 

 熱に浮かされるまま暴れることなく、半年もの間牙を研ぐことができた。

 

 だからこそ、動く時は決まっている。

 

 怪しまれないよう少人数ずつでバラバラに集まり、そしてモールス信号を駆使した連絡によって、全員が動ける時期を見出すことができた。

 

 高ぶる精神を抑えながら、男は拳を握り締める。

 

「世界の目は、我々フォーレイザーが……覚ます……っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてイタリアの全く異なる場所にある、小さな地下室。

 

 そこから出てきた男が、女が持ってきた水を受け取り、一口飲むと息を吐いた。

 

「……ふぅ。拷問ってのはやっぱり疲れるな、心身共に」

 

「お疲れ様。ま、趣味で出来る人だと目的を見失いそうだもの。趣味でない者がやるに越したことはないわ」

 

 そう返す女は、そのうえで真剣な表情になる。

 

「で、聞き出せる内容は聞き出せた?」

 

「ああ。奇跡的、奇跡的な偶然で亜種聖杯戦争に勝っちまったあの野郎。それで死にかけたトラウマから、願望機の力でテロ組織を作ってやがった」

 

 聞き出せたその情報に、男女ともにため息をつくほかない。

 

 亜種聖杯の悪用は、本来ならカウンターシステムもあってそう簡単にはいかない。だが世界の命運を左右しないレベルの嫌がらせなら十分なされる可能性がある。

 

 そう言った警戒から動いていたら、とんでもない地雷が発見されてしまった。

 

「もうあいつの手を離れているから、何時動くのかは分からない。だがそいつらはバチカンの近くで結成したのは間違いない」

 

「聖書の教えを敵視する、星辰奏者(エスペラント)や魔術回路保有者を要するプログライズキー悪用型テロ組織。いい加減暴発しかねないこの状況で、そんな連中がバチカンに突っかかってきたら目も当てられないわ」

 

 そう、今バチカン市国は爆発寸前の火薬庫……否、爆発を避ける為にあえて火を起こしている真っ最中と言ってもいい。余計な爆弾が近づいて爆発するなどという、被害の悪化に繋がる事態は可能な限り避けなければならないのだ。

 

 彼らはその対処として、枢機卿二名の協力をもって動いている真っ最中。その過程において余計な事態を避ける為の火消しをしていたら、焼夷弾が満載の爆撃機の存在が発覚したに等しい。

 

「とにかく、俺はこれを騎士団長に伝えてくる。お前は猊下の方だ」

 

「分かっているわ。すぐに鎮火するように立ち回っているけれど、万が一がある以上報告をしておかないと―」

 

 その時だった。

 

『『『『『『『『『『ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッッッ!!!』』』』』』』』』』

 

 文字通り周囲が揺らぐほどの大音量で、大勢の歓声が沸き上がる。

 

 それに困惑した二人は、しかしすぐに意識を切り替えた。

 

「……急ぐぞ。状況は悪い方向に傾いたかもしれん」

 

「ええ。このままだと取り返しのつかないことになりそうね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃。バチカン市国周囲から10kmほど離れた、ビルの一室。

 

 そこにはサウザンドフォースに属する偵察部隊が、バチカン市国周辺の情報を探っていた。

 

 全員がハイディングフォックスプログライズキーを装備するその部隊は、一人がドローンでバチカン市国を確認しつつ、残りが周囲の警戒を行っている。

 

 そのうえで、ドローン操作担当が困惑していることに、誰もが懸念を抱いていた。

 

「どうした? 何かあったのなら報告しろ」

 

 隊長格が促すと、男は首をかしげながらもそれに従う。

 

「……バチカン市国周辺を包囲して戦闘を行っている悪魔祓い(エクソシスト)と天使、それに悪魔達が後ろから多数の武装勢力に攻撃を受けています」

 

 従ってくれたのはいいが、内容があまりに意味不明だった。

 

 困惑のあまり誰もが沈黙するが、しかし隊長格の判断は素早かった。

 

「すぐに司令部に伝えろ。全く理解できないが、間違いなく相応の非常時がバチカンに起こっている。……仕掛ける好機かもしれん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして同時刻、禍の団移動拠点の一つである、トルネード級の一隻。

 

 そこで士官室から出たミザリ・ルシファーは、軽くため息をついた。

 

「……思わぬ反撃を食らったね。これは最悪の場合も考えた方がいいのかな」

 

 珍しく不愉快そのものな表情を浮かべるミザリだが、そこに焦った表情の構成員が駆けよってくる。

 

「ミザリ様、大変です!」

 

 その泡を食ったような状態の構成員に、ミザリは表情を切り替えながらも首を傾げる。

 

「どうしたんだい? 父さんが煽ってた信徒達が決起したそうだけど、まさか勝っちゃったのかい?」

 

 リゼヴィム・リヴァン・ルシファーは、その扇動の才覚を十全以上に引き出していた。

 

 特に禍の団と共に相乗効果で拡大していった和平に不満のある、教会の信徒達を煽ってクーデターを起こさせる計画は今動いている。

 

 本来なら祝杯を上げているころだったのだが、それはそれ。

 

 勝ったら勝ったで面白いことになりそうだが、まずありえないと思っていた。それほどまでに和平は進んでおり、よほど気をうかがって準備をしなければ反乱など成果を上げることはない。

 

 もし成功させるのなら、ロキが決起したそのタイミングで便乗するなり、むしろそれより早く速攻で起こすべきだ。このタイミングでやるなら相応の切り札(ジョーカー)が必要。ハーデス神が反乱を起こしてないのも、そういった手札か相応の準備期間が必要だからに他ならない。

 

 だからまずありえないが、勝ったのなら驚愕ものだろう。

 

 だが、よく見ればそういった様子でもない。

 

 それを疑問に思っていると、何とか落ち着きを取り戻し始めているその構成員は、それでも冷や汗を流していた。

 

「反乱軍に、救援部隊が現れました。その数一万人以上で、段階的にまだ増え続けています」

 

「………なんだって?」

 

 瞬間、ミザリの表情は警戒のそれに代わる。

 

 数万人規模の部隊が、このクーデターを援護するべき現れる。

 

 結果的に見ればこちらにとっても都合がいい。時間を稼ぐ必要がある以上、クーデターが大ごとになって長丁場になるのは好都合ともいえる。

 

 だが、突発的に起きたクーデターを、こちらが知らない部隊が、数万人規模で援護する。

 

「……眷属を全員招集してくれ。どうやら、こっちにとっても都合の悪いことになりかねない」

 

 頭を悩ませる仕事が増えた。

 

 その事実に悲しみを覚えれるのだけは、不幸中の幸いだ。

 

 ミザリはそう切り替え、行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして同時刻、バチカン市国から少し離れたイタリア上空に位置する、サンタマリア級のブリッジで、ため息の後に指示が飛んだ。

 

「……全軍に撤退指示を出せ。いいか? 全軍、つまり天使や悪魔祓いも撤退させるように動け。支援部隊は全員出すつもりで行け」

 

 隣でそう指示を出したノアに、フロンズは渋い表情で振り向いた。

 

「まずいことになったようだ」

 

「お前さんも予想外ってか? そりゃやばい」

 

 ノアがため息をつく理由も分かる。フロンズもまた頭痛を覚えているのだから尚更だ。

 

 サンタマリア級のブリッジでは、既に慌ただしい動きになっている。

 

 既に戦況を探る為のモニターでは、味方部隊が混乱状態になり、既に戦闘を行える状態でないことが分かり切っていた。

 

 ……バチカンでのクーデターを予期していたフロンズは、大規模即応部隊を派遣できるようにし、そして投入した。

 

 天界や教会に恩は売れるし、そもそもクーデターが長続きすればこちらに多大な負荷がかかる。なら多少出費を多めに出してでも、さっさと解決させる方がいい。

 

 まして我慢の限界という形の暴発なら、なおのこと。どんな形で暴走して被害が広がるか分からないし、逆に本気で即座に動けな鎮圧はたやすい方だろう。

 

 そう思っていたらこれだ。

 

 モニターでは現在、三色が灯っている。

 

 中央部。バチカンでクーデターを起こした信徒達。

 

 その外周。それを包囲して削っていた対応部隊は、バラバラになっている。

 

 そして更に外側。突如として電撃戦を仕掛け、対応部隊の後背をついた第三勢力。既に部隊の二割がクーデター部隊に合流して防護を固め、残り八割は六つの集まりになって外側から対応部隊を分断している。

 

「……圧殺されないだけマシ、とみるべきかね?」

 

「逆だ逆。わざと部隊を分けて穴を作ってるんだよあれは」

 

 不幸中の幸いを意識しようとしたフロンズを、ノアは嗜める様に否定する。

 

 そしてノアは肩を落とすと更にため息をついた。

 

「背水の陣って言葉があるが、緊急事態に露骨に逃げ道があると、そっちに行きたがる奴は多いんだ。これが穴がないように包囲されてたんなら士気も維持できるんだろうがなぁ」

 

「なるほど、そういうことか」

 

 ノアの説明でフロンズもすぐに理解した。

 

 時間をかければ確実かつ安全に勝てると思っていた、そんな者達の盲点を突く奇襲。

 

 即座に布陣を突破された衝撃と、更に続けざまのクーデター部隊に対する協力体制による動揺。

 

 クーデター部隊はそれにより士気が再び激増しており、混乱状態でそれを食らったことで戦意が減衰。

 

 そこに大部隊が迫りくることで、対応部隊は心理的に追い詰められ恐慌状態一歩手前。逃げ道があるせいでそちらに流れてしまっている。

 

 ノアが自分以上に渋い顔をしているわけだと、フロンズは心底納得した。

 

 戦術家の彼だからこそ、ここからの立て直しは不可能だと痛感しているのだ。

 

「増えた連中にまず勝ち戦を経験させるつもりが、大敗確定。これは除隊願がたんまり送られるぜ、マジで」

 

「まぁ、その辺りの処理はこちらの仕事だ。残存部隊の再編に集中してくれればいいし、むしろ意志の弱い者達を振るい落とす必要がなくなったと考えるべきだろう」

 

 そうフォローを入れてから、しかしフロンズはノアに鋭い顔を向ける。

 

「とはいえ急いでもらうがな。この事態、我ら大王派どころか、和平陣営全てにとって毒となる」

 

「分かってらぁ。ハーデスの爺が好機と見るなり、クリフォトの連中が便乗するなりするだろうしな」

 

 そう返すノアに頷きながら、フロンズはしかし考え込む。

 

「……これもクリフォトの仕込みなら、まだいいのだがな」

 

 だがしかし、まったく別の要因なら。

 

 良くも悪くも禍の団やハーデス達に警戒を向けていた自分達にとって、あまりに致命的な一撃に繋がりかねない。

 

 その可能性を考慮しなければならないことに、フロンズは舌打ちを返すほかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして年末において、三大勢力と各神話体系に大きな激震が走る。

 

 突発的に起きた教会でのクーデター。そこに対して数万人規模の奇襲で援護を行った軍勢は、更に物資を輸送する三倍以上の増援部隊。これによりクーデターは年単位で続きうる籠城戦の形を成した。

 

 同時にクーデター陣は増援部隊に統合され、犯行声明が改めて出されることとなる。

 

 ―掲げられしその名は、神聖糾弾同盟(ネオ・ディバイン・クルセイダーズ)

 

「聖書の神がもたらす神罰による、我ら全員を地獄に導く裁定」を要求する、どの勢力にとっても想定外たる大いなる事態が巻き起こってしまった。

 




 これまでにないレベルでシリアス(序盤除く)な幕間……っ!





 これまでに何度か告げたと思いますが、デュランダル編はラグナロク偏と同じく……いえ、違いますね。

 正真正銘デュランダル編一巻だけの物語を、めちゃくちゃ変えて行います!!



 舞台はイタリア!! むしろバチカン市国及びその周辺!!



 クリフォトすら予想外の超極大規模クーデター! 年を開けても終わる気配なし!!



 事態悪化に伴い派遣されるチームD×Dに、周囲を警戒するフロンズ達。だがしかし、同時期に動き出す者たちが……多すぎる!!



 クリフォト! サウザンドフォース! 大欲情教団! さらに馬鹿のせいで誕生したテロリスト集団!!



 彼らをかき乱す元凶は、かつてのローマ教皇が率いクーデターすら取り込んだ、大規模軍事部隊……神聖糾弾同盟(ネオ・ディバインクルセイダーズ)ッ!!




 英霊たちが激突し、新たなる聖剣たちが刃を交わし、そしてあらゆる異形がぶつかり合うイレギュラーだらけの大一番。








 そこで、悪祓銀弾と涙換救済は………運命の淑女と邂逅する……っ






 次章、聖教震撼編!!


 近日公開ッ!!
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