好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 そんなこんなで会合編第の後編です。


魔性変革編 第五話 荒れる会合(後編)

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後も会談は続いたが、同時のその会話は殆どが上役と魔王達の会話になってしまっていた。

 

 数少ない口を挟めるのは、フロンズ・フィーニクス程度。たまに補足説明でノア・ベリアルが介入できる程度だった。

 

 それはそうだろう。彼自身の発言がきっかけで、この場は会談でありながら現悪魔政権の会議に近づいてしまっている。それに介入するのはそれらの体制を整えていない者達には不可能だ。

 

 裏を返せば、フロンズ・フィーニクスとノア・ベリアルは、既に国政レベルに対して専門的な話ができるだけの能力を持っているということだ。

 

 それらの意味を理解している者達、それも魔王派の何割かが彼らに注目するのも当然だろう。結果として無意識レベルではあるが話を振ってしまい、更なる介入を許してしまう。

 

 それに気づき、同時に会合から乖離しかけていることもあって、サーゼクスはキリのいい所で話を切り替えることにする。

 

「さて、これ以上大人のつまらない話で若者を退屈させるわけにもいかない。最後に一つ、君達の抱負を尋ねよう」

 

 魔王直々にそんな問いを投げかけられ、若手達は困惑する。

 

 それに対し、緊張を和らげるようにサーゼクスは微笑んだ。

 

「さほどかしこまることはない。冥界の宝である君達にの、夢や目標を聞きたい程度なんだ」

 

 その言葉に、真っ先に応えるのはサイラオーグ・バアルだった。

 

「俺の夢は魔王になることです」

 

 即答。そして魔王の前で次の魔王の座を狙うという、挑戦ともいえる言葉だった。

 

 その豪胆さには、既に義勇軍について意識を向けていた上役達も嘆息を漏らす。

 

「ほぉ。しかし大王家から魔王が出るとなれば前代未聞だろう」

 

「民が必要があると感じれば、そうなるでしょう」

 

 若手悪魔ナンバーワンであり大王家の次期当主。そんな彼だからこその説得力がそこにはあった。

 

 それができる可能性を、この場の若手で最も持っているのは彼だろう。殆どの者がそれを認めていることから、上役達も不用意な発言を一切起こさない。

 

「……ハッ。身の程をわきまえないとはこのことか」

 

 ―そんなことを言えるのは、その彼と並び立てるだろう猛者のみだ。

 

 そしてそれを発現するは、若手悪魔ナンバーツーの座に立つヴィール・アガレス。

 

 これまで発言を殆どしていなかった彼の挑発的な言動に、注目が一斉に集まる。

 

 サイラオーグは実力をいずれ示すと考えているのか、敵意は向けていない。しかし同時に、殴り飛ばされかけたゼファードルですらしなかった反応に興味を持ったのか、注目の視線は強い。

 

 その視線を次の発言者として選ばれたと受け取ったのか、ヴィール・アガレスは胸を張って宣言する。

 

「私はこの場で自分の夢そのものを語るつもりはありません」

 

 その発言に何人かが怪訝な表情を浮かべるが、ヴィールの発言はそこに止まらない。

 

「我が夢はその前に立ちはだかる全てをうち滅ぼす決意と準備が整った時にのみ語るもの。その無能のようにいいように利用されるしか能がない愚者の二の轍は踏みません」

 

 サイラオーグをこの場で無能と断言することに、更に瞠目する者は増える。

 

 サイラオーグは確かに()()()()()から無能と言われるが、同時に実力でバアル本家の次期当主となった男だ。

 

 それだけの猛者をこの場で堂々と無能と言い切り、その上でヴィールは告げる。

 

「しいて言うならば、我が望みは富国強兵です」

 

 真っ直ぐ、しかし本心から彼は宣言する。

 

「今後どれだけの神話と和平を結んでも発言力を保ち、例え和平が崩壊しすべての勢力による大戦が起きようとも、二つの龍神が冥界を敵と認定して全力で襲おうとも。……決して揺らがぬ強き冥界を作る為に、この身命と魂を捧げる覚悟は出来ております」

 

「……豪胆だな。だが、その理想は叶える為の手段がなければ妄言だぞ?」

 

 そう返す上役に、ヴィールは不敵に微笑んだ。

 

「とっかかりは見えております。いずれそれを形に出来る時に、理想をすべて開示しましょう」

 

 そう言い切り、ヴィールは一歩下がる。

 

 他に回すという意思が見えるが、多くの上級悪魔は一瞬躊躇する。

 

 新たな魔王となるという、無謀ともいえる願いを宣言したサイラオーグ・バアル。そしてその彼をこの場で無能と言い切り、オーフィスとの全面戦争を乗り越えられる富国強兵化を目指すヴィール。

 

 個人戦闘能力においては頭一つどころか二つは飛びぬけた2トップの壮大な夢に、殆どの者は気圧された。

 

 故に、それに気圧されないのはそんな彼らすらだと応することを望む者。

 

「私はグレモリー家次期当主として、各ゲームにおいてタイトルを取り続けることを目指します。……いずれ、レーティングゲームの頂点に辿り着くと決意してもしていますわ」

 

 一度レーティング・ゲームで惜しくも敗北したうえで、なおそれだけの決意を示すリアスの言葉もまた、強い説得力を見せる。

 

 いずれという前置き付きで、魔王にすら匹敵する力を持つトップ3をゲームで下すという強い決意。敗北を知ってなおそれを目指す彼女にとって、サイラオーグとヴィールは必ず越えねばならない壁に過ぎない。

 

 そして各人が己の目標や夢を語り、ソーナ・シトリーの番がくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここから、この会談は波乱が連続して起こることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……悪魔の上役ってのは、こんなのばかりかよ。

 

 ソーナ会長が語った夢は、素晴らしい夢だと思う。

 

 誰でも通うことができるレーティングゲームの学校。立派な夢だし応援するべきだと思う。

 

 それを馬鹿にして笑う上役の姿に、俺も本気でイラっと来た。

 

 そして、当然シトリー眷属はもっといらってくるはずだ。

 

 だから、匙が食って掛かるように前に出るのは本当だった。

 

「……アンタらなぁ! ソーナ会長の夢を―」

 

 俺も正直怒鳴りつけたいと思ってたその瞬間―

 

「黙らせたまえ」

 

「了解っと」

 

 ―そんな声が聞こえた瞬間、めっちゃすごい音が響いた。

 

 慌てて音のする方向を見れば、そこにはサイラオーグさんが、匙をかばう形でどこか似ている女の人の拳を受け止めてた。

 

 なんてすごい音なんだよ。会合前にサイラオーグさんが放ったパンチ並みの威力があったんじゃないか?

 

 あと女の人はフロンズさんの眷属だ。なんていうか強そうな雰囲気満々だったけど、この音から見て本当に攻撃力がありそうだ。

 

 いやそうじゃない!

 

「……いきなりだな。当たり所が悪ければ死んでいるような拳だぞ?」

 

「何言ってんだい。急所を狙ってないのはまるわかりだろ? 何より、お前さんには負けるさね」

 

 お互いににらみ合いながら、力を込めてギリギリと二人は拮抗してる。

 

 て、っていうか……何があった!?

 

「……やれやれ。全く持って困ったものだ」

 

 そうため息をつきながら、フロンズさんが肩をすくめる。

 

 そして冷たい目で、匙を見た。

 

「この場は貴族たちの会話であり、眷属悪魔とは主が飼っている猟犬とみなしていい世界だ。その主より上の立場の者の失笑に激高して食って掛かる眷属悪魔など、その場で首をはねられても文句が言えないも同然であり、死なない程度に叩きのめす程度で済まされることこそ感謝するべきことだぞ?」

 

「な……っ」

 

 匙が気圧される中、フロンズさんはため息をついた。

 

「下僕の失態は躾を怠った主の失態。最悪本家次期当主の死角無しと解任されるかもしれないというのに、衝動で動くとは愚かしい。……最も、下僕が愚かなように主も愚かだが」

 

 そしてソーナ会長にまで冷たい目を向けてきた。

 

「全く。そんな無価値な愚行を働くとは情けない。シトリー家次期当主がそのような愚行を働いては、シトリーという血統そのものの品位が落ちるというものだ。本家の者ならばもう少し立ち回りを考えればどうかね?」

 

「言ってくれますね。匙が礼を失したのは事実ですが、私は私なりに冥界の未来も案じたことを言っているのですが?」

 

 ソーナ会長の反論に、フロンズさんはあきれ果てた目を向けた。

 

「その結果、理想の遂行に泥を塗ってとん挫しかねないことをするのは馬鹿のやることだ。仮にも本家の次期当主がその体たらくでは、冥界の未来が不安になるではないか?」

 

 すっげえぼろっかすに言ってきやがった……!

 

「ちょ、ちょっとフロンズちゃん! ソーナちゃんを馬鹿にするのは―」

 

「―姉ならば、妹が愚行を働いたのなら叱責なさるのが責務ではないですか? 優しく接することと甘やかすことは違いますぞ?」

 

 まっすぐ目を見て言い返してから、フロンズさんは盛大にため息をついた。

 

「むしろ我ら尊き血筋にとってこそ素晴らしい恩恵を与える政策だろうに。貴女が泥を塗ってくれたせいで、これから提案する私にまで余計な類が及ぶことなってしまったのだから、文句の一つも言うというものだろう」

 

 ………ん?

 

 俺はちょっと首をかしげる。

 

 え、ちょっと待って?

 

 ソーナ会長の夢は、下級や中級の悪魔も通えるレーティングゲームの学校だよな?

 

 それ別に、上級悪魔とか上役にメリットとかあるのか?

 

「……待たれよ、フロンズ殿」

 

「少し意味が分からんのだが、どういうことだ?」

 

 上役の人たちもちょっと戸惑ってる。

 

 そんな視線が向けられてるけど、フロンズさんは平然としていた。

 

「そうですね。では少し私の意見をご清聴いただきたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ではまず、現状のレーティングゲームの問題点を洗い出しましょう。

 

 まず、先ほどソーナ嬢も言っておりましたが、魔王様直々にレーティングゲームは階級の垣根なく参加できるということになっております。

 

 この時点で今のレーティングゲームの制度は下級中級に不満の火種となりかねません。今のままでは火種は残りますし、下手に撤回すれば一気に炎上しかねない。とどめに禍の団という不満分子の受け皿がいる状況下では、いつこれが冥界全土を覆う大火災に繋がるかもしれません。

 

 続けて言うと、レーティングゲームそのものの今の在り方は貴種にとってリスクも大きいです。

 

 レーティングゲームは基本として冥界全土の娯楽です。人間界でいうベースボールやバスケットボールなどの集団競技に、格闘技などの武術系競技をかみ合わせた物……いえ、集団競技型のサバイバルゲームなどが一番近いでしょうか。

 

 ですか競技試合には勝ち負けが存在するもの。勝ったのならばともかく、負けて笑いものにされるリスクを背負うのいうのは、貴族である皆様方にとって不快感もあるのではないでしょうか?

 

 更に言えば、レーティングゲームの成績が昇格試験の権利獲得に直結しているというこの状況下と、他種族から眷属悪魔を選ぶ現状もまた問題でしょう。

 

 客将や食客として、本来の悪魔にない利点を持つ者を選ぶのは当たり前の判断でしょう。ですがその弊害として、まがい物が上級や最上級悪魔に多数入り込んでいるこの現状は、本来の悪魔にとって不満でしょう。単一民族国家である日本人ならこういえば分かるだろうか……「帰化外国人が総理大臣や内閣にいるのを無条件に肯定できるか?」と。

 

 これらの問題点を解決するには、本来の悪魔である純血の下級中級から優秀な者を育成し、また取り入れる変革が必要不可欠。和平の輪が広がれば否でも変えるべきところはあるのですから、むしろ積極的に動くことでよりマシな形にすることは合理的といえましょう。

 

 幸い、愚民といえどきちんとした教育を受ければある程度のことはできます。農業関連の知識や技術が豊富になれば、我々悪魔の勢力強化にも繋がりましょう。

 

 ……ゆえに、私はレーティングゲーム及び教育制度の改革をするべきであると進言します。

 

 幸か不幸か、スポーツ競技や学問においては人間世界が参考資料になりますし、そこから有効なものを引き出すことは貴族ともあろう者なら容易にできるでしょう。

 

 一考の価値があると愚考しますが、如何に?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、何て言うかすごいね。

 

 フロンズ氏の弁舌に、上役達は魔王派大王派の区別なく興味を示した者が数多い。

 

 またしても、彼は空気を大きく変えることに成功していると言ってもいいだろう。

 

「無論、その変化の方向性を決めるのは若輩者ではなく経験豊富な方々であるべきだとは思っております。……草案はまとめておりますので、本格的な変革案はまた別の機会に」

 

「………なるほど、な」

 

「確かに、他種族からの転生悪魔が最上級につくのは正直不快だ。それなら下級中級であっても純血がついた方がまだましだろう」

 

「その価値観は正直不本意だが、確かに純血の下級中級の市民にも栄達の機会は与えられるべきだろう。一考の価値はありますな」

 

 フロンズ氏のその言葉に、多くの者達が程度はともかく評価の声を上げていた。

 

 その反応を前に、フロンズ氏は満足げに一礼する。

 

「……草案を一読したいのであれば、フィーニクス家にご一報ください。数日中にお届けいたします」

 

 そう告げるフロンズ氏の言葉を受けてから、現大王が厳かに頷いた。

 

「確かに、和平が結ばれれば動かねばならないことも多いだろう。魔王様方、この件、今度の議題として取り上げるべきかと考えるが、如何に?」

 

「そうだねー。珍しく素早い判断だし、これは周りも要望するだろうねー」

 

 ファルビウム様がそうげんなりしながら言うと、今度はアジュカ様が苦笑しながら頷いた。

 

「まあいいだろうさ。今期の若手は有望な者が多くて、ある意味楽しいものだ」

 

「む~。ソーナちゃんが提案した時はうるさく言ってたのに、フロンズちゃんが言った時は好意的に言うなんてなんか納得できないわねん」

 

 セラフォルー様はそう不満げだったけれど、結果的にソーナ会長の夢にある程度の可能性が見えたこともあり、文句を言いきれないところがある。

 

 だけど少し考えて、ポンと手を打った。

 

「あ、でも今の冥界なら活躍できればそれだけの権利は貰えるもの。ソーナちゃんとフロンズちゃんとだと方針がちょっと違うっポイし、ソーナちゃんも頑張って自分の理想の学園を作れるよう頑張ってね☆」

 

「………あの、あまりこの場で姉妹としての立場を見せてほしくはないのですが?」

 

 少し戸惑う会長だけれど、それでも夢の為に応援されることは悪い気はしないだろう。

 

 そして場の流れが緩んだ時に、サーゼクス様が僕達を見回した。

 

「多少波乱はあったが、中々有意義な時間となったようだ。……だが、この冥界で夢を叶えるには実力を示さなければならない」

 

 そう前置きし、サーゼクス様は更にこう告げる。

 

「だからその一環として、若手同士でゲームを行おうという話がある。リアスとソーナ、第一弾は君達にしようと思っているのだよ」

 

 その言葉に、部長と会長は目を合わせた。

 

「アザゼルが各勢力の長との和平を進める為の一環として、長達を集めてレーティングゲームの試合を観戦させる予定があった。そこで君達同士のゲームを執り行いたいと思っているんだ」

 

 そして、殆どの者達は笑みを浮かべた。

 

「公式戦でないとはいえ、こんないい機会が貰えるとは思いませんでした。とはいえ、まさか初めての相手がリアスになるとはね」

 

「そうね。でも私はもう一敗しているの。だから、二連敗なんてするわけにはいかないわ」

 

 お互いに火花を散らし、更に周囲の主達も戦意を燃やす者が何人も出てくる。

 

「……ちょうどいい! ふざけたことを言いやがったサイラオーグでも、わけのわからねえこと言いやがったイシロでも構わねえぜ! なんなら他の奴でもいいなぁ!」

 

「下品で下賤で下等な口を叩くなよ、そんなに誰かれ構わず喧嘩を売りたいのなら、まずお前を血祭りにあげてやる」

 

 周囲に敵意を向けるゼファードルには、ヴィール・アガレスが嫌悪感を顕わに宣言する。

 

「いいねぇ。じゃ、俺はちょっと試したいことがあるから若手最強と一戦交えるかねぇ」

 

「いいだろう。かの皇帝の親族であるお前とは、一度拳を交わしたいと思っていた」

 

 愉快そうに笑うノア氏に指名され、サイラオーグさんは真っ向からそれを受け止める。

 

「では、ノアがナンバーワンを指名するなら私はアガレスを名指ししようか」

 

「いいでしょう。できればゼファードルを叩きのめしたかったけれど、それは次の機会に」

 

「やれやれ。じゃあ僕達はあまり者同士仲良くしようか」

 

「ええ、ぜひその全力で私をボコボコにしてほしいわ」

 

 そして他の者達もそれぞれが相手を決め、試合の第一段階が速やかにまとまった。

 

 それを苦笑しながら見つめていたサーゼクス様は、僕達を一度見まわしてから頷いた。

 

「決まりのようだね。では第一試合はリアスとソーナで、日取りは日本時間の八月二十日。それまで自由に時間を使って構わない。改めて後日連絡しよう」

 

 こうして、僕達若手悪魔はそれぞれがレーティングゲームで争うことになったのだった。

 




 D×Dの二次創作で、良作だと思える作品にすらままある問題点。それは「サーゼクス達ですらどうにかできてない」という意味が全く理解できてない人が多いことです。

 やれ魔王がゲストを呼んで「彼を否定するのは魔王の否定だ」とかやったり、やれ超強力な存在が脅しかけたりとか、そんな方法で強引に黙らせるという手法がいくつもありますが、個人的にどうかと思っています。

 現四大魔王ですらどうにかできてない問題、というか老害共は血統主義で魔王たちの政敵だというのに、サーゼクス達が連れてきたゲストだからって理由で黙らせられるわけがない。というかそもそも、そんなイベントに招待するということがまず難しいでしょうし、下手したらそれを理由にサーゼクス達が排斥される可能性すらある。

 戦闘能力で黙らせるってのも問題でしょう。それならサーゼクス達でもやろうと思えばできるでしょうけど、してないってことが証明です。腐っても権威も権力もある手合いにそんなことをすれば総力で仕掛けられますし、場合によってはサーゼクス達が立場上それをしなければならなくなりかねません。もし眷属悪魔の立場ですれば、それが理由で主が処罰されることにもなりえます。

 と、こんな風に難しい冥界の事情が明かされる部分だというのに、なんでそんな解決法が取れると思ってるんだこの人たちは? と何度も思ったものです。

 この時点でこれを捌くのに必要なのは、横暴な方法ではなくいなす技術。そう思っていることもあり、個人的にいろいろ考えてこの「上役にとってこそ得と思わせる」方針が個人的に考え付く最適解となりました。これからも会合を出すのなら、対応としてはこれを主軸にしたいと思っております。






 ……最も、フロンズ自身は大王派であることが今回の重要点です。






 フロンズはあくまで大王派であり、魔王派ではありません。発言と原作をちゃんと読んでいる方ならわかると思いますが、サーゼクスとは明確に異なる思想を持っている男で、その思想に則って立ち回っております。

 彼は今後も着実に自分の地盤を固め、グレモリー眷属とは異なる形で冥界の有力者になっていきます。

 現状敵ではないですが、基本的には政敵です。それ以上に厄介なところがいくつもありますが、それは次の話で書くことにいたしましょう。

 

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