好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 さぁ、まだまだ敵のターンです!


聖教震撼編 第二十六話 激化する窮地

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 放たれる絶大な聖なる光に僕達は咄嗟に防御の体制をとる。

 

 無差別ともとれるその光は、しかし神聖十字軍団を襲わない。

 

 僕達だけを裁くように襲う聖なる光。それはまさに絶大であり、だからこそ脅威だ。

 

 ……その攻撃に誰一人として死者を出さずに済んだのは、奇跡と言いたくなるだろう。

 

 だけど、それは人による所業だ。

 

 何故なら、光が収まった時にクリスタリディ猊下が崩れ落ちるように膝をついたからだ。

 

 僕達も消耗しているけれど、崩れ落ちるほどではない。戦闘はまだまだできるだろう。

 

 つまり、彼が何かをしたのだ。

 

「……流石ですね。私達の祈りの光をここまで防ぐだなんて」

 

 感心している聖処女(ラ・ピュセル)ジャンヌに、なんとか膝をつくにとどまっているクリスタリディ猊下は真っ直ぐに見据えていた。

 

 その表情は鋭く、彼女を警戒していることがよく分かる。

 

「聖旗を起点とし、敵対者を断罪する極光を展開する聖旗・解放賛歌(フラッグズ・ラ=ピュセル)。既に一度見ているのでな、警戒はしていたとも」

 

 やはりクリスタリディ猊下が何かをしていたのか。

 

 おそらくは支配と祝福の合わせ技で、攻撃を何とか散らしたということなのだろう。

 

 ……ただ、敵は健在である以上油断はできないか。

 

「これは本当に、遠慮をしているわけにはいかないわねぇ」

 

 と、そこでリーネスが一歩を踏み込んだ。

 

 既にシャイニングアサルトホッパーを装着している。それだけの事態であることを、彼女も十分理解しているんだろう。

 

 そしてそんなリーネスを見て、ミゼルは明らかに不機嫌な様子を見せる。

 

「堕天使か。純粋なまま逝ける若者達を汚す技術の出所が。この聖都に足を踏み入れるなど万死に値する」

 

 切っ先を突き付けるミゼルに、リーネスも応じるようにスラッシュライザーの切っ先を突き付ける。

 

「拘りすぎで押し付けすぎねぇ。カズヒでももうちょっと融通は利かせられるわよぉ」

 

「下らん。辺獄騎士団の一員が、堕天使の技術で幼子を助けるなど……信徒の恥さらしでしかない」

 

 返す言葉はあまりに恥がない。

 

 自分の行動と発言に、一切の躊躇をしていない人物だということがよく分かる。それほどの人物でなければ、ミゼリコルデ連隊という信徒に対する暗殺部隊はやってられないということか。

 

 だけど、それに対して立ち塞がるのもの何人もいる。

 

「思うところがあるのは分かる。だが、ここまでの事態を引き起こす道理もないだろう」

 

「俺は先生とは違って、アンタのことは論外だよ。……折角美味い物が一杯食えるようになるってのに、邪魔しようってんだからさぁ」

 

 クリスタリディ猊下とデュリオが見据える中、ミゼルは失望したように首を横に振る。

 

「会話が通じないようだな、デュリオ・ジュズアルド。美食に拘り道を踏み外させるなど、論外なのはこちらのセリフだ」

 

 気配が高まり、殺意も高まる。

 

聖処女(ラ・ピュセル)ジャンヌ、本腰を入れていただきたい。こちらも……抜きます」

 

「そうですね。みんなの祈りを背負って……ジャンヌ、行きます!」

 

 ミゼル・グロースターと聖処女(ラ・ピュセル)ジャンヌ。二人の気配が更に高まっていく。

 

禁手化(バランス・ブレイク)

 

「行きますよぉ! 聖女に続く進軍の象徴(イドール・ラ=ピュセル)

 

 ……ここからが、本番か!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 気づいた時、俺達は全く異なる空間に立っていた。

 

 血煙が立ち上る曇天の空。そこに俺達は隔離されている。

 

 おそらくタイミングから言って、天草四郎の宝具で間違いない。掲げた旗を起点として、真名開放で発動している。

 

 そしてこれは―

 

「―固有結界ぃっ!?」

 

 ―鶴羽が絶叫する、まさにそれだ。

 

 固有結界。術者の心象風景を具現化する、魔術の最秘奥。

 

 宝具という形で固有結界を持つ。それが奴の宝具―

 

「悪いが隙だらけだ」

 

 ―を確信したそのタイミングで、天草四郎は突貫する。

 

 十文字槍と化した陣中旗を振るい、俺と鶴羽をまとめて薙ぎ払う。

 

 十文字槍。それはただの槍ではない。

 

 槍は本質的に突く武装だ。そもそも戦場の武装とは、シンプルな特化型が基本。性質上槍はリーチも長いことから、日本では足軽といった雑兵が持つことも多い。

 

 だが十文字槍は違う。ただ突くだけではなく、斬撃や薙ぎ払いなど、多様性を確立している。

 

 西洋で言うならハルバード。中国なら方天戟の類に近い。扱うことは難しいが、使いこなせれば無類の成果を上げる武装だ。

 

 つってもだ。

 

「天草四郎って、武将じゃないだろ!」

 

 素早く魔剣で迎撃しながら俺はぼやく。

 

 この固有結界が展開してから、俺の体は非常に重く感じている。

 

 おそらく呪詛の類だ。この固有結界そのものがそういった性質を持つ、そう考えるべきでもある。

 

 だがそれを踏まえても、天草の動きは卓越している……っ

 

「……こいつ、まさか私と同じ!?」

 

 その猛攻を同じようにしのぎながら、鶴羽は何かに気づいて吠える。

 

「どういうことだ!?」

 

「たぶんだけど、こいつも人の技術や能力を再現してる!」

 

 俺はそう答えられ、すぐに思い至った。

 

 鶴羽は固有結界で、英霊の技量や宝具を自ら振るうことができる。もちろん本人の技量もあるため兼ね合いを崩さない程度だが、それでもある程度の技量を持てるのは利点と言っていい。

 

 それと同じことができるのなら、十文字槍という高難易度の武装を軽々と振るっていることも正しいわけだ。

 

「その通り。四郎法度書の盟約がある限り、力を貸してくれるものだけ、私は力を振るえるのだ!」

 

 そう答える天草は、こっちが槍を掻い潜ろうとしたその瞬間、一瞬だが陣中旗から手を放つ。

 

 その一瞬の攻防で俺の手を掴み、そのまま鶴羽に向かって投げ飛ばした。

 

 瞬時、天草の手から炎が放たれ俺達二人を焼こうとする。

 

 だが―

 

「「甘い!」」

 

 ―相手が悪かったな。

 

 俺と鶴羽はぶつかる直前に体を捻る。その勢いを利用して、左右に散るように弾かれた。

 

 ザイア時代の連携戦闘訓練なめるな。特に鶴羽は内面で同志だったから、こういった連携戦闘部分ならヒマリの次に上手くできるんでな!

 

 素早くこういった時の対処法をとり、俺達は左右から反撃する。

 

 それに対し、天草四郎は氷を大量に展開して盾とする。そのまま陣中旗を回収しつつ、今度は雷撃を落としてきた。

 

 素早く魔剣を上に投擲して避雷針にし、鶴羽は聖十字架を具現化して更なる反撃を叩き込む。

 

 その瞬間、周囲のレイダー部隊が攻撃を仕掛けて俺達をけん制。咄嗟に俺は魔剣を地面から生やしてそれをいなす。

 

 流石に手強い。だけどなぁ!

 

「カズヒねぇも頑張ってるだろうし、リーネス達もだろうからな!」

 

「流石に恥ずかしい醜態は、晒せないのよ!!」

 

 そう簡単には、やられないんだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カズヒ・シチャースチエは、幾度となく繰り返される凌辱の光景を見続けている。

 

 目を背けないし逸らさない。これは自分が受け止めるべき業であり、むしろ真っ直ぐに見つめ直せることを僥倖とすら考えるべきだ。

 

 だが同時に、それが彼女にとって苦痛であることは言うまでもない。

 

 ―違う違う違う! 気持ちよくない気持ちよくない気持ちよくないっ!?

 

 そんな乙女の心の悲鳴を聞きながら、自分が引きずり込んだ地獄を見ているのだ。

 

 かつて、映像を確認している時はここまでではなかった。それは事実だ。

 

 だが今は違う。強引に叩き直された精神で、乙女がどう苦しんでいるかをより詳しく叩き付けられているのだ。

 

 これに対して苦痛を感じないわけがない。そのうえで強引に耐えれてしまう事実は、苦痛を感じるという事実を否定しないのだ。

 

「……そういえば、この映像を送ったのは誠にぃの誕生日だったのよ」

 

 そう、ぽつりとつぶやいた。

 

 それに対し、隣に立つ乙女の皮を被ったベアトリーチェは小さく頷いた。

 

「そうですね。だから彼は、乙女(彼女)を直視できず部屋に引き籠った」

 

 その返しに、カズヒは同じように小さく頷いた。

 

 精神がいっぱいいっぱいゆえに、誠明は真正面からぶつかることができなかった。

 

 精神がいっぱいいっぱいゆえに、乙女はそこからどんどん転落していった。

 

 そして精神がいっぱいいっぱいゆえに、道間日美子(カズヒ)はその光景に歓喜だけを覚えていた。

 

 自分達は誰もがいっぱいいっぱいで、だからこそ悲劇は更に加速していった。それはまごうことなく事実だろう。

 

 だが、それを免罪符にする気はなかった。

 

 自分はどれだけ追い詰められていたにしても、してはならないことをしてしまったのだ。その事実を、こうして改めて見せつけられている。その事実を否定してはいけないだろう。

 

 これは自分が背負うべき業であり、だからこそ許されることを前提にしてはならない。

 

 それを強く戒めながら、カズヒは隣のベアトリーチェに尋ねる。

 

「一つ聞きたいんだけど、これってどうやって再現しているのかしら?」

 

 ある意味で関係ないことなのだろうが、無視するわけにもいかないことだ。

 

 そして同時に、カズヒにとって一番重要な情報であるともいえるだろう。

 

「これが只の私が思っている乙女ねぇの内心……というのは、ちょっと嫌だと思うわ」

 

「……意図が読めないのですが?」

 

 カズヒの続けたその言葉に、ベアトリーチェは首を傾げてしまう。

 

 それに対してカズヒは、肩をすくめるしかなかった。

 

「私が思っている乙女ねぇの苦しみを映像として再現しているだけってのは、この場合不適格だって話よ。私が改めて背負うことを告げられるとするのなら、それは乙女ねぇが本当に受けている苦しみであるべきだと思うから」

 

 そう語りながら、カズヒは拳を握り締める。

 

「ある意味で欺瞞と言われるでしょうね。でも、できることなら本当の乙女ねぇが感じた苦しみをこそ背負いたいのよ」

 

 そんな自分に辟易する者を感じながらも、投げ捨てようとは思わない。

 

 どうせ恨まれることをするのなら、せめて恨まれがいのある自分でいたい。どうせ恨まれることをしたのだから、せめて相手にとっても恨みがいがある者でいたい。

 

 無駄にはしない。しっかりきっちり使い切る。相手に許されるにしろ許されないにしろ、せめて恨まれる相手に胸を張れる程度の自分でいるのが、せめてもの礼儀というべきものだろう。

 

 そういう風に考えているのだと自覚しながら、カズヒは同時に自虐の表情を浮かべている。

 

「どうでもいいだろって連中も、たくさんいるとは思うけれどね。だからと言ってそこまで投げ捨てるような生き方、本当にしたくないのよ」

 

 だから意味のない問いではある。

 

 それでも聞かずにいられない自分に胃を痛めていると、ベアトリーチェはそっとカズヒの手を取った。

 

「……大丈夫です。限りなく本物に近い現象であり、貴方の妄想ではないことは断言いたします」

 

「……ありがとう。気持ち前向きに見れそうだわ」

 

 感謝を素直に言葉にし、カズヒは地獄を見つめ直す。

 

 彼女の旅路は、まだ半ばにすら達していなかった。

 




 ちなみにこれを投稿した後でも、書き溜めは130kb以上あります。

 ……ちなみにリュシオンの心を九割がたへし折ったところです。ここから巻き返しモードに持っていきたいと思っております。
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