好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はーい! カズヒの地獄めぐり、まだまだ続くよー!


聖教震撼編 第二十八話 比翼連理の苦境

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 カズヒ・シチャースチエの地獄巡りは、佳境を迎え始めていた。

 

―今日はビデオ撮影かぁ。ふふ、キレイに撮ってくれるといいんだけどなぁ。

 

 そう散歩気分で歩きながらの、乙女の壊れた回想。

 

 それに対し、カズヒは目を一瞬伏せそうになるのを強引に抑え込む。

 

 これは自分が真剣に見据えるべき業だ。例え意味がなかろうと、それを放棄することをカズヒは自分に許さない。

 

 なしたことは背負うしかない。例えそれで被害者が何を思わなくても、だから背負うことをやめていい理由はならない。それが、自らの業に向き合うことだろう。

 

 歯を食いしばり、目を開けてその光景を真っ直ぐに見つめる。

 

 道間乙女は機嫌良さそうに歩くが、しかし走るような事はしない。

 

 その理由は単純だ。彼女の上半身ではなく、下半身を見ればすぐ分かる。

 

 大きく膨らんだ腹部。まして他が太っているなどとはとても形容できないのなら、答えは一つしかないだろう。

 

 すでに妊娠九か月。そのお腹には、のちにカズヒが愛する九成和地となる、道間田知と呼ばれることになる胎児が宿っている。

 

 出産を映すビデオ。厳密にはその可能性まで踏まえたうえで、六郎達の趣味じみた一環として裏物のAVに出演するという、そういう話になっていた。

 

 かつての日美子すら受けた事がないだろうその所業。本来なら聞いた途端に顔色が変わっていただろう乙女は、むしろ上機嫌で歩いていく。

 

 徹底的に心のどこかが壊れたその姿。それこそが、道間日美子がなした所業の一つの果て。

 

 ―出演料も貰えるっていうし、何を買おうかな?

 

 小さく楽しそうに微笑みながら、乙女はその思考を発展させる。

 

 そして何かに思い付いたようにそっと笑顔を浮かべながら頷いた。

 

 ―日美子に何かプレゼントでも買ってあげようっ! ふふ、最近日美子も機嫌がいいみたいだし、ちょっと奮発してあげようかな♪

 

 その彼女の心の在り方に、カズヒは己の業を改めて思い知る。

 

 狙ってやった事とはいえ、道間日美子はここまで醜く彼女を変えてしまっていた。見る影もなく腐らせた。

 

 その果てに生まれた彼が自分を救ったからと言え、それを良かった事だと考えていいわけがない。

 

 ダメなものはダメなのだ。結果的に良い事に繋がったからといって、だからダメなことを肯定していいわけではない。それとこれとは別なのだ。

 

 混同するな。自分が和地(田知)に救われた事と、その過程で乙女を地獄の住人に変えてしまった事は別なのだ。

 

 そう思うカズヒの隣で、ベアトリーチェは乙女を悲しげに見ながら視線をカズヒにちらりとむけた。

 

「……一つ、聞いてもいい?」

 

 その少し変化した口調を気にする間もなく、ベアトリーチェはその疑問を口にする。

 

「貴女は、どんな思いで乙女に悪意を向けたの?」

 

 その言葉は、彼女が乙女でないからだろうか。

 

 どこか乙女だからこそ尋ねずにはいられない印象を覚えながら、カズヒはその意識を切り替える。

 

 いい機会だ。自分の思いを改めて口にしてみるべきだろう。それが心の整理に役に立つ事があるものだ。

 

 だからこそ、カズヒは思いを言葉に変える。

 

「……逆恨みの嫉妬、だと思っているわ」

 

 あの時は、本当にそう思っていた。

 

 始まりのその時が、誠明が乙女を選んで自分から離れていったその時からだろう。

 

 あの時、日美子はショックを受けていた。誠明が自分を選んでくれなかった事もショックだった。そしてその次ぐらいには、乙女が誠明に選ばれた事に負の感情を抱いていた。

 

 それが何年も何年も、強すぎる意志の所為で自分を壊すことなく堪り続け、発酵していったのだろう。

 

 何かが取り返しのつかない域にまで醸造されたその黒い想い。枷となっていたアイネスや七緒が離れたことで、それはふとした瞬間に決壊した。

 

 だがそれは、逆恨みなのだ。

 

 恋愛勝負とは、よほど卑劣かつ悪辣なことをしない限り相手がどちらを好きになるか否かでしかない。まして自分は実の妹であり、近親愛はタブー視されるのが世界の基本だ。誠明がそもそも真剣に受け取らない事だって、ある程度分別が付けば納得できる事ではある。

 

 十代後半にもなれば、それぐらいの分別はつく。そして本当にそれを苦しみに思っているのなら、警察なり何なりと相談する方法は考えつくはずなのだ。己がその結果不利益を被る事すらいとわないなら、その方が簡単だったろうに。

 

 逆恨みで自分を愛してくれる者を地獄に引きずり込み、魂を腐らせる。そんな所業が悪でなければなんだというのか。道間日美子は同情される過去を持っていても罪人であり、道間乙女は純然たる、同情されるべき被害者である。

 

「分別のつかない子供心をどこかに残し、意志の強さで腐ることだけは耐えてしまった。そんな馬鹿な子供が、咎がない子に八つ当たりをした。言葉にすれば、きっとそれだけの話なのよ」

 

 そして、言葉にすれば簡単でも、実情はそうではないのもまた道理。

 

 道間日美子は下劣な所業をした女だ。道間乙女はその悪意に汚された、純然たる被害者だ。

 

 そう告げるカズヒの手を、そっとベアトリーチェは握り締める。

 

 ふとカズヒは彼女を視界に移す。乙女の成り果てた姿だけは、真っ先に見ないといけないからこそだ。

 

 だからこそ、カズヒはふと気づく。

 

「それは違う。きっと、道間乙女にも咎はある」

 

 そう告げるベアトリーチェの、つらそうな表情。

 

「……何も気づかず、ただただ妹のように思うだけだったことが、咎でないわけがないじゃない」

 

 それがまるで、かつて見た乙女のそれと重なったのは……偶然なのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ええい、やりづらい!

 

 さっきから敵の攻撃は、実はかなり散発的……というより、徹底的な足止め重視だ。

 

 殆どの連中が防壁を張ることや牽制に徹していて、こっちは攻めあぐねている。

 

 というよりだ、こいつら積極的にこっちを排除する意思がない。仕掛けるとするなら仕掛けてくる俺達に対する機先を制する形だけなようで、こっちが攻撃態勢を解除すると途端に動きにくいようにするだけだ。

 

 こいつら、こっちを倒す気が本気でないな。

 

「ああもうっ! カズヒやリーネスだって頑張ってるのにっ!」

 

 鶴羽が強引に紫炎の十文字槍を振るうが、それを天草四郎は水を具現化して相殺。

 

 更に余波すら、デュランダルに似た聖剣を持った戦士達がカバーする。

 

 おそらく量産型のデュランダルといったところか。だがデュランダルの人工聖剣使いは出来ていなかったと聞く。人工聖剣使い自体、リーネスの研究で因子の製造を可能にするまで一時中断していたし、神聖糾弾同盟が増やせるのか?

 

 因子の摘出は死人が出ないと言われているし、神聖糾弾同盟で適格者に因子を集めるってのはいけるだろうが、それにしたって時間的な制約がある。

 

 それに対して懸念を覚えながら、俺は牽制の為にウルバヌス二世にショットライザーを抜き打ちする。

 

 既にサルヴェイティングアサルトドッグに変身しているうえでの射撃だが、ウルバヌス二世はそれに対して素早く対処を行う。

 

 デュランダルによく似た例の剣を振るい、素早く俺の射撃を叩き落す。

 

 対処が早い。しかも正確な動きだ。間違いなくかなりの練度がなければできないだろう技能だろう。

 

 勘弁してくれよ、オイ。

 

「政治のトップが武門も優秀とか、異形か!」

 

「いや、ウルバヌス二世は完全に文官だったはずだ」

 

 と、これまた攻撃を弾き飛ばしているリュシオンがそう答える。

 

 いやでも、あれ少なくとも訓練しっかり積んでる動きだぞ?

 

「気にすることはない。サーヴァントというものは、必ずしも生前にのっとる能力を振るうわけではないだよ」

 

 そう微笑むウルバヌス二世は、小さく微笑みながら肩をすくめる。

 

「例えば皇帝特権。ローマ皇帝の類がよく持つこれは、スキルを持っていることにして短時間だが実際に使えるようにするスキルだ」

 

 そういえば。天草四郎も似たようなスキルを持っていると言っていたな。

 

 そしてウルバヌス二世は微笑みながら、傍に控える戦士達を見渡しながら胸を張る。

 

「そして似て異なるスキルこそ教皇特権。ローマ教皇が高確率で持ち込めるこれは、会得できるスキルの幅が狭い代わりに自他問わず一時的に与えることができるのだよ」

 

 ……勘弁してくれ。

 

 まったくもって厄介だ。

 

 厄介だけどこれ以上時間をかけるわけにもいかない。あまり時間をかけると、それこそ奴らの思い通りになるだろう。

 

 だからこそ、こうなれば一気に仕掛けるしかないだろう。

 

 何を考えているのかよく分からなくて不安だが、ここに俺達を釘付けにすることが奴さんの目的だ。

 

 なら突破するのが勝利に近づくと考えるのは当然だろう。既に他の部分でも攻撃を受けている以上、せめて合流ぐらいはしたいところだ。

 

 ゆえにこうなれば―

 

「強引に突破する!!」

 

「乗ったわ!!」

 

 ―まずはそっちを優先する!

 

「そうですね。イッセー君やリアスさんはヴァスコ・ストラーダ司祭枢機卿のところにいます。……司祭枢機卿の武名からすれば、相応の戦力が送られているでしょう」

 

「ぼ、僕もそろそろ本気を出します!」

 

 ロスヴァイセさんやギャスパーもその気になっている。

 

 実際問題、これは厄介だからな。

 

「うむ! ここは我らが引き受けるゆえ、合流するがよかろう!!」

 

 ストラス騎士団長からも許可をくれた以上、尚更遠慮するする必要は―

 

「いや、悪いが騎士団(君達)はここまでだ」

 

 ―その瞬間、ウルバヌス二世は微笑んだ。

 

 あ、これ手札がまだまだあるパターン!?




 ウルバヌス直属部隊は、ウルバヌスが教皇特権スキルでかなり強化できるため、能力寄りしそうで選んでおります。聖剣適正ぐらいなら与えられるので、武双面でも底上げしまくりです。

 そしてウルバヌスもさらなる一手を見せる体制。……リュシオン地獄めぐりも、ここから始まります。

 ……その前に数話あるけどね!
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