好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 書きたかったことを書き切れたせいで、ちょっと執筆速度が低下中。……まぁこれ含めて130kbほどあるから、まだ余裕ありますけどね。


聖教震撼編 第三十一話 罅入ろうと砕けぬ糾弾

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウルバヌス二世率いる、神聖糾弾同盟(ネオ・ディバインクルセイダーズ)の本丸部隊といえる連中を前に、俺達は猛攻をしのいでいく。

 

「……これ以上は、時間をかけるわけにはいかない」

 

 そして攻撃をしのいでいたリュシオンが、静かに首を横に振ると一歩を踏み出す。

 

「難しく考え続けるのなら仕方がない。悪いけど、まずは無力化させてもらう」

 

 強い決意と悲しみが見える表情を浮かべながら、リュシオンは歯を食いしばり構えをとる。

 

 リュシオンはバチカンというある意味で一番重要な地点で、本領を発揮するのは難しい。

 

 だがそれでも、リュシオン・オクトーバーはこの場における指折りの戦力だ。

 

 そんな男が一歩を踏み出した時、ウルバヌス二世は小さく目を伏せた。

 

「ふむ。やはり具体的に実感させなければ駄目か」

 

 そう呟いたのち、小さく苦笑しながらウルバヌス二世は―

 

先と身を守護する信徒選別(グレゴリオ・プロチェッソ)

 

 ―宝具を開帳した。

 

 何か力のようなものが周囲を包み込んだ。それ俺達は理解する。

 

 だが何が起きたのかがよく分からない。分らないからこそ不安を覚える。

 

 ゆえに、即座に潰すぐらいでいかないといけない。

 

 その状態で接近を仕掛けようとした時、攻撃が一気に集中した。

 

 素早く障壁を展開しながら攻撃を捌くが、いきなり攻撃の密度が上がっただと?

 

 想定外だ。増援が来た可能性も踏まえて、かなり警戒しなければ―

 

「違う」

 

 ―俺はそれに気が付いた。

 

 これは数が増えたんじゃない。単純にリソースが俺に集まっただけだ。

 

 つまり、囲んで俺達全員を抑えていた連中の攻撃が俺にだいぶ割り振られている。

 

 すぐに気づき、そしてまだ仲間達が倒されているわけではないことにも気づく。

 

 ならどうなっているかというと―

 

「な、なにがどうなってるの!?」

 

「これは……拘束、いえ封印……?」

 

 ギャスパーとロスヴァイセさんが困惑する中、デュナミス聖騎士団の者達は、殆どが動けなくなっている。

 

「ちょ、それ大丈夫なの!?」

 

「むぅ……頑丈な拘束をどうやったのだ!?」

 

 鶴羽がストラス騎士団長から、いきなり拘束した光る鎖を壊そうとしているが壊れない。

 

 そしてその鎖は、デュナミス聖騎士団の者達全体に展開されている。

 

「が……あぁあああああっ!?」

 

「ひぃっ!? な、外れろ……外れろぉおおおぁあああああびゃぁっ!?」

 

 中には燃え盛る鎖によって焼き殺される者もいる。近くにいた騎士団員は、どす黒く汚れている鎖に絡め取られて地面に倒れている。相当重いらしい。

 

 鎖の種類がどうも騎士団員によって違うらしい。どういうことか分からないが、条件付きで種類の違う鎖で拘束するのが、さっき真名を解放したウルバヌス二世の宝具か。

 

 これはまずいな。デュナミス聖騎士団のほぼ全員が鎖をつけられている。一割は焼き殺され、七割ぐらいが動けなくなっている状態だ。

 

 そして問題は―

 

「……ルーシア? え、何が……?」

 

 ―まるでプラチナのように光り輝く細い鎖を、まるで宝飾のように身に纏うだけのリュシオン・オクトーバー。

 

「え……重い……なんで……っ」

 

 ―そして鈍色のあまりに太い鎖に絡め取られ、地に付すルーシアの姿だった。

 

 何が何だか分からない。というか、なんでルーシアやデュナミス聖騎士団だけ……いや。

 

 一つだけ、思い当たる。ウルバヌス二世の来歴で、思い当たることがあった。

 

 ウルバヌス二世は、十字軍遠征の主導の前、教会の綱紀粛正に対する尽力こそが人生の主体だった人物だ。

 

 そしてウルバヌス二世が宝具の真名開放をした後に、敬虔な信徒だけがこの現象に巻き込まれている。

 

 ここから考えられるのは、ただ一つ。

 

「対信徒宝具……っ」

 

「なるほど。理解が早いと助かるよ」

 

 即答しやがった。

 

 ウルバヌス二世の宝具ってことは分かった。分ったがどういうことだ。

 

 鎖の種類が様々で、しかも効果が違うのはどういうことだ。

 

 ああもう! 時間と余裕がないから考えている余裕もない!

 

「なにしてくれてんのよ! っていうかなにしたってのよ!!」

 

 鶴羽がそう吠える。

 

 ただ、ウルバヌス二世はゆとりを持った静かな微笑みを浮かべていた。

 

 あ、これは言わない流れだな。

 

「……気を付けてください。もし条件付きで効果を発揮する宝具なら、あえて語らないことで牽制する可能性もあります」

 

 ロスヴァイセさんもそこにすぐ気づいたらしい。

 

 そう、条件付きで発動する宝具なら、もしかすると信徒以外にも通用させる方法があるかもしれない。

 

 かもしれないと思わせるだけでも、俺達にとって十分牽制となる。そういう戦術はとれるんだ。

 

 だからこそ、ウルバヌス二世が答えるわけが―

 

「簡単だし安心したまえ。君達には効かない宝具だとも」

 

 ―答えるのかよ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リアス部長達の無事を考える余裕もなくなりそうな、それだけの激戦を僕達は繰り広げていた。

 

 敵の猛攻はすべからくが脅威だ。何より、敵がどんどん打たれ強くなっている。

 

 一撃で戦闘不能にできた敵もいたけれど、どんどん一撃で与えられるダメージが減少していっている。その速度が少しずつだったので気づくのが遅れたけど、これはかなりまずいんじゃないか?

 

 敵の実力……とも考えづらい。何故なら小銃を持つ独自レイダー、通称Dレイダーもだからだ。

 

 Dレイダーは基本的に、一般市民からや非戦闘系の聖職者が実装するレイダーだと既に判明している。退役軍人などから急遽訓練を受け、更にプログライズキーが戦闘動作を補助するからこそ数があれば戦力となる程度の域だ。必然として、飛びぬけた戦闘能力を持つ者は少ないんだ。

 

 にも関わらず、こちらの攻撃がどんどん通用しなくなってきている。

 

 感覚的に考えれば、ダメージが数割ほど削減されるレベルになっている。ここまでくると一撃で無力化できるものは数少ない。それが数で攻めかかれば、こちらも不覚をとりやすくなるだろう。

 

「おいおい! なんつーか敵が面倒になってきてねえかぃ!?」

 

 美猴も気づいたのだろう。戦い方を変えながら、連携を踏まえた動きになっている。

 

 大量の分身を作り出しての制圧戦闘。それも一か所にとどまらず、移動しながらの戦闘にすることで敵レイダー部隊をかく乱している。

 

 ただし、Dレイダーの武装は小銃だ。つまりフルオートの連射が聞くということもあり、十二分に対応できる能力を持っている。

 

 このままだと、流石に削り殺されかねない……っ。

 

 しかも厄介なことに、敵は数だけでなく質も併せ持っている。

 

「まだまだですよぉ! さぁ、神罰までお祈りタイムでっす!」

 

清々しいほどどの笑顔で、聖処女(ラ・ピュセル)ジャンヌはクロスボウを大量に操って、分身の美猴を吹き飛ばしていく。

 

 更に旗を振るい薙ぎ払い、時々聖なるオーラすら投射する。この猛攻に、戦士達は追い込まれていると言ってもいい。意味不明な類の強さといえるだろう。

 

 そしてもう一つの難敵が―

 

「させんぞデュリオ・ジュズアルド! 無垢なる魂は汚させん!!」

 

「させるかよ。子供を死なせるなら容赦はしない!!」

 

 ―こちら側の最強戦力といえる、デュリオを抑え込んでいるミゼル・グロースターだ。

 

 量産型デュランダルのデュリンダナ及び、殉教四聖剣(デュリン・カリバー)による連続攻撃。しかもレイダー部隊と同様の防御力強化を受けているのか、攻撃がどんどん通らなくなっている。

 

 あの猛攻は明らかに驚異の域だ。元々の戦闘能力すら、最上級悪魔クラスに通用するだろう。そこに仮面ライダーディバインの特性もあって、更なる脅威となってしまっている。

 

 くそっ! クリスタリディ猊下やアーサー・ペンドラゴンが一騎当千の活躍を持っているからまだ保てているけど、それだって限界がある。

 

 このままだと……っ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聖都守護連隊前での戦闘は、圧倒的なまでに神聖糾弾同盟が有利になっていた。

 

 理由は単純。一騎当千の戦力を軸に、数の暴力で押しているからだ。

 

 ゴドフロワ・ド・ブイヨンは戦術を切り替え、一点に集まらない。

 

 ヒット&アウェイのように敵を切り替えて流動的な戦闘を行い、戦術的に優位性を作る方向にシフト。これは裏を返せばサイラオーグ達を一気呵成に討ち取れないことの証明だが、まず戦術的な勝利を掴む方向に切り替えれる、臨機応変な対応力があることの証明でもあった。

 

 最低限態勢が崩れる状態まで追い込んだら、瞬時に攻めるべきところを見極めて突撃攻撃。それが終わるかサイラオーグ達が態勢を立て直すタイミングで戻る。その繰り返しで、サイラオーグ達を抑え込みながら、全体の戦況に多大な貢献を果たしている。

 

 そしてゴドフロワによって生まれた戦術的優位性は他にもある。

 

「よし、休憩に入れ!」

 

「さぁ食べろ! 聖墓特製だからすぐ回復するぞ!」

 

 休憩に入った神聖糾弾同盟の者達に、広報担当の同胞が果物を差し出す。

 

 彼らはそこかしこから実った果実を渡し、そして汗を拭くなどのサポートで戦士達を援護する。

 

 戦闘とは基本原則として極限環境。心身の負荷は明確に大きく、それゆえに消耗は激しい。当然の結論として、休息や回復を如何に挟むかが重要な側面でもある。

 

 そういった兵站面において、神聖糾弾同盟は圧倒的な優位性を獲得している。

 

 もとより彼らは拠点防衛線を展開しているようなもの。この時点で彼らにとって有利だが、更なる優位性が彼らにはもたらされている。

 

「……よっし休憩終了! 行ってくるぜ!」

 

 僅か五分。たったそれだけで彼らは回復を終えていく。

 

 果実を食べるだけで、文字通り彼らは体力が回復していく。そういった特性を、この果実は持っていた。

 

「……この植物だらけ、なんかの神器か何かかと思ってたら―」

 

「まさか、宝具によるものとは思いませんでしたわ」

 

 アニルと朱乃がそう呟く通り、この植物は特別製である。

 

 これこそが、ゴドフロワ・ド・ブイヨン第三の宝具。聖旗・聖地礼賛(フラッグズ・エルサーレム)

 

 世界三大聖旗と称される宝具は、その名の通り三つある。

 

 聖処女(ラ・ピュセル)ジャンヌが保有する、ジャンヌ・ダルクが掲げた聖女の旗。解放の伝承に基づく神聖たる攻撃を振るう、攻撃の宝具。聖旗・解放賛歌(フラッグズ・ラ=ピュセル)

 

 天草四郎が保有する、島原の乱の陣中旗。伝承故の無念に基づく呪詛の空間を展開する、制圧の宝具。聖旗・島原血盟(フラッグズ・シマバラブラッド)

 

 そしてゴドフロワ・ド・ブイヨンが保有する、十字軍の旗。聖地奪還の伝承に基づく、祝福の宝具。それこそが聖旗・聖地礼賛(フラッグズ・エルサーレム)

 

 土地そのものを祝福する宝具こそこの聖旗。返上することでその土地を一時的に聖墓とする王冠、降臨の(アドヴォカトゥス)聖墓守護者(・サンクティ・セプルクリ)との相性が凄まじく高い。

 

 更にある宝具とかみ合った結果、バチカンは天候を操作し大気を化合し、成長を促進する。その結果がこの植物あふれる土地。更に効果を上乗せすれば、植物そのものに奇跡が宿る。

 

 ホームでの戦闘とホームそのものの特別性。これが神聖糾弾同盟に回復速度というアドバンテージを与え、戦闘が続くにつれてその差が大きく出始める。

 

『この……野郎がぁ!』

 

 それでも食らいつける大きな要素は、匙元士郎によるものだろう。

 

 黒邪の龍王(プリズン・ドラゴン)ヴリトラを宿す神器をとにかく乗せた結果、半ば復活したヴリトラと言ってもいい状態になった彼は、ヴリトラのポテンシャルを最大限に発揮できる。

 

 力の流動と言っていい、彼自身が生まれ持っていた黒い龍脈(アブソーション・ライン)を中核として、特殊な効果を発揮する四種のヴリトラ系神器をほぼ全部乗せたと言ってもいい彼のポテンシャルは、統合した禁手(バランス・ブレイカー)もあってハイレベル。

 

 間違いなく神滅具級の領域であり、総合力ならサイラオーグ・バアルの次に位置する。この場における現政権側の、二番手の戦力であった。

 

 その彼がラインを使い、敵の体力と生命力を奪って自身を回復。更に力を供給させることで、サイラオーグ達の回復すら助けている。

 

 更に時として街頭に力を流して目くらましを行い、時に敵をラインで繋いで振り回す。聖墓と化したこの地にラインを繋げるのが転生悪魔の彼にとって致命でなければ、趨勢をひっくり返せていたかもしれないほどの大活躍を見せていると言ってもいい。ある意味でサイラオーグ以上の戦果と言っていいだろう。

 

 だが、それでもこのままでは削り殺される。

 

 まさにその時だった。

 

「……ちぃっ!」

 

 何かに気づいたかのように、サイラオーグに切りかかろうとしたゴドフロワが、反転しながら剣を創造して投擲する。

 

 あらぬ方向に飛んで行った剣はしかし、迎撃の拳にかろうじて届き、浅いとはいえ敵に切り傷を作り上げた。

 

 

 そしてそれは、三大勢力側に戦況が好転することを意味しない。

 

「……ここで来るかっ!」

 

 歯をむいてうなるサイラオーグの視線の先、そこにいるのは少数の敵。

 

 偵察戦闘用スパイユニットを装着したサリュートⅢ及び、それを率いるアステロイドやスカラベレイダー。

 

 そして、その中央に陣取り聖剣を迎撃したのは、一人の男。

 

「気配察知スキルでも持っているのか? 俺をピンポイントに狙うとはな」

 

 そうぼやくその男は、呼吸を整えると本気を見せる。

 

 僅かに大気を歪ませるそれは、可視化するほどに高まった生命エネルギー。すなわち、闘気。

 

「さて、俺としては神を相手にしたいが……まぁ、組織の一員としてたまには仕事をしないとな」

 

 ミザリ・ルシファー直属部隊。イシロ・グラシャラボラス眷属が戦車(ルーク)、それも二駒。

 

 アルケード。彼が率いる形で禍の団もまた、参戦する。

 




 まだまだ神聖糾弾同盟はしぶといぜぇっ!!



 そしてリュシオン地獄めぐりが、開幕。……また数話ほど飛ぶけど、開幕はしたぞ!!

 ここからリュシオンの心に致命傷レベルの一撃が叩き込まれるぜぇっ!!







 ……リュシオン・オクトーバーは、生まれて初めて試練を迎える。












 なぜならば、試練とは超えることが困難だからこそ試練なのだから。
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