好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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聖教震撼編 第三十七話 煉獄の中で

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒い刃が、幻影すら切り裂き始める。

 

 グレゴールのヘキサカリバーを、幾瀬鳶雄の刃が上回り始めた。

 

「……これが、神の子を見張る者(グリゴリ)が誇る使い手、その本領かぁっ!?」

 

 グレゴールはそれでも刃を振るうが、もはや趨勢は決していた。

 

 幾瀬鳶雄が作り出す闇の空間と軍勢は、大量に展開されるグレゴールの幻影を圧倒する。

 

 ……敗因を求めるのなら、単純に性能差だろう。

 

 ヘキサカリバーはその都合上、本来の合一化されたエクスカリバーに数段劣る。そしてグレゴールの力量では、ヘキサカリバーで至った神滅具(ロンギヌス)を打倒するには力が足りない。

 

 仮定だが、エヴァルド・クリスタリディが合一化されたエクスカリバーを使えば、幾瀬鳶雄は負けていた可能性がある。例えヘキサカリバーのままであっても、相応の勝算を持つだろう。

 

 だが、裏を返せばそれだけの傑物でなければ、ヘキサカリバーで至った神滅具を打倒することは困難ということだ。逆にグレゴールは、エクスカリバー使いとしては補欠止まり。ゼノヴィアやイリナといった先に使い手となった者ですら困難なことをできる力量ではない。

 

 それでも、仮面ライダーディバインの性能もあって何とかしのげていたが―

 

「悪いが、()()の切り方は掴めてきた」

 

 ―最悪なことに、幾瀬鳶雄はそれをしのげるだけの力量の持ち主だった。

 

 ……禁手(バランス・ブレイカー)というものは、本来偉業である。

 

 英雄派による非人道的な実験があってこそ確立されたが、それまでは到達できることそのものが偉業とされていた。そして到達できても当人の力量次第では自滅に繋がることも多い。それだけ、禁手というものは過ぎた力である。

 

 だがしかし、彼はそれを生まれ持ったその時に至らせていた。

 

 本来なら不可能だが、彼は五大宗家である姫島から抜けた血筋であり、それもあって五体満足で成長。その五大宗家に由来する事件に巻き込まれ、異能の世界に入ってきた人物である。

 

 ……結論として、ルシファーの血と神滅具を併せ持つヴァーリに次ぐ特殊な存在。ある意味で英雄の末裔である曹操やゲオルグ以上の人物だ。

 

 その数奇な運命もまた並び立てるほどであり、才覚と経験の上質さは、先天的な聖剣使いすら超えるほど。

 

 ゆえに―

 

「……まだだ! せめて……深手を負わせる!!」

 

『ダイイングインフェルノ!』

 

 素早くディバインの基本武装であり、Eグリップを展開した状態で突貫を開始。

 

 後先を考えない大量の幻影をわざと己と共に密集させ、最適解をとらせるのを困難にさせる。

 

 だが、鳶雄はその上を行った。

 

「悪いけど、既に切り方は分かっている」

 

 その瞬間、幻影全てを刃で切り裂き、鳶雄は決着をつけた。

 

「……流石は至った神滅具。祖の原理血戒(イデアブラッド)の域だろう」

 

「しかも五大宗家に連なると聞く。……ヴァーリ・ルシファーもそうだが、神の子を見張る者(グリゴリ)は何という傑物を迎え入れたんだ」

 

 援護に入った死徒達が戦慄する中、しかし彼らが敬う者は面白そうな表情を浮かべていた。

 

「よいものが見れた。来たかいがあったという物じゃ!」

 

「そっちは終わったのかい?」

 

 鳶雄が答えると、少女は軽く頷いた。

 

「階梯が二つも下の者相手に負ける祖はおらんよ。原理血戒の有無は、それだけの差があるのでな」

 

「よく分からないけど、君が凄い人なのは分かったよ」

 

 鳶雄は素直にそう語るが、その肩に一人の死徒が手を置いた。

 

「気を付けた方がいい。……そのお方は関ケ原を観戦しに行ったことがあるいろんな意味でアレなお方だ」

 

 五秒ほど、鳶雄は沈黙した。

 

「もしかして、大御所ですか?」

 

「……初代バアルと茶会を経験したことがあるといえば分かるだろうか」

 

 とてつもない大御所だった。

 

 流石に少し沈黙する鳶雄の前で、その少女じみた死徒はバチカンの方に視線を向けていた。

 

 含み笑いを浮かべながら、その少女は―

 

「さて、できれば悪祓銀弾(シルバーレット)とは直接会いたかったがな。呼びつけて詫びるのも礼を失するが……酒宴でも開くか?」

 

 ―割と呑気なことを言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現状の作戦状況は、膠着状態に近いところがあるな。

 

 いろんな勢力が入り乱れていることもあって、流石にこの辺りが限界か。

 

 だが、神聖糾弾同盟は少しずつだが弱ってきている。

 

 このままなら、俺達や他の勢力の被害に関わらず神聖糾弾同盟はどうにかされるだろう。そして神聖糾弾同盟は、見るも無残な犠牲者を出して壊滅する。

 

 これはもはや仕方がない。奴らの目的は叶わないし、それを説明するわけにもいかない。だから被害が相応に出ることは覚悟している。

 

 聖書の神が死んでいることは、和平を結んだ組織にとっての最重要禁足事項だ。リゼヴィムやハーデスですら武器にしていない、そんなレベルの地雷だ。万を超える人数の勢力に、堂々と告げれるわけがない。

 

 そうでなければ納得しない。そういう方向に導かれてしまった。その時点で、強引に力で叩き潰すことが主流にならざるを得ないわけだ。

 

 やってくれるぜ、ウルバヌス二世。知っててそうしたとは流石に思わないが、おかげで多くの被害を出すしかない羽目になりやがった。

 

 ……不幸中の幸いは、この一件さえしのげば教会方面で大規模な暴動は起きないだろうことだ。

 

 なにせ、前人未踏レベルの大暴動だからな。当然だがそれに大量の人員が使われている。単純に、ここで叩き潰されれば大規模の暴動を起こすだけの不満因子が潰されるわけだ。

 

 身内の喧嘩で済むなら、少しぐらい起きてもいいと思っていた。だが実際はウルバヌスによって、とにかく規模がデカく叩き潰すしかない形に持っていかれたことだ。

 

 嗚呼全く。……なんでこういうことになってんのかねぇっ!!

 

 そう思っていると、近くに通信用魔法陣が展開される。

 

「……誰だ?」

 

『私です、アザゼル元総督』

 

 フロンズか。

 

 まぁ、俺は今D×Dの外周式を担当しているからな。大王派側で責任者となっているフロンズが通信をするのは、一見すれば納得だ。

 

 だがフロンズは適材適所をわきまえられる。間違いなく指揮としては、戦術家で勇名をはせるノアが取っているはずだ。遊撃部隊として活動するにしても、それは後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)がやるわけだ。となれば幸香だ。

 

 わざわざこいつが直接通信とか、何を考えている?

 

「使いっ走りか?」

 

 可能性としてはありそうだな。

 

 フロンズは意外とフットワークも軽いしな。他の連中は手が足りないから、自分がやるかとか普通にやりそうだ。

 

『いえ。これは私の裁量における独自判断です』

 

 ……なんだと?

 

 この流れで、フロンズがわざわざ俺に接触?

 

 政治的な手回しなら、もっと前かもっと後にするはずだ。それぐらいの判断力はあるし、意味もなく忙しい時に来て判断力を鈍らせるような真似はしないと知っている。

 

 なんか嫌な予感がするんだが。

 

「とりあえず、本題から入れ」

 

『神聖糾弾同盟の戦略的対応に違和感を感じる者がおりまして。今は私がそちらの解析を行っていますが、やはり年季が違い組織運営にも手慣れた元総督殿の意見も取り入れたく』

 

 と、魔法陣が映像でその辺の情報も送ってくる。

 

 ……確かに。こうしてみると違和感だらけだな。

 

 ここまで士気・練度・装備を高い水準でまとめながら、戦術的な対応になると妙なちぐはぐが確認されている。更に士気の差が、装備や戦術と直結しており、戦術的価値と釣り合ってない。

 

 なんだこの妙なところは。言われて見ると違和感しかねえ。

 

「……解析といったが、具体的にどう解析してるんだ?」

 

『現在私の権限で、九条・梔子・張良率いる遊撃部隊を拝借しています。各戦線からそれぞれ武装の違うグループを確保し、私が責任をとれる範囲で傾向分けを行っている最中です』

 

 深入りしたいけどしない方がいいこと*1を言うな。

 

 だが勘づいている奴はいくらかいるということか。

 

「確か、幸香とラカムがいない間にマフィアを統括した奴だな。お前らにつくのに合わせて健全企業化に移ったとか」

 

『現状モラル面に問題はありますがね。彼女はとても優秀ですから、おそらく傾向分けができると―』

 

「アザゼル様!」

 

 と、なんか急に伝令が来た。

 

「どうした? ちょっと手が離せないから手短に言え」

 

「はっ! 後継私掠船団から伝令が来ました! 心当たりがないならフロンズに繋いでくれと言付かっております!」

 

 ………。

 

『失礼。戦闘のごたごたで順番が前後したようです。梔子が傾向分けを終えて直接こちらに来ました』

 

 そうフロンズが言ってくると、通信用魔法陣が増えて梔子が姿を見せる。 

 

『アザゼル総督の知見は窺うに値すると判断しました。ただタイミングが微妙に合わず申し訳ありません』

 

 素直に謝ってくれるが、まぁそこはいい。

 

「とりあえず、資料を確認する。お前はその間に、今のところの推測を語ってくれ」

 

『かしこまりました。……ただ、この仮説は突拍子もなさすぎるので……できれば辛口の批評をお願いします』

 

 ……どんな仮説を立てやがった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 煉獄。それは一言でいうなら、「天国に行く為の場所」といえるだろう。

 

 地獄に落ちるほどではないが、天国に行くには業を背負っている者が、禊を果たす場所ともいえる。

 

 考えようによっては、天国に行く枷を外す場所だ。逆説的に、枷という業を外してしまえば、すぐに終わる場所ともいえる。

 

 だからこそ、なのだろう。とんとん拍子に煉獄が進んでいくのだと、私は既に実感していた。

 

「乙女ねぇ~! お誕生日、おっめでと~っ!」

 

「ありがと~! 日美子~っ!」

 

 満面の笑顔で抱き合うのは、かつての私と乙女ねぇ。

 

 ……うん。煉獄は天国ではないけど地獄でもない。

 

 ならこれは確かにそうなんだけど……。

 

「別の意味で地獄ね、これ」

 

「あ、あはは。大変だね」

 

 思わずぼやくと、ベアトリーチェまで苦笑いしてくる。

 

 まぁ実際、子供の頃の未熟かつ無邪気な姿を赤裸々に語られるのはきつい。恥ずかしくなる話の定番といえるし、ある意味納得だろう。

 

 なまじ前世の話であり、 七緒(鶴羽)アイネス(リーネス)は同年代。勇ちんとディーレンは知り合った時期から、そこまで問題なことはない。なので食らったのは初めてだろう。

 

 ……いや、ズリネタを堂々と何回使ったのかまで告げるのは、女子的には一生もののトラウマでなかろうか。

 

 やばい。私昔っからブラコンがこじれたままだ。普段イッセー達に説教をしている手前、もうちょっと客観的な視点を心掛けねば。自分のブラコンが度を越えていることはわきまえないと。

 

 いや、そこでもない。そこもだけどそこは今重要じゃない。

 

 今私は、乙女ねぇとの楽しかった思い出をつるべ打ちのように見せられている。

 

 気恥ずかしい、とは思っている。ただ、最初に比べると心を削るような痛みは感じない。

 

 つまり、これが私の煉獄。業を祓う禊ということだ。

 

 乙女ねぇが私を愛してくれていた。その過程で生まれた、田知と一緒に幸せになることを、きっと認めてくれるのだと、向き合うこと。それが私の禊だ。

 

 乙女ねぇに恨まれて当然だと、恨まれるべきだと確信していた。少なくとも、そうであるべきだと思っていた。

 

 だが同時に、少なくともそうでない可能性があることをを、私は理解していてもあえて向き合おうとしなかった。

 

 ……なるほど。これはハインリヒに感謝するべきでしょうね。

 

 ただ懸念事項はある。それはちょっと不安だが、その場合は気合と根性でどうにかするしかないだろう。

 

 ただ、もう一つ気づいたことがある。

 

 まだ仮説だ。だが、この仮説が正しければ―

 

「ベアトリーチェ」

 

「どうしたの?」

 

 ―その小さな反応に、私は仮説を強く感じる。

 

 もしかすると、そういうことなのだろう。

 

 ……別の意味で、天国までの覚悟が必要になった気がする。

 

 

*1
ある程度の非合法手段。もちろん意図的ににおわせている




 ……とりあえず、神曲が終わるところまでは書き溜めが終わっていますので、ある意味とっても書きたい部分を書くことはできました。






 ……パソコンの不調とかみ合って、書き溜めが減り気味だけどね!?





 まだだ! まだ90kb以上ある!! ここから巻き返せる!! ソシャゲも今日できなかった分持ち直す必要あるけど、明日は所用で休みだから空き時間多いもん!!
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