好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 さて、書き溜めはリュシオンの再起まで掛けましたが……まだ本文では地獄です!


聖教震撼編 第四十二話 糾弾に抗う者達

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ったく。黙っていれば色々言ってくれるな。

 

 俺もリュシオンのアレなところは、カズヒねぇの極光的な精神性とは別の意味で問題視はしてた。むしろ自覚がない分、リュシオンの方が質が悪い。自重しててもいざとなればぶん投げるカズヒねぇも大概だけど、自覚がないから当たり前のようにし続けるリュシオンはもっと酷い。

 

 たぶん自覚させるには、相当の荒療治が必要だとも分かっていた。そうなれば、きっとルーシアにも相当の衝撃が走るとも想定してたさ。

 

 ただなぁ。

 

「いい機会だから指摘させるままにしてたが、そろそろ終わってもらおうか」

 

 ……別にリュシオンを再起不能にしたいわけじゃないんでな。

 

 一歩前に出たうえで、俺は魔剣を創造してウルバヌス二世に突きつける。

 

「言ってることは筋が通っているし、リュシオンが人を傷つけることを良しとしないなら自覚は必須だ。だが、ちょっと不必要に追い込みすぎじゃないか?」

 

 かなり徹底的に厳しく言っている雰囲気だからな。そろそろこの辺にしてくれないと何か起きそうでちょっと怖いし。

 

 ただ、俺と同時に割って入った人はちょっと違う意見のようだ。

 

「……ウルバヌス聖下。貴方のおっしゃることは正しいですが、少し性急すぎな印象がありますぞ」

 

 ストラス騎士団長は複雑な表情を浮かべながらも、胸を張ってそう批判する。

 

「諭し導けなかった吾輩達の未熟を承知で言わせてもらいますが、このような形でする必要がありますか! 何より、我らデュナミス聖騎士団にも死者が少なからず出ております」

 

 その通りだ。そこは本当に気になっている。

 

 ウルバヌス二世の宝具により、結構な人数の騎士団員が焼け死んでいる。既に灰になっている彼らは、生きたまま焼き殺されたわけだ。

 

 いくら信仰心に問題があるものがなるとはいえ、いい気分になるわけがない。そこは言うべきどころだろう。

 

 ただ、ウルバヌス二世は涼しげな表情だ。

 

「悪いが詫びる気はないな。この宝具で焼け死ぬような手合いが、教会の未来を担う騎士団にいる方が看過できん」

 

 ……いったいなんだ?

 

 ウルバヌス二世にとって、神聖糾弾同盟(ネオ・ディバインクルセイダーズ)の目的はでっち上げも同然だ。聖書の神が死んでいることを前提に、聖書の神の裁きを受けるという目的を本気で言うわけがない。

 

 ならなんだ? いったい何を考えている?

 

 そこについても考えるべきだが、今言うべきはそこではないな。

 

「……リュシオンもまだ若い。見誤ることもあれば道を間違えることもある。だからといって、このような所業をもって叩き直すというのはよしとはできませんぞ!」

 

「そうはいかない。神の子に続く者(ディア・ドロローサ)たる彼は、教会の未来に多大な貢献を果たすだろう。その歪みを治せる機会は、私達にとってあまりないのでね」

 

 ウルバヌス二世はストラス騎士団長にそう言い返す。

 

「……く……っ」

 

 リュシオンは唸るが、しかし動けない。

 

 ……いや、動かないのか。

 

 動くべきだとは思っているのだろう。そして動こうと思えば動ける程度の状態だ。

 

 にも関わらず動いていない。付き合いは短いが、リュシオン・オクトーバーがそうしていないのなら、それは動かない選択を選んでいるからだ。

 

 チラチラと、ルーシアや同胞を見ているのがその証拠だ。間違いなく、今動けば彼女達の心に悪影響を与えると思っているからだろう。

 

 なら、俺がやるべきことは……一つだ。

 

「騎士団長、十分稼ぎます」

 

『BALANCE SAVE』

 

 騎士団長が何か言うより早く、俺はパラディンドッグプログライズキーを装填する。

 

『Kamen……rider……Kamen……rider……Kamen……rider……』

 

 俺では付き合いが短すぎるし、リュシオンのことを詳しく知らない。

 

 だからこそ、俺がやるべきことはそこじゃない。

 

「それまで、リュシオンと話し合ってください。……横槍は、入れさせません」

 

 なら俺がするべきは、補佐だろう。

 

 リュシオンじゃないが、できる範囲ですべき事象を、したい願いとすり合わせる。

 

 そう、俺がするべきことはもう決まった。

 

「付き合ってもらうぞ、神聖糾弾同盟」

 

『ショットライズ』

 

 今ここが、出しどころだ。

 

『パラディンドッグ! Then smilling silver bullte. Saver is extreme over』

 

 九分間、リュシオンが立ち直る為の時間を稼ぐ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聖処女(ラ・ピュセル)ジャンヌが打倒されたことで、殆どの者達が戦意を失っていた。

 

 ただでさえ、デュリオのシャボン玉によって戦意を失った者が多い中、更に中核となる戦力を失ったことで、瓦解したと言ってもいい。

 

「て、撤退だ!」

 

「指示の通りに分散退避! 待避所に向かうぞっ!?」

 

 そう叫びながら離脱する者も数割はいるが、殆どの者は戦意を失ったのか降伏の体制になっている。

 

「……聖下の、指示?」

 

「投降は許されていたはずだが……?」

 

 戦意を失った者達は降伏しているが、どうやら待避所について知らされていないらしい。

 

 人員に応じて指示が違うのか? そこまでの組織的体制を作っているのは警戒に値するけど、意図が読めないね。

 

 とはいえ、これで状況は少しぐらいましになるだろう。

 

 敵主力の一角を撃破した。デュリオのシャボン玉も含め、これで神聖糾弾同盟が崩れてくれればいいんだけどね。

 

 そしてそのデュリオも、投降している者達が来たことで少し欲しているようだ。

 

 ……だけど、そうほっとしてばかりもいられない。

 

 僕達は、戦意こそないが敵意が消えていない男に集中する。

 

「で? どういうつもりかな?」

 

「大した事ではない。……神聖糾弾同盟(ネオ・ディバインクルセイダーズ)として、戦う理由を失くしただけだ。」

 

 デュリオにそう返すのは、ミゼル・グロースター。

 

 彼が敵意を消していないにも関わらず、戦意だけは綺麗に消していた。

 

 その対応が違和感しか覚えず、僕達は一様に警戒している。

 

 ただ戦うつもりはないらしい。デュリンダナの方を地面に突き立てると、殉教四聖剣(デュリン・カリバー)も消していた。

 

 そして肩をすくめると、彼は三対の翼を広げる。

 

 その翼が黒く羽がないのを見て、僕達は殆どの者が目を見開いた。

 

 まさか……悪魔だって!?

 

「ふむ、恩知らずのミゼルという異名を聞いたことはないかね? SSランクのはぐれ悪魔認定されていたはずなのだが」

 

 ミゼルはそう言うけど、まさか転生悪魔だって!?

 

 僕達が目を見開く中、彼は肩をすくめるとそのまま飛び上がる。

 

「思い出したよ、私の戦う理由を。……だからこそ、その礼としてここは引こう」

 

「おいおい? 逃げさせてくださいっていうべきなんじゃないのかぃ」

 

 美猴がそう言うけど、そういう問題じゃない。

 

「美猴、気をつけるんだ。……奴はかなり危険だ」

 

 くそ! デュリオを一対一で抑え込めるわけだ。

 

 恩知らずのミゼル。奴はSSランクのはぐれ悪魔だ、思い出した。

 

 黒歌と同格の危険性だけど、その危険の方向性が違いすぎる。

 

「親族と集まっている主に対して複数人で反旗を翻し、その場でたった一人生き残った化け物だ! 総合的な危険度はともかく、直接的な戦闘能力なら黒歌を遥かに超える!!」

 

「……ほぅ?」

 

 アーサー・ペンドラゴンが目を細めるが、本当に油断ができるわけがない。

 

 総合的な危険度なら、仙術などのテクニックやサポート方面もあって黒歌と同格だろう。だが直接戦闘に限って言えば、最上級悪魔クラスが眷属を率いても危険な相手だ。

 

「かのディハウザー・ベリアルが会敵したけど、取り逃がしたと番組で聞いたよ。なんでも複数の神器を使っていた可能性があるとか」

 

 魔王クラスの悪魔と称され、

 

「……また危険極まりないわねぇ」

 

 リーネスも眉間にしわを寄せるけど、実際にそのレベルだ。

 

「そういうわけだ。それに―」

 

 そう告げるとともに、ミゼルからのオーラが恐ろしい規模に高まっている。

 

 寒気すら感じる。いや、そもそもこの気配は―

 

「……礼を言うぞ、デュリオ。おかげで託された力も至ることができた」

 

 あのシャボン玉で、大切なことを思い出して禁手か。

 

 十分あり得そうな流れだけど、敵対を崩さないままに至るとはね。デュリオも目元が少し引くついている。

 

「……なるほどね。あの防御力強化は聖者の試練(スターディ・セイント)の亜種禁手ってわけか」

 

「そういうことだ。試練乗り越える聖者の軍勢(スターディ・セイント・クルセイダーズ)という」

 

 そう返すミゼルに、デュリオは歯を食いしばっていた。

 

「しかも星辰奏者(エスペラント)みたいだね。能力は煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)の再現能力ってところかい?」

 

 デュリオのその質問に、ミゼルは自慢げな笑みを浮かべていた。

 

 そういうことか。煌天雷獄を再現する星辰光(アステリズム)で、煌天雷獄を抑え込んだのか。

 

 おそらく干渉性に長けているタイプだろう。その応用で、煌天雷獄に干渉したのか。

 

「で? 美味い物でも食べて落ち着こうって気はないのかい?」

 

「すまないが、食事は質素倹約かつ栄養重視がモットーでな」

 

 デュリオの軽口に軽口で返しながら、ミゼルは翼を広げて飛び上がる。

 

「安心しろ。いずれ必ず再度まみえる。それまでお互いに牙を研いでおこう」

 

 そう告げると、ミゼルはそのまま飛び去って行く。

 

 追撃はしたい。だが危険だ。

 

「……追いかけなくていいのですか?」

 

「危険です。彼自身の神器は高性能なだけですが、共に反旗を翻して死んだ転生悪魔は、準神滅具使いが複数いたことそうです。……おそらく、マルガレーテさんと同様かと」

 

 シスターグリゼルダにそう返すけど、あとで資料を請求するべきだろうね。

 

 ただ、可能性は高い。マルガレーテさんのように「誰かに神器を託す禁手」に至ったのなら、神器の後天的移植に対するデメリットは大きく軽減する。至らせるならともかく、普通に使う分には十分だろう。

 

 そして、僕が大事なことを思い出したように彼も思い出した。その結果として、移植した神器を至らせた可能性は大きい。それだけの精神的影響がもたらされて当然だ。

 

 おそらく、生まれ持っている神器が聖者の試練だったのだろう。そして今、後天的に会得した準神滅具を至らせた。悪夢のような事態になりえるね。

 

 ……何故なら、彼は僕とは違う。

 

 彼はおそらく、自分が戦う理由を本当の意味で思い出したんだ。だけど、大切なことを思い出すこととそれが僕達にとって都合がいい事とは違う。

 

 今だけを考えるのなら、準神滅具を至らせた敵が離れていくのはありがたい。だが同時に、今後を考えれば強敵となるの者を逃がしたのは痛いだろう。

 

 ……いや、今は目の前の事態を考えよう。

 

 この好機を逃す手はない。何とか合流して戦局を変えるべきだ。

 

「クリスタリディ猊下。ここの取りまとめと捕虜の確保をお願いします。我々は分散して味方部隊の援軍として行動を」

 

「承知した。この場の確保は任せてほしい」

 

 シスターグリゼルダとクリスタリディ猊下が今後について話し合う中、デュリオは拳を握り締めていた。

 

「大事なことを思い出して、至った上で敵のままか……」

 

 彼のあの技は、きっと多くの者達を傷つけることなく抑える為のものだろう。

 

 子供達を思う誰よりも優しい男と言われているけど、だからこそ辛いだろう。

 

 世の中は、本当にままならないものだね……。

 




 ここでミゼルを殺すのがもったいなくなった……敵としてな!

 ……と、いうわけでミゼルは逃亡。前から虹色の希望については「性質上、別に自分たちにとって都合のいい展開に持ち込めるわけではないよなコレ」とは思っていたので、こんな感じです。

 ミゼルが転生悪魔なのは、かなりぎりぎりでねじ込んだ設定です。ただもともとデュリオと正反対な来歴のキャラクターを出したかったなぁとは思っていたので、むしろすんなり掛けました。

 そして強さの秘密はベアトリーチェと同じく準神滅具込みで神器を複数宿していることと、星辰光。この作品で対デュリオを主眼に置いたキャラにするにあたり、神滅具再現星辰光シリーズとして、煌天雷獄を登場させたかったのでなおさらといったところです。

 この調子なら禍の団編は確実にかけ、アザゼル杯編に突入させれるかもと思っていることもミゼル続投の理由ですね。まだ未定の極みですが、やるとするなら一巻+オリジナル展開かオリジナル展開+一巻+オリジナル展開……となりそうなので。ジョーカー編と抱き合わせのストーリーで敵役に仕様かと。
 あと聖教震撼編の勢いだと、かなり前から煮詰めていたキャラ造形の掘り下げが難しいと判断しました。この章だとどうしても「劇場版における仲間たちとぶつかる系敵キャラ」なので、深く掘り下げるべきキャラでもないもので。


 次回、ゼノヴィア覚醒編となっております。
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