好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 さて、現状基本的にはD×D側のターンではあります。


聖教震撼編 第四十五話 傾き始める趨勢

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 三つの奇跡が重なった直後、聖都守護連隊詰め所の戦闘は大きく事態が動いていた。

 

「……俺は、何を……?」

 

「何を呆けている! このシャボン玉が、何かしたってのか!?」

 

「情けない! 神罰が下るまで我らの戦いは終わらんだろう!!」

 

 力なく首を垂れる者達を苛立たし気に一瞥しながら、戦意を失わない者達が戦闘を続行する。

 

 だがしかし、神聖糾弾同盟に起こったこの趨勢は非常に大きい。

 

 神聖糾弾同盟が一時的に大きく崩れた。これが、戦闘の流れを大きく傾ける。

 

「好機! 反撃するぞっ!!」

 

 サイラオーグはこのタイミングを逃さず、一斉に攻勢を仕掛ける。

 

 同時に、禍の団も戦術的な判断を下していた。

 

「攻撃対象を神聖糾弾同盟に切り替えろ。まずは奴らを潰すぞ」

 

 アルケードの指示に従い、禍の団もまた矛先を神聖糾弾同盟へと切り替える。

 

 複数勢力が入り乱れる争いにおいて、最も避けなければならないことは挟み撃ちにされること。最優先の敵と共通認識されれば、純粋に不利になるのは自明の理だ。

 

 これまでは、三大勢力側は双方から戦力を注力されていた。だが同時に、アルケードとゴドフロワが能力的にかみ合わなかったことで、三つ巴の状態がギリギリで維持されていた。

 

 だが、ここに来て最も強大な戦力が一気に崩れたことで、三つ巴の戦いにおいて優先する相手が変わった。

 

 結論として、神聖糾弾同盟は呑み込まれるように猛攻に削られていく。

 

 そして更に状況は傾いていく。

 

「おやおや。そそりそうな相手が何人もいるようですね?」

 

「いやっほぉおおおっう!! 俺っち達も混ぜてくれやぁっ!!」

 

「溜まった鬱憤を晴らさせてもらうわ! お姉さんはりきっちゃう!!」

 

 勢いよく突貫するは、かつて禍の団に属していた者達。

 

 挟撃の形になり、更に神聖糾弾同盟は崩れ始めていく。

 

「リーダー達も無事で何より。うちの馬鹿孫はどうだったかねぃ?」

 

「だいぶ助かったっす! んじゃ、こっちも死人が出ないように押さえますか!!」

 

 更に孫悟空やジョーカーまで算入されたことで、趨勢は一気に決したと言ってもいい。

 

 この情勢下において、ゴドフロワの判断は素早かった。

 

「……聖下のご指示に従い、各自指示通りに動け!! 遺憾ながら、この地点を放棄する!!」

 

『『『『『『『『『『承知しました!!』』』』』』』』』』

 

 ゴドフロワが殿を務めながら部隊は後退し、神聖糾弾同盟はそれぞれが分散する形で撤退していく。

 

 だが、それは戦闘の決着を意味しない。

 

「……なるほどな。まぁ、分かりやすい戦いになりそうだな」

 

 そう呟きながら、アルケードは視線を撤退する神聖糾弾同盟から、D×Dの者達へと移す。

 

 そう。この戦いはあくまで三つ巴であり、三つの勢力が争っていた。その一角が失ったところで戦いは終わらない。

 

 ……ここから、新しい局面の戦いが繰り広げられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 サーヴァント二騎がかりを捌くのは、はっきり言って困難だと言ってもいい。

 

 当然だろう。サーヴァントというのは人間の最高峰が、祈りによって昇華された存在。クラスに合わせた分割再現とはいえ、そのポテンシャルは間違いなく絶大だ。

 

 だが同時に、敵にサーヴァントがいるのなら対策は必須だった。

 

 だからこそ、俺はパラディンドッグの方向性として一つは対英霊に特化したものを確立することを決めていた。

 

 そう、それこそがこの形態。

 

英霊終焉の魔将剣(ソード・オブ・エンドマーク)。ぶっつけ本番だが効果抜群でよかったよ!」

 

 アルケードとかミザリ直轄の精鋭を相手にする前から、使う羽目になってるのは幸か不幸かだがな!!

 

 放たれる天草四郎の様々な現象を切り払いながら、俺は自分の禁手に自画自賛していた。

 

「対サーヴァント特攻の魔剣を創造する……っ! とんでもない禁手に至ったものだね!!」

 

「宝具に換算すればD++ランク相当か。なるほど、これが和平に導いた若き俊英の力となるのか」

 

 しのぐウルバヌスと天草四郎は、そう言いながらもどこか嬉しそうだ。

 

 戦闘狂の類ではないはずだが。この期に及んでこの反応は、本当に不安を生んでくれるもんだ。

 

 魔剣を構えながら、俺は油断しないように気を付けながら対応する。

 

 英霊終焉の魔将剣は、対英霊に禁手のリソースを注ぎ切った特化型の禁手だ。

 

 サーヴァント相手に限って言えば絶大だが、裏を返せばそこ止まり。サーヴァントが起こす現象にも特攻が入るとはいえ、魔剣創造のリソースを対サーヴァントに特化させただけ。限界は普通にある。

 

 武闘派というほどでもないからこそ、二騎係でもこうして足止めができている。だが、現状ではこの程度が限界ということでもある。

 

 ……そして何より、この期に及んで二人からは本気の殺意を感じない。

 

 俺達を好き好んで殺すつもりがない。むしろデュナミス聖騎士団からすれば、死んでほしくないとすら思っている節がある。

 

 なんだ? いったい何を考えているんだ?

 

 寒気すら覚える中、しかし俺は油断だけはしないように迎撃する。

 

 何もこの戦いで、俺が二人を倒す必要はない。

 

 俺がやるべきことを忘れるな。必須なのは足止めであり、禁手が持続できる時間まで徹底的に足止めすることだけだ。

 

 いい機会ではある。持ち直せ、リュシオン・オクトーバー。

 

 あんたほんと、ルーシア・オクトーバー(可愛い後輩)をへこませた分、ちゃんと成長してもらわないと俺もキレるんだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リュシオン・オクトーバーは、足元が突然崩れ落ちたような心境に陥っていた。

 

 自分が生まれついて優れた異能を与えられた自覚はある。神滅具(ロンギヌス)というものがどれだけ強大であるかなど、座学で当たり前に学ぶ知識だ。唯一無二の異能を持っている自分が、強力な力を持っていないなどと思っているわけではない。

 

 だが同時に、自分にできることは自分と同じ異能を持っていれば誰でもできるという確信があった。

 

 人間は過剰な成長を遂げる必要はない。少しずつ確実に、誰でもできる程度の成長で到達できる場所がある。皆がそうあれば、確実に人類は成長することができると思っていた。

 

 そういった生き方を実践してきたと心から思っていた。自分と同じことは、コツさえ掴めば誰でもできると確信すら覚えていた。

 

 座学の成績が上の下程度だった。それも、毎日予習復習を繰り返しつつ、効率的な方法というコツを教えてもらったからだと思っている。それもあったのだろう。

 

 体術に関してもだ。周りからは超絶技巧だと言われているが、心構えの問題だとばかり思っていた。命がけの戦いをしているのだから、失敗したら死ぬのは当然であり、だからこそ練習でできた通りのことをし、戦場で刷新し続ければいいだけだと。

 

 禁手の到達や、その逆を可能とできたのも心構えの問題だ。少なくとも一度到達できるだけの意志に至ったのだ。なら後でまた至り直すことも、逆の意志に至ることでかき消すこともできるだろう。そうずっと思い込んでいた。

 

 昔から、コツを掴むことは得意だった。人がコツの問題だということを、実際に説明から把握して掴み取るのが得意だった。最も、そこまでやって成績は上の下から上の中程度。学校そのものが名門校でないことから、自分がずば抜けて特別などと思っていなかった。

 

 そう、彼がこの精神性を確立するのに、特別な理由といえるものは欠片もない。

 

 ただ自然に生まれ、自然に成長し、不自然に歪まない精神的強さを確立した。言葉にすればたったそれだけで、彼がこの精神性を確立するのに、何か特別な出来事があったわけでは断じてない。

 

 強いて言うなれば、この精神性が常人のそれではないと、彼が納得できる形で突き付けられたことが欠片もないだけ。自覚する契機がなかった程度で、それぐらいしか彼の精神性に大きな影響を与える出来事は一つもない。

 

 それこそが、リュシオン・オクトーバーの真実。

 

 正真正銘先天的(ナチュラルボーン)な、悟りの如き精神性を持った傑物。生まれつき、悟りの域に達した精神性と、常に少しずつ成長し続けられる方向性を確立した人間。リュシオン・オクトーバーとはただそれだけの人間だ。

 

 ウルバヌス二世をして「主が作りたかった人間」と称すほどの傑物。そんな傑物は、正真正銘の自然発生だからこそ。奇跡の産物として、この世に生を受けていた。

 

 だからこそ、リュシオンはそこに対する自覚が足りなかった。

 

 傑物の根幹たる精神性を、神器神滅具候補という強さが被さって隠していた。なまじ新たなる神滅具という力は強大であるため、それが目くらましになっていた。何よりリュシオンにとって、物理的に強大な力があるがゆえに、当たり前に思っている精神性との兼ね合いが悪かった。

 

 都合の良い言い訳があると、本質から目を背けてしまうのは人の業だろう。何より自分の精神性を異質だと思ってもいなかったリュシオンは、自分の精神性が異質だと考えるより、神滅具という分かりやすい力が邪魔になっていると考えてしまっていた。

 

 ……そして、周囲の環境は彼の精神性に影響しないが、彼の無自覚には影響していただろう。

 

 ルーシア・オクトーバーはまごうことなく秀でた少女だ。何事においても優等生で、精神的にも良識的で善良だった。いわゆる模範生と言ってもよく、倣うべき者が目の前にいるのなら、当然の如く倣っていく。

 

 デュナミス聖騎士団もそうだろう。少なくとも表向きの態度が敬虔な信徒で、自主鍛錬を欠かさず己を磨き続けることができる、星辰奏者の精鋭部隊。心技体が揃っている者が主体となっている以上、彼らはリュシオンを倣おうとする。

 

 どうしても近しく考えてしまう肉親と、共に並び立ち切磋琢磨する同胞達。そんな彼らが尽く自己研鑽を志しているのなら、当然だが環境から違和感を感じるのも難しいだろう。

 

 何故なら彼らもまた、自分ほどではないができているのだ。自分と自分の周囲がどちらもそうなら、できることが当然だと考えてしまうのが人間の悪癖だ。

 

 良くも悪くも周囲の環境に影響を受けやすいのが人間。リュシオン自身の精神的資質は、環境に左右されない者だったがそれ以外は影響を受けた。人間関係に恵まれたことが、彼に「できないことが普通」などと考えにくくしていたのだ。

 

 そして、そのツケをリュシオンは今支払っている。

 

 視界の端にいる、半狂乱になっているルーシアの姿。

 

 目に焼き付いたその姿が、リュシオンから立ち上がることを奪っていた。

 

 ここで立ち上がれば、自分が当たり前に前に進めば、妹はどうなる?

 

 今まさに、自分と兄の違いを物理的に示されて。そのうえで当たり前のように前に進む兄を見て、妹はどうなるのか。果たして、何か決定的な一撃を受けることになるのではないだろうか。

 

 それが、リュシオン・オクトーバーに初めて前に進むことを躊躇わせていた。

 

 自分は人よりコツを掴むのが上手い。だからこそ、それを前に進み実践することで、誰もが後に続けるようにする。神滅具という突拍子もない力以上に、そんな誰もが本来できると思っていたことこそが、自分の本質だと思っていた。

 

 だからこそ、リュシオン・オクトーバーにとってこれは初めての窮地だ。

 

 神滅具や星辰奏者といった資質ではなく、精神性が隔絶している。それはそれを「誰もが当たり前に持っているはずの美徳」として、自分自身の価値の根幹としていた彼にとっての大きな衝撃だ。

 

 だからこそ、リュシオンは動けない。

 

 精神的な動揺以上に、ここで妹や仲間達の前でそれを成すことが選べない。

 

「……俺、は……っ」

 

 体に力を入れるが、それが動きとして出力されない。

 

 人生において初めてといえるこの事態に、リュシオンは何もできない。

 

 そんな彼の視界に、影が差した。

 

「……大丈夫か、リュシオンよ」

 

「団、長……」

 

 顔を何とか上げ、ストラスを見る。

 

 そして彼はそれに気づいた。

 

 気づかわし気に自分を見るストラスの、その後ろ。

 

 その空間が、今大きく歪み―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天衛せよ、我が守護星―――鋼の笑顔(誓い)で涙を変えろっ!!」

 

「我、目覚めるは――王の真理を天に掲げし、赤龍帝なりっ!!」

 

 

 

 

 

 

 空間を破り、銀弾と真紅を筆頭とした更なる増援を来訪させた。

 




 和地の更なる禁手、英霊終焉の魔将剣(ソード・オブ・エンドマーク)。かなり早めの段階で設定は完成していましたが、タイミングを逸してここにきての投入です。

 サーヴァントと激戦を何度も繰り広げているだけあって、当然ですがそういった対策も想定していた和地。禁手一つ丸ごと対サーヴァント用に仕立てました。……禁手一つってパワーワードだな。

 そして突入、二大オフェンス。ディフェンス一強が頑張って凌いでいるタイミングで見事突入です。
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