好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
高評価・感想・捜索掲示板での紹介をストロング欲するグレン×グレンです。
新年あけましておめでとう! ただ話はヘビーなところなのでごめんなさいね!?
イッセーSide
「申し訳ありません……聖下……っ」
そう苦悶の声を漏らしながら、天草四郎は消滅する。
よし! これで残りサーヴァントは二騎だ。
しかも固有結界も解除された! これならリアス達も来れるし、間違いなく勝てる!!
「よっし! あとはてめえだけだ、ウルバヌスッ!!」
「……なるほど。これは潮時か」
なんか悠然としているけど、腹はくくってもらうぜ。
聖書の神様の遺志を具現化する覇輝が、デュリオのシャボン玉を後押ししたことも理由かもな。ある程度は聖書の神様の意思を感じられたことで、ガスが抜けたんだろう。
それでも、抵抗している奴らは全体の半分以上ある。元々のクーデター側だった一割未満は投降しているけど、深手を負ったり戦死した奴も多い。
だからこそ、ここでこいつをぶちのめす。
趨勢が一気に崩れたところでトップがやられりゃ、更に大きく傾けられる。少なくとも、勢いはさらに止まるだろう。
だからこそ、ここで一気にぶん殴る。
「イッセー!」
リアスの声が聞こえる。ま、固有結界が解けてるなら尚更か。
安心してくれ。俺はやればできる子だって、いつも君に言われてるしな。
だから、こそ―
「任せてくれ! こいつはここでぶちのめす!」
―この拳はしっかり握ってるぜ!
「ウルバヌス二世を倒してはダメ! 捕縛しなさい!!」
………え?
「リアスさん? いえ、捕縛は捕縛でやりようはありますが、倒してはダメとはいったい?」
俺の代わりに聞いてくれて、ありがとうシャルロット!
ただリアスだけでなく、隣にいるゼノヴィアやストラーダ猊下も同じ意見っぽい。
なんだなんだ? 俺達が固有結界に突入してから何があった?
「戦士ストラスよ。確認したいことがあるのだが」
「はっ! 何でありましょうか、猊下!」
ストラーダの爺さんに話を振られて、ストラスさんが背筋をピンと伸ばす。
この人敬虔な信徒だし、外見通りの人だからな。ま、当然だよなぁ。
でも何なんだろ―
「ウルバヌス二世は、主が亡くなられていると当たりをつけているかね?」
―え゛
「……お待ちくだされ猊下。何故、それを?」
ストラスさんがかなりびっくりした様子で答えると、ストラーダ猊下は瞑目した。
リアス部長も額に手を当てて俯いているし、これどういうこった?
「なんでそこまで分かってるんだ? カズヒねぇ達は聞かされてなかったよな?」
「ええ。というより、あの様子だと推定ではあるようだけれど……」
九成もカズヒも困惑しているし、ぶっちゃけると戦ってたメンツ全員が困惑している。
「……ストラーダ猊下、そしてリアス姫。何か分かったんですか?」
リュシオンさんが気を取り直して聞くと、二人はかなり渋い顔をした。
言いづらいというより、言おうとしている事実が重すぎて思わず嫌な気分になった感じの表情だ。
おいおい。なんか凄い事を聞かされそうだぞ。
俺がちょっと息をのんでいると、ゼノヴィアがウルバヌス二世を睨み付ける。
いきなり切りかかってもおかしくないぐらいに怒っている感じだ
「イッセー、皆。よく聞いてくれ」
ゼノヴィアは二刀流でウルバヌス二世に切りかかる体制をとりながら、だけど踏み込まずに俺達に伝えてくれる。
「そこの男の目的は、神聖糾弾同盟を
伝えてくれた言葉を、俺は一瞬理解できなかった。
いやいやいやいや。ちょっと待て。
言ってることが何一つとして理解できない。
なんで、なんでそんなことするんだよ!? 神聖糾弾同盟は基本的に信徒で、ウルバヌス二世は元教皇だろ!? そんなことする理由がどこにあるんだよ!?
だけどウルバヌス二世は、むしろ面白そうに微笑んでいる。
「……流石は元堕天使総督だな。それに
その言い方は、ゼノヴィアの言葉が真実だと言っているようなもんだった。
おい、嘘だろ……っ!?
Other side
後方に下がっているネオマケドニアの艦橋で、フロンズ・フィーニクスは興味深そうに情報を精査している。
その表情は多少の疲れが見えるが、同時に強い関心をもって情報に目を通していた。
「……この一件、結局のところウルバヌス二世の譜面から誰一人として出し抜けた者はいないことになりますね」
同じように資料を精査しながら、九条・梔子・張良は少し苦い顔だ。
その理由をフロンズは理解している。
幸香を項羽のように受け取り、劉邦のような存在に負けないことを願う。その帰結として劉邦における張良を凌駕する存在を目指しているのが、
そういう意味では、いいように利用されたともとれるこの現状を喜ぶのは難しい。
だが、フロンズからすればそれはまた違うものだった。
「年季の違いを嘆く事はあるまい。むしろその仮説を導き出し、我々を後退の判断に導いたのは君だよ、張越最良」
その字をあえて告げ、フロンズは労いの為に鈴を鳴らす。
呼び出された従者に茶の用意を命じたうえで、フロンズは梔子に微笑みすら浮かべる。
「誇りたまえ。我々はいいように利用されて終わることだけは防げた。その一因と成れたのだから、君は今回十分な働きをしたともさ」
「……嘘偽りなき評価。素直に受け取らせてもらいます」
苦笑をもって受け取った梔子は、ブリッジの窓ガラス越しに外を見る。
遠く離れたバチカンの風景を見る梔子に、一通りの指示を終えたラカムもまた笑顔で近づいてくる。
「ま、今回はダメージ削減重視で引いただけさ。幸香もこんなことで文句は言わねえだろうよ」
「その通り。彼女はあれで好機は探る女傑だ。だからこそ私と盟を結べたのだとも」
ラカムに便乗するようにそう語ったうえで、フロンズは情報に視線を戻す。
「衛生班からの報告も上がってきた。やはり独自開発のプログライズキーを使用した者は、その多くが生涯に亘り後遺症を残すだろうということだ」
「この戦いで玉砕してくれるならそれでよし。万一生存しても、同様の事態を起こすには後遺症が足を引っ張るってわけか。えっげつねぇ~」
げんなりとするラカムの感想は的を得ている。
ダイイングゴートプログライズキー。その本質は動作補助による戦力化可能なものを増やすことでも、デバイスの変更により元から戦えるものを更に強化することでもない。その裏に隠された最も恐ろしい機能が重要だ。
ダイイングゴートプログライズキーは、あらゆる方法で体内分泌物を異常発生させることで、強大な戦力になるよう体質を一時的に変える。
だが体内分泌物とはいえ、どれだけあっても心身に悪影響を及ぼさないわけではない。いわゆる脳内麻薬というものも、体内で過剰分泌されれば麻薬同然の悪影響を与えるものだ。ダイイングゴートプログライズキーとはまさにそういったものである。
何度も使っていれば必ず肉体に後遺症が発生する。そしてその悪影響は、心肺機能や運動機能の低下のみならず、脳障害すら生み出す恐れのある代物だった。
そしてそんな代物を与えられた者達は、一つの共通点を持っている。
「……戦況があまりに悪くなるようなら、指定の地点に集合ねぇ? ある程度分散設置されてるのに理由はあんのかねぇ?」
「大規模に集まらないようにでしょう。おそらくですが、周辺環境に悪影響が残らない程度の手段で、残った者達を抹殺する目論見だったのかと」
首を傾げるラカムに、梔子はそう推測を口にする。
それをきっかけとして、フロンズもまた思っていたことが口からついて出てきてしまっていた。
「そして使用していない者に与えられた指示は、「自分達の身の安全を重視し、投降も許す」と来たものだ。ご丁寧に、脱出の為の地下道すら与えてな」
それが、フロンズの命で梔子が捕縛し聞き出した者達からの選別された情報だった。
神聖糾弾同盟が制圧した地域には、バチカンが秘密裏に確保していた地下道がさらに発展されていた。
ダイイングゴートプログライズキーを渡されていない者達は、そこに入って脱出を可能とできる地点での籠城を命じられていた。
更に梔子によってそういった傾向分けされた者達のある程度の情報や心理がつまびらかにされた結果、確信すら与えられた。
「ダイイングゴートプログライズキーを渡された者達は、多かれ少なかれ危険思想や信仰心を盾にした悪意が見える者達。……これはすなわち、「今後何か事件を起こしかねない信徒」ともとれる」
「そしてこの世界はサウザンドディストラクション後、そういった者達にこそ好機が巡りやすくなっています」
プログライズキーやレイドライザーそのもの。それらに
サウザンドディストラクションののち、そういったチャンスがもたらされるようになった。そして問題は、そのチャンスがもたらされるのは往々にして悪人、それも狂人や異常者の類だということだ。
そこに和平という衝撃がもたらされた以上、懸念はあった。
「……禍の団という脅威と和平という変転。この二つは相乗効果となり激しくなっており、だからこそ時代はあまりにも急激に変わっているわけで、私達には都合がいいわけですが」
「まさに時代の変転期。そしてそういった時期は、乗りこなす者やしのぎ切る者だけではなく、ただ翻弄される者でもない者がいる」
梔子に続くフロンズの言葉は、一つの事実を示している。
「……変化を受け入れられず、耐えられない者。信徒にとってのそれらこそが、
梔子は、自分の聞き出した情報からそれを確信している。
そしてそれは更に、相手が理解していることも示している。
「だがそんな中にも、事を起こしたからこそ冷静になる者もいれば、周囲のそういったものに流されるだけ者もいる。……そういった者を選別するには、相応の者が面談するなり、匿名による調べが必要だ」
フロンズが語るそれは、梔子が聞き出した者達からの情報を統合した結果の事実。
ウルバヌス二世は、腹心を利用して神聖糾弾同盟からそういった者達をあぶり出していた。
そしてあぶり出された者達は、プログライズキーを使わず防戦に徹し、適度なタイミングで投降させるなり逃がさせればいい。
そして残った者は、危険因子とみなされる。それも、放っておけば勝手に暴走して面倒ごとを起こしかねない者達だ。
「……歴史上において、身内の粛正といった「残虐」な行為を行いながらも名君と呼ばれる者は数多い」
「ですが同時に、残虐を繰り返すことで夢破れた者も数多いものです。……区別をつけるとするならば、それは頻度でしょう」
フロンズに反証するように語った梔子は、だがその論を否定したのではない。
むしろその逆、お互いの思考を整理するために彼と同じことを語っているのだ。
「……君主論において、マキャベッリはその差を「一度で終わらせたかどうか」と語りました。厳密には必ずしも一度だけではないでしょうが、回数を最小限に
そう。問題というものは少ないに越したことはないのだ。
特に内部の反乱などはそういうものだ。その手の者は発生回数が多ければ多いほど、例え相手の側に問題があっても君主の側に資質が欠けているなり、君主の方が悪ではないかという疑心を思い浮かばせてしまう。
そして残虐な行為というものは民心にとって毒となる。どれだけそれが必要であったとしても、回数が多ければ多いほどそちらの方が印象に残り、善政による好感を薄れさせる。
だからこそ、問題や残虐な行為は回数を抑えることが肝要なのだ。内部の者達による反乱じみた争いも、そういった者達を積む粛清も、多ければ多いほど毒となる。
……裏を返せば、それは「起こりうる反乱の種を一回でほぼ排除できれば最良」といえる。
「サーヴァントとして降臨した元教皇による、神罰を下してもらう為の聖戦。信徒から和平方面で問題を起こしそうな者にとって、これほど垂涎の大義名分もありません」
「そしてのこの集まった者から、冷静に考えることができれば問題ない手合いを選別。あとは彼ら以外をまとめて駆除させれば、少なくとも教会からテロが発生する確率は大幅に削減される」
梔子とフロンズの言葉を聞いて、ラカムは哀れみの表情をバチカンの方に向けた。
「ダイイングゴートたぁよく言ったもんだ。教会及び天界の安定化をもたらす為の、
それこそが、梔子が到達しフロンズとアザゼルが同意した、この一件の真相だ。
教会が和平の流れで安定化を図るのなら、余計な揉め事は少ないに越したことはない。例え規模が大きくとも、早い段階で少ない回数なら間違いなくマシになる。喉元過ぎれば熱さを忘れるというように、早い段階に一度だけなら、収まってからが長いのだから。
「正直に言おう。私はウルバヌス二世をなめていた」
フロンズは正直に、ウルバヌス二世に対して戦慄を覚えていたことを認めた。
勝算の意が籠った視線をバチカンに向け、彼は苦笑すら浮かべている。
一歩間違えれば、大王派は教会の掃除の為に多大な被害を受ける所だった。途中で気づいたからこそ、たくさんの勢力にそれらを任せる選択肢が取れたのだ。
「……こうして考えれば、我々と禍の団は意図的にこの時期に仕掛けるよう誘導されたのだろうな」
「三大勢力側はストラーダ及びクリスタリディの二大枢機卿。禍の団側は隔離した内通者にわざと情報を流し、駆除する者を集めた形ですね」
梔子の言う通り、ウルバヌスは最初からこの図面を書いていたのだろう。
サウザンドフォースや小規模テロリスト、まして大欲情教団は流石に想定外だろう。だがそれにより、多方面の勢力に神聖糾弾がなぶり殺しにされるのは好都合だ。
何故なら、殺しに来る者が教会でないのなら、内乱を潰すという残虐の不快感を抱く者は減る。テロを起こした者達が、別のテロ組織と共食いをしただけなのだ。教会に対する悪感情は更に生まれにくくなる。
そしてそのうえで、だ。
「では、もう少し様子を見るとしよう」
フロンズはティーカップを片手に小さく興味深い表情を浮かべていた。
こういう時に必要なのは、「自分が敵の立場ならどう動くか」といえる。
楽観視をしないというのはそれだけで価値があるのだ。そして、だからこそフロンズは油断しない。
「まず間違いなく、ウルバヌス二世は伏せ札を持っている。三大勢力や禍の団だけでは残りかねない者達をまとめて駆除する為の切り札が……な」
それこそが最大の懸念事項。フロンズが撤退を決めた最大の理由。
自分がウルバヌスなら、少しでも多くの危険因子を、教会に悪印象を与えない形で駆除することをもくろむ。
だからこそある。必ず、ウルバヌスは伏せ札を持っている。
その伏せ札が開帳されるのか。それとも阻止され、意外と死人が出ずに終わるのか。
「あとは高みの見物といこう。なに、どちらにせよこれ以上被害を出す必要はないのだからね」
好奇心すら浮かべながら、フロンズは先の展開を観察することを決めた。
……マキャベッリ曰く、「残虐な行為は一度で終わらせられるなら、そのものは名君の素質がある。逆に何度も繰り返すようなら、暴君として早晩破滅するだろう」
ウルバヌス二世の目的は、いうなれば「頻発しかねない教会関係のクーデターを、可能な限り一回にまとめて皆殺しにした方がいいけど、現教皇と天使長ではできないからやっとくか!」というものです。ちなみに冥革動乱編でホットドッグ食べながらヴィールについて論評していた剛の者がウルバヌスです。
内容についてはまさにその時のそれ。「クーデターや問題活動を散発的に起こされて教会の心象が悪くなるより、一回にまとめて可能な限り後発が出ることを阻止した方が得。まして勝手に自滅してくれる分には、教会に対するダメージも低いだろう」といった観点です。そのためにも編に和解される方が問題なので、聖書の神が死んでいるからこそ「聖書の神に裁いてもらう」という絶対不可能な方向に誘導したのがウルバヌス二世。
ぶっちゃければ神聖糾弾同盟というデカい組織そのものが「信徒に属するバカを集めて燃やすための誘蛾灯(自爆装置付き)」といったものです。デカい神輿をもと教皇という御旗で動かすことで、とにかく「馬鹿なことをしでかしかねない自称信徒」をかき集め、馬鹿をする前に自滅させることが目的。徹頭徹尾、そのためだけに動いておりました。
むろんその過程で直接そうでない被害も出ることを踏まえたうえで、あえてそれをやってのけるあたりが冷徹。サーヴァントの中には自分をただのコピーとか影法師としてみる存在も多いですが、ウルバヌスはその自覚を最悪の形で武器にしてこんなことをしでかしております。リアリストでペシミストでマキャベリストな側面を、影法師という自覚によって加速させた男ともいえるでしょう。
さぁ、こっから終盤へと加速していきます!