好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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黙示覚醒編 第四話 道間街

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の夕方、俺達は東京都内のある山のふもとに来ていた。

 

 東京都と一口に言っても、意外と雰囲気が違うところはある。西側の方はかなり倭森だ。

 

 そんな一角に、道間家に由来する拠点といえるものがあるらしい。

 

「……とりあえず、付いて来てくれて助かりました」

 

「まぁな。俺も道間家の重鎮って奴には会ってみたかったしな、都合がいいさ」

 

 カズヒねぇにアザゼル先生がそう返すが、正直俺も助かったと思っている。

 

 道間家は基本的に大王派と蜜月関係。阿呆な暴走を起こした連中の所為とは言え、カズヒねぇ達道間日美子の死をもたらしたのは直接的には連中だしな。警戒は必須だ。

 

 既に総督を引責辞任しているとはいえ、アザゼル先生は堕天使の元トップ。また和平を大きく広めた手腕もある。影響力はデカいからこそ、何かあると何かした側に集中砲火が浴びせられるだろう。

 

 大王派も悪魔であり和平そのものには賛同している。それを踏まえると、何かされない為の保険にはとても役立つだろうというリーネスの判断だ。

 

「しっかし先生。今頃のタイミングで道間家側が接触って、どういうわけなんですかね?」

 

 俺はその辺がちょっと気になっている。

 

 正直だ。道間家が大王派と蜜月関係である以上、魔王派側に繋がっている俺達との関係性は薄くするべきだろう。幸か不幸か、道間誠明の一件は大王は預かりもあってそこまで深入りすることもないからな。

 

 カズヒねぇがそもそも自分側に原因があると思っていることもあり、こっちから突っつくことはなかった。そして大王派からしても、下手につつけば魔王派側に頭を下げることになりかねない。そういう意味では双方共に、暗黙の了解で沈黙している事例ともいえる。

 

 それがいったいなんでこんなことに?

 

 正直俺は首を傾げたい。

 

「今更、道間家から接触とかあるんですか?」

 

 そこからして疑問だったが、先生はそこで苦笑いをしていた。

 

「いや、実は神聖糾弾同盟(ネオ・ディバインクルセイダーズ)の一件で詫びの連中は来てたんだがな」

 

 あ、そうなのか。

 

 あの時は色々忙しかったし激戦だったしだからなぁ。

 

 余裕が欠片もなかったからな。そもそも一々会っている暇が欠片もない事態だった。更に俺達はお袋復活とかで、そこに意識を向けている暇もない。

 

「つまり、それでなぁなぁになってたってわけですか?」

 

 鶴羽がそう言うと、今度はリーネスが苦笑いし始めている。

 

「そうなのよねぇ。私は聞いていたけど、正直今更な気もしてたから、後回しにしてたわねぇ」

 

 まぁ確かに。

 

 はっきり言って、道間家全体に対して遺恨があるわけでは断じてない。むしろ皆無と言ってもいい。

 

 恐るべし巡り合わせの悪さで始末に負えない連中がごろごろ集まってしまったのは不幸だが、糞の権化のような連中がたまたま一か所に集まっているからという理由で道間家全体を恨むのも筋違いだろう。

 

 まぁ、道間家で起きたトンデモ事態でもある。形だけでもしっかり謝罪をするべきだとは、考えてみれば当然か。

 

「本当ならバチカンで詫びるつもりだったようだが、お前らかなりバテてたからな、俺の方からタンマってことにしておいたんだよ」

 

「……あ~。呼びつける形になったのはそこもあったと」

 

 普通に考えれば、呼びつけるのも問題だしな。

 

 詫びるのなら参上するべきなんだろうが、援護をした流れでするつもりがこっちの消耗がデカすぎてポシャった。そこもあって、今回は呼びつけるという形になったわけか。

 

 しかし東京西部、すなわち山間部か。

 

 交通の便が悪くないかとは思うんだが?

 

「こんなところに、道間家の本拠地があるの?」

 

 ヒツギが首をかしげていると、リーネスが苦笑しながら首を横に振る。

 

「いいえぇ。本拠地は近畿地方の方よぉ」

 

 となると、なんでこんなところに。

 

「……山間部ってことは、道間(がい)?」

 

「でしょうね。となると……祖が出張るのかしら」

 

 鶴羽とカズヒねぇがなんか納得しているけど、同時にちょっと緊張感が増してないか?

 

「何がありますの?」

 

 ヒマリが首を傾げる中、お袋が少し苦笑していた。

 

「道間家には、日本に渡った頃から生きている死徒のご意見番がいるの。ただ死徒は性質上、陽の光を避けるに越したことはないし、江戸幕府が続く中で五大宗家や妖怪達と折り合いをつけたりしていたから、山間部に地下空洞を作って、そこを居住区にしていた感じなんだ」

 

 なるほど。

 

 魔術的に至る死徒は、太陽光に弱い。これは異種族としての吸血鬼にも近いが、それとは別の意味で違うらしい。

 

 強い力量があれば太陽光にも耐えられるが、基本として死徒としての格が高ければ高いほど面倒になる。必然として、太陽光の影響を受けないように過ごせるならそれに越したことはないわけだ。

 

 なるほど。そういう重鎮格が詫びを入れたいのか。だが出張った時はこっちの都合でなかったことになった。となると、大王派の上役もうるさいだろうから呼びつける形になったと。

 

「地下のねぐらか。……秘密基地的な?」

 

「地下シェルターみたいな感じかな?」

 

 俺とヒツギがそう話していると、カズヒねぇはふとリーネスの方を見た。

 

「そういえば、リーネスはアイネスの時に北海道の道間街に行ったことがあったわよね? どんな感じだったの?」

 

 ん? そうなのか。

 

 まぁ聞く感じだと、重鎮のねぐらだしな。そりゃアイネス・ドーマクラスの有望格でもなければ入れないのか。

 

 俺がちょっと感心していると、リーネスはなんか苦笑していた。

 

「たぶん、入ってみたら驚くと思うわよぉ?」

 

 ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんじゃこりゃぁああああああっ!?」

 

 鶴羽が絶叫してくれて本当に良かった。俺達の感想を代弁してくれた。

 

 いや、だってこれ……マジで?

 

 俺達の目の前に広がる光景は、割とびっくりするレベルだった。

 

「らっしゃいらっしゃい! 海外からの珍しい食材が入ってるよぉ!」

 

「本日、開店三周年記念セールでーす! おひとり様ドリンク一杯、無料サービス中でーす!」

 

「最近は肌がめっきり白くなったわねぇ」

 

「地下ですもの。肌がくすまないのはいいことだわ」

 

「よぉ、久しぶりに飲みに来たのかい?」

 

「久しぶりに日雇い労働をしてなぁ。たまには一杯ひっかけるかってわけさ」

 

 客引きをしている店員や、井戸端会議をしている主婦に、更に昼酒を飲んでいるおっさん達。

 

 そう、ここはまるでアーケード商店街。飲み屋に商店、更に片隅には「映画館」の文字が書かれた看板まである。

 

 こ、これは地下街ってレベルじゃねえだろ!?

 

「ふぉおおおおおおっ! 凄いですの!」

 

「でしょう? しかもここは大衆用区画で、高級区画もあるのよぉ?」

 

 興奮しているヒマリにリーネスが補足説明するけど、マジか。

 

 いやちょっと待て。これもう、ジオフロント*1を言葉通り体現しているレベルだろう。

 

 これが一区画止まりってのが怖いな。どんな規模だよ。

 

「……初めて道間街には来たけれど、この様子だとかなり広いわね」

 

「確か、関東道間街は半径4kmに高さ100mぐらいのアリの巣構造だったな」

 

 カズヒねぇとアザゼル先生がそんなことを言い合っているけど、規模がデカすぎるって。

 

「リーネス。確か道間街って、農園とかもあったわよね?」

 

「厳密には恒常的なものだけれどねぇ。あと畜産や養殖漁業も、魔術的研究を兼ねて行っているけど、鶴羽も興味あるのぉ?」

 

「道間家って色々な事業に魔術的干渉を使って手を出してたし、そういった研究施設もあるかも。カズヒはどう思う?」

 

「錬金術関連の応用で発酵食品は特に稼いでいるから、地酒とかありそうね。乙女ねぇは日本でも飲めるぐらいじゃなかったかしら?」

 

 鶴羽から始まる形で道間家組が色々言っているけど、そこまでかよ。

 

 なんだろう。これってつまり、アーコロジー*2とかそういう感じに形容するべきかもしれないな。その気になれば数年ぐらいここだけで完結した生活できるだろ、これ。

 

「なんつーか、道間家って想像以上に凄かったんだな」

 

 思わずぽかんとしながら呟くと、先生がにやにや笑いながら頷いていた。

 

「そりゃそうだ。ただでさえ冥府魔道じみた戦国乱世に来訪し、五大宗家や妖怪どもとバチバチやりあいながら居場所を確保した連中だぜ?」

 

 なるほど。言われてみれば相当の連中でなければやっていけるわけがないか。

 

 そんなことを思っていると、やがて俺達の方に何人かがやってくる。

 

 年齢は俺よりちょっと若いぐらいだな。中学生高学年程度か?

 

 そう思っていると、何やらその連中。大半がこう……香ばしいポーズをとってきた。

 

 え、何事?

 

「……ようこそ、我ら冥府魔道が住まう地下の楽園へ」

 

「貴殿らもまた、人世(ひとよ)の裏に潜む者のようで。どうぞ(あるじ)達のもとへ参られるとよかろう」

 

「さぁ、我らが闇の誘いをもって、血の国に住まう長のもとへお連れしよう」

 

 ……うわぁ。

 

 割と同情しているが、そのうえでちらりとカズヒねぇ達の方を向いてしまった。

 

 四人全員、そっと視線を逸らしていた。

 

 ちなみに先生は面白そうに見るかと思ったが、なんというか凄く悲しみに満ちた表情だった。あれは、同情の表情だろうか。

 

 更に常識人筆頭のヒツギは、何か言った方がいいけど何言ったらいいんだよって顔に書いてあった。頑張れ。

 

 そしてヒマリはキョトンと首を傾げると、ポンと手を打ち―

 

「……ああ、ちゅ―」

 

「待ってたよー、お姉ちゃん達ー!」

 

 ―何か言いかけたその瞬間、先頭の少女がヒマリに飛びついて遮った。

 

「きゃー! おっぱいやーわらかーい!」

 

「そうですわよー! 上には上がいますけど、私も天然でおっぱい大きいですのー!」

 

 そんな感じでなんか急にくるくる回るが、回転が止まってヒマリで少年達が隠れる位置で、その少女はスマホを見せた。

 

 画面には短く「指摘厳禁!」の四文字が。

 

 ちょっとついて行けなくなっていると、リーネスがそっと俺とヒツギの方に近づいてくる。

 

「……重度の罹患者を「選ばれし教育を受ける資格ある者」として隔離し、我に返ってからも生活基盤をしっかり築けるよう、学力・体力・技術力を仕込むのよぉ」

 

 凄いことやってるな。

 

 これ、下手すると日本政府と取引まで交わしているかもしれないぞ。拗らせすぎて将来に悪影響が出かねないところを、逆に平均より上の手に職のある存在として運用できるかもしれない。

 

 道間家恐るべし。色々手広くやってるようだ。

 

 俺が感心していると、その少女はそっとヒマリにも画面を見せて敬礼をもらっていた。

 

 そして一歩前に出ると、そっと後ろの方を手で示す。

 

 その遠くの通用口には、雰囲気が違う者達がいる。おそらく魔術回路を保有する者達や、死徒の類だろう。

 

「お姉ちゃん達に、祖の方がご挨拶をしたいんだって。さ、ついてきて?」

 

 ……さて、鬼が出るか蛇が出るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして移動すること一分強。

 

 ……まさか移動用に電気自動車が走っているとは思わなかった。ちょっとしたスクールバスぐらいあったが、こういう箇所だからこそ電気自動車でどうにかできるんだろう。

 

 そして運ばれたのは、中心部。

 

 そこは円筒状の空間になっており、中央部に柱のように十階建てはあるタワーがある。

 

 一階層ごとの高さもかなりあり、更に壁の部分には他の区画に繋がる通路も見える。

 

 どうやらここが本拠地らしく、俺達はステップを踏みながら先導する少女についていく。

 

 あと先生が時々肩を震わせているが、なんか興味深いものでもあるのだろうか。

 

 ……いや、これは何かしらのサプライズがあるな。そして先生は既に見抜いて、俺達に叩き付けられるのを待っている。

 

 ま、先生の話が正しければ、先生は既に会っているんだ。それなりに腹を割って話して、意気投合したのかもしれない。

 

 先生と意気投合するのなら、サプライズぐらいは仕掛けるだろう。そして性格は少なくとも、悪逆ではない。だが問題児の類ではあるんだろう。

 

 さてさて、どんなのが出てくるのやら。

 

 そう思いながらタワーに入り、エレベーターで最上階に。

 

 そいて通された一室。前後に長い謁見の間じみた場所で、護衛と思われる十数人に、奥に一人。

 

 座敷に座らず傍に立っているというのが違和感塗れ。あとどう見ても外国人だな。欧米系の白人のようだ。

 

 そしてその人物を見たカズヒねぇ達のうち、リーネスが目を見開いて二度見する。

 

「もしかしてぇ……エイネスぅ?」

 

 親族か?

 

 俺がそう思っていると、鶴羽も目を見開いて指を突き付けた。

 

「え、エイネスゥ!? マジで!?」

 

 ……リーネスの親族だな、これ。

 

 二人は気づいているけどカズヒねぇとお袋は気づいていない。この時点でリーネス側の知り合いということになるだろうしな。

 

「「……あ、ああ!!」」

 

 などと思ってたら、なんか二人お思い至ったらしい。

 

 ぽんと手を打っている二人の隣で、首を傾げていたヒマリとヒツギも何かに気づいた様子だ。

 

「あ~。そういえばそんな乙女の記憶あるかも」

 

「一度会ったことありますわね。確かアイネスが中学生の時に、何回か遊びに来たことありますの」

 

 ヒツギとヒマリも言うなら、どうやら共通の知り合いではあるらしい。

 

「で、どちら様?」

 

「……アイネス・ドーマの弟だ。今はあいつが当主をついでいる形だな」

 

 俺が先生から確認をとっていると、エイネス・ドーマはかなり苦笑していた。

 

「お久しぶりです、姉上。……いや、どこから何を言うべきか」

 

「……そうねぇ。苦労を掛けたでしょうしねぇ」

 

 リーネスも中々複雑な表情だったけど、エイネス・ドーマは呼びつけた側だからか一歩早く気を取り直したらしい。

 

「まぁ、身内の複雑な感情は後回しにしましょう。まずは最初に詫びることが」

 

 ……この人が詫びるのもあれじゃね?

 

 現場、それも他国の奴が犯した犯罪。まして当時重大だったろう彼が責任を負うことはないと思うのだが。

 

「まずはおふざけに巻き込んだことを詫びましょう。……ご老公、そこまでにしてください」

 

 ん?

 

 なんかよく分からないことを言われたんだが。

 

 思わず俺達全員きょとんとするが、何故かアザゼル先生だけが肩を震わせる。

 

 その態度で分かった。

 

 この駄天使、仕掛けた側だ。

 

 俺達がそれを悟ったその瞬間、先生は俺達を連れてきた少女と一緒に笑顔でハイタッチ。

 

「「ドッキリ大成功ッ!」」

 

 いや、何がドッキリだよ!? ……は、まさか!

 

 そもそも異形は、外見年齢と実年齢がかみ合わないことは珍しくもない。ついでに言えば死徒もその傾向が割とある。

 

 場合によっては凄く若返ることもあるらしい。それを踏まえれば―

 

「―さて、悪ふざけに巻き込んですまんかった。これをたまにやらないと気が済まないものでなぁ?」

 

 ―雰囲気を変えた少女は、そのまま堂々と前に進む。

 

 左右に並ぶ者達を貸しづかせる。その反応があまりにも似合っていることが、彼女がそうだという何よりの証拠。

 

 そして座敷についた少女は、そのまま正座で俺達に向き合った。

 

「……本日は良く参られた。我が呼びかけに応えてくれたこと、感謝しよう」

 

 その言葉と共に、目の前の少女は姿を変える。

 

 外観はほぼそのまま。だが肌色が白くなり、眼も赤くなる。そして雰囲気というか、気配が明らかに増幅した。

 

 下手なサーヴァントに匹敵する気配。半端な最上級悪魔を超えるだろう格は、D×Dのエース格とも渡り合えるだろう。

 

「儂こそがおぬしらを呼びつけた、道間のご意見番たる祖たる死徒の一角。道間藤姫(どうま ふじひめ)と申す」

 

 そう名乗った女死徒は、にやりと俺達に笑いかける。

 

「……詫びと言ってはささやかじゃが、宴の用意をしておる。まずは一献といこうではないか」

 

 ……これ、思った以上に長くなりそうだな。

 

*1
{文字通りの意味の地下都市。地下街でたまに付けられる呼称の元ネタ}

*2
{生活環境がその箇所だけで確立している場所を言う}




 道間家関連の設定をかなり煮詰め直しており、その一環で死徒を入れることもあって、こうした地下都市的なアジトを入れたりしました。

 第二部以降は道間家からもさらに登場人物を出したいところです。
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