好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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黙示覚醒編 第五話 道間の宴会

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……美味い」

 

 思わず声に出してしまうぐらい、その食事は美味しかった。

 

 ガチの精進料理とか、たぶん初めて食べたぞ。

 

 いや本当に美味い。びっくりするほど美味い。

 

「……最っ高……っ」

 

 そして鶴羽が何というか陶酔している。

 

 そういえば鶴羽、大好物が天ぷらだったなぁ。この味は感動モノなんだろう。

 

「今度クックスをここの料理人と会わせるべきかしらぁ」

 

 リーネスも割と真剣に舌鼓をうってるし。

 

「どうじゃどうじゃ? 儂が抱える料理人は中々のものじゃろう? 存分に褒め称えるとよいぞ、あとで伝えるのも気分がよいしのぅ!」

 

「おうとも! めっちゃ美味いぜこの料理! よ、天下の道間家料理人!」

 

 既に道間藤姫とアザゼル先生は出来上がっている。肩を組んで酒を注ぎあいながらはしゃいでいる。

 

 確実に断言できる。道間藤姫、アザゼル先生と同タイプだ。

 

「早い段階で引き離さないと、やばいことになるじゃんかこれ……っ」

 

「同意見だ。あとでお目付け役を用意しておこう」

 

 ヒツギも悟っており、エイネス・ドーマもその辺りは懸念事項らしい。

 

 たぶんこのドッキリの打ち合わせとかもしてただろうし、一番目にしているのあの人だな。

 

 苦労人のにおいがする。グレイフィアさんとかシェムハザ現総督と合わせたら、話は凄い弾みそうだ。

 

「あ、これサクサクだ。油もよく切れてるし……お代わりしたいかも」

 

「ほぉおおおおおっ! 美味しい天ぷらですの! お肉もお魚もないのが信じられませんのぉっ!!」

 

 お袋やヒマリもテンションが上がっているし、他のおかずや炊き込みご飯に汁物も美味しい。

 

 これで動物性たんぱく質ゼロなんだから、信じられない。東洋の神秘恐るべし。

 

 そんな感じで舌鼓を打つ食事をとった後、食後のお茶を一口飲んだ道間藤姫は、こちらに向き直った。

 

「……さて。では本題にはいるとしよう」

 

 瞬時に意識を切り替えた、道間藤姫は深く腰を折ると頭を下げる。

 

「まずは謝罪を。道間家のご意見番を務める者として、道間家ゆかりの者よりあそこまでの外道が集まることを見過ごした愚行を詫びよう」

 

「……謹んでお受けするわ」

 

 カズヒねぇはそう告げるが、すぐに肩もすくめていた。

 

「正直に言えば今更だし、道間日美子(私自身)も大概だけれどね。個人としては詫びるのはこちらな気もしているわ」

 

「そうはいかぬ。如何に規模が大きい故に目が届かぬところがあるとはいえ、あそこまで外道が幅を利かせているのはこちらの不手際だ」

 

 頭を下げたままの藤姫に、カズヒねぇは軽くため息をついた。

 

 むしろ呆れ半分なその表情で、カズヒねぇは頬杖までつく。

 

「いいから本命に入ってください。……貴女の()()はそこからなんでしょう?」

 

 ……なるほど、な。

 

 俺も遅ればせながら合点がいった。そういう事か。

 

 確かにそうだ。道間家の失態を詫びると言いながら、動いているのはご意見番の一人と、海外の有力一族の跡取り。

 

 本気で道間家が詫びる気があるのなら、動くにしても本国の重鎮が出るべきだろう。それも、あっちから出向くのが普通。しないにしても呼びつけて……というのも違和感がある。

 

 つまり、詫びるのは物のついで。

 

「……詫びるべきだというのは本音じゃ。物事には誠意やケジメというものがある」

 

 そう告げたうえで、道間藤姫は起き上がる。

 

 その表情は、鋭く研ぎ澄まされていた。

 

「だが、組織規模での誠意は気持ちではなく物質的に払うもの。本命の事情があるのもまた事実じゃ」

 

 ……すなわち、ここからが本命か。

 

「で? おそらくアザゼル先生が聞くべき話だと思うのだけれど……どうなんですか?」

 

「それはそうなんだが、お前さんも聞いた方がいい話ってもんがあってなぁ」

 

 カズヒねぇのそう返す先生だけど、嫌な予感を覚えてきたぞ。

 

 まぁいい。俺は静かに話を聞くとしよう。

 

 座り方をあぐらに変えていた道間藤姫は、お茶を一口すすってからため息をついた。

 

「事の発端というのならば、和平が結ばれてからになる。……実際のところ、道間六郎やザイネス・ドーマの愚行は道間家でも問題視されておってな? 道間家も改革的な変化が必要ではないかという動きは微々たるものが進んでおるのじゃ」

 

「その道間一族側からの代表が私です。家を継いでからは死徒側の代表たる藤姫様と共に、改善を進める為の準備をしておりました」

 

 エイネス・ドーマが補足する中、アザゼル先生は酒を飲みながら肩をすくめている。

 

「ま、あの大王派とズブズブな連中だ。全部含めて道間誠明とかに押し付ければいいとか本気で考えて動いてそうだがな」

 

「まったくもってそのとおり。長年の共生関係は互いに絡みつき、腐敗となった。それをはがす苦労は一つ二つではない……はずじゃった」

 

 そう苦笑で返していた藤姫は、そこで言葉を切る。

 

 そしてその視線は、何故かカズヒねぇに向けられた。

 

「だが、ここ数か月で大きく動いた。……これもまた、おぬしの因果じゃ」

 

 おい、ちょっと待て。

 

 まさかと思う中、カズヒねぇは目を閉じてため息をついた。

 

 それに合わせるように、道間藤姫はため息をつく。

 

後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)。奴らの極まった光は極まったがゆえに輝かしくてのう。若い衆を中心に、フロンズはそこから道間家に独自の繋ぎを作っておる」

 

「またあいつらか」

 

 思わずボヤいたよ、俺は。

 

「……多方面で因果応報とでも言うべきかしらね。……なんというか、娘が本当に申し訳ありません……というのも違うのかしら?」

 

 カズヒねぇも、頭を抱えたうえで混乱し始めている。

 

 またあいつらか。また幸香達か。

 

 勢力図を広げすぎだろう、あいつら。まさに後継覇王(アレキサンダー)というかなんというか。フロンズと手を組んで異形勢力を新たに起こすつもりか、おい。

 

 まぁ、なんだ。カズヒねぇに舎弟じみた人達がいるように、極まった光はまぶしいがゆえに人を焦がれさせるのだろう。そういう意味ではあいつら、同類が集まりそうな連中ではあるな。

 

 しっかし割と厄介だな。

 

 良くも悪くもインパクトのある後継私掠船団に、フロンズ達の政治手腕。ある意味で鞭と飴が揃っているといえるだろう。そしてそこから道間家の数割でも取り込めば、相応のことが可能になるだろう。

 

 あいつらも日々成長を遂げている。それはいい事ではあるが、同時に不安も覚えるな。

 

 あいつら、基本的にD×Dからすると政敵だからな。陣営は同じだし、敵は共通している。だが油断すれば様々なものが分捕られる、警戒必須の存在だ。断じて気心の知れたお友達ではない。

 

 そしてその警戒は、道間藤姫にとっても同意見らしい。

 

「まぁそれはそれで改革には繋がるじゃろう。だが、あ奴らにすべてを預けるのも今後の未来に不穏が生まれると思ってな。……おぬしに対して筋を通すのも本音じゃが、比重としてはこちらが重い」

 

 素直にそれを明かした道間藤姫に、カズヒねぇは軽く肩をすくめるとお茶を一口。

 

 一息を入れてから、特に気にしてない雰囲気すら見せている。

 

「まぁそれはいいのよ。理由はどうあれ相応の規模で厄介ごとをもたらしたもの。むしろ流してくれるのならありがたいほどだわ」

 

 そこまではっきりと告げるカズヒねぇに、嘘は一切ない。

 

 もとより必要な隠し事の為にカバーストーリーを入れる以外では、カズヒねぇは虚言を言わない。この辺、必要悪を担っているとはいえ信徒としてしっかりとした矜持を持っている。

 

 そのカズヒねぇが、はっきり言うべきことは一つ。

 

「むしろ幸香に対して警戒するのは当然ね。こちらが通すべき筋も踏まえて、私は貴女に多少利用されることを許容するわ」

 

「……カッカッカ。ならば、お互いに適度に利用し合う関係がよいじゃろうな」

 

 これまた何やら、妙な雰囲気になっているな。

 

「いいんですか、先生?」

 

「ま、魔術回路保有者との繋ぎは多いと便利だしな。俺達としても、大王派の独壇場だった魔術回路保有者との繋がりを掠め取れるなら、その方が都合がいい」

 

 確認するけど、先生もそんな感じだ。

 

 ま、俺としてはあまり道間家そのものに思うところはないしな。カズヒねぇ達が構わないっていうならそれはそれでいい。

 

 見れば、鶴羽やリーネス、お袋もそこまで遺恨はなさそうだ。

 

 それもそうか。考えてみればこの流れ、「日本国民が日本国民に悪逆非道を行ったから、日本政府や皇族が謝罪に行く」ようなものでもある。厳密にはもうちょっと責任はあるだろうが、ここまでする必要を感じない程度のことなんだろう。

 

 ……それに、今後を踏まえれば道間家との繋ぎはあるに越したことはない。

 

 区切りがつくのはいいことだしな。ま、これはこれでってことでいいだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなである程度の筋を通したうえで、俺達は帰ることになった。

 

 ちなみに地酒とかをお土産で持たされたが、割と高そうなやつだな。

 

 俺がその辺を確認していると、道間藤姫は小さく笑いながらアザゼル先生と握手を交わしている。

 

「んじゃ、D×D側との連携はしっかりとってくれよ? ま、出し抜けるもんなら出し抜きな」

 

「それぐらいがよい塩梅じゃろう。だがまぁ、借りにしておくから有事にせびるがよい。繋ぎの礼はちゃんとするべきじゃしな」

 

 上層部同士、油断しづらい形で仲良くなっているようで何より。

 

 道間家の重鎮、まして死徒の長が一人に貸しを作れたのはいいことだ。今後何かあったら返してもらうとしよう。

 

 そんでもって、リーネスもエイネス・ドーマと割と和やかな会話だった。

 

「何かあったら言って頂戴ねぇ? 迷惑をかけた分、できる限り力になるわぁ」

 

「そうですね。まぁ、何かあったら相談でもさせてもらいますよ」

 

 色々と複雑なことになっているけど、家族仲は悪くなってないようで何よりだ。

 

 折り合いがつけれているなら問題ないだろ。今後を考えて、いい感じに進めばいいとは思うけどな。

 

 そんなことを思っていると、エイネス・ドーマがこっちに気づいて何故かリーネスの方を向いてから近づいてきた。

 

「……九成和地君だったね」

 

「はい。何か?」

 

 なんかよく分からんが、俺にピンポイントで用があるのか?

 

 正直ちょっと首を傾げるんだが―

 

「姉上のこと、よろしく頼むよ」

 

 ―なんで急に?

 

 微妙に訳が分からないことになった途端、リーネスは勢いよくエイネスの口を塞いできた。

 

「エイネスぅうううううううう!? ちょ、何を言っているのよぉ!?」

 

「ムグ……姉上、今更問題ないでしょう? 彼の立場なら一人増える程度は何事もないでしょうし、今後を踏まえれば前もって話は通しておかないと―」

 

「しなくていいわぁ! ほら、こっちにきなさぁい!!」

 

 ……なんか言い合ってたら引っ張られていったんだが。

 

 え、ナニコレ?

 

「……和地」

 

 と、お袋がなんか神妙な面持ちで隣に立っていた。

 

「とりあえず、頑張って。私はちょっとその……何も言えないから」

 

 え、何が!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえりー。どうだったんだ?」

 

 九成たちが返ってきたので出迎えれば、九成は何故か首を捻っていた。

 

「なんかよく分からん展開になっててなぁ? いや、なんだったんだ?」

 

 なんだろう。俺は何も言えないことになってる気がする。

 

「っていうかどんな展開なんだ?」

 

「いや、真面目な話じゃなくてな? 今回出てきた人に、リーネスの前世であるアイネス・ドーマの弟がいたんだけど……姉上をよろしくとか言われたんだよ、俺だけ特別な感じで」

 

 あ、あぁ~。

 

 再会したばかり弟にも見抜かれたとか、そんな感じか。

 

 俺も人のことは言えないけど、こいつ鈍感にもほどがあるだろってレベルで気づいてないぞ。もうちょっと聡いと思うんだけどなぁ。

 

 やっぱりあれか。俺が無意識に恋愛感情を持たれてると考えないようにしてた感じか。九成の中で、リーネスは保護者のポジションが確立されてるから、そっちに思考が向いちゃう的なあれか。

 

「……九成」

 

 俺は九成の肩をぽんと叩く。

 

「ちょっとだけ、冷静になって客観視してやろうな?」

 

「え、どういう意味!?」

 

 どういう言う風に誘導したもんかと思った時だった。

 

「お、お前らもそこにいたのか」

 

 急に先生がこっちに入ってくる。

 

 な、なんだなんだ? っていうか先生は家違うはずだぞ?

 

「どうしたんですか、先生?」

 

「なんかありましたか?」

 

 俺と九成が尋ねると、先生が意味深な表情を浮かべていた。

 

「他の連中にも後で伝えるが、先にお前らには言っとくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイヴェルとライザー・フェニックスだが、アジュカ・ベルゼブブが内密に保護しているそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 一波乱ありそうなことになってきたなぁ、おい!

 




 道間家も道間家で、良くも悪くもごたついているところがあるというわけです。ちなみにベリアル編を知っているなら想定できるでしょうが、そこから一気に政争が激化していく感じです。





 因みに、自分の執筆者としての欠点もあってまだ設定も書いていませんが、第二部以降では道間家出身の後継私掠船団を用意する予定です。

 後継私掠船団の筆頭は、最終決戦において和地ヒロインとぶつける相手でもある予定なのは以前書いたと思います。なのでリーネス担当に一人は確実に入れたいところ。それとは別にフロンズやノアの眷属として、一人ぐらい入れてもいいと思っています。
 ちなみにまだ備忘録にも入れてないので設定未満ですが、大王派の眷属悪魔には道間家出身が多少存在。ただし魔術回路は代を重ねるごとに強化されるようなものでもあることもり数は少なく、しかし価値観が似ていることと魔術回路というアドバンテージから、最上級悪魔になったものもいる感じで煮詰めています。
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