好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 高評価・感想・捜索掲示板での紹介をガトリングカバンバスター欲するグレン×グレンです。

 あと失敬。なるべく常連さんの感想を待っていた(+土日はあまりPVとか伸びない)ので一日インターバルを開けたつもりが、予約投稿の修正を損ねたので半端な時間になりました。

 今回はわりと長め!



黙示覚醒編  第十八話 不穏と共感と真相と

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、やってくれたものだね、ディハウザー・ベリアル殿は」

 

「どうすんだ、フロンズ? 掴んだ直後に別件で全面公開とか、俺達だってヤバいだろ? え、魔王派と大王派の内乱に参加しろってか?」

 

「……分かっていると思うが、それは悪手でしかないぞ、ノア」

 

「お、ハッシュ。そっちはどうだ?」

 

「父上も流石に忙しいようだ。……内容から逆算して、初代バアル殿は当然ご存じだったろうからな」

 

「分家としちゃ、シュウマさんは重要人物だしな。知らされている可能性もありそうだ」

 

「ノアの言う通りだが、それをあえてこちらに伝えなかったのも手法の一環だろう。知らなければ責任がないとは言わんが、教えられていなかったのなら多少の言い訳はできるだろうしね」

 

「その辺りについてはフロンズの言う通りだが、そこからが問題だろう。これは間違いなく、大王派の未来を左右する一大事だぞ?」

 

「……ノア、ハッシュ。これは我々も覚悟を決めるべきだろう?」

 

「……フロンズ、一応言っとくが、内乱を起こすのは勝ち負け以前の問題だぜ? 魔王派相手だろうが大王派相手だろうがな」

 

「分かっているとも、ノア。こちらに関しては深手を大前提にするべきだろう」

 

「ダメージ回避を試みてリスクをとるより、最初からある程度のダメージを受けること前提で正常化を図るべき。そういう事だな、フロンズ」

 

「……ってことは、ベルゼブブ様達と連携を取る感じか? 確かに俺らが付けば、王の駒がいくつか使われてもやりようはあるな」

 

「そういう事だよ、ハッシュ、ノア。どちらにせよ我らとしても、この規模の不正を見過ごすことはできん。ましてここまで明かされた以上、冥界全体や先のことを考えるなら大王派は身を切るしか無かろう」

 

「そのようだな。……ではフロンズ、私は魔王様方に謁見を申しでよう。連携の為には繋ぎを作るべきだろうし、末端では暴走する愚者が出そうだしな」

 

「助かるよ、ハッシュ。実はアザゼル元総督からある程度の協力は約束されている。その事実を立てに魔王様と直接繋ぎを取ってもらいたい。それとノア、直属部隊に臨戦態勢を取っておいてくれ」

 

「既に派遣しているんだぜ? D×Dの補佐に徹させる方がよくねぇか?」

 

「その後だよ。私はこれから駒の使用者やそれを認可した者に勇退を進言するが、確実に逆に出る者が出るだろうからね?」

 

「……自棄を起こして考えなしに暴れ回るってか?」

 

「……まぁ、そうなってくれるのなら好都合だ。少なくとも前者は高確率で出るだろうし、その鎮圧に貢献すれば多少の減刑やマシな勇退、もしくは……一部貴族の子飼いとして再出発などはできるだろう? 交渉材料としては十分だ」

 

「……ハッシュ、俺はフロンズが時々怖くなるんだが。」

 

「今更だろう。我らのリーダーは、こういう時も冷静に先も踏まえて二手三手先を打つ男だ」

 

「そういうわけだ。十中八九起きることを前提に動いてくれ。……魔王派には保険程度でにおわせるにとどめて、ね?」

 

「了解した。兄弟達にも()()はせぬよう念押しをしておこう」

 

「じゃ、最上級悪魔と眷属をオフェンスにした戦術プランを立てとくわ。プラン立てに必須なんで、つなぎを作れた奴は適時連絡くれ」

 

「ああ。この戦いは我らが成果を得る為でなく、被害を抑えることを最重要視するようにしてくれ。……利を得ることは考えないぐらいでちょうどいい」

 

「どう動くにしろ、我々は権益を減らすぐらいがちょうどいいという事か?」

 

「具体的にどんな削り方だ? 資本や軍事はなるべく残してほしいんだがよ?」

 

「兵器はともかく人は無理だぞ、ノア。兵達が自らの意思で魔王派に鞍替えするのは避けられんし、このスキャンダルでは数割単位で覚悟するべきだ。……まぁ、可能な限り先手を打って謝意を示せば減る量は抑えられるが」

 

「……つまり、九大罪王に大王派からねじ込みはしないと?」

 

「その辺りが打倒だろうね、ハッシュ。……だが、比較的大王派に寛容な人物を候補に選出されるなら、応援する程度はできるだろう」

 

「オーライだ。ま、精々出てきたバカをカッコ良く倒して心象回復に努めますか?」

 

「初代殿には悪いが、ここは時代にそぐわぬ者達を削る機会と割り切るか。……問題はそこからだがな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼んだぞ、ノア、ハッシュ。この非常事態、我らの理想が為に乗り切らねばならないのだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャルロット・コルデーとディハウザー・ベリアルの戦いは、極論すると消極的と言っていい。

 

 シャルロット・コルデーは究極の羯磨(テロス・カルマ)の保有者であり、疑似的に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)も保有する。

 

 可能性操作と現象の透過。それは組み合わせれば、ディハウザー・ベリアルの虎の子ともいえる特性、能力や特性を使えなくさせる無価値を突破することもできる。

 

 だが同時に、ディハウザー・ベリアルは魔王クラスであり、レーティングゲーム不動のトップ。

 

 様々な神器保有者とも戦った経験がある彼は、判断の引き出しではシャルロットの比ではない。その経験則と対応力があれば、シャルロットの判断を読み切って無価値を当てることもできるだろう。

 

 だからこそ、この膠着状態といえる戦闘は起こりえない。

 

 その理由は、雑にまとめればたった一つ。

 

 それを、シャルロットはあえて口にする。

 

「お互い、倒す気のない戦闘は困ったものですね」

 

「……気づいていたか」

 

 そのディハウザーの返答に、シャルロットは状況を確信した。

 

「ライザー・フェニックスの試合でことを起こし、レイヴェルさんまで無価値を使って倒したのはそういう事ですか」

 

 リゼヴィムに聞こえないように立ち回りながら、シャルロットは確信する。

 

 ディハウザー・ベリアルの目的は、あくまで不正の告発だ。その過程でリゼヴィムの力を借りる必要があると踏まえ、だがリゼヴィムの悪意で被害が生まれることは望んでいない。

 

 だからこそ、懸念事項であるフェニックスの涙を無価値にする準備をした。十番勝負の三番目、中途半端とも取れるタイミングでことを起こしたのはそれが理由だ。

 

「中途半端、とは言いませんよ。自分のしたいことをできる範囲で、というのは当たり前の行動ですから」

 

 そう、そこはとても大事なことだ。

 

 したいことをするのはいい。だがその過程で大事なことの一つは、それができるのかどうか、もしくはどうすればできるのか。ここを考えなければ、出来る者も出来はしない。

 

 だが同時に、もう一つ大事なことがある。

 

「……ですが、この方法では大規模な内乱すら起きかねない。……そうまでして今する必要があったのですか?」

 

 それは、その為にすべきことは何か、そもそもすべきことなのか考えることだ。

 

 シャルロットは、その二つをかつて失敗した。その失敗によって英霊の座に招かれた存在だ。

 

 シャルロット・コルデーとは、かつて粛清が横行していたフランスで、その派閥の代表だった男を暗殺した存在。だがそれにより組織の刷新と先鋭化がなされ、更なる血が流れるきっかけとなった存在でもある。

 

 粛清の嵐と止める為にできることを間違え、そもそもすべきでないことをして粛清を加速させた。それこそが、シャルロット・コルデーという過去の存在である。

 

 だからこそ、シャルロットはディハウザーの相手を自ら務めている。

 

 彼に体の言い訳を与え、リゼヴィムに余計な警戒をさせない為。そして同時に、かつての自分を思い起こさせるこの行動に、先達として異を唱える為。

 

「……かつて政府の悪逆に怒りを覚えたからこそ、言い切れます。貴方のその方法は、貴方にとって不本意な結果を齎しますよ」

 

「そうだな。何百年も生きていながら、二十年生きているかどうかの少女に言われるとは……私も落ちたものだ」

 

 苦い表情を浮かべるディハウザーに、シャルロットは歯を食いしばる。

 

 彼も苦しんだ上の行動だろう。大王派による王の駒とレーティングゲームの不正は、間違いなくいつか必ず正されなければならない。

 

 だが、それを現魔王が未だに出来ないのを忘れてはならない。冥界の未来を、悪魔の将来を願う彼らだからこそ、それができる立場と能力を持つからこそ見えるものがある。

 

 かつて三大勢力による三つ巴の戦いで、他勢力と同じように悪魔も滅亡を危ぶまれた。そんな血を流せない時に、魔王血族と内戦を行うという当時において暴挙といえる行動を、種の存続を守る為には行うことになっていた。……そしてその傷がまだ言えてない時に、更なる内乱を起こすわけにはいかない。

 

 だからこそ現魔王は慎重に立ち回るしかなく、大王派はそれを利用して立ち回っているのだ。どちらも「内乱を起こせば今度こそ絶滅しかねない」という認識があり、それを大原則として立ち回っている。

 

 その結果が現状だ。現魔王は不正を半ば黙認するしかなく、大王派も王の駒をこれ以上使わない。そのある種の膠着状態こそが、悪魔という種族に更なる絶滅の危機を齎さない双方の妥協点。ギリギリのボーダーラインだった。

 

 いわば人間世界における核抑止論に等しい。これが崩れるということは、事態を自分達に都合のいい状況に持ち超めることではない。それを張るかに下回る「種の絶滅」が到達しかねない、そうでなくても悪魔の多大な現象を持たらすだろう、ハイリスクハイダメージハイリターンな博打だ。政治を担う側が、迂闊に取れるような手段では断じてない。

 

 ……そして同時に、それを選ばないのは彼らが政治の分野にいるからだ。

 

 レーティングゲームの一プレイヤー。少なくとも彼はそうやって生きてきた。その圧倒的な力量もあり、大王派による介入も行われなかった彼は政治家ではない。

 

 だからこそ、そうしてしまった。そうせずにはいられなかった。

 

 それを理解し、だからこそ悲劇を起こした経験を持つ。シャルロット・コルデーはゆえに彼を止めずにはいられない。

 

「一つだけ、お願いがあります」

 

「何かね?」

 

 リゼヴィムを欺く為の茶番劇を繰り広げながら、シャルロットは告げる。

 

「……形勢がイッセー達に傾いたら、その時は夫妻を頼みます。それと、トライヘキサはドームの方で間違いないでしょうか?」

 

「……それは構わないが、現状はまだ不利なようだよ?」

 

 その返答に、シャルロットは小さく微笑んだ。

 

 それは、この戦いが始まってから初めての笑み。

 

 そう、何故なら―

 

 

 

 

 

 

 

 

「―私のマスターを舐めてはいけません。彼は自力でありえない可能性を作り出すからこそ、究極の羯磨()のマスターなのですから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―その信頼は、すぐにでも確かな形となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 振るわれる攻撃、放たれる迎撃。そして繰り出される反撃。

 

 激しい戦いを繰り広げながら、俺達はモデルバレットに立ち向かう。

 

 ……増援が来ない辺り、かなりの接戦になっているな。こっちがアウェイで明確連合のホームである以上不利だと思ったんだが。長期戦になっても増援が来ないのは好都合か。

 

 いや、それにしてもおかしいというか、よく見ると禍の団と戦っている奴が多いな。

 

 ……少し不安を覚える所もあるが、この際それはいいだろう。

 

 とりあえずは、まずモデルバレットだ。

 

『ちょうどよかったよ、乙女ねぇ! 一発かましてやりたくってさぁっ!!』

 

 突貫するモデルバレットが真っ先に狙ったのはお袋だ。

 

 それに対し、お袋は迎撃の体制に入る。

 

 仮面ライダーベアトリーチェ。リーネスがまたやってくれたけど、性能がどの辺りにあるのかが不安だな。

 

 お袋は基本として、戦闘慣れしてない。そもそもが民間人同様で、魔力タンクすぎるのがあれだからな。道間家も基本として、助手という名のエネルギー源が精々だと思っていたようだ。

 

 疑似サーヴァントと化しているからと言え、ベアトリーチェは本質的に「巡り合う淑女」でしかない。スキルもあって戦闘は可能で、お袋の絶大な魔力量もあるがそこ止まり。戦闘に限定すれば三流どまりだ。

 

 ……だからこそ、リーネスがそれに大した備えをしてないわけがない。

 

『とったぁっ!!』

 

「させない!」

 

 一斉に放たれるモデルバレットのミサイル攻撃を、お袋は瞬時に迎撃する。

 

 放たれる秒間数十発の弾丸が、ミサイルを次々を破壊していく。

 

 それを成すのは、お袋が両手に一丁ずつ構えたマシンガン。

 

 放たれる大量の弾丸による弾幕がミサイルを迎撃するが、何がどうした?

 

「どうかしらぁ? 乙女用に開発したウィッシングホッパープログライズキーはぁ」

 

 自慢げなリーネスの作品だとは分かっているけど、いったい何がどうなった?

 

「……パラディンドッグの応用系か何かか?」

 

 お袋が持っている神器は聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)であることは判明している。そしてヒツギやヒマリと違い、神器はそれ一つだ。

 

 魔力量に特化しすぎて、ベアトリーチェの恩恵があるからこそ戦えているところがある。そのお袋が持つ、最大レベルの戦力となる持ち札。

 

 だが禁手に到達したとは聞いてない。となると、そのプログライズキーが根幹だろう。

 

 銃火器として具現化している以上、あれは通常の神器として使っていない。そして残神(コスモス・ボルト)はその使用上、禁手(バランス・ブレイカー)に到達する必要がある。

 

 となると、禁手の方向性を確立して補正する機能があると考えるべきだろう。それを踏まえればパラディンドッグがある程度参考になっているようなものだろうな。

 

 ただ、リーネスは微笑みながら首を横に振る。

 

「いえ、まったく別のアプローチねぇ。……パラディンドッグは禁手の拡張ユニット、ウィッシングホッパーは神器の拡張ユニットねぇ」

 

 と、いう事はだ。

 

「……神器の持つ機能を上乗せして、能力の拡張を行う事か」

 

「正解よぉ。そして、更に戦闘動作補助システムも組み込んでいるわぁ」

 

 なるほどな。色々考えているみたいだ。

 

 さて、それはそれとしてだ。

 

 モデルバレットはやはり強敵だな。だが、だからこそ倒せる時に倒す必要がある。

 

 それに俺もいい加減苛立っているからな。少しは発散しておかないと、逆に足元をすくわれかねない。

 

 ゆえにこそ、遠慮なく一気に仕掛けるだけだ。

 

「覚悟してもらおうか、モデルバレット!」

 

 俺は吠えると共に、素早く攻撃を再開する。

 

 ……少し躊躇したが、確実に強敵を屠る為にパラディンドッグで一気に仕掛ける。

 

 星魔剣をもってしてモデルバレットの攻撃を凌ぎ切り、そしてのど元に一撃を叩き込む為の隙を伺う。

 

 その時、何時の間にか見えなくなっていた鶴羽が姿を現した。

 

「……色々調べ終わったわ! リーネス、予想は()()()でいいわよ!」

 

「そう。そういう事だったのねぇ」

 

 鶴羽の言葉にリーネスは、複雑な何かが籠った返答を返す。

 

 ただ、モデルバレットに対する憐憫がお袋や鶴羽からも向けられていた。

 

『……どういうことよ、アイネス』

 

 苛立たし気なモデルバレットに、リーネスは雰囲気からして憐憫を向けている。

 

 いったい、何が―

 

「……はっきり言うわぁ。貴女は道間日美子だと思い込んでいるだけの存在よぉ」

 

 ―なんていうか、どういうことだ?

 

『……乙女ねぇみたいなこと、言うんだね』

 

「そうでしょうねぇ。その前提が無ければ、私も調べなかったでしょうからぁ」

 

 モデルバレットの苛立たし気な声にそう返すリーネスは、小さく俯いていた。

 

「―極晃星(スフィア)

 

 そう、リーネスは小さく呟いた。

 

 モデルバレットも肩を震わせているし、俺も聞いたことがあるかもしれない。

 

 いったい何の話になっているんだ?

 

「ザイアからサルベージされたデータに在った、星辰光(アステリズム)を超えた星辰光(アステリズム)

 

『知ってるよ。高位次元から漏れ出た星辰体(アストラル)と感応して三次元現象を引き起こす星辰奏者(エスペラント)とは違い、高位次元と接続し三次元に高位次元現象を引き起こす、完全上位互換』

 

 モデルバレットはそう告げると、同時に肩をすくめていた。

 

『条件はいくつかあるけど、一番大事なのは勝利という思いを共有する相方。何故か誠にぃとカズヒで成立しかけたにとどまっててね? 私はその結果誕生したんだよ』

 

「そうねぇ。極晃星は祈りに応える魔法のランプとされ、一度誕生した極晃星は他者が繋がり恩恵を受けることもできる」

 

 モデルバレットに頷きながら、リーネスは神妙な雰囲気を示していた。

 

「運用次第で惑星環境を変えることも可能。また極晃星は到達すれば高位次元に残り、他者が接続して恩恵を受けることもできる。そしてその場合、極晃に宿る二人の記憶を見た接続者の認識のもと、極晃の化身を創造することもある」

 

 ……聞けば聞くほどシャレにならないな。

 

 下手をしなくても、龍神クラスを打倒しうるだけの存在だろう。更に惑星環境を塗り替える余地があり、接続という過程を踏まえることで他者が振るうこともできる。しかも化身が具現化する場合もあり、結果としてアドバイザーぐらいにはなりえるだろう。

 

 三番目がきついな。接続者の認識次第となれば、碌でもない奴が出てきかねない。もし身勝手極まりない考えの奴が接続すれば、どんなことになるのかさっぱり分からないぞ。

 

 だが、それがどう言うことになる?

 

『分かる? 私はつまり、道間誠明と道間日美子の願う勝利そのもの。そしてカズヒ・シチャースチエが誠にぃと手を取らないってんなら、手を取る私が最も勝利になると―』

 

「―いいえ、違うでしょぉ?」

 

 モデルバレットの言葉を遮り、リーネスはそう告げる。

 

 憐憫すら込めたその言葉に、モデルバレットは沈黙する。

 

 いや、何が―

 

「逆なのよぉ。あの時極晃が成立しなかったのなら、極晃の化身も誕生しない。……そして、貴女が日美子でないなら仮説も立てられる」

 

 ―モデルバレットは道間日美子でないと、リーネスは確信すら見せている。

 

「カズヒの星辰光は、他者の想念を集めるという点が根幹部分。おそらくそれが重要だったんでしょうねぇ」

 

 そう告げ、リーネスは頭を振った。

 

「仮説として、あの時極晃星は()()()成立した。だから本当は具現化しなかったけれど、そこにカズヒが引き寄せた想念が集まった。……それも、基本形である悪意を恨む想念が」

 

 ……おい、まさか。

 

 俺が何かに思い至る時、リーネスはそれを固めるように告げていく。

 

「悪に対する呪詛の念は、必然として呪詛の対象である悪に向けられる。そこに二人の極晃になりかけた想いがかみ合った結果が貴女よぉ。……二人の思い出を基礎として、呪詛を向けるにたる悪徳そのものたる存在が、モデルバレットの正体よぉ」

 

『……とんだ仮説を立てるもんだね……っ』

 

 憤怒の感情を向けるモデルバレットだが、リーネスは動揺もしていない。

 

「そして仮説が立てられれば、魔術的な観測もできるもの。……解析は完了したわ、結果は当たり」

 

 その言葉に、モデルバレットが肩を震わせる。

 

 そして憐憫すら向けながら、リーネスははっきりと断言する。

 

「貴女は断じてカズヒじゃない。カズヒの殻を被った悪意の集合体。それがモデルバレットの真実よ」

 

 その断定をもって、リーネスははっきりと宣言する。

 

「ならカズヒに任せる必要はないわ。貴女は私達で十分よぉ」

 

 それをもって、リーネス達は戦意を見せる。

 

 カズヒねぇが背負うべき重荷でないのなら、カズヒねぇがいない状況でもやってやろう。

 

 その決意を俺にも伝えながら、ここにモデルバレットとの決着は開始された。

 

 




 ……本当は中間部分はなかったのですが、ちょっと前の九尾さんの感想もあって龍神化まで飛ばす予定だったイッセー部分を追記して、だいぶ長くなりました。

 そしてもどって前半部分。フロンズ達、老害のせいでかなりとばっちりな大ピンチ。
 原因が自分たちにまったくないので、どうしようもないところが割とあったり。不幸中に幸いは自分たちと縁がない事なので、被害の延焼さえ防げば致命傷は避けられる点。そして先を読んだ対応で、勝手に人の名誉を下げた連中を生贄に名誉の回復も図る抜け目のなさっぷりよ。
 もっとも、完全回復は到底不可能。基本はダメコンでかつ「完全回復とか何百年必要なんだよオイ」状態です。たぶん今までで一番奴らのピンチです。





 そして最後に明かされる、モデルバレットの正体。

 以前にも書いていたと思いますが、もともとモデルバレットは銀弾落涙編において、復活した道間乙女のかませ犬ともいえる程度の存在の予定でした。疑似的日美子時の人格を主体にしたプログライズキーで人格を上書きされただけの怪人ポジションです。
 ただ、確かRiliさんの感想で「型月設定があると、カズヒの星辰光ってかなりの厄ネタではなかろうか」的なものがありまして。道間乙女関連の大幅方針変換もあって一気に変更。その結果として誕生して、ここまで長く続いたのがモデルバレットです。

 いうなれば「道間日美子の殻を被った悪であるという願い」「無数の悪意が思い描いた「僕らが考えた邪悪な道間日美子」」「極晃の化身もどき」といったところです。

 極晃の条件が微妙にかみ合っていたこととカズヒの「想念を集める」星辰光の性質がバグとなり、無数の悪意がカズヒに上書きされそうになった人格データをもとに人格を生成。それに伴って極晃の化身もどきであることから、独自の星辰光まで確立しちゃった存在です。

 そう。モデルバレットはいうなれば「弄奏の化身になり損ねた存在」です。ここ、かなり重要な伏線が隠されてます。弄奏の方向性はこのあたりでほぼ確立しているもので。
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