好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 ハイどうもー! マジで書き溜めがどんどん減ってるけど筆が進まないグレン×グレンです! ちょっとマジでどうしようかな!?


黙示覚醒編 第三十二話 移り変わる大王派

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 微笑と共に告げるシュウマ・バアルの死刑宣告。

 

 その宣告と共に、大量の砲撃が放たれる。

 

 サンタマリア級汎用母艦は、「龍神クラスの打倒」をコンセプトとする戦闘兵器群GF(ギガンティック・フォートレス)の第一弾。

 

 艦隊編成で龍神クラスの敵に挑むことを前提とした、一隻で一分家の量に匹敵する軍事価値を獲得する戦闘艦艇。

 

 それを三隻も投入する暴挙に、マグダラン達は目を見開いた。

 

 魔王クラスの介入すら考慮して動いているとしか思えない。衛兵の中には絶望を覚えている者もいるし、ビィディゼやシュウゴは勝機を確信し頬が緩むのを抑えられないでいた。

 

 そんな光景を見て、シュウマは―

 

「……どうかしたのかね?」

 

 ―首を傾げていた。

 

『『『『『『『『『『?』』』』』』』』』』

 

 その反応に理解が追い付かず、疑問符が浮かぶ周囲。

 

 その視線に気づいて、方向を確認して振り返ったシュウマは、数秒固まった。

 

 そして一呼吸を置いた彼は、小さく笑う。

 

「……なるほど、そう来てくれたか」

 

 その言葉の意味は、砲撃で返答される。

 

 砲撃はバアルの城付近に着弾するが、しかし城には直撃しない。

 

 間違いなくこの距離なら、直撃打を当てることはできる。にも関わらずしない理由は、砲撃の影響を受けた者達で理解させられる。

 

 そう、吹き飛ばされたのは、シュウマ達の手勢だった。

 

 サンタマリア級から放たれる砲撃。出撃するDF(ディアボロス・フレーム)からの射撃。突撃する悪魔達の攻撃。

 

 その全ての痛撃により、ビィディゼやシュウマが連れた手勢は討ち果たされていく。

 

「……なんだ、これは!?」

 

「おい、どういうことだよ親父!? あいつら、親父が連れてきたんじゃねえのか!?」

 

 驚愕するビィディゼやシュウゴに応えるのは、シュウマではなかった。

 

「連れてきたのは私だよ、愚か者どもが」

 

 ため息交じりな声を放ったのは、通路から手勢を引き連れて現れた上級悪魔。

 

 眉目秀麗を外観だけで体現するは、若手大王派の筆頭格たるフロンズ・フィーニクス。

 

 更に後ろからくるハッシュ・バアルと共に、その表情は苦虫を噛み潰したというほかない。

 

「兄貴まで? どういうことだ……こんなチャンスに何してんだよ!?」

 

 シュウゴ・バアルが信じられないような表情を浮かべるが、その言葉にフロンズとハッシュは心からの失望を浮かべていた。

 

「馬鹿だとは思っていたがここまでとはな。浅慮は起こすなと伝えたはずだぞ、シュウゴ」

 

 そう吐き捨てるハッシュは、続けて嘆きすら見せてシュウマの方を見る。

 

 信じられない。それを表情だけで見せつけながら、ハッシュはゆっくりと首を横に振る。

 

「……父上。貴方ともあろうものが、このような愚行を働くなど」

 

 それだけ語り、ハッシュは口をつぐむ。

 

 信じられない。嘆かわしい。そういった感情が沸き上がり、会話という形にできないのだろう。

 

 そうシュウマが納得する中、フロンズが、眉間にしわを寄せてシュウマ達を見やった。

 

「よもやここまでの者達がこんなバカなことをしでかすとは。……生贄には相応しいとはいえ、流石に色々な部分が痛くなりますな」

 

 盛大にため息をつきながら、フロンズは指を鳴らす。

 

 その音と共に現れる猛威を見て、シュウマは苦笑を深めていた。

 

「まさかここまでするとはな。本気の入れぐらいが違うようだ」

 

「当然の備えですよ。……最悪、二位と三位を同時に相手取ることも考えていたのですからね」

 

 そう返すフロンズは、同時に小さく肩をすくめる。

 

「そしてそれだけでもありません。……形勢をひっくり返してくれてありがとう、梔子」

 

 その言葉の向けられた先を、シュウマ達は勢いよく降り返る。

 

 そして目にしたのは、悪魔であるはずのサイラオーグ達が完治する光景。

 

「いえ、これぐらいしなくてはならない窮地ですから。出し惜しみはしていられませんしね」

 

 そう告げる梔子を筆頭に、数人の少女達が一礼を返す。

 

『シュウマ様!? た、大変です!?』

 

 更にその窮地は、この程度ではとどまらない。

 

 泡を食った声で通信を繋げた不正貴族が、絶望すら声色ににじませている。

 

後継私掠船団(ディアドコイ・ウプライベーティア)の者達が、シトリーやバアルの眷属を治し……ぎゃぁあああっ!?』

 

『ビィディゼ様ぁ! ロイガンの眷属達が、人間に回復されてぇあああああああっ!?』

 

 絶叫と共に繋がる通信が、状況が完全にひっくり返されていることを物語る。

 

 そしてそれを成した理由も悟り、ビィディゼは戦慄すら覚えていた。

 

「馬鹿な、悪魔を治癒する能力は限られる。……それも形勢をひっくり返すほどともなれば、用意できるわけがない!!」

 

 神に愛されぬ存在である、悪魔を治療する手段は数少ない。

 

 それを成せる存在を同時多発的に連れてくるなど、非現実的というほかない。

 

 だが、現実は非情。それを示すように、九条・梔子・張良が微笑んだ。

 

「いえいえ、今回は状況が状況でしたので、伏せ札である聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)()()者を全員投入させてもらいました」

 

「………は?」

 

 愕然とするビィディゼに、梔子は微笑みながら一礼をする。

 

「では挨拶を。――後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)筆頭が一人、張越最良(チョウリョウ・エボリューション)こと九条・梔子・張良。神器は聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を生まれ持っております」

 

 そして、そこでとどまる女であるわけがない。

 

 九条・幸香・ディアドコイは、妹であるというだけで筆頭扱いなどしない。

 

「……そして私が増やした癒しの眷属、総数二十名を全員派遣させていただきました」

 

『『『『『『『『『『……………は?』』』』』』』』』』

 

 ほぼ全員が、呆気にとられた。

 

 その全員の思考停止を解除するように、梔子は少し恥ずかしげな表情を浮かべていた。

 

「これでも至ってから何年も経ってますので、それぐらいは何とかできました。……蓄積数には限度があるので、この辺りが限界ともいえますけどね?」

 

 そういう問題ではない。

 

 ほぼ全員の心が合致しただろう。

 

 これが、後継私掠船団筆頭の一人。団長たる後継覇王(アレキサンダー)、九条・幸香・ディアドコイの義妹。張越最良(チョウリョウ・エボリューション)、九条・梔子・最良。

 

 ……その方法は効果的極まりないだろう。

 

 聖母の微笑が齎す恩恵は莫大だ。治癒の力とは何時の時代でも価値があり、財を成すことも人を集めることもできる。保有者であるアーシア・アルジェントが聖女に祭り上げられたことからも明らかだ。

 

 だが、だから増やして移植するなど、考えつけるのか。よしんば考えついたとはいえ、それを実現させることができるのか。ましてや、当人の発言を考えれば、英雄派が禁手の至り方を確立する前にだ。

 

 その事実に戦慄する者達の前で、梔子は微笑みながら宣言する。

 

「では、ここからが略奪です。バアル宗家に限りない恩を売りつつ、愚か者から奪いつくしなさい」

 

 その海賊宣言に、フロンズもまた頷いて片手を上げる。

 

 隠し切れない苦い表情を、一瞬だけシュウマ・バアルに向けて。

 

「敵は逆族シュウマとビィディゼ・アバドン! この一戦をもって、大王派の未来を繋げ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……サーゼクス、そちらはどうなってますか?』

 

「相応の大変だが、何とか作戦決行までには間に合いそうだ。もう少しで一安心、といったところだろう」

 

『バアルの本城が襲撃されたと聞きましたが?』

 

「ああ。だが幸い、既に動いている者達がいる。彼らが出てきたのなら何とかなるだろう」

 

『……フロンズ・フィーニクスですか』

 

「相当泡を食った様子で、即応艦隊の派遣を具申してきたよ。こういっては何だが、彼が出てきてくれたことで大王派もまとまるだろう」

 

『大王派のフロンズ・フィーニクスが、不正に関与したシュウマ・バアルを討って初代バアルとその血族を救う。一見するとできすぎではありますけどね』

 

「だが同時に、不正に関してはアザゼルからお墨付きを貰っているシロの人物だ。多少保身の演出こそ入れているが、積極的に暴動を鎮圧してくれているしね」

 

『問題は、その後の大王派を彼が掌握寸前まで行くことでしょうが』

 

「だろうね。初代バアルも今回の件で発言力が落ちる。そんな中、アザゼルが不正に関与していないことに太鼓判を押した彼が彼の危機を救った以上、対応として大王派は当面、彼を主体として動くことになるだろう」

 

『かといって強権を振るうことは避け、なるべく生き残った古参の者達に配慮もする。……とはいえ、初代バアルの後援を受けたことと大量の不正による不信感を盾に取り、魔王派の改革に相応の援助をすることでしょう』

 

「既にある程度の話もついている。懸念事項は多々あるが、それでも冥界の未来を考慮した立ち回りをしてくれるだろう」

 

『……できれば、そういった問題も私達が背負いたかったのですがね』

 

「ああ。多くをアジュカやガブリエルに押し付けることになるが、必要なことでもあるだろう」

 

『こちらはこちらで熾烈な戦いになりますからね』

 

「ああ。その時は背中を任せるよ、ミカエル」




 大王派動乱編も佳境を迎えました、もうちょっとで主眼がオカ研へと戻っていくでしょう。
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