好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
さて、とりあえずルシファー編の書き溜めは終了し、最終章を描き始めております。幕間は終了しました。
黙示動乱編はこれまでの章と比較すると、比較的短めになるとだけ言っておきます。
和地Side
ふるわれる猛攻を前に、俺達は迎撃戦闘を開始する。
大口を叩いておいてなんだが、真っ向勝負だと二対一如きでは俺達の方が圧倒的に不利だ。できれば味方が来てから相手をしたい。
一応そうでない時の為に色々と頑張っているが、俺ってぶっつけ本番だと不利だしな。
「更に新技ぁ!
「なるほど、そう来るか」
感心するヴィールを前に、春っちは全身の炎で出来た鎧を纏う。
これ、誤解でなければ仮面ライダーマクシミリアンを模しているな。
いわば全身鎧型禁手というより、仮面ライダー型禁手か。それも俺のをモデルに。
「いよっしゃぁっ!」
「御免和っち隠しててなんだけど今そこじゃないからね!?」
なんか春っちが絶叫するけど、戦闘も仕込みもちゃんとしているから安心してくれ。
ただ、これだけ仕掛けてもヴィールはしのぎ切っている。
「どうした? こちらはお前達の全力を乗り越える気なのだが?」
余裕綽々だな。これでもダメってことか。
とはいえすぐに終わるとも思えない。時間は稼いだ方がいいだろう。
「……なぁ、これが最後になるだろうし、少し聞きたいことがあるんだが」
「いいだろう。冥途の土産としてやるから聞いてみろ」
お、素直に答えてくれるのか。
まぁこの情報統合野郎が、会話している程度で隙を作るわけもないか。
別にいい。この手の情報は掴めておくに越したことはないだろうしな。
「お前はなんで、王の駒について把握することができた?」
そこはかなり気になるんだがな。
そしてヴィールはこちらの攻撃を捌き続けながら、軽く肩をすくめる。
「事の発端は十年以上前だ。その頃から俺は常々性根が変わってなくてな。庶子との子ゆえに冷遇されていたが、それはそれとして冥界の未来を憂い鍛え続けてきた」
いきなりヘビーだが、とりあえずスルーする。
というより、もうその頃からぶっ飛んでいたという事か。ナチュラルボーン初っ端覚醒とは、また凄いな。
それはそれとして、語りながらも一切の揺らぎがない。本体も分身も語りながらでこのレベルの戦闘を一切ポテンシャル低下を起こさずにできるとはな。
したくないが感心するしかない中、ヴィールは拳による迎撃を仕掛け、俺は仕込みを試みながら戦闘を行っていく。
「転機としては、偶発的に聖杯戦争に巻き込まれたことだな。参加者の一人がサーヴァントを利用して、現地にいた上級悪魔を殺すことを試みた。つまりは俺だ」
主人公みたいなトラブルに巻き込まれているな。
「伺っています。ですがそこで、ヴィール様は逆にその凶手から奪いつくしたと」
「そう。
春っちに応えながら、ヴィールは動きをどんどん最適化させている。
というか、そんなものを持っていたのか……やばいな。
「そして、俺はその段階で冥界の発展に方向性を見出していた。……ゆえに求めたさ、悪魔の駒の深奥を」
「なるほど、そこで王の駒や各種不正を悟り、王の駒を広めるどころかその発展まで視野に入れたってことか」
そして、そこからが本番という事か。
「そして二度目の聖杯戦争でクラウディーネを引き、優勝。アジュカ・ベルゼブブやアグレアスの遺跡と繋がり駒を作り出す、
「凄い方向で隙をねじ込もうとしたか?」
とんでもない情報をぶち込んだな。
つまりアグレアスが奪取された場合、悪魔の駒が製造できなかったと。
だからアグレアスを狙った作戦で関与してきたのか。王の駒まで知っているなら、魔王アジュカ・ベルゼブブ辺りをせっつかせるには十分だ。
そして今ので俺も隙が生まれそうになったな。軽くヤバい。
ただ、ヴィールはむしろ首を傾げていた。
「違うな。隙を作る発言とは、こういうものだ」
おい、何を言う気―
「貴様らと一戦交えた、ゼファードルの眷属だったリーダム・セカンドライフがいただろう? 奴こそが俺を禍の団に繋げた最初のサーヴァント、プレスター・ジョンだ」
―また凄い事言ってくるなオイ。
隙がねじ込まれそうになったが、強引に押し通して対応する。
とはいえ、向こうだって警戒はするだろう。
そもそも長期戦はこっちが不利だ。ヴィールの最適化は長期戦になればなるほど進むから、文字通り戦闘中に成長するなどという反則レベルの存在になる。
だが、時間稼ぎは必須。本気でヴィールに勝つなら、二対一如きでは全く足りない。かつての戦闘においてすら、こっちがいくつの隠し玉を使ったと思っている。
……いや本当に多いな。ヴァーリは極覇龍使うし、イッセーは真女王の初登場と、二天龍だけでも凄まじい。更にサイラオーグ・バアルは禁手を変化させるし、カズヒねぇは覚醒しまくるし、歴代赤龍帝も連係プレイで参加だったし。俺もカズヒねぇも割と後先考えずに頑張りまくって、あの後倒れたし。
だからこそ、今回も総力戦必須。できることなら更なる切り札をいくつも用意するべきだ。
だからこそ、ここは凌ぐ。
凌ぐけど、それでも言いたい。
「いやホント、とんでもない情報をぶっこんで来たなおい」
「冷静に対処しながら言われてもな」
お前の相手をしているから、慌てたくても慌てられないんだよこの野郎!
祐斗Side
振るわれる猛攻を前に、僕達は一進一退の戦いを繰り広げていた。
上位神滅具の禁手。油断できるわけがなく、まして使い手がヴィールの眷属ならなおのこと。
厳しい鍛錬を強い意志で乗り越えた厚みを崩すのは至難の業だ。こと出力において拮抗できるだろうイッセー君やギャスパー君がないのならなおのこと。
それでもなお、僕達は食らいつくことができていた。
「……流石にできるね。一人で挑むのは油断しすぎだったか」
そう呟く双竜健也だけど、余裕があるのは見ているだけで明らかだ。
ただ同時に、その意識は常にオトメさんに向けられている。
「あの、私って貴方に何かしたかな?」
その注目に気おされ気味のオトメさんが、そう尋ねる。
確かに、理由がわかるだけでもだいぶ変わるものだしね。気分としてはだいぶ楽な気分になるだろう。
そして、双竜健也もそれに納得しているようだ。
「そうだね。ならいい機会だし、今のうちに聞いておくかな」
そう頷きながら呟いた彼は、真っ直ぐな視線をオトメさんに向ける。
僕達もまた、攻撃を緩めて様子を見る。
「……道間乙女。君はどうやってそこまで
……その言葉の意味が少し分からなかった。
ただ、オトメさんは表情を強張らせている。
その緊張感の中、双竜健也は軽く肩をすくめた。
「昔語りは趣味じゃないけど、説明の為にも僕の過去を話すべきかな」
そう語りながらの猛攻を、オトメさんだけ密度を薄める気遣いをしながら彼は語り出す。
「……まぁなるべく簡潔にまとめるさ。僕の幼馴染が、ダメな男に引っかかっていてね? 耐え切れずにたまたま悪魔を呼び出してそいつの悪事を徹底的に明かしてみたんだけど、そこで目が覚めるようなことは起きなかった」
寂しげに笑う彼は、そのうえで表情を少し引き締める。
「僕が彼の眷属になったのは、力があることを知ったうえで強くなりたいと思ったからさ。どちらかというと弱い心をどうにかしたいけど、強くなる為の厳しい鍛錬は、それを乗り越えられるのなら強いといえるだろう?」
そう告げ、そして彼はオトメさんを真っ直ぐに見る。
「だから知りたい。君はもっと堕ちていたにも関わらず戻ってこれた。何故それができたのか、それは理屈や技術によるものなのか……ってね」
その言葉に、僕達は返す言葉がない。
彼にも相応の事情があるんだろう。同情を引きたいわけでも不幸自慢をしたいわけでもなかったけど、その為に可能な限り簡略してなお、彼にとってはトラウマになりえるものだ。
そして、ある意味でオトメさんは救いにすら見えるだろう。
それ以上の過程を辿りながら、今ここにいる彼女は真っ当な在り方を取り戻している。
何故そうなったのかが知りたい。そしてできることなら、それがやろうと思えばできるものがいる方法であってほしい。
……それを、オトメさんは悲しげな表情で否定する。
「……違うよ。私は、持ち直せてなんて……ないかもしれない」
その言葉に、双竜健也は何も言わない。
表情の変えず、無言でオトメさんに先を促す。
それを受け止め、乙女さんは首を横に振った。
「私が特殊なのは知ってるかな? 固有結界そのものであるベアトリーチェというサーヴァントが、固有結界使いのカズヒに宿り、そして対象の罪という固有結界を、同位体を巻き込む形で受けたことで生まれた存在。だから私は、サーヴァントであるベアトリーチェが芯になっているの」
そう語るオトメさんは、つらそうに自虐の表情を浮かべている。
「ベアトリーチェが持つスキル、精神浄化。天国にて詩人を待つベアトリーチェの名を関すことから、逆説的に「天国にいることができる精神性」を会得するスキル。アルターエゴ・ベアトリーチェは伝承由来だけど、このスキルをCランクで持っているの」
そう、オトメさんは言い切った。
僅かに変える双竜健也の表情は、僅かゆえに内心を推し量ることはできない。
そのうえで、オトメさんははっきりという。
「私が持ち直しているのは、その影響がとっても大きい。だから……期待には応えられない」
「……そうか。悪いね、言う方がつらい事かな」
その短い言葉の交わし合いで、戦闘の流れはすぐに戻る。
「そしてもう一つ悪いね。だからといって容赦をするようなら、僕は今頃トレードされているさ」
その言葉と共に、攻撃は激化していく。
「容赦はしない。未来を望む形で掴みたいなら、僕らを超えていくといい!」
そして放たれる、その絶大な一撃に―
「……となると、当然私は嫌っているでしょうね」
―今まで沈黙をし続けてきた、カズヒが真っ向から迎撃する。
受け止め、そいて流して弾き飛ばす。
その視線に込められているのは、憐憫か……それとも、ある種の罪悪感か。
「厄介なところだね。道間日美子は被害者でもあるし」
「そうね。でも破壊した側ではあるもの」
そう告げるカズヒは、そのうえで切っ先を彼に突きつける。
「だけど悪いわ容赦はしない。オトメねぇは今度こそ幸せに生きてほしいと願うからこそ、そう簡単に傷つけさせる気はないの」
その言葉と共に、カズヒは強い意志を籠める。
「だからこそ、まだだ。この程度で私達を倒せると思うなよ?」
「……そうだね。この程度でやられる道理はどこにもない」
彼女のアタッシュナイダーに合わせるように、僕も聖魔剣の切っ先を双竜健也に向ける。
「そしてそれは僕らも同じさ。オトメさんはもう仲間である以上、彼女の幸せは僕も願っているからね」
「……それは、私も言い返したいかな?」
そして苦笑を浮かべながら、オトメさんも聖剣の切っ先を突き付けた。
「私だって、カズヒの……日美子達の幸せを願ってるもの。みんなで一緒に生き残るよ」
となれば、そう簡単には倒れられないね。
「オカルト研究部を舐めないでくれよ? 僕達は、この戦いも勝って生き残る!」
さぁ、ここからが第二ラウンドだ!
自分はヒロインにかつて呼んだ鬱エロ作品のキャラクターを要素として落とし込み、復帰させることで鬱屈した感情を発散させるくせがあります。この調子だと第二部ヒロインはその要素が大幅に増大しそうです。
ただその場合、男側にしわ寄せがくることがありまして、それらを防ぐような形で出してみたのが健也のキャラクターモデルです。
そしてこの章を描いている最中に、「奴をモデルにしたキャラクター累計だと、そもそも落ちてから回復したように見える乙女のことが気になりそうだな」と思って入れました。
ただ乙女の正気かにおいては、サーヴァントであるベアトリーチェのステータスなどの設計をする段階で作った精神浄化スキルを核として正気かさせているので、この場合外れているといった感じです。
……ちなみにオトメはイッセーヒロインにするつもりでしたが、ヒマリやヒツギとの差別化もかねて違う人物のヒロインにすることもありではないかと思っている今日この頃。その場合、候補の一人として健也が出てきます。
それとは別で出したいけどタイミングが無くて困っていた設定。リーダムがヴィールのサーヴァントであるという話。ようやくここで出せました。
伏線をあまり晴れなかったのは残念ですが、ヴィールに禍の団を紹介したのもリーダムです。そしてプレスター・ジョンなのも初期から設定していました。
リーダムのキャラクター造形は、ニ〇ニ〇静画でしり最近アニメ化した作品の主人公の要素を入れて、敵キャラとして再設計した形です。その過程でサーヴァントの真名をプレスター・ジョンにしました。細かい説明はまた次の機会に。