好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 さて、窮地の底には到達した。

 ……ここからは、和地たちのターンだ!


旧済銀神編 第十三話 極晃天衛(前編)

 

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……和地?」

 

 思わず、私はぽかんとする。

 

 和地はボロボロで、だけど笑顔を共に私に振り返っている。

 

「ああ、寝坊してごめんな、カズヒ」

 

 そう微笑む和地は、障壁を展開して攻撃を凌ぐ。

 

 だけど、それだけで耐えれるわけがない。それほどまでに、今のミザリは脅威で、だから理由がある。

 

 そう、今私達とミザリの間には、何人もの戦士が集っている。

 

「見つけたよ、ミザリ・ルシファー。……あまり人のことは言えないけど、それは兄としてどうなんだい?」

 

 自虐的な呆れ顔を見せるは、リュシオン・オクトーバー。

 

「よもや、ここまでの脅威が降臨するとは。……恥ずかしいが、少し高ぶってしまう」

 

 そう苦笑しているのは、ヴァスコ・ストラーダ猊下。

 

「確かに、これは強すぎる。だからこそ、強者を求めるものなら高ぶって当然ですとも」

 

 槍を構えながら微笑むは、英雄派の曹操。

 

「とはいえこれはまずいね。はっきり言って時間が稼げるかどうかもだ」

 

 そう警戒心を見せるは、刃狗(スラッシュ・ドッグ)の幾瀬鳶雄。

 

「だが、負けてやる理由はない。この脅威は俺たちが打ち砕かねば」

 

 拳を握って構えるは、サイラオーグ・バアル。

 

「そうだな。ここで我らに負けは許されない」

 

 魔力をほとばしらせるは、皇帝(エンペラー)ことディハウザー・ベリアル。

 

「ま、そういうわけでね? 遠慮なくやっちゃうとするよ」

 

 あまねく属性を従えるは、天界の切り札(ジョーカー)、デュリオ・ジュズアルド

 

 この世界における圧倒的強者達が、これでもかと言わんばかりに集結している。並みの敵なら発狂する顔ぶれだ。

 

 だけど、それでも。

 

「……和地、今はともかく、私達もっ」

 

 圧倒的有利なのはミザリの方だ。

 

 だからこそ立ち上がろうとして、和地は私を押しとどめる。

 

「違う違う、そうじゃない」

 

 そういう和地は、微笑みながら首を横に振る。

 

 そして和地は振り返ると、肩をすくめながら彼らに声をかける。

 

 問題は、その内容。

 

「じゃぁ、時間稼ぎお願いします!」

 

 真剣に張り倒したくなった私は悪くないと思う。

 

「ちょ、和地!?」

 

 この状況下で何を言っているのよ、このバカは!?

 

「いや、たまたま出会ったんで、頭下げて時間稼ぎをお願いしてたんだよ。……俺達が向き合う為にな」

 

 激戦が繰り広げられる中、和地は堂々とそれに背を向ける。

 

 目を背けるのでもない。現実を忘れるのでもない。今をきちんと理解したうえで、まず私に向き直る。

 

「……ミザリは強い。極晃星(スフィア)を手にしたミザリは、勝利に王手をかけている」

 

 静かにそう、和地は告げる。

 

「だから待ったをかけるには、俺達も至るしかないだろう?」

 

「それが簡単に出来たら苦労はないでしょう!」

 

 極晃星がそんな楽に至れるなら、誰も苦労しないわよ!

 

 ただ、和地は冷静な態度のままだった。

 

「できるさ。俺とカズヒなら」

 

 その時、私は今更ながらに気づく。

 

 和地は、私のことをカズヒと呼んでいる。

 

 カズヒ姉さんでもない。カズヒねぇでもない。

 

 ただのカズヒと、九成和地は向き合おうとしている。

 

「……あの日の答えを返したい。俺は、それをカズヒと共有したい」

 

 そう微笑み、和地は手を差し出す。

 

「そして、俺達の勝利に至ろう。俺達に、それができないはずがない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吹き飛ばされそうになる猛攻に、僕達は耐える。

 

「負けるものか、そうだろう……皆っ!!」

 

 その一撃が僅かな切れ込みを作り、そこをリアス部長が魔力の奔流で切り開く。

 

 もちろん一瞬で押し返されるが、それでも僕達は諦めない。

 

「舐めんなクソ親父! 私達は、負けないんだからっ!!」

 

「はい、絶対に負けません!」

 

「舐めてもらっては困るというものだ!!」

 

「皆の言う通り。主よ、どうかご加護をっ!!」

 

 聖十字架の炎を放つ南空さんに、アーシアさんの結界、ゼノヴィアとイリナさんの聖剣が援護する。

 

「させないわよぉ、叔父上! 和地達は、必ずミザリを倒すんだからぁ!!」

 

「そうですわね。イッセー君達なら、必ず!」

 

「あの三人が揃っているなら、それぐらいはやってのけますとも!!」

 

「兄さん達も向かっているはず、だから……勝ちます!」

 

 魔術的にカバーに入るリーネスを、朱乃さんやロスヴァイセさん、ルーシアちゃんが援護する。

 

「だから私達も倒れない。生きて帰って、出迎えるの!!」

 

「そういう事ですわよ!」

 

「させないってねぇっ!!」

 

 そして絶大な魔力をもって、オトメさんがヒマリやヒツギと共に援護に回る。

 

 そう、この状況はまだ拮抗している。

 

 だからこそ―

 

『お前達に奪わせるものは何もない!』

 

「やらせるわけがないってなぁっ!!」

 

「そう、ここで倒れることはない!!」

 

 ギャスパー君やアニル君と共に、僕は攻撃を切り開く。

 

「……リアス部長、今です!」

 

「ええ、ありがとう小猫!」

 

 そして、過剰なまでの魔力放出でかかる負荷を小猫ちゃんの仙術で調律しながら、リアス部長が魔力を再び込める。

 

「行くわよ皆、私達は、生きて彼らに報いるわ!!」

 

『『『『『『『『『『はいっ!!』』』』』』』』』』

 

 そう、僕達は……生き残る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 槍を振るうアルケードは、しっくり来ているぐらい強い。

 

 こいつ、徒手空拳が基本じゃなかったのかよ。

 

「なめるなよ? 

これでも一通りの武器は修めている!」

 

 そんなアルケードは、俺達全員を相手に薙ぎ払っている。

 

 神の攻撃を弾き飛ばす加護が、強引にアポロンさんやヴィーザルさんを弾き飛ばす。そして一瞬のスキを強引に作って、俺やヴァーリから気配を隠して攻撃を叩き込む。

 

 その攻撃は雷霆を纏う神槍。一撃の威力が大きすぎて、俺も意識が何度も飛びそうになる。

 

 ヴァーリも、シャルロットも、俺も。アポロンさんやヴィーザルさんも含めて、間違いなくヤバいことになっている。

 

 ……それでも!

 

「舐めんなぁっ!!」

 

 俺達は倒れない。

 

 そうだろう、シャルロット、ドライグ。

 

「ええ、もちろんです! ここで倒れるわけにはいかない!」

 

『お前なら尚更だ。なにせ、戦っているのだからな!!』

 

 ああ、そうだろ二人とも。

 

 今、九成が、カズヒが、あの二人が戦っている。

 

 そしてリアス達が、皆が、同じように戦っている。

 

 だから、こんなところで倒れるかよ!

 

「負けるかよ……必ず、勝つ!」

 

 俺は強引に雷霆を突破して、神槍を掴む。

 

 その瞬間、アルケードはためらうこともなく一瞬で膝蹴りを放つ。

 

 だけど、それは俺の拳と同時に当たる。

 

「ぬ……っ!」

 

「なぁ……めんな……っ!」

 

 ダメージはこっちが圧倒的に上だろうさ。

 

 それでも!

 

「勝つのは、俺達だぁあああっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答えは()()()()あったんだ。俺たちは、そこから始めて進んできていた」

 

 俺はしゃがみ込み、カズヒの手を取る。

 

 カズヒねぇとはもう呼ばない。カズヒ姉さんとも呼ばない。

 

 そして、俺ははっきりと告げる。

 

「俺達はずっと()()()守ってきた。俺達にとって、それが答えだったんだ」

 

 俺のその答えに、カズヒは肩を小さく振るわせた。

 

「……そう、だったわね。そうだった」

 

 小さく微笑むカズヒは、俺の手を握り返してくれる。

 

 カズヒは小さく微笑み、そして俺に向き合ってくれる。

 

「私と誠にぃは、失った先に手にした光に()()を見た。だけど私達は、守るべき尊い()()を共有していた

 

 ああ、そうだ。

 

 俺たちはそうやって生きてきた。それを互いが知らずに誓い、形を成していく中で再会した。

 

 だから俺は、必ずカズヒと到達できる。

 

 俺達はずっと、それを持っていた。それそのものではなく、どうそれに向き合っているかを共有していた。

 

 あの日。互いが互いの笑顔を瞼の裏に焼き付けた。そして別々に同じ誓いをし、その結実がここにある。

 

 至るべき答えは見えている。俺にとって、その答えはシンプルなまでに見えている。

 

 だからこそ―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 圧倒的な猛威が、そこに在った。

 

 当然だろう。今のミザリ・ルシファーの総量は、文字通り世界最強だ。

 

 龍神に匹敵するトライヘキサ。それを核とする、隔離結界領域という力の源泉。ゆえにそこに内包される、神仏、魔王、熾天使といった、名だたる存在全てがミザリの力そのものだ。

 

 高々数人の頂点如きで、どうにかできる余地がない。掴み取れた時点で、ミザリはグレートレッドすら歯牙にもかけない力を獲得している。

 

 つまるところ、僅か数分で最強格の集った戦力は動くことすら困難な状態に追い込まれていた。

 

「美しい。世界が誇る戦士達が結集してなお、残酷なまでに圧倒的な差によって圧殺される。なんて綺麗なんだ……っ」

 

 そう陶酔するミザリの前で、立ち塞がった最強格の戦士達は圧倒されていた。

 

 そして彼が眷属達を介して確認する中、趨勢は明確に決している。

 

 増援として派遣されたスルトやテュポーンすら圧倒される中、ミザリの趣味もあって死人が少ないのが逆に悲劇といえるだろう。

 

 特にサテライトフレームがいい。

 

 ステラフレーム用の予備躯体。それらをほぼすべて組み上げ、自律動作で戦闘可能に調整。ラージフレームの代わりに自分を経由して隔離結界領域をつながらせることで、高い出力によるシンプルな戦闘を可能とする戦闘躯体。

 

 基本性能は最上級悪魔クラス。そして極晃に慣れた今のミザリに従う限り、そのカタログスペックは魔王クラスに到達。さらに任意で隔離結界領域内にいる、名だたる強者の力を振るうことができる。

 

 圧倒的な猛威を前に、彼らはただ蹂躙される。

 

 シヴァやインドラ、最高峰の神仏すら押されている。ヴィーザルやアポロン、新たなる主神も蹂躙される。それらに匹敵するスルトやテュポーンすらものともしない猛攻は、世界の趨勢を決定していた。

 

 あとはグレートレッドを蹂躙すれば、涙嘆悲劇(バッドエンド)は確立する。

 

 そこからは少しずつ進めばいい。慣れ切れば一対一なら負けることはまずない。これだけの力だけでなく、相対する者の力すら上乗せされるのだから、負ける道理が基本としていない。

 

 しいて言うなら同じ極晃が曲者だが、それにしても相応のものが必要だろう。

 

 単純に基本性能的な圧倒を齎す極晃なら、自分はそのまま恩恵を受けて負荷を押し付けられる。

 

 多少曲者であっても、シンプルな性質なら勝算は十分すぎる。相手の発動に合わせるなど、掴みさえすれば勝ちようはいくらでもある。

 

 極めて特殊な極晃だと話は違うが、その場合は基本性能のごり押しだ。部下の力を借りるなどすれば、やりようは十分にある。

 

 ゆえにミザリは勝利を確信し―

 

「……甘いぞ、若き魔王よ」

 

 ―その言葉に、首を傾げた。

 

 デュランダルⅡを支えにすることで、かろうじて膝は付けているヴァスコ・ストラーダ。

 

 彼の微笑みに、ミザリは首を傾げるほかない。

 

「この状況でその表情、ちょっと意外だね」

 

 勝ちの目は潰えていると言っていい。というより、彼らはここで倒されるだろう。

 

 にも関わらず、その目には勝機があるという確信がある。

 

 だからこそ、それを問おうとし―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そう、答えはあった。あったのよ」

 

「俺達だからこそ持てる答えが、ここにある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―その言葉に、目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「勝利とは、守るべきもの」」

 

 手を取り合い、そしてこちらに向き合う一対が、ここに人生(イノチ)勝利(コタエ)を形にする。

 

「命を賭して、全てを賭ける」

 

 カズヒ・シチャースチエがそう告げ、

 

「尊ばれるべき、誰かの祈り」

 

 九成和地が、それに応える。

 

「「そんな誰かの勝利(笑顔)を守る! それが、瞼の裏の笑顔に誓った、原初の願いなのだから!!」」

 

 そう、今ここに条件は達成された。

 

 互いが別の形で保有する、神星鉄に類する高位次元干渉物質。

 

 高まる共鳴に呼応する干渉性という、天元突破に繋がる特化した性質。

 

 そして守るべき誰かの笑顔。そのものではなくそれに対して()()()()()()()で、勝利の形を共有する。

 

 瞼の裏の笑顔に誓った、約束された勝利の結実。ここに第三条件、同じ想いを共有する比翼連理が成立した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆえに悲劇よ絶望せよ。

 

 涙嘆悲劇(バッドエンド)に抗い輝く、嬉涙旧済(グッドエンド)は此処にある。

 

 嘆きの極晃を打倒するべき、救いの極晃が生誕した。

 




 そして、宿命は此処に結実した。

 悲劇に流れる嘆きの涙。その意味を変えるため、笑顔の誓いが極晃(ホシ)となる。

 涙嘆地獄(バッドエンド)はもういらない。

 ここから先は、嬉涙旧済(グッドエンド)の始まりだ!








 それはそれとして、アンケートで一応入れた「そもそも弄奏が糞じゃない」系の答えが意外とあることにちょっとびっくり。

 考えうる中でとにかく糞にしたというのに、これでも足りんというのか……っ!
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