好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 ……今、多くを語る必要はない。








 決戦の時は、来た!!


旧済銀神編 第十五話 VSミザリ、決戦です

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやって勝つかに関してはもう煮詰められている。

 

 問題は、それをどうやってもたらすかのただ一点。

 

 そう、衛奏はその性質上、極晃星(スフィア)による世界の塗り潰しを絶対に阻止できる。次元違いの脅威だけは封じられる。

 

 裏を返せば、次元違いでないだけで強大な星として振るうことはできるのだ。

 

 それを、ミザリは既に掴んでいる。

 

「なら、こうしよう。―――残弄徴能(ルシフェル・ダスト)

 

 そしてミザリの選択肢は、神滅具をバイパスとして可能な限り隔離結界領域の力を振るうというその一点。

 

 どれだけ削減されようと、隔離結界領域には龍神クラスのトライヘキサに、超上の存在が揃い踏み。弄奏を直接振るうミザリなら、相当の力を振るう余地は残っている。

 

 例えるなら、D×D状態の二天龍が禁手にすら至れてないといったところ。裏を返せば、二天龍など歯牙にもかけない隔離結界領域なら、神滅具の覇レベルの上乗せはなされている。

 

 更にそれを、宿す神滅具を利用する形で扱うことで高性能化を実現する。つまるところはそういう事だ。

 

 それはすなわち、宿す神滅具を弄奏の眷属として運用する裏技っ!

 

「明星なる魔王が、代行たる魔王に告げる。―――聖血同調・魔王三撃(サタンズブラッド・ハルバート)

 

 その瞬間、放たれるのは万物を凍り付かせる消滅の魔力。

 

 固まりながら消し飛ばされていく周囲の空間を迎撃しながら、私達は同時に舌打ちする。

 

「トリプルコンボとか、ふざけてるわね!」

 

「これでもまだマシってのが酷い話だ!」

 

 恐ろしい異能を初手から放ってくれたものだわ。

 

 その出力は神滅具と魔王血族の合わせ技。どう冷静に考えても、魔王クラスの威力を維持している。

 

 加えて魔力が冷気を齎すため、こちらの動きが鈍りそうになる。その上圧倒的な耐久性能を持つことから壊すことすら一苦労。

 

 ……なるほど、初手からこれなら骨が折れる。

 

 だけど、私は和地と頷き合って手を取り合う。

 

「反撃するわよ、和地!」

 

「分かってる、カズヒ!」

 

 そう。そう簡単にやられるほど、私達だって甘くない。

 

 星辰弄奏者(スフィアルシファー)星辰衛奏者(スフィアディフェンダー)。その戦いは、極晃の担い手同士ゆえに互角で当然。

 

 この程度で、やられる道理は欠片もない。

 

 ゆえに、遠慮は欠片もない。

 

「我が身に宿る剣豪よ、救済の魔剣を高みに導きたまえ!」

 

「愛しき銀弾の加護を受け、救いの魔剣よ高みへ至れ!」

 

 同調し、そして私達は同時に四本の星魔剣を握る。

 

 そして躊躇することなく、連続斬撃で魔力を吹き飛ばす。

 

 炎の特性を持つ星魔剣の連続斬撃は、放たれる凍てつく鉄壁の消滅を、真っ向から切り刻む。

 

 余波で吹き飛ばされる魔力も含め、私達の連携攻撃は魔王クラスの域に到達しているからこその妙技だ。

 

 加えて、余波程度なら私達なら防ぎきれる。

 

 悪逆たるミザリが振るう以上、その攻撃はすべからく邪悪の力。私の星辰光が機能する以上、攻撃力は更にブーストされる。

 

 更に和地に至っては、極晃に至ったことで全体的に資質が強化されている。彼の魔力障壁は、かつて使った性質偏向型のプログライズキーを使った手法をすべて使えるだろう。

 

 出力はチャージングリザードに届き、更に私も含めて全身に障壁の加護を展開する。これでは残滓ごときで私達を害せるわけもない。

 

 だからこそ、ミザリもここから攻め立てる。

 

「真なる王の名において、主を支えと命じよう。――聖血同調・魔軍奉公(ディアボロス・ブラッドパイク)

 

 その瞬間、展開される魔力の量と質が飛躍的に向上する。

 

 能力は至ってシンプルだ。単純に総量を上乗せしている。

 

 隔離結界領域に向かった三人の魔王は、女王以外の眷属を連れている。彼ら全員転生悪魔である以上、魔力をもって当然だ。

 

 それを上乗せしての出力向上。単純だけどやってくれる。

 

 だけど……ねぇ!

 

「カズヒ、気合と根性でやってくれ! 乗りこなせるぐらいは見えている!」

 

 ゾーンに突入した和地がいるなら、こっちも無茶をして見せるわ。

 

「ハンドルは頼むわね、和地! アクセルはこっちで踏み占める!」

 

 その決意に合わせる。やって見せてやろうじゃない。

 

 和地が見えたというのなら、私はまだだと叫ぶだけ。

 

 気合と根性で、聖印の刃(スティグマ・ザ・エッジ)を起動。和地の星魔剣と同調する。

 

 更に固有聖域と同調して、ありえない融合を成立。足りない分は和地からの魔力提供でごり押し一択。

 

 そして誕生するは、聖魔剣ならぬ聖魔星剣。

 

 矛盾を超えた融合は、もはや伝説の聖剣魔剣に匹敵すると知るがいい。

 

「「明星の光、何するものぞ。―――断ち切れ、聖魔・極晃剣(ビトレイヤー・スフィアブレイド)!」」

 

 その圧倒的な刃の連撃は、更に魔術を併用することで、多重攻撃として切り抜ける。

 

 手裏剣にように展開しての射出も含め、増幅された連続魔力を壮絶な殲滅合戦を開始する。

 

 そして、この程度で終わらせる気は欠片もない。

 

「……合わせて和地!」

 

「……任されたぁっ!」

 

 極晃を共に振るう私達は、私が敵対しているミザリより一歩上を行くアドバンテージがある。

 

 もちろん隔離結界領域のブーストが補って余りあるが、だからといって私達の利点部分は生かせるはずだ。

 

 詳しい説明などいらない。私が進め、和地が捌く。

 

 この連携なら、ただ数を上乗せするよりできることも……ある!

 

「創造同調、投影開始―――今ここに降臨せよ、我らが神器の影達よ!」

 

「魔力供給、全力全開! 例え神滅具でなかろうと、数の暴力で押し通る!!」

 

 この魔力同調が生むは、完全再現での神器の投影。

 

 流石に神滅具は無理であっても、至っている神器ぐらいならいける!

 

 ミザリは更に魔力量をブーストするけど、遅い!

 

星宿す想いの魔剣(スターソード・オブ・スフィア)よ! 銀弾を装填するがいい!」

 

昇華の星(ステラ・ザ・ブースト)よ、星を振るいし魔剣に宿れ!」

 

 星辰奏者(エスペラント)人造惑星(プラネテス)にする星魔剣を作りだす、星宿す想いの魔剣。星辰体(アストラル)を強化して星辰奏者と星辰光(アステリズム)をブーストさせる昇華の星。この二つは全く異なる方向で、星辰奏者をブーストさせる。

 

 なら、それを同調させればどうなるか―

 

「「極晃切り裂け、我らが刃! 宿想昇華・斬撃巨星(ブーストエッジ・ギガステラ)!」」

 

 ―これが、最硬の刃。

 

 星辰体との感応が異常領域ゆえに、頑丈さという点では極限レベル。可能な限り薄くかつ切り裂くことに特化した造りもあり、只斬撃を振るうだけなら、聖魔・極晃剣すら圧倒する。

 

 この強度なら、消滅の魔力すら突破する。そして頑丈かつ切れ味が鋭いこの刃は、剣術が優れていれば優れるほど殺傷性能も絶大。

 

 ゆえに遠慮なく振るう、その一撃は―

 

「神威よここに鳴り響け、聖槍同調・大神隷属(ガングニール・ロンギヌス)!」

 

 ―振るわれる、槍のような双剣に阻まれる。

 

 ミザリが到達した聖槍の禁手は、亜種発現であっても槍をもう一本作り出せるというものだ。それを応用して、グングニルの力込みで武器を切り替えた。

 

 二刀流による防御は、脅威察知の星に行動予測の装備もあって鉄壁。こちらの連続斬撃すら、たやすくしのぎきって見せる。

 

 そして同時に次の瞬間、そこから稲光が迸った。

 

 私達が一瞬押し飛ばされるその瞬間、ミザリは柄頭を振りかぶる。

 

「跡形もなく吹き飛ばせ、聖槍同調・雷柄連撃(ミョルニール・ロンギヌス)!」

 

 放たれるは超広範囲の雷撃の波涛。

 

 回避不可能な雷撃という現象。直撃すれば致命の領域。

 

 なら、答えはシンプルね。

 

「カズヒ、やっちまえ!」

 

 投げ渡されるその刃を、私は素早くキャッチする。

 

 更に異界の蔵と同調し、和地も私の肩に手を置いた。

 

 さぁ、ここからが本番だ。

 

「……見えた、行け!」

 

「分かっているとも、そうまだだぁっ!」

 

 真っ向から襲い掛かる雷撃に、私は大きく剣を振りかぶる。

 

 流し込まれる絶大な魔力。それを私は制御して、対雷撃に特化する。

 

 これが、固有結界と大魔力、そして剣豪の腕が上乗せされた、聖約成す勝利の銀剣(カリブリヌス・シリバーレット)の超大技。

 

「愛をもって神威を超える―」

 

「我らが想いは龍神クラスー」

 

 私が勢い任せで言った言葉に、タイムラグゼロでのろけを返してくれるとはね。

 

 だからこそ、示す!

 

「「極限突破の共同作業! 勝利齎す銀婚魔剣(ウェディング・エクスカリバー)ッ!!」」

 

 自分達でも驚くぐらい、この火力は絶大だ。

 

 間違いなく、イッセーですら出せないだろう。ロンギヌス・スマッシャーの二倍はあるだろうこの攻撃は、ミョルニルと言えど乗り越えられる。

 

 そして突き破った魔力斬撃は、そのままミザリの魔力防御をあっさり突破。一気に彼を呑み込み―

 

「神命を告げる、この聖域にて狼藉を禁ずる。――聖墓同調・神威庭園(カテドラル・パンテノン)ッ!」

 

 ―広域に展開される神威の合唱が、それを拡散させ威力を削る。

 

 これは、おそらく隔離結界領域の神々全柱を利用した防御空間。

 

 神の命令により事象を歪め、攻撃を防ぎ切ったというわけね。

 

 そして同時に、分散された砲撃を受け止める四つの盾も見える。

 

 聖十字架の亜種禁手は、更に攻撃端末を多数展開。

 

 その全てが、ありえないほどの炎を見せる。

 

「神話を焼き消す炎の後継、神威の炎を使いし天使よ」

 

 今度はウリエル様に、サーゼクス様の眷属たるスルト・セカンドを利用した大技か。

 

「和地、こっちも!」

 

「分かってる!」

 

 聖墓を利用した固有聖域に、和地の星魔剣を分散設置。それらを利用した即席の魔法陣により、私達は結界を展開する。

 

 そして、更なる上乗せは単純明快!

 

「万象一切焼き尽くせ――聖架同調・神苑紫炎(インシネレート・ラグナメギド)ッ!!」

 

 放たれるは、人界も神域も焼き尽くすだろう、ありえない火力の紫炎の投射。更に神々から炎に由来する力まで上乗せしている強化仕様。

 

 これまたロンギヌス・スマッシャーすら超える火力。喰らえば一瞬で灰すら残らず蒸発する。

 

 だけどねぇ―

 

「神威如きが愛を汚すか!」

 

「愛の巣に無粋は厳禁よ!」

 

 ―テンション上がりまくりの和地と、乗りに乗ってる私を舐めるな。

 

 まして、神威を混ぜた攻撃ならばっ!

 

「銀の光よ神威をはじけ、神破結界・銀光青壁(アヴェンジング・タイタス=クロウ)!」

 

 こちらは十分対応可能よ!!

 

 アヴェンジングシェパードとライズセイバー、そして和地の星辰光を同調させた合わせ技。

 

 威力の上乗せに神威を混ぜたのが運の尽き。今の私達の連携なら、防御においても神殺しよ。

 

 能動的迎撃の私がCIWSなら、和地はまさに鉄壁のシェルター。いわばこの連携は、無限生成されるリアクティブアーマーといえるでしょう。

 

 耐え破壊するこの防壁なら、神威であろうとそう簡単には―

 

「これぞ絶技。ゆえに観覧の代価を徴収する」

 

 ―と思ったら、今度は一点突破で来るか。

 

 収束される紫炎は、弓矢となって携えられる。

 

 ならばこちらも遠慮はしない。

 

「こっちも行くわよ、魔力回して!」

 

「任された、逆に強化は任せるぜ!」

 

 私達は同時にショットライザーを構え、そしてお互いに強化を開始。

 

 射手の慧眼(シュート・ザ・スナイプ)に魔力を流し、ショットライザーを大幅強化。

 

 そして更に、同時にプログライズキーを起動させる。

 

『CRY!』

 

『BALANCE SAVE!』

 

 悪を滅ぼすハウリングホッパーに、パラディンドッグが機能を拡張する。

 

 展開されるは、星を再現する魔剣の騎士達。星宿す(ディアボリック)魔の騎士団(・ステラ・クルセイダーズ)

 

 そこから放たれる多重砲撃が、連続攻撃に迎撃の大勢を試みる。

 

「絶技の焔が全てを射抜かん――聖架同調・神弓絶技(インシネレート・シラーストラ)!!」

 

「「悪意を穿て星の銀弾――銀弾波涛の星銃連隊(スターバレット・ハンドレット)!!」」

 

 放たれる圧倒的な砲撃戦。

 

 打ち合いは一瞬で数百を超え千に届く。その全てを打ち落とすが、流石に処理がギリギリで―

 

「そろそろ見えたよ、仕掛けようか」

 

 ―当然、ミザリがそれを狙わないわけがない……っ

 

 直後、射撃を放ちながらで、ミザリは私達に接近する。

 

 そして振るわれるは多重攻撃。

 

 二振りの聖槍による連撃。四つと数十の支援による砲撃。その猛攻が、私達を削っていく。

 

「流石に、いい加減にしろ!」

 

 連続攻撃を凌ぐ和地の怒りに、私も呼応するしかない。

 

「まだだ……まだまだまだまだまだまだ……まだだぁっ!!」

 

 怒りと共に覚醒を行い、強引に接近戦で食らいつく。

 

 だが同時に、そこでミザリは微笑んだ。

 

 その瞬間、拳が私にめり込んだ。

 

 あまりに重いその拳に、私は覚醒すら追いつかない一撃をもらってしまっている。

 

 この、一撃はっ!

 

「我が血、我が肉全てが世界の極み。黙示録を知るがいい」

 

 ここにきてシンプルに、トライヘキサの血肉と同調した単純な性能で仕掛けるかっ!!

 

「これぞ世界の極点なり―――聖血同調・黙示剛体(アポカリュプス・ヘキサブラッド)!!」

 

 私を弾き飛ばすと共に、ミザリは更に大量の魔法陣を展開する。

 

 これはつまり、そういう事か!

 

「魔道の極みを徴収し、ここに我が神殿を築き上げる―――聖墓同調・魔神墓標(パンデモニウム・グレイブ)

 

 ここに来て、固有聖域を潰しに来た。

 

 聖墓との同調による固有結界の特殊再現。それが私の聖墓運用法である以上、それをミザリが真似することも想定できてしかるべき。

 

 まして神々の加護とは時として土地や建物にも及ぶもの。そこに超一流の魔法使いであるマクレガー・メイザースなどの名だたる猛者が眷属として連れられている以上。聖墓と併用すれば瞬時に魔術的な土地を作り上げることも不可能じゃない。

 

 瞬時に私も喰らいつくが、物量が違いすぎる。

 

 一瞬、だが確実に制圧され、あろうことかハッキングされていく。

 

「させると思うかっ!!」

 

 ミザリの後ろから、危険を察知した和地が切りかかる。

 

 それを脅威察知で素早く回避しながら、ミザリは更に一手を組み込んだ。

 

「我に負傷を齎すならば、万死にとどろく罰を受けよ」

 

 一瞬、攻撃が当たったその時だ。

 

「……ガハッ!?」

 

 一瞬で和地の全身が爆ぜ、血反吐を吐く。

 

 更にその激痛と破壊はこちらにまで届いた。

 

 そうか。そういう事か。

 

 古来より、神に害する者は呪いや神罰を受けると相場が決まっている。まして呪いなどといったものは、悪魔などと繋がる印象が広まっているだろう。

 

 そんな存在と聖杯で同調することで、返し風のように高出力の呪詛を瞬時に発動させる。

 

 理不尽極まりない絶対者の報復。それは私と和地が人である以上、絶対に通用するカウンターとなる……っ。

 

「我に罪あり汝に罪なく、されど報復は成立する――聖杯同調・神魔罰則(グラールカース・ジャッジメント)

 

 ……届かない、という事なのでしょうね。

 

 腹立たしいけど、だけどそれは事実だ。

 

 何故なら、ミザリ・ルシファーは私達よりあらゆるものを持っている。

 

 神滅具五つをそれぞれ禁手になるほど磨き上げた。純潔なる魔王血統を、更に鍛錬で磨き上げた。数多くの英霊と契約し、それをもって組織的な力すら獲得している。更に隔離結界領域に繋がり、神滅具を経由してそれを今でも使っている。

 

 当たり前のようにすべてが上回っている。如何に極晃の天元突破を完全に封じたとはいえ、その程度の足引きでは埋めきれないさをミザリは獲得していた。

 

 ゆえに、この攻防から生まれる猛攻は、当然のようにミザリに傾く。

 

HYPER DESPAIR

 

ZETUMETU MALICE

 

 装填されたキーを起動し、ミザリは一瞬で私達二人を同じ場所に転移させる。

 

 呪詛も妨害もまだ繋がっている。

 

 必然として、私達は回避できない。

 

「さぁ、そろそろ涙嘆地獄(バッドエンド)の時間だよ……っ!」

 

 今ここに、極晃弄奏者(スフィア・ルシファー)極晃衛奏者(スフィアディフェンダー)に決着の一撃を放つ。

 

デスピアディストラクション!

 

 ディ ス ピ ア

  

   

    ラ

     ク

      ショ

        

 

 

 

 

 

 

 

 

 この戦い、勝者はミザリ・ルシファーだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、この戦いは極晃弄奏者(スフィアルシファー)の勝利である。

 

 誰もが積み重ね続けてきた。堅実な強さをもってして戦い、更に爆発的な進化すら遂げてのけた。

 

 だからこそ、ミザリがこの戦いに勝てるのは当然だ。

 

 何故ならば、ミザリ・ルシファーは意図して転生し、それを前世から積み重ねた。前世を継承して今生を成長し続けてきただけの和地やカズヒとは違う。文字通り二つの人生を完全にかみ合わせた結果がここにある。

 

 他二人に対する絶対的なアドバンテージ。その差が、この戦いの勝敗を明確に分けた。

 

 そう、ミザリ・ルシファーこそ道間に連なる転生の首謀者。自らの意思でそれを成すというその一点をもってして、勝敗の命運を分けるだけの差が誕生する。

 

 今ここに、ミザリ・ルシファーはカズヒ・シチャースチエと九成和地に勝利した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、ミザリは二人()勝利した

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その直後、ミザリを貫く衝撃が走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「令呪に命じる。俺のこの一撃を、羯磨によって直撃に導いてくれ」

 

「承りました、マスター」

 

「そしてもう一画の令呪で頼む。気配遮断を俺に貸してくれ」

 

「分かってます、イッセー」

 

 ああ、この二つの令呪。シャルロットなら絶対に形にしてくれる。

 

 それが分かっているからこそ、俺は拳を握り締め―

 

「では駄目押しだ。白色衰星(ディバイディング・ステラ)の加護を受けるといい」

 

 ―その一瞬に、全てを叩き込んだ。

 

 ……そう、九成の策はここからだ。

 

 ミザリがここまで勝てると踏んで動いている。それにあいつは極晃星(スフィア)に至ってから、割と経っていると踏んでいた。

 

 九成が想定通りの極晃星に至っても、それでも奴は強いだろう。

 

 五つの神滅具(ロンギヌス)。それを宿すアドルフ・ヒトラー。鉄壁の対応力を持つ星辰光(アステリズム)。更に純血の魔王の肉体。それを全部鍛え上げている、そんな化け物だ。

 

 だから、あいつらは本気であっても本命じゃない。手札を一つ隠したうえで、命すら賭けて挑んでいた。

 

 それを乗り越え、打倒した時に隙は生まれる。どうしても、奴はその悲劇に意識が取られる。

 

 そこに、シャルロットの気配遮断を令呪で借り受け、別の令呪で究極の羯磨による最大援護を受ける。更に今回、ヴァーリが対星辰体技の白色衰星を上乗せしてくれた。

 

 だからこそ、この一瞬を絶対に成功させる。

 

Penetrate

 

 全部上乗せしたうえでのこの透過。その力で、奴の察知を、すり抜ける。

 

 そして俺は、既に疑似龍神化に到達している。

 

 食らいやがれ―

 

「……え?」

 

 ―お前を倒す戦いの、本当の始まりをなぁっ!

 

∞……インパクトォオオオオオオオオオォッ!!

 

 その拳が、ミザリを盛大に吹き飛ばす。

 

 ああ、決まった。

 

 透過をシャルロットの力で徹底的にブーストすることで、あいつの共感覚の察知をすり抜ける。それも、最高レベルの感極まったその瞬間に。

 

 これが、ミザリを倒す為の一手に繋げる攻撃。その、最大の奥の手だ。

 

「……九成、カズヒ! 無事か!?」

 

 俺がミザリを警戒しながら叫ぶと、二人はゆっくりと起き上がる。

 

 二人とも変身が解除しているし、はっきり言って死んでると言われたら納得できる。

 

 だけど、起き上がった。

 

「……でかしたイッセー。ほんとお前は、こういう時に期待を絶対裏切らないよ……っ」

 

「あとは、例の切り札が通用するか……ね」

 

 起き上がる二人が視線を向ける先、ミザリは起き上がると共に聖槍を構え―

 

「……は?」

 

 ―その聖槍が消えた時、俺達は勝機を確信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 流石のミザリも困惑しているが、おかげで何とか勝ちの目は見えた。

 

 ああ、極晃星に至った程度で、逆転できるとは正直思っていなかった。

 

 思いついた極晃の形が具現化したとして、そんな都合のいい展開になるわけがない。問答無用で極晃を完全無効化なんて、同じ極晃でも反則過ぎると踏んでいた。

 

 事実、俺の衛奏は極晃の次元違いな強さこそ封じている。だが次元違いでないだけで、次元違い一歩手前レベルの強さは残っている。

 

 龍神が主神か天龍になったレベルの差程度だ。壮絶に大きいが、ミザリが元々強いことまで考えれば十分危険だ。そして俺の極晃がただそれだけに特化している以上、そこから先が無いのが致命的だ。

 

 極晃に至った影響で、俺とカズヒがまともに戦えたのは幸運だったが、それでもミザリには届かない。

 

 持てる全ての総計を見れば、まだ届かないんだ。半ば偶発的にランダムな形で転生した俺達。対して意図して転生し、ある程度の方向性まで設定し、そもそも前世の段階で計画的に動いていたミザリ。その差は断絶となっている以上、極晃星という同じ土俵が一か所ある程度でひっくり返せるわけがない。

 

 極晃星抜きでも同じこと。それが、ミザリ・ルシファーという高すぎる壁だ。

 

 だからこそ、あの一瞬。誰もがトライヘキサ復活と即座の奪取に意識が向かれていたあの時。俺は目の前の光景から対ミザリの一手を思いついた。

 

 それが、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。すなわち、神器無効化能力(セイクリッド・ギア・キャンセラー)

 

 そう、俺はあの時リゼヴィムの()()()を回収することを試みた。

 

 アルケードがリゼヴィムの死体で死角を作っていたからこそ間に合った。カウンターで死にかけたが、それでも目的は達成できた。

 

 それを理解してリーネスが作ってくれた、一回限りの神器無効化礼装。一発だけだが、当てれば神器の力をバグらせる。

 

 問題はそれをどう当てるかだったが、まさにいいタイミングで決まってくれたよ。ありがたい。

 

 ミザリは五つの神滅具を持っているが、それは禁手止まりだ。正攻法で神器が神器無効化能力を突破するには、D×Dクラスの出力が必須。如何に上位神滅具と言えど、ミザリはまともなレベルにとどまっているから……特注品を作れたらごらんのとおり。

 

 しかも、ミザリは弄奏の残滓を神滅具を経由する形で使っていた。つまり()()()使()()()()

 

 あまりの事態に、悟ったミザリは愕然としている。

 

「まさか、衛奏は半分囮だったのか? あくまで前座で、本命なのはこの一撃……っ!」

 

「ああ、そうだ! 九成達は、この一撃の為だけに今までお前に食らいついたんだよ」

 

 俺達に代わって、イッセーが拳を突き付けて宣言する。

 

「俺やヴァーリならともかく、九成やカズヒがそこの拘りを重視すると思ったか? お前レベルが相手なら、これぐらいのことはする連中なんだよな……っ!」

 

「そういう事よ。できることなら、あまり他の手は借りたくなかったけれど……ね」

 

 カズヒもまた、少し苦い表情を一瞬浮かべてそう繋げる。

 

 だけど、すぐにそれも切り替えた。

 

「それに拘ってやらかしたら、それこそアウトというものでしょう? これは宿命の戦いだけど、宿命だけには、頼らないのよ」

 

 ああ、そうだ。

 

 この戦いで、俺達はそこは見誤ってない。

 

 つけるべきケジメはある。つけたい因縁もある。それは事実だ、認めよう。

 

 だが、それをもってして俺は魔剣の切っ先を突き付ける。

 

「それ以上に、俺達は涙嘆地獄(バッドエンド)を食い止めたい。今日を嬉涙旧済(グッドエンド)にする為に、俺達は戦っているんでな!」

 

 お前の敗因はそこだ。

 

 俺もカズヒも、瞼の裏の笑顔に誓い、約束された勝利を刻む。

 

 その誓いが、宿命の勝負に囚われることを防いでくれた。

 

 そこをお前は見誤った。だからこそ、部外者の介入に一手が遅れた。

 

 でなければ、例えどれだけイッセーが策を弄しても、ここまで綺麗に決まることはなかったはずだ。

 

 そう、だからこそ!

 

「決めるぜ、カズヒ! 俺が、お前が、俺達が!!」

 

「そう、世界(誰か)勝利(笑顔)を守る為! ここで、ミザリを、倒して見せるっ!!」

 

『『ショットライザー!』』

 

 俺達はショットライザーを装着し、そしてすかさず引き抜いた。

 

 そしてあらわになる基部に、素早く最後の手札を装着する。

 

『『リスタートバックル!』』

 

 装着される、一対の増設ユニット。その名もリスタートバックル。

 

 ……リーネスは、対ミザリを考慮してカズヒの更なる強化装備を設計していた。

 

 それこそが()()()()()()()()()()()。専用仮面ライダーであるリスタードを開発するプロジェクトだった。

 

 だが、そこに極晃星の存在や、ヒマリやヒツギの問題から生まれたクリムゾンユニットを知り、大幅に修正された。

 

 それこそがリスタートバックル。互いの共鳴と同調を行い、極晃星の共鳴と同調することで互いに更なる強化を齎す拡張デバイス。

 

 だからこその、仮面ライダーシルバードーマ。俺のAIチップを一新し、カズヒにAIチップを埋め込む。そしてそれらを同調前提にすることで、新たなる一対の仮面ライダーを降臨させる。

 

 さぁ、ここからが決着だ。

 

『Let's Re start』

 

『It's Re start』

 

『I'm Re start』

 

『You're Re start』

 

 周囲をライダモデルが展開し、俺達を守るように回転する。

 

 ミザリは動揺しながらも魔力砲撃を放つが、イッセーが迎撃するまでもなくそれは防がれる。

 

 そして俺達二人は、小さく目配せを交わすと頷いた。

 

「愛してるぜ、カズヒ。だからこそ、ケジメをつけよう」

 

「ええ、和地。私があなたの隣にいていい、容認ぐらいはされたいもの」

 

 そして、俺達は引き金を引き絞る。

 

『『ショットライズ』』

 

「「変身ッ!」」

 

 展開されるショットモデルは、いくつも放たれお互いの周囲を回る。

 

 そして次の瞬間、互いの装甲となって顕現する。

 

『『Kamen Rider Restart!!』』

 

 これこそが、比翼連理の仮面ライダー。

 

リスターティングホッパー! It's re start

 

 カズヒが至るは、仮面ライダーリスタートシルバー。

 

パラディンドッグ! Then smilling silver bullte. Saver is extreme over

 

 俺が至るは、仮面ライダーリスタートセイバー。

 

 さぁ、覚悟はいいか……ミザリ・ルシファー!

 

「ははははははっ! これが悲劇か、美しい……けど!」

 

 その瞬間、ミザリは凄まじい魔力を大量に展開する。

 

「堪能するには、乗り越える努力がいるだろうっ!!」

 

 そして素早く放つその瞬間―

 

「いや、その無粋はダメだろう?」

 

Satan Compression Divider!』

 圧倒的な力が、その魔力を尽く圧縮して消滅させていく。

 

「悪いが俺達はドラゴンだ。ここは前座ぐらいにとどまらせてくれ」

 

「ヴァーリかっ!」

 

 ここに来て、ヴァーリまで来るとはな。

 

 あと鎧がとんでもないことになっているが、イッセーの龍神化みたいだな。

 

「このD×D(ディアボロス・ドラゴン)(ルシファー)、魔王化の力をもって道は作った。あとは君達が決めるといい」

 

「貴方もつくづく化け物だね」

 

 カズヒが少し苦笑するが、この隙は決して逃せない。

 

 俺達は意を決し、そして足を踏み込む。

 

「……そういうこった、行ってこい」

 

 その言葉と共に、イッセーは譲渡の力でこちらを後押しする。

 

 ……ああ、行ってくる。

 

「「終わりだ、ミザリッ!!」」

 

『『SPHERE!』』

 

 リスタートバックルを起動し、俺達は素早く攻撃態勢をとる。

 

 ヴァーリの攻撃で動きが止まったミザリに、カズヒはショットライザーで一発の射撃を敢行、直撃した瞬間、それが拘束具となってミザリの動きを封じる。

 

 そして俺は脚部に限界までエネルギーを籠め、そして互いに頷くと飛び上がった。

 

リスターティングハイパーメガブラスト!

 

パラディンメガブラストフィーバー!

 

 放たれる二つの攻撃を、ミザリは回避することができず。だが一瞬早く拘束だけは弾き飛ばす。

 

「甘いよ!」

 

 蹴りがそれを受け止めるのと、ミザリがドライバーを起動させるのはほぼ同時。

 

『HYPER DESPAIR』

 

『ZETUMETU MALICE』

 

『ディスピアディストラクション!』

 

 放たれる攻撃は競り合いになる。

 

 一進一退。だが、俺達の場合は今までの消耗が大きい。

 

「まだだ、まだだ……まだだぁあああああああっ!!」

 

 カズヒが覚醒を遂げる間にも、ミザリの力も増えていっている。

 

 これは、神器無効化能力が薄れている!?

 

「どうやらこちらもまだまだだね! ふふふ、この窮地を乗り越えれば、絶対の勝機を掴めなかった君達の嘆きが見える!」

 

 その考えは確かにそうだろう。

 

 決定的な一撃を与える切り札であり、神器無効化能力弾頭。

 

 それを突破してしまえば、ミザリはここから逃げるぐらいはできるだろう。

 

 そう、それは確かにあり得る未来で―

 

「いや、まだだッ!」

 

 ―俺はそれを許さない。

 

 聞こえているだろう。分っているだろう。

 

 お前が俺に託されたのは、確かに春奈を支えて貰い受けたことに対する餞別だろう。

 

 だが、目論見がないわけじゃないだろう。あの男が、形はどうあれ冥界の未来を憂いて行動したあの男が。それを考えなかったわけがない。

 

 お前がヴィール・アガレス・サタンを認めたというのなら―

 

「―少しは冥界の未来の為に、悲劇を祓って見せろ! 鮮血の聖別洗礼(パプテマス・ブラッド)ぉおおおおおおっ!!

 

 その言葉に、俺の全身が焼け付くように熱くなる。

 

 その瞬間、俺から具現化するは絶対的な聖なるオーラ。

 

 同時にカズヒの聖墓が呼応し、まだ解け切れてなかった聖域に対する浸食が吹き飛んだ。

 

 その力は、確かに拮抗を崩し―

 

「「終わり……だぁああああああっ!!」」

 

 ―ミザリの一撃を足ごと吹き飛ばし、奴に直撃する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その一瞬、カズヒの泣き笑いが、仮面越しにも見えてしまった。

 

「さようなら、ミザリ。……愛してました、道間誠明……誠にぃ……()()()()()()……っ」

 

 その言葉に、仮面が砕けていくミザリは、陶酔の表情を浮かべていた。

 

「ああ、とても……悲劇(綺麗)だ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、明星戦乱の決着をつける、破壊が空間に広がった。

 




 シルヴァリオ恒例「極晃星同士の戦いは勝利するラスボス」

 現実問題、ただ極限突破を極限にとどめる程度の極晃星では、それだけだと勝ち目はさほど大きくありません。ミザリのようにそれ以外も最高水準にまとめているのならなおのこと。

 そして和地はミザリが脅威であることをきちんとわかっていました。だからこそ、あの時動いて……リゼヴィムの体細胞を確保したのです。

 それで完成した、神滅具だろうと常識的な領域なら一時的にバグらせる限定礼装。それを叩き込むのも難点でしたが、令呪を二画使ったブーストでシャルロットの援護を受け、さらにダメオシでヴァーリの対星辰光技である白色衰星まで追加でセットしての一撃を叩き込んだわけです。

 そして最後のとどめにため込んでいた、新仮面ライダーである二体の「リスタート」。

 活動報告でもありましたが、もともとカズヒと和地の最終決戦では、カズヒ用の完全オリジナルドライバーを使う「仮面ライダーリスタード」及び、ショットライザーの拡張ユニット「リーサルユニット」を使用した「仮面ライダーマクシミリアンリーサルヴェイティングドッグ」にする感じで脳内プロット仕込んでおりました。

 だがいろいろ他の要素とかの設定をやっているうちに、これを大幅改定することを決定。極晃星という一対の運命にふさわしい、足して2で割った「リスタートバックル」を利用する二体のリスタートで決着をつけることにしました。

 イメージとしては仮面ライダーゼロワンで、リアライジングホッパーが出た感じで決めたといったところです。あれ、ちょっと感動モノでした。





 さて、思ったより短くなりましたが、最終章もあと一話で終了。

 第一部の最終話、明日になりますがぜひ楽しんでいただきたい。
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