好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
和地Side
約二十分後
……いかん迷った。
人間界のビルと同じ感じで移動してたけど、やっぱり世界と種族が文字通り違うからか、際に引っかかって完璧に迷った。
とりあえず此処にとどまって従業員が通りがかるのを待って道を聞こう。
従業員以外だとガチで偉い人とかに聞いて失礼なことになりかねないからな。最悪部長の名前を出せばしのぎきれるだろうが、変なところで部長に余計なマイナスイメージをつけるのもあれだしな。あと自分から移動すると、変なところに入って揉め事に繋がるかもしれない。
……遠巻きに発見されて、不審者扱いされないことを祈ろう。真面目に祈ろう。
俺はそう願いため息をついた。
「………なんでこんなところにいるんですか?」
そしたら探してた人が見つかったよ。
っていうか、後ろから声をかけられたよ。
なんか気恥ずかしい気分になったけど、俺は少しだけ息を整えると振り返った。
「後姿を見かけたんで、挨拶しようと追いかけたら道に迷ったんだよ……インガ姉ちゃん」
そう、俺が見つけたのはインガ姉ちゃんだ。
一応電話番号は後処理とかで移動する前に、春っちに頼んで渡してもらってたけど、結局今まで連絡がなかったからな。
春っちからは二回ほどメールが来たけど、インガ姉ちゃんからは何もなかったから気になってたんだ。
……まあ、春っちのメールも「そういえば特訓してるって聞いたけど、グレモリー眷属と手合わせしてるの?」と「明後日に悪魔はパーティ開くけど、和っちは参加するの?」といった世間話程度ではあるけど。
ちなみに後者に関しては春っち達は参加しないそうだ。来てるなら紹介ぐらいしたかったんだが、残念。
後ゲスト扱いになるだろうに来なかった理由に関しては、「大人が酒を呑む名分扱いにされるのを主が嫌がったから」らしい。イッセーから聞いた話といい、ヴィール・アガレスはストイックというかなんというか……余計な敵を増やすタイプだな。
ま、それはそれとしてだ。
「一人でパーティ会場を出るとか、何かあったのか?」
「いえ、……あ、気づいてませんね?」
え、なにが?
俺が首を傾げてると、インガ姉ちゃんは人差し指でふとある方向を見せる。
……二つの入り口が並んでるな。別々の模様がついているけど、なんだあれ?
「……トイレに行ってました」
「……知らぬとはいえセクハラしてごめんなさい!」
速攻で頭を下げた。
いかん、質の悪い失敗だろコレ。セクハラ一歩手前っていうか、見方によってはセクハラだろ。
もしトイレだと分かってやっていたのなら問答無用でセクハラだ。
正直冷や汗がだらだら出てきそうだけど、インガ姉ちゃんはふと噴出して笑う。
「和地君って、意外と抜けているところありましたよね?」
「……否定はしない。そして今も抜けてると言われたら反論できないし納得できる」
なにせ成長の仕方が特殊過ぎるからな。なんというか抜けているといえる輩に育てられた所為か、何かが抜けていると言ってもいいと思う。
子供の頃から変わり者なのに、まともじゃない育てられ方まですればそりゃ変人にもなる。
まあ、インガ姉ちゃんはそういう意味で言ったわけではないけどな。それでも、ある意味真理をついているというべきか否か。
何とも言えない気持ちになっていると、インガ姉ちゃんは静かに首を振った。
「此処にいるということは、たぶんリアス・グレモリー様との付き添いですね? 駄目ですよ、私なんかよりあの方達を気にするべきです」
そうたしなめるインガ姉ちゃんだけど、俺は即座に首を横に振った。
思わずきょとんとなってるところ悪いけど、それは違うと断言できる。
ああ、俺達の付き合いはそこまで長いわけじゃない。それどころか、つい数か月前に出会ったばかりで元々は一時的な共闘止まりだった。
だけど、長い付き合いが理解を深める余地が多いからと言って、短い付き合いだから何も分からないってわけじゃない。
ああ、これだけは言える。
「そんな風に言う人達じゃないよ。部長もイッセーも、それに
カズヒ姉さんなら、非常時とかならそういうこともあるだろう。
逆にイッセー達は、非常時だからこそ自分達に任せろとか言いそうだ。
だけど、今この時なら断言できる。
「大事な思い出を共有する人をおざなりにしろなんて、好き好むような人じゃない。だからこそ、今でも大事なインガ姉ちゃんに気遣えるんだ」
ああそうさ。それだけははっきりと言うことができる。
今でも、俺にとってインガ姉ちゃんは大事な思い出だ。生きてそれを共有できると思っているから、だから俺にとって大事な人だ。
だから―
「ずっと落ち込んでる姿を見るのは悲しいし、そんなに悲しいなら誰かに相談していいんだぜ? 主に迷惑かけたくないなら、こっそり俺にメールで相談してくれよ? 毎度毎度とは流石に言わないけど、たまに愚痴を聞く程度はしてやりたいからさ」
俺は本心から、そうはっきりと告げ―
その瞬間、状況がまさにその非常時になったと直感が告げた。
イッセーSide
くっそぉ! これマジでヤバい!
―シャルロット!? シャルロット聞こえるか!?
練習していた念話をぶっつけ本番で繋げると、すぐにシャルロットから返事が来た。
―イッセー? どこに……いえ、非常時ですね? 状況を教えてください。
察しがよすぎるぜシャルロット。でも本当に助かった。
今、俺と部長と小猫ちゃんはかなりまずい状況だ。
きっかけは、一通りの挨拶回りが終わって俺は休憩をもらって少しだ。
ライザーの妹のレイヴェルからなんか挨拶されて、そのあと付き添いだったライザーの眷属からなんか妙なことを言われた後。
何故か焦って走っていく小猫ちゃんが見えたから、俺はそれを追いかけた。その時部長にも気付かれて、一緒に一回に降りて探してたんだ。
そして小猫ちゃんを見つけたけど、そこに一人の女がいた。
なんとそいつは小猫ちゃんのお姉さんで、はぐれ悪魔の黒歌。しかも美猴までいて、仙術ですぐに気づかれた。
間違いなくヤバい、これはヤバい。
そしてそれを俺が素早く説明すると、シャルロットがなんかちょっと返事が来なくなった。
「ちょ、シャルロット!?」
―大丈夫ですイッセー。すぐに警備員に連絡しました、人はすぐに来ます。
あ、そうなんだね!
本当にありがとう、シャルロット。あとはしのげば何とかなるし、むしろ伝えたら逃げてくれるか?
俺がちょっと期待した時、黒歌が念話に気づいたのかこっちを見た。
「……サーヴァントと念話で連絡したのかニャン? でも全然問題ないのよねー」
その瞬間、周囲の感じがなんか変わった。
な、なにが起きた!?
俺が戸惑っていると、部長が歯を食いしばりながら黒歌を睨み付ける。
「黒歌、貴方まさか……空間を操る術まで習得したのね?」
「正解にゃん。これで空間を断絶したから、増援が来ても来れないわよ? さっさと白音を返した方が得じゃない?」
「すげぇだろ? 俺っちも弱い者いじめする趣味はねえし、そうすりゃさっさと返すからよ?」
美猴までそんなふざけたこと言いやがって! なめんじゃねえ!
仲間を差し出すなんて論外だ。まして、部長達のおっぱいを半分にしようとしたヴァーリの仲間になんて尚更だ。
でもどうする? シャルロットが近くにいない状態じゃ、禁手って到達できるのか?
俺が不安に思った時、シャルロットからの念話が届く。
―イッセー。警備員のおかげで状況は分かっています。それと打開策も存在します。
え、マジで?
そんなあっさりと思って俺が驚いていると、黒歌含めてみんな怪訝な表情を向けてきた。
ちょっと泣きたいけど、それよりシャルロットからの念話が届く。
―令呪を使って私に「周囲の者を連れてこちらに来い」と念じてください! 既に転移の準備もしているので、一人か二人なら呼ぶことが出来ます!
……え、令呪っていうと、あの強制命令権?
え、でも転移も無理っぽい感じで言ってたし、それで大丈夫なの?
―戸惑っているのでしょうが非常時です! 早く!!
よっしゃ分かった。相棒がそこまで言うならやってやるぜ!
思うのはシャルロットの柔らかくておっきなおっぱい。それをイメージしながら、俺は鍛えて少しは強くなった魔力を令呪に流して吠える。
「周囲の人達を連れて、来てくれ……シャルロットぉおおおおお!!」
その時、令呪がほんのり厚くなって、一つ消えるのを覚える。
そして同時に強い光が輝いて―
「あらあら、こんなところにテロリストが来るなんて末恐ろしいですわね」
「……部長、イッセー、小猫! まだ大丈夫なようだな?」
「なるほど、これが令呪の応用か。……部長、下がってください」
「皆さん、お怪我はありませんか!?」
「あわわわわ……なんでこんなところに禍の団がぁあああ!?」
え、み、みんな!?
俺達全員が面食らってる中、朱乃さん達の中心にいた、シャルロットが包丁の切っ先を美猴に突きつける。
「美猴と共にいるということは、そこの貴女もヴァーリチームということですか。……態と因縁のあるメンバーをスカウトする方針というわけではないのでしょうが、皮肉が効いている構成になりそうですね」
シャルロットの頼もしすぎる強い視線に晒されて、美猴も黒歌も流石にちょっと警戒してるみたいだ。
「……おいおい、空間ごと隔離したんじゃねえのかよぃ」
「そのはずよ? それも突破されたわけでもなく素通りとは、サーヴァントの令呪……いえ、
た、助かったぜ。
これだけいるなら、もう一安心だ。
何よりシャルロットがいるなら俺も禁手になれる。ヴァーリが来ない限りこれで大丈夫のはず―
「―――全く、遠巻きに見学すると言っておきながら、こんなところで何を発見されているのですか?」
―そう思った時、美猴と黒歌の後ろの空間が割けた。
そこから現れたのは、眼鏡をかけた金髪の、木場とはまた違った感じのイケメン。
そして一緒に現れたのは―
「……ふぅ。シャルバ達の余興に付き合うのも面倒だったけど、これならいい感じに暇潰しが出来そうだ。礼を言うべきかな?」
「……ヴァーリ!」
―俺の宿敵とかいう面倒な奴。
最強の白龍皇になるとまで言われた、ヴァーリ・ルシファーが現れやがった……っ
まさか、こんなタイミングで会う羽目になるだなんて、流石にキッツいぜ。
俺が歯を食いしばっていると、部長は何かに気づいたのか肩を震わせた。
え、一体なんだ?
ちょっと戸惑っていると、部長は全身から強い魔力をたぎらせて、ヴァーリ達を睨みつける。
「余興に付き合う……このタイミングでいうということは、まさか禍の団は此処でテロを起こすつもり!?」
……あ。
俺達がそれに気づいた時、ヴァーリは何故かため息をついていた。
「箔付けになるから顔だけでも出せと言われたけど、正直そういうのには興味がなくてね。君達が黒歌と出くわしてくれてよかったよ」
おいおいマジかよ。
みんな、大丈夫か!?
Other Side
「……これで大丈夫なの?」
パーティとは別の意味で騒がしくなっている中、カズヒ・シチャースチエは疑念の視線を相手に向ける。
それに対して、視線を向けられた相手は静かに頷いた。
「大丈夫だろう。令呪は自死すら強制するだけの強制力があるゆえに、双方の合意に使用すれば絶大なブースターとなる。更にこちらが亜種聖杯戦争で確保していた余剰令呪も数画ブースターに使ったのだから、これでリアス嬢の元に彼女達は着いているだろう」
答える男はフロンズ・フィーニクス。
ことの発端はシャルロット達がカズヒ達と合流して少し経ってからだ。
和地、リアス、イッセーがそれぞれいなかったことから世間話レベルで情報交換をしたその時、まさにそのイッセーからの念話をシャルロットが行い、状況が発覚。更に空間遮断まで行われた結界を張られたことで、増援を送り込むことも難しいという事態になってしまっていた。
そこに小猫と朱乃に使っているかどうかをいい機会だから確認しようと探していたフロンズが、令呪を利用した転移を提案。更に自分達が亜種聖杯戦争を行った際に確保していた余剰分の令呪をブースターとして使用することで、グレモリー眷属を転移させるという手法が提案された。
時間がないことから即断即決で行い、そしてシャルロット達が消えたことは確認。しかし結果として状況を知るすべがなくなったことに気が付いたので、カズヒが少し懸念を漏らしたのが此処に至るまでの流れである。
「困ったものねぇ。仙術使いは隠匿や索敵に長けているけれど、更に他の術まで多数使われたら察知は困難だわぁ」
「むぐぐぐぐ……っ。こんな方法で仕掛けてくるとはふてぇ野郎ですの! 私もぶっ飛ばしに行きたかったですのにぃ……!」
「まあ、巻き込まれている方々から考えればグレモリー眷属が優先されるべきところでしょう。我々は隔離結界がどうにかなるのを待つべきでしょうね」
リーネス達がそう語る中、しかしカズヒは内心で懸念を覚えている。
ヴァーリチームがここに来ているのは別に構わない。短い付き合いだが、ヴァーリや美猴はスタンス的に自由人だ。禍の団においてもかなり自由の振舞っている可能性は十分ある。
だがしかし、だからこそ解せない。
いくら禍の団がヴァーリ達を自由にさせているからと言って、冥界の比較的大きなイベントにあのメンツを全員行かせることを良しとするだろうか?
万が一、万が一ではある。
だが、万が一だ。
来ていることがばれても、討伐されないような事態を引き起こすとしたら……?
その懸念を念の為指摘するべきかと、カズヒが口を開こうとしたその時だった。
「……あれ? なんですの、あの黒い霧は」
ヒマリの言葉に、それが聞こえた者達は彼女が向いている方向に振り向いた。
ヴァーリチームが近くに出没したということでざわついていた中、その為会場の中央部に視線を向けている者はいなかった。
そこに、黒い霧のようなものが現れている。
明らかにおかしい。明確に異常事態だと、ほぼ全員が警戒する理由がそこにある。
そして長命な異形達の中には、それがどういう脅威なのかすら把握できる者がいた。
「
「
狼狽する悪魔達が見つめる中、切から声が響く。
「さえずるな。貴様達の真なる王が降臨だぞ」
その言葉と共に、現れる影は複数人。
「へー、悪魔のお偉いさんっつっても、人間とさほど変わらねえんだなぁ」
「というより、異形というのはかなりの割合が人とさほど変わらぬ姿をしておるからのぉ。あまり目新しいものを求めぬ方がよいぞ?」
そう、謎のヒューマギアと語り合いながら現れる少女の姿に、カズヒ・シチャースチエは奥歯が砕かれるのではないかというほど歯を食いしばる。
「九条・幸香・ディアドコイ……っ」
「そう、彼女は確かに……」
そんなカズヒの隣で悲し気な表情を浮かべるリーネスだが、すぐに表情を警戒に改める。
何故ならば、この場における主役は彼らではない。
そう、主役とは―
「偽りの魔王におもねる者達よ、お前達に悪魔としての誇りがあるのなら、今この場似て跪くがいい」
「クルゼレイの言う通りです。恥を知るのなら黙して従いなさい」
「最も、我々魔王の名を僭称する者達には死んでもらうがな。これは決定事項だと知るがいい」
―その言葉だけで、彼らが何者かがこの上ないほどに分かり切っている。
禍の団における最大派閥とされる、旧魔王派。
彼らによるテロが、今この場で引き起こされた。
というわけで、旧魔王派は此処で顔出しです!
味方以上に敵を強化する主義の自分であり、今回この三人には割と章ボスレベルの難敵になってもらうつもりなので、結構強化されております!