好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
……しかしこの作品、評価がめちゃくちゃ低いんだよなぁ。
結構な自信作だったんだけど、なんで0が二つも来るのやら。せめて黄色になってほしい………
和地SIDE
アーネ・シャムハト・ガルアルエルにベルナ・ガルアルエル。
俺はそんな二人の態度を見たことで、直感的に何かを悟る。
だから―
「いいだろう。その涙の意味を変えてやるっ!」
―俺は直感でベルナに突貫する。
素早く拳を握り締め、俺はベルナに殴りかかる。
その瞬間、目の前に氷の壁が発生した。
拳は叩き込まれ氷が割れるが、あまりに簡単に割れすぎ、更に衝撃が殺される。
これはあれだな。クラッシャブル・ストラクチャとかそういう奴。
しかも水がだいぶ充填されている当たり、氷そのものは既にヒビが入っているとかそんな感じか。一瞬だったが透明度が結構あったんで気付かなかった。
あの一瞬でこっちの攻撃を受け止めるのに特化した氷の生成……いや、水も踏まえると氷水操作系の
「あら、私の可愛い妹に手を出しちゃ駄目よ?」
―その瞬間、拳銃の銃口がこっちに向けられていた。
咄嗟に回避するが、思った以上に弾速が早く頬を掠め―
「グッ!?」
その瞬間、盛大に爆発した。
冗談だろ、何だこの爆発力!?
拳銃の破壊力じゃないだろう!? というか、なんかの神器か!?
「悪いな姉貴、……助かった」
どこかほっとしているかのような残念そうなその物言い。
そんなベルナに微笑みながら、アーネは銃を油断なくこっちに向ける。
同時に敵の人型兵器がこっちに向かって射撃を敢行する。
一発一発は小型の榴弾程度だが、こうもぽこじゃかぽこじゃか撃たれると流石にきついな。防壁でカバーできるが、数が多い上にヒット&ランをしっかりこなしているから対応するのも中々めんどい。
そう思っていると、更にアーネとベルナがこっちに攻撃を叩き込む。
アーネはさっきの爆発する銃弾を使ってこっちに速射を仕掛け、ベルナは自分の後ろから氷の大砲を作り上げると、それを使ってこっちに砲撃を叩き込む。
あ、これまずい。
とにかく全方位から砲撃が叩き込まれてるから、防戦一方というか反撃に転ずるチャンスが少なすぎる。
ええい、とにかくこういう時は前向きにだ。
俺は回避しながら意識を切り替えると、ガルアルエル姉妹に鋭く視線を向ける。
「………何が可愛い妹だよ。お前の目、どっかで見たことあると思ったが確信したぜ」
俺はあの目を知っている。
愛情を向けていると思っている。そう確信している目。
だが同時に、イッセーの両親がイッセーを見る目とは全く異なる、異質な目。
俺はそれを真っ直ぐに向け、内心のイラつきと直感に従う。
「……アンタはザイ―」
「うるせえよ」
その瞬間、キャニスターのような散弾をベルナが放つ。
さっきまでは一発一発が回避しやすかったが、こうなるとマジでヤバい。
ああ、回避しやすかった砲撃から確実に当てる為の砲撃に切り替えた。この意味を理解して俺は寒気を覚える。
まずい、涙をぬぐうつもりが逆上させた……っ!
「あんたにとやかく言われる筋合いはねえ。……全員床を墜としな! 上から一気に圧殺してやるよ!!」
確かこの下、吹き抜けフロアになってるから数十メーは落ちるよなぁ。
上を取られるってそもそも、圧倒的に不利なアドバンテージだし―
「じゃ、そういうことでね?」
これは、ちょっとガチな展開になってきたな……オイ!
OtherSide
一方その頃、ホテル外周部の戦いは文字通りの激戦になっていた。
大型化による高性能化と白兵戦すら考慮したサイズを踏まえた4m強のサリュートⅠの設計は、禍の団にとって派生形の開発を求めるのには都合がよかった。
その過程で禍の団の数を抑える戦力として、有人機としての開発が進められたのも当然だろう。
そもそも星辰体運用兵器としての
その根幹ともいえる
星辰光はその性質上、似通ったものはあっても同一のものは存在しない。必然として唯一無二という代物であり、現代軍事的に考えればどうしても癖が強い種別となる。
そこに対して人造惑星サリュートⅠは、同一の星を大量に揃える余地があるという点で非常に魅力的であり、その設計を流用することで、同じ星辰光を使う兵士達を疑似的に大量動員することができるというのには十分な価値があった。
そしてその過程に人工神器技術がかみ合ったことで、サリュートⅡの星は分かり易いものとなる。
すなわち、人工神器の強化能力。
技術的問題でどうしても神の子を見張る者に質で劣る人工神器を、ある程度の大型化と星辰光による同調強化によって補うという、一種のコペルニクス的転回ともいえる発想だった。
これにより、発動前では装甲戦闘車両程度の機体だったサリュートⅡは文字通り星辰体運用兵器として戦闘が可能となる。
歩兵戦闘車のチェーンガンレベルの連射速度が限界の榴弾の連射が、リボルバーカノンのそれになるのはそれだけでも絶大だろう。秒間二十発を砲身冷却で半永久的に放ち続けることができるというのは、十分すぎる脅威となる。
またミサイルやロケットランチャーも再使用を短時間に可能とすることで、遠距離戦闘においても優れた機能を発揮可能。
近接武装も威力を向上させることができ、格闘戦でも十分異形に通用する戦闘能力を会得することができる。
更に移動面でも大幅に強化されたそれは、人工神器という補正を加えたことで並みの星辰奏者を超える軍事兵器として完成した。
……だがしかし、それに相対するのは並みの星辰奏者ではない。
最低でも並みレベルの星辰奏者として上乗せされた悪魔祓いが挑めば話は全く変わるのだ。
デュナミス聖騎士団はそれを成せる精鋭。厳しい鍛錬を積み過酷な戦いでもまれ、その上で星辰奏者としてのポテンシャルが上乗せされた、正真正銘の精鋭部隊。
そんな彼らが増援として現れたのは、非常に単純な理由だ。
彼らは本来、冥界の軍事部隊と合同演習を行う予定だったのだ。
今後の禍の団との戦いを見越し、サリュートⅠに代表される敵の新兵器を警戒した結果、三大勢力で軍事的連携を強化する必要性が生まれていた。
これに対してサリュートⅠなどに興味を持っていたアジュカ・ベルゼブブも手を貸す形で、大規模模擬戦の準備を進めていたらこうなったのだ。
結果として、その戦いは文字通り最高レベルのそれへと変わる。
「ぬぅうううううううっんっ!!」
豪快な方向と共に振るわれるメイスが、一撃で三機のサリュートⅡを吹き飛ばす。
「悔い改めるなら投降せよ! 拒むのならば問答無用!! 我らの前でテロ行為など、早々好きにさせると思う出ないわぁ!!」
そう吠えるのは、デュナミス聖騎士団の団長でもあるストラス・デュラン。
その豪快さは見るからに派手で大味だが、だが隙があるかと言われればそんなことは全くない。
大火力攻撃は派手故に隙が生まれやすいが、然しそれは掻い潜れればの話。
圧倒的な身体能力と巨体から繰り出される其れは、大型武器でありながら比較的小型な両手武器レベルの技術を誇り、掻い潜ろうとした瞬間に第二劇で吹き飛ばされるのがオチとなる。
その圧倒的猛攻を行うその姿は、当然の如く騎士団の者達の士気を底上げする。
そう、派手ということは目立つということ。そしてそれが成果をあげれば上げるほど、味方の士気は上がり敵の士気は下がるのだ。
事実彼は、窮地に陥っている区画に突撃して暴れるという行為を速やかに繰り返し、士気の差がつく頃には別の味方を助けに向かっている。
裏表のない善良さを持ちながら、同時に自分の戦い方を生かした戦略的対応ができる。決して人柄と戦闘能力だけで騎士団長の地位にいるわけではない……が、それは人の意見にしっかりと耳を傾けて、人の配置や意見の採用をしっかりできる点にこそある。
軍師や戦術立案担当の意見をよく聞き、イエスマンにならずに気になるところやどうにかしてほしい所はきちんと告げ、どうしても無理であるのならば無理強いはせず、しかし自分の尽力でどうにかできるなら要望する。
その辺りのバランス感覚があるからこそ、彼は騎士団長として成果を上げている………が。
「鉄拳制裁っ!」
同時に、純粋な拳でサリュートⅡをのけぞらせられる彼の戦闘能力も破格であることは言うまでもない。
『……すまないが南西2km先のところで味方が押さえつけられている。今から走って後ろから助けに入ってくれ』
「承知した、ベルゼブブ殿!! うぉおおおお、突撃ぃ!!」
そして今回は、かの魔王ベルゼブブを襲名した、アジュカ・ベルゼブブの指示を素直に聞いていた。
「うむ! 魔王というのには正直悪い印象があったが、指示は的確で性格も悪人ではない。もっと早く会いたかったと思いますなぁ!!」
『あまり煽てないでくれ。俺は性格面では魔王で最も善良さが薄いだろうし、軍事的士気においてもファルビウムの方が遥かに優れているさ』
通信越しにアジュカはそう言う。
これは謙遜ではなく正真正銘の自己認識だが、ストラスは豪快にそれを笑い飛ばす。
「ガハハハハッ! つまり四大魔王はすべからく善良ということではないですかな! これは良きことなり、ハレルヤぁ!」
その真っ直ぐな返答に、アジュカは通信越しで少し苦笑を返すほかない。
謀略とか腹芸には到底向いてない人格だが、そういう人物だからこそできる者達も力になろうとするのだろう。
世が世なら聖人と呼ばれうる人物かもしれないと、通信越しのアジュカはふと思った。
だがしかし、今はそこまでの余裕はないと言えるだろう。
『空間遮断の結界内に、リアス達がいると聞いている。余裕ができれば人員を派遣してほしいが……どれぐらいでできるか分かるかな?』
友の妹を気遣う程度のことは自覚があるし、何よりそれだけの結界に遮断されて何もされないとも思えない。
故に余力があればそちらに人員を回してほしいと告げておくのだが、ストラスはそれに対して首を傾げた。
「……おろ? 窮地と聞いたので既に派遣しておるが……言いませんでしたかな?」
『そうなのか?』
「それはそうでありましょうぞ。なぁに、結界さえ破壊すれば、悪魔の方々の護衛部隊も送れるでしょう。……何より」
ストラスは一瞬だけ溜め―
「奴はどこか危ういが、まごうことなく教会の戦士で最強の一角に折る者だ。奴の恐ろしさを見誤れば、例え魔王血族であると痛い目を見ると断言できますからな! はっはっは!」
―その男の評価を、特に隠すことなく断言した。
イッセーSide
クソッタレぇええええええええええ!
このタイミングで、このタイミングで!
寄りにもよってこのタイミングで、神器が使えないとか最悪だろうがぁああああああああ!
俺は思わず頭を抱えたよ。
「ドライグぅううううう! どうにかならねえのか!? ちょっとこぅ……ごり押しとか!」
思わず縋るけど、ドライグもちょっと困惑してる。
『多少面倒だな。今は神器が禁手か普通の成長化を迷っているようなものだが、此処で禁手を選択しなければいつ禁手に至れるかが分からんと言ってもいい』
つってもここで生き残れなかったら意味ないぞ!
畜生。このマジで大ピンチな状況で、寄りにもよってそんな一大事とか最悪だろ。
俺達は正直戸惑ってるけど、すぐにシャルロットはかぶりを振ると包丁を構えた。
「まずはできる限り時間を稼ぎましょう。……すべてはそのあとで―」
その瞬間、なんか凄い音が上から響いた。
俺達が一斉に見上げると、そこには真っ白な砲撃が一直線にぶっ飛ばされる光景が見えた。
え、なにあのすっごい威力の砲撃。
「冗談でしょ? ヴァーリじゃあるまいし私の空間遮断をごり押しで!?」
黒歌がかなり度肝を抜かれてるけど、これそんな威力なの!?
あとヴァーリはごり押しでぶっ飛ばせるんだ。あいつ本当にスペシャルだなオイ。
そんな砲撃を見て、木場とゼノヴィアは何故かちょっと嬉しそうになっていた。
し、知っているのか?
「あれは、彼があの時放ったのと同じ一撃……っ」
「ということは!」
二人がそう言って振り返るより早く、一人の男の人が勢いよく着地した。
「……どうやら、最悪の事態には陥ってないようだね」
あ……この人は!
「これ以上の狼藉は見過ごせないし、君は色々とやりすぎているからね。……可能ならここで打倒させてもらうよ」
「……ちょうどいい、思わぬ形で不覚を取ったからね。雪辱を晴らさせてもらうとしようか……っ」
ヴァーリが好戦的な笑みを浮かべるけど、この人ならそれも仕方がない。
ああ、助けに来てくれたのがこの人で本当にラッキーだ。
「リュシオンさん!」
「ああ、ヴァーリ・ルシファーは俺が相手をするよ。君達は他の者達を頼む……っ!」
リュシオン・オクトーバーさん。……つまり、デュナミス聖騎士団が来てくれたってのか。最高だ!!
この人本当に強い人だから、これなら何とか潜り抜けられるはず……。
俺達がちょっと希望を見ているけど、ヴァーリチームはヴァーリチームでなんか楽しそうな表情を浮かべてきやがった。
マジかよ。敵の増援を本気で楽しんでやがる。
戦闘狂ってこういう時理解できねえ。そんなに戦うのが楽しいのか?
俺が疑問に思ってると、アーサーがコールブランドを抜いて、美猴も棒を構えてきた。
「……俺っちとしてもそいつとは戦いてぇけど、まずはリーダーのリベンジマッチが優先だよなぁ?」
「そうですね。では私は聖魔剣とデュランダルの相手をさせていただきますよ」
あ、やっぱそうなるか。
俺が小猫ちゃんを庇う為に前に出ようとすると、それより先に木場達が前に出た。
「名指しされたのなら応えるしかないね。ゼノヴィア、サポートを頼むよ」
「そうだな。それが最適だろう」
木場とゼノヴィアは剣を引き抜いてアーサーと相対する。
「あらあら。では私達はあのお猿さんをお仕置きしますわ」
「……はい、頑張ります!」
「私も援護します。イッセーは小猫さん達をお願いします」
蝙蝠になったギャスパーを従える形で、朱乃さんとシャルロットが美猴に向き合った。
と、いうことは―
「……ふぅん。私だけなら三人程度でどうにかなるとでも思ってるのかしら?」
「言ってくれるわね、黒歌。小猫はあなたのところになんて行かせない……っ!」
「全くです部長。……俺の可愛い後輩を、隙に指せるわけねえだろうが……っ!!」
俺と部長で黒歌をぶちのめせってことだよな………っ!
やってやるぜ。こうなったら、意地でも俺達で黒歌を倒す!
まあこんな感じで、激戦はいろんなところで続いています。
次回はいったんパーティ会場に戻る感じですね。