好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 さて、ここからがヘルキャット編になるお話です。


魔性変革編 第二十八話 夏休み明けのサプライズ

 

 和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだぁあああああああっ!!」

 

 ……うるさい。本当にうるさい。

 

 俺は早朝五時という時間に目を覚ました。具体的には、目覚ましが鳴るより早く放たれる大声で目を覚ました。

 

 首をコキコキしながら起きれば、そこは漸く慣れた兵藤邸別館の俺の私室。

 

 ちょうどいいので、兵藤邸宅の間取りを思い返すか。

 

 この兵藤邸は元々一軒かつ六階建てレベルになる予定だった……が、神の子を見張る者(俺達)天界及び教会側(カズヒ姉さん達)が同居することも踏まえ、日照権も考慮して再設計。ついでにイッセーの両親に事情をまだ説明してないことも踏まえて仕立て直した結果-

 

 ―なんと、別館と離れとガレージが組み合わさった四件の建物で構成される、最大四階建ての建物が完成したではありませんか。

 

 本邸は家の基本的な機能及び、グレモリー眷属を彼らの昇格も踏まえて住めるように設計。一階は生活に必要なリビングなどの各種設備に、客間や応接間も含めてかなり広大。二階はイッセー及び部長にアーシア、シャルロットといった元々住んでる側とかなどに合わせてちょっと優遇な四部屋が東側、一階の玄関と吹き抜けになっている中央を通り越した西側に、他の眷属や、彼らが上級悪魔になった時の筆頭眷属を考慮した合計八部屋。三階からはちょっと面積が小さくなって追加の眷属を考慮した十四部屋で、四階はVIPルームや応接用施設や書斎などがある。

 

 兵藤夫妻用にはそこそこの一件やクラスの離れを設置。これまた夫婦がクラス分にはかなり豪勢であり、寝室だけじゃなく専用のお風呂や趣味の為の部屋も用意されている。

 

 平面図にすると離れの真下にあるガレージには、結構な広さだけでなく屋上部分がヘリポートになる素敵仕様。使うことがあるかはともかく、なんというか豪邸感が満載だ。

 

 で、俺達食客に近い立ち位置の別勢力が使う施設は三階建ての別館。

 

 一階には仕込みの一環用の特別施設及び、男女別に設計した風呂場がある。二階は俺達AIMS第一部隊用で、天界や教会の方々用に3階が設計されている。

 

 はっきり言って広い。かなり広い。流石は豪邸なだけあるなと思う。

 

 俺は結構ゲームが趣味で、特にTPSをやってるけど、ゲーム用の高級パソコンまで貰っているからこれは中々ラッキーだな。

 

 だからまあ、もっとぐっすり眠ることもできるんだけ……ど。

 

「ここ最近、これの所為で早起きになりすぎてるなぁ」

 

 俺はぼやきながら部屋を出ると、共有タイプの洗面台で顔を洗って歯磨きをする。

 

 それが終わることにはしゃっきりしたので、着替えてから本館に移動すると、玄関の辺りで厄介の原因の一つが見えてきた。

 

 山のように盛られた家具やら贖罪やら芸術品やらの山。

 

 これ全部、アーシアに当てた贈り物だっていうんだから驚きだ。

 

「……物量作戦って恋愛でも有効なのか?」

 

「……金持ちの特権だと思います」

 

 と、グレモリー眷属として同居している小猫ちゃんが起きながら軽くため息をついた。

 

「九成先輩、ディオドラのやり方って男としてどう思いますか?」

 

「そうだな。まあ人間、物より思い出が重要だっていうが、形としてプレゼントを贈るってのは大事なんじゃないか? 一緒に居難い相手なら尚のこと。まあ、俺はカズヒ姉さんが初恋だからよく分からんけど」

 

 そう答えるしかない。

 

 そう、ことの発端は夏休みの終盤。冥界から帰還した直後のことだ。

 

 俺達が荷物を降ろしたり体を伸ばしたりしていると、何時の間にやら上級悪魔っぽい優男がアーシアに接近。イッセーが睨みつけるのも無視して胸をはだけるという、一見すると露出狂にしか思えない行動をとってきた。

 

 だが胸元にあった傷を見たことでアーシアの表情が一変。なんでもそのディオドラとかいう悪魔曰く、以前死にかけた時にアーシアに助けられたとか。

 

 で、嫁に迎えたいと告白してきたからさあ大変。こうして連日贈り物を送ってきているというわけだ。

 

 で、アーシア大好きなイッセーは悪夢を見て跳び起きながら絶叫するぐらい気にしているということだ。

 

「なあ小猫ちゃん。どう考えてもアーシアがなびくことないと思うんだけど」

 

「アーシア先輩は部長並みに、イッセー先輩にぞっこんですからね」

 

 うん、俺の認識も間違っていなかったな。

 

「で、小猫ちゃんもぞっこんではあると」

 

「……ダメダメですけど、優しくて頑張り屋さんですから」

 

 と、俺が聞くとほんのり頬を染めながらもそう肯定してくる。

 

 とまあこんな感じで、兵藤一誠という男は数多くの女性を魅了している。アーシアもその一人だから、なびく可能性はまずないとすら思う。

 

 なのにイッセーだけはマジで心配して夢にまで何度も見るような始末ってわけだ。

 

 一言言って大丈夫なんだろうか、あいつ。

 

「だけどヒマリはともかく、カズヒ姉さんやリーネスはよく寝てられるな、あんな絶叫でよく寝れてるな」

 

 俺はなんとなくそう感心する。

 

 ヒマリはそういうところが頑丈というか図太い所があるけど、リーネスはそこまでではないはずだ。カズヒ姉さんは分からないけど、あんな轟音が出たら普通は起きる。

 

 俺が羨ましいやら呆れるやらしていると、小猫ちゃんは俺に対して呆れた目を向けてきた。

 

「……イヤーパッドを調達してましたよ?」

 

 あ、そういうことか。

 

 呆れられるのは俺だな、これは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで二学期もスタート。俺達も駒王学園の高等部に転入することになったわけだ。

 

 こうして制服を着てみると、なんか新鮮だな。

 

 そして俺はちらりと、隣で待機しているカズヒ姉さんを見る。

 

 カズヒ姉さんも俺の視線に気づいたらしい、なんか気恥ずかしそうにしてたけど、こっちに視線を向けてきた。

 

「……なに? コスプレみたいとかそんな感じかしら?」

 

 そんなこと思ってたのか?

 

 俺は素直に首を横に振る。ぶっちゃけ考えてもいなかったしな。

 

 っていうかコスプレにならないだろ。

 

「カズヒ姉さんも俺と同じ年だろ? ちょうどそんな恰好する時期じゃねえか」

 

「まあ、そうなんだけど……ね」

 

 なんか歯切れが悪いな。

 

 なんだこの、学生が幼稚園児の格好をしているかのような恥ずかしがりっぷりは。

 

 俺が首を傾げていると、カズヒ姉さんは咳払いをして誤魔化すと、こっちに振り向いた。

 

「……そうそう、サプライズ好みの冥界関係者だとありえそうだから聞くけど、私達と一緒にイッセーのクラスに転校する子が誰か聞いてる?」

 

「あ、聞いてない」

 

 そういえばまだ聞いてないな。

 

 まあ確かにサプライズ好きではあるよな。イッセーに改装のことを碌に教えてなかったみたいだし。その辺はまあ、人種どころか種族が違うんだから当然っちゃ当然かもしれないけど。

 

 まあそれはともかくだ。

 

 俺やカズヒ姉さんと一緒にイッセーのクラスに転入するのは、間違いなく教会側のスタッフだ。

 

 暗部組織であるプルガトリオ機関、その中でもダーティジョブ担当のリマ部隊のカズヒ姉さんでは、天界や教会の代表として活動は到底不可能だ。和平の象徴と言っても過言ではない以上、どうしても表より……というか、もっと綺麗な側の人物が必要だ。しかもぶっちゃけ要職と言えるレベルが必要になる。

 

 なんたって悪魔側の代表は、魔王を輩出したグレモリーの本家次期当主のリアス部長だ。更に堕天使側は総督であるアザゼル先生。ただの要職どころか、将来性や象徴的な面を含めてもかなりのビッグネームになる。なので最低でも地区代表といったレベル、それも国家とかそういう区切りレベルの重要な人物が必要になる。

 

 なので、カズヒ姉さんやゼノヴィアと一緒に派遣されたイリナでもアウトだ。エクスカリバー使いであったのはそこそこだが、あくまで現場であって象徴面はともかく権威的なものが足りない。

 

 まあそんな人物を高校に派遣するのもあれだし、たぶんだが現場スタッフはその部下止まりだろうな。

 

 そう考えるとちょっと気になるな。

 

「で、具体的に誰が来るんだ? カズヒ姉さんは聞いてるんだろ?」

 

「ええ、派遣スタッフのリーダー格が来ることになるわね」

 

 ………はい?

 

 派遣スタッフのリーダー格が、転校生という形で来るってのか?

 

「外見が高校生レベルの上位天使とかそういうことか? でも日本の学生をいい歳の天使がやるのって、ありなのか?」

 

 ちょっとその辺が気になっていたら、カズヒ姉さんはちらりとあらぬ方向を見てからちょっと噴き出すように笑った。

 

「それが適任が増えたのよ。ほら、挨拶して頂戴?」

 

 ん、来たのか?

 

 っていうかタメ口? え、付き合いのある知り合……い……っ!?

 

 振り返ったらある意味納得できる、だけど「天界及び教会の代表」として見ると、意外極まりない奴が嫌がった。

 

「ふっふ~ん! 確かAIMS第一部隊の九成和地君だったわね? お久しぶり!」

 

 栗毛のツインテールに胸に下げた十字架。

 

 そしてこの明るい女の子は……っ!

 

「お久しぶりね! ミカエル様から名代として派遣されました、紫藤イリナよ!」

 

 なんでこいつが代表なんだぁ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まさか返されるとは思わなかったってか?」

 

「そう言うな、ノア。できれば和平の象徴となるグレモリー眷属に、使用者がいてくれると嬉しかったのだがね」

 

「しっかし天界も一気に先進的になったもんだ。ま、天使の増産が不可能になったのは最大の問題だから、その対策は急務なんだろうけどな」

 

「それに関しては構うまい? 悪魔側が天使達に恩を売った形になるのだ。影響力は十分取れているだろう?」

 

「つっても悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は現魔王アジュカ・ベルゼブブの専売特許だろ? 俺らじゃ恩を売るに売れねえと思うがな」

 

「悪魔という勢力が、天界という勢力に恩を売ったと取れるのなら十分だ。懸念する必要があるのかね?」

 

「あるだろ? つまりその場合、天界は協力姿勢を取っている側を悪魔の勢力として認識するだろうからな。恩の向け先も協力関係も魔王派であって大王派じゃねえってのは、後に響くだろ?」

 

「……なるほど。その辺りは盲点だったな。内乱を好き好んで起こすつもりもないから油断していた。やはり戦に限定すればお前の方が慧眼だな」

 

「そりゃどうも。……だからこそ、リアス・グレモリーの眷属を使ってコマーシャル活動をしたかったんだが残念だ」

 

「……ふっ。コマーシャル活動は私達でもできるだろう? 何より若手最強のサイラオーグ・バアルを下せば、それだけで大きな影響力を我らは得られるのだから」

 

「流石に勝率十割何て言うほど間抜けじゃねえぞ? だからそっちも頑張ってくれや。宣伝活動(そういうの)はお前の方が得意だろ?」

 

「そうだな。コレのコマーシャルは私が行った方が良さそうだ。……大王派の切り崩しと取り込みは任せるぞ?」

 

「OKフロンズ。奴さん達の鬱憤を晴らしてやって、しっかり恩を売っとくとするぜ」

 




 そんな感じで、それとなく暗躍しているフロンズとノアで引きといったところですね。

 大王派が開発した星辰光運用型レイダーは、ちゃんと登場します。というか、ヘルキャット編で暴れる予定です。
 ただ自分の力に向き合う気になった二人の場合、あえてそう言うのを使わない選択肢をとるんじゃないかとも思ったのと、多人数での連携を視野に入れる都合上、二人が使っても本領を発揮できないと踏んで、あえて返還という形にしました。

 あとこのヘルキャット編が終わったあたりで、ちょっと読者数の上昇を目論んでテコ入れをする予定です。……それとこの作品のメタ的な秘密も明かす予定です。

 ぶっちゃけヘルキャット編の終盤で、ある秘密はわかる人はすぐにわかる感じになるので、なんとか読者数を増やす策にもなると思ったので結構明かす予定です。……それで人や評価が少しは増えたらいいんだけどなぁと思ております。

 では! 感想や高評価を期待しながら次を書きに戻ります!

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