好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 さて、駒王会談後の話で、教会からも人員が増員される敵なことを書いたと思います。

 話を進めてる最中でもいろいろと考えて手直しをしたりとした、そのメンバーの紹介です!


魔性変革編 第二十九話 教会からの仲間です!

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで転校生三人というインパクトがあった学業を終えてから、放課後俺達はオカルト研究部に集合。ソーナ会長も顔見せに来た上で、ちょっとした紹介会となっていた。

 

 天界からこっちに派遣されたのは四人で、カズヒ姉さんと一緒に兵藤邸宅の別館三階で生活する。そういう意味では俺達AIMS第一部隊と同じようなもんだ。

 

 といっても、その四人の内初見なのは二人だけ。

 

 いやまあ、まさかこうなるとは……。

 

「ヒツギ~♪ また会えましたし、これから当分一緒に暮らせますのねー!」

 

「いやぁ、なんかこんなことになっちゃって自分でも意外かな? ま、会えて嬉しいよヒマリ」

 

 と、いきなりハグしながらはしゃぐヒマリをなだめているのは、ヒツギ・セプテンバー。

 

 ……視線が合って思わず赤面して顔を逸らしてしまった。

 

「……先日はごめんなさい」

 

「あ~、私の方こそゴメン。まさか持ち込んだ飲み物にお酒が混じってたなんてねぇ……あはははは」

 

 いやほんと、マジでやらかした。

 

 酔っぱらっていたので微妙に曖昧だけど、大体のところは覚えているのが厄介だ。

 

 今後も酒を飲む機会はあるだろうし、暇があったら鍛えておこう。

 

「……頭痛が、頭痛が……ヒマリだけでもあれなのに……頭痛い」

 

「大丈夫ですか、リーネスさん」

 

 あとリーネスが凄い頭を抱えていて、アーシアが癒しのオーラを向けていた。

 

 なんかよく分からないけど、カズヒ姉さんと仲が良いリーネスのことだからな。俺が他の女とねんごろになっているのは問題なんだろう。

 

 ヒマリとの関係も上手く解消したいものだ。何故かこぉ、恋愛感情を向けることがありえないと本能で思ってしまってるからな。カズヒ姉さんの言うとおりにハーレムを作ったとしてもヒマリはそこには絶対ない気がする。

 

 まあ、それはヒツギもなんだが。

 

 いやまあ、そこは置いといて。

 

 そんでもって、代表となっているイリナが両手を組んで祈りのポーズを取りながら挨拶する。

 

「知っている人も多いけど、ミカエル様の命で派遣された聖ミカエル監察団のリーダーとなりました、紫藤イリナです! これからは仲良くしたいとおもいます! よろしく!」

 

 うん。この子、細かい所とか気にしないと思ってたけどマジで気にしてないな。

 

 結構好戦的な印象があったが、意外と柔軟だったようだ。まあこれなら安心なのだろうか。

 

「……それで、そちらの見ない顔の二人はあなたの部下になるのかしら?」

 

 リアス部長がそう尋ねると、そこにいた少年と少女が一礼した。

 

 少年の方はちょっとヤンチャっぽい雰囲気だけど育ちの良さがどこからか見える、木場みたいに金髪ショートの少年だ。

 

 少女の方は黒髪を一本結びにした可愛い子だ。ただこっちはどこかで見たような気がするな。

 

 可愛い子には目がないイッセーもチラチラ見てるけど、何故か男の方にも結構視線が行ってる。

 

「……えっと、なんかどっちもどこかで見たような気がするんだけど。木場、お前は?」

 

「言われてみれば……そうだね。というより、これは面影とかそんな感じじゃないかな?」

 

「そういえばそうだな。それもつい最近会った奴に似た顔があったような気がするぞ?」

 

 イッセーに尋ねられて、木場やゼノヴィアもなんか思い出しそうな感じになってる。

 

 な、なんだなんだ? どういうことだ?

 

 俺達が戸惑っていると、何故かギャスパーと小猫ちゃんが訳知り顔で苦笑していた。

 

「あの、アニルくんにルーシアちゃん。そういえばファミリーネームがあんなだけど―」

 

「……やっぱり、知り合いなの?」

 

 ああ、二人のクラスに転入してたのか。

 

 ってことは一年生なのか。異形社会は実力重視で若手も多いけど、一年生に二人も派遣できるほど若い子で和平に好意的な奴も多かったんだ。

 

 俺が感心していると、二人は微笑んだり苦虫を噛み潰したような感じだったりと対照的だけど、なんか納得の表情だった。

 

「……っじゃ、まずは俺が自己紹介した方がいいかな。ほら、下げてから持ち上げた方が上げて落とすより気分的には楽だし?」

 

「うん。私は後で構わないから、アニル君からでいいよ?」

 

 とルーシアとかいう少女に許可を取ってから、アニルとかいう少年が一歩前に出ると背筋をピンと伸ばした。

 

 あ、やんちゃな風に見えて規律はしっかりとするタイプだこの子。

 

「初めまして! 俺は自薦を了承されてイリナ先輩の下に配属されたアニル・ペンドラゴンです! 本家のアーサーとルフェイがご迷惑をおかけしたこと、一族の者として謝罪いたします!」

 

 と、しっかり九十度で頭を下げてお詫びの姿勢を見せてきた。

 

 えっと、ペンドラゴン家というとアーサー王伝説に由来するコールブランドを継承していた一族だったな。

 

 あ、そういえばイッセー達がホテルでの襲撃時にやり合ったヴァーリチームに、コールブランドを使っていたアーサー・ペンドラゴンって奴がいたって言ってたが……それか?

 

「……あの男の縁者か。疑うわけではないが、よく此処に派遣されるメンバーに選ばれたな」

 

「そうですわね。普通なら、むしろ距離を開けるよう命じられてもおかしくないですわ」

 

「はい。上層部もそこからくる敵意を懸念されていましたが、俺自身がそれを向けられることを覚悟のうえで派遣メンバーになりたいと願い、了承された次第です。万が一の為の制約術式もかけられてます」

 

 ゼノヴィアや朱乃さんがそこを疑問に思っていると、アニルは頭を下げたままそう答える。

 

 っていうか、そんな術式をかけてまで参加したいのか。

 

 ちょっと驚いていると、今度はリアス部長が目を細めた。

 

「そこまでして派遣されることを望んだということは、それなりの理由はあるのでしょう? ミカエル様達が認めたのなら疑う気はないけれど、教えてもらえるかしら? あ、頭はもう上げていいわ」

 

「もちろんです。と言っても、単純な理由です」

 

 そう言いながら頭を下げたアニルは、真っ直ぐにリアス部長の目を見た。

 

 嘘偽りのない真剣な表情を向けて、アニルはさらに話し続ける。

 

「ペンドラゴン家は由緒正しく力ある一族。俺達はその恩恵と引き換えに責務を背負う者達です。嫡男アーサーはそれを忘れ、家宝を持ち出してテロリストに落ちぶれ、あろうことは息女ルフェイまでそんな兄に従う形でそのままテロリストに参加しました」

 

 そういうアニルの表情は、苛立ちも怒りも悔しさも恥ずかしさも滲んだ複雑な表情だ。

 

 よっぽど、一族の本家が成した狼藉が許せないんだろう。それが嫌というほど分かる表情だ。

 

 俺がちょっと同情していると、アニルはちょっと目を伏せてから、俺達を見渡した。

 

「ペンドラゴン家の不始末はペンドラゴン家が何とかするべきです。ましてアーサーは白龍皇ヴァーリ・ルシファーの率いるチームに属している。ならば一族の者が対抗馬になっているグレモリー眷属にお力添えするのは当然の責任です。まして俺は、教会の悪魔祓いなんですから、三大勢力の問題に対処することも当然でしょう?」

 

 そう言いながら、アニルは持ってきていた袋をリアス部長達に差し出した。

 

「あとこれは、お詫びの品を兼ねた挨拶品です。キッパーというニシンの薫製で、日本のアジノヒラキという食品に似ているから日本受けすると知ったので選出しました」

 

 り、律儀な奴だ。

 

 俺達がちょっと見てると、部長もしげしげと眺めながらもう一度アニルを見た。

 

「どこかのブランド?」

 

「比較的高級なものを。自作するのもありかと思いましたが、お詫びの品ならば金に糸目をつけない方がいいと考えました」

 

 薫製を自作できるのか、こいつ。

 

「……あ、僕達も転校してきた時にお土産ってことで貰いました」

 

「薫製作りがコンピューターゲームに匹敵する趣味だそうです。お弁当に入れた自作のを貰いましたけど、美味しかったです」

 

 しかもギャスパーや小猫ちゃんも別途で貰ってるのか。

 

 後趣味が薫製作りって凝ってるな。その上美味いのか。

 

 ちょっと感心している中、アニルは真っ直ぐ背筋を伸ばして、ちょっと伺う様に部長を見つめた。

 

「もちろん、そちらが嫌だというのなら諦めて帰還する覚悟もあります。ですが、できれば一族の恥でかけられた迷惑を一族の手で灌ぐ機会を―」

 

「ダメよ」

 

 アニルの言葉をさえぎって、部長はそうはっきりと言った。

 

 だけど、それは許さないとかそういう意味じゃないようだ。表情を見ると分かる。

 

「そんな理由で、折角楽しめる学園生活を台無しにしてはダメよ? 私はあなたを可愛い後輩として見るし、ヴァーリチームのアーサーの迷惑はあいつ自身に落とし前をつけさせるわ」

 

 そうはっきり言ってから、部長はにっこりとアニルに微笑んだ。

 

「もちろん、その時はあなたにも協力してもらうわ。責任を果たしたいのなら、そういう形にしてもらうのが条件よ」

 

 そう言いながら、俺が思わず見惚れそうな笑顔で部長はアニルを認めたようだ。

 

 ……イッセーがぞっこんで他の眷属も忠誠を誓っているだけあるな。王の風格というか、カリスマ性はきっちりあるじゃないか。

 

 アニルもそれに感じ入るものがあったのか、目を伏せながらも頷いた。

 

 そして目を開けた時、そこにはヤンチャしてそうな色がある。

 

「わっかりました! じゃ、あまり堅苦しすぎないようにしやす! 年単位でやる気でしたが、実はあんまり堅苦しいのは正直好みじゃないもんでして」

 

 あ、外見通りの性格ではあるんだ。

 

 もっともその上でしっかり真面目にやれるみたいだし、まあそれなら対外的な部分以外は緩くてもいいのか?

 

「あらあらぁ、可愛い後輩ができて嬉しいわぁ」

 

「リーネスの言うとおりね。これからは可愛い後輩として接させてもらうわよ、アニル」

 

 リーネスと部長がそう微笑みながら歓迎して、ちょっと空気が緩んできた。

 

 と、そこでカズヒ姉さんが軽く咳ばらいを。

 

「こらこら。まだ一人残っているわよ? ねぇ、ルーシア」

 

 おっとそうだった。

 

 完全に忘れ去られる形だったからな。これはちょっと失礼か?

 

 怒ってるかとも思ったけど、ルーシアと呼ばれた少女は静かに微笑みながら首を横に振った。

 

「間接的ですが縁もありますし、何より話が注目されるようなものですから。つい意識がとられても仕方ないです。気にしないでください」

 

 そう言ってからにっこり微笑むと、スカートの袖をつまみながら静かに一礼した。

 

「アニル君と同じ中規模部隊で研修を受けていた、ルーシア・オクトーバーと申します。デュナミス聖騎士団のリュシオン・オクトーバーが妹です」

 

 え、マジで?

 

 リュシオンさんって妹居たのか。っていうかなんて言うか礼儀正しいな、オイ。

 

 可憐な少女だし、大人しそうで人気が出そうだ。同時に結構できるのが動きでなんとなく分かる。

 

 あほがナンパしても返り討ちに合いそうだけど、押し切られたりしないかが不安になりそうだな。

 

 俺がそんなことを思っていると、ルーシアはにっこり微笑みながらも真っ直ぐ強い決意を込めた眼を部長に向けた。

 

「和平が成立し要らぬ諍いが無くなることは喜ばしいです。ですがそこで気が緩んでたるんでは成せることも成せないと思っております。なので、その象徴ともいえるこの駒王町の者達には、相応の責任と行動が求められます」

 

 ……ちょっと気を引き締められることを言われたな。

 

 確かに、こうしてコカビエルの一件に関与したメンバーが殆ど揃っているし、それがきっかけで和平にもなった。

 

 もうこの時点で、いやでも俺達は和平の象徴になってるわけだ。

 

 この関係が変にこじれたり余計な被害が出てきたりなんてしたら……。

 

 ちょっと寒気を覚える中、ルーシアは真っ直ぐに鋭い目を向けて―

 

「……すいません。ちょっと空気が穏やかすぎたので、意地悪じみた忠告をしてしまいました」

 

 ―その緊張感を自ら解いた。

 

 ちょっときょとんと皆がしている中、ルーシアは申し訳なさそうにしながらも、毅然とした表情を浮かべて俺達を見渡した。

 

「どうしても三大勢力の方々は、そういう風に見てしまう人が多くなることは言っておくべきだと思ったので、少し意地悪な忠告をしてしまいました。個人的にはそういう顔であることを意識したいですけど、同時に皆さんと私人としても親交を深めたいとも思っています。……私の兄はリュシオンですから、恥じない生き方をしたいんです」

 

 あ~、確かにリュシオンはできた奴だからなぁ。

 

 完璧超人と言っていいだろう。そして、自分がそうだという自覚が欠けている印象もある。

 

 たぶんだけど、その辺りがカズヒ姉さんとは合わないんだろう。

 

 カズヒ姉さん、どうも自分が何時ダメなことするか分からないって思ってる節があるからな。だからこそ、自他ともに厳しくあることを自分に科しているんだと思う。

 

 そういう意味だと、ルーシアとの相性は微妙……か?

 

「まあ、あまり無理はしないようにしなさい。人間、休息や息抜きを入れずに堅苦しくなり続けることなんて本来不可能なんだから」

 

 と思ったら意外と優しめ?

 

 なんだろうか、ちょっと労わるような表情な気がするんだけど―

 

「何より、そういったメンテナンスやリフレッシュを放棄すると、限界を超えた瞬間に一気に瓦解する物よ? 報告連絡相談も、できるのなら必ずしなさい。ちょっと恥をかくことを恐れて、一生モノの取り返しのつかない恥をかくなんて論外なんだからね?」

 

「……ちょっと話がずれている気もしますけど、大事なことな気がしますので心にとめて起きます。ただ、仰ってくださったカズヒ先輩に相談することも多そうですけど」

 

「ええ。無茶な頻度でないなら聞いてあげるわ」

 

 というより、何だろうか息があってる気もするな。

 

 カズホのこともそうだし、もしかしてカズヒ姉さん、年下に好かれるタイプ? むしろお姉さまとか女の子に言われまくるタイプ?

 

 も、もしかして俺のライバルは同性ではなく異性だったのか。

 

 ちょ、ちょっと気を引き締めていこう。

 

 俺が気合を入れていると、部長はちょっと苦笑しながらも少し背筋に力を入れ直した。

 

「そうね。和平を結んだお兄様達に恥ずかしくないよう、少し気を付けることにするわ。これからも目に余るようなら指摘して頂戴。よろしくね、ルーシア」

 

「はい。よろしくお願いします、先輩方」

 

 リアス部長とにっこり笑い合いながら、ルーシアは軽く会釈をすると一歩下がる。

 

 で、こっからは巻いていけるだろう。

 

「まあ、私は結構一緒にいてるから問題ないわね。改めて言うけれど、カズヒ・シチャースチエをよろしくってところかしら?」

 

「結構会ってるけどヒツギ・セプテンバーじゃん。これからは学友としてもよろしくねっと」

 

 そんな風にカズヒ姉さんとヒツギが挨拶をして、最後はイリナだ。

 

 ………でも、このメンツだと箔がついてない気がするんだけど。

 

 大丈夫か? 魔王の妹で本家次期当主に、神の子を見張る者の総督だぞ? 天界の上位天使とかバチカンの枢機卿とかが必須な気もするんだけど。

 

 そう俺が思っていると、イリナは祈りのポーズをとる。

 

 そしたら何故か上から光が降りて、更にイリナの手にAの文字が浮かび上がった。

 

 ……っていうか、光る輪っかと白い翼まで生えたんだけど。

 

 え、なに?

 

 ちょっと知らない組が戸惑ってる中、アザゼル先生は感心しながら踏む踏むと頷いていた。

 

「お前さん、天使になったのか。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の応用で出来るとは思ってたが、案外早かったな」

 

 今なんて言った先生!?

 

 しかもイリナ、なんか凄く得意げな表情を浮かべてるし。

 

「その通りです総督! 私はセラフが試験運用を開始した転生天使、御使い(ブレイブ・エンジェル)。トランプを参考にしたミカエル様の(エース)! 天使の紫藤イリナです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『ぇえええええええええええっ!?』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 確かにそれはインパクト十分だけど、マジかぁあああああああ!

 




 教会から派遣された追加のオリキャラは一年生組となります。

 かなり初期の段階からペンドラゴン家に由来するキャラクターを入れるつもりで、こっちはイッセーと和地だけでは男の肩身が狭すぎると思ったので男キャラにするのは決定事項。その後話を進みながら増員を考えている間に、リュシオンの妹を今後に踏まえた布石として送り込むことを決め、ヒツギの出番も増やした方がいいと思ったので増員。
 結果として教会から派遣されたメンバーは戦隊レベルで数が多くなりました。

 ルーシアはリュシオンと響きを近めにしたいと思って考えたノリです。リュシオンに苦手意識を持っているカズヒの当たりが柔らかいですが、これはカズヒが持つリュシオンに対する苦手意識が逆に作用している形です。

 アニルはアーサー王の子供の一人からあやかりました。調べてみるとアーサー王の子供はモードレッド以外にも結構たくさんいるようなので、モブ一歩手前レベルであと一人か二人ぐらい入れたいところです!

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