好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 ちょっとした日常回となります。

 こういったのも隙あらば入れていってこそですよね。


魔性変革編 第三十二話 転入時の一幕

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな日があって少しして、既に俺達もだいぶ学園生活に馴染んできた。

 

「はーい! その種目は私がやりたいでーっす!」

 

 と、体育祭の種目選びでイリナが元気よく手を上げている。

 

 転校早々体育祭か、なんていうか慌ただしいけどちょっと楽しみでもある。

 

 体育祭だなんて学生っぽくていいよなぁ。俺、ザイアの施設とかで青春をめちゃくちゃ削られてるから、何て言うか懐かしいというかなんというか。

 

 さて、俺はどんな感じで競技を選んだものか。

 

 俺が考えこんでいると、運営役が黒板に新たな協議名を書く。

 

「じゃ、次は二人三脚の選手です。男男、女女、男女のペアを決めますよー」

 

 なん、だと。

 

 俺の思考が真っ白になったのは一瞬。すぐに俺は覚醒し、そして手を上げて声を張り上げる。

 

「はいはいはいはいはいはいはい! 俺、男女ペアでカズヒ姉さんと組みたいですーサイドォ!?」

 

 その瞬間、アイアンクローが俺に叩き込まれた。

 

「あほなこと言わないの。私と二人三脚がしたいのなら、私を惚れさせてからにしなさい」

 

 ぬぐぉおおおおおお……っ。

 

 お、仰る通り。下心丸出しでこんなこと言うなら、確かにまずは付き合ってからだった。

 

 反省しました。冷静になりました。だから俺の頭蓋骨を圧殺しようとしないでくださいませ。

 

 俺の心からの願いが通じたのか、カズヒ姉さんは俺を解放すると席に戻った。

 

「それに私は自薦はしないわ。まあ個人的に、この1km走とかなら任せてくれてもいいんだけれどね」

 

「いいのか? 陸上部員がいるなら押し付けられる、最も過酷な種目だぞ?」

 

 男の方がそう確認するけど、まあそこは問題ないだろう。

 

 命がけの殺し合いをする場合、体力はあって困ることはまずないしめちゃくちゃないとダメなぐらいだからな。俺やイリナやゼノヴィアといった荒事経験が数年ある奴はもちろんのこと、イッセーやアーシアだって夏休みの特訓でそれぐらいは余裕の全力疾走ができるだろう。

 

 そしてカズヒ姉さんも実際そうだから、むしろちょっと得意げだった。

 

「安心しなさい。全身に10kg近い重装備をつけても全力疾走できるわ。何なら数キロある荷物を手に持ってもいいわよ?」

 

 本当に、それぐらいならできるだろうなぁ。

 

 ソ連崩壊に端を発する内乱で色々戦っていたんだから、重装備で戦場を走り回っていただろう。そのころから更に成長して鍛錬も積んでるんだから、むしろかなり謙遜しているだろう。

 

「何ならクラス一の体重持ちを背負ってもいいわよ? 断言するわ、それでもドベには断じてならない自信があるわ」

 

「あんた第一空挺団がなにか?」

 

 軍事マニアがツッコミを入れるけど、その辺りは微笑でスルーした。

 

 まあ、異能関係ない純粋な身体能力でも案外並べるぐらいありそうだからなぁ、カズヒ姉さん。

 

 ……俺も第一空挺団とまでは言わないけど、異能とか星辰奏者抜きでも一般的な自衛隊員よりは体力ある自信があるし。

 

 そんな感じで話が脱線していると、何故かアーシアの隣に眼鏡三つ編みの女子がこそこそと話し、そして戻っていった。

 

 確か桐生だったな。イッセーやエロ仲間の松田と元浜相手に普通に駄弁てる珍しい女子だったはずだ。

 

 あ、そういえばこんなことあったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして! 私は転校生の紫藤イリナです! 小学校に上がる前までは此処に住んでて、そこの兵藤一誠君とはお友達でした! ああ、主よこの再開に感謝します……アーメン!」

 

「イリナ、いろんな意味で落ち着きなさい。……私はカズヒ・シチャースチエ。ロシア圏の内戦地帯出身だけど、そこのイリナやそっちのゼノヴィアとは旧知の間柄だから、変なことしているようなら私を呼んで頂戴」

 

「あ、どうも。二人とは別口な九成和地です。カズヒ姉さんに惚れたのでアプローチしまくるので、温かい目で見守ってください」

 

 と、俺達は転校生として挨拶をぶちかました。

 

 今冷静に考えると、俺も大概ぶっ飛んだ挨拶だな。ちょっとはしゃいでたか?

 

「……イッセー! なんだあの可愛い女の子達は!? 特に紫藤イリナなんておっぱいが……いいなあれ!」

 

「畜生! 隣のカズヒって子も胸は無いけど可愛いじゃねえか!? 畜生、何お近づきになってんだ!?」

 

 と、何時の間にかイッセーに詰め寄る男が二人。

 

 後に知った松田と元浜というイッセーのエロ仲間が、今にも殴り掛かりそうなレベルで一斉に文句を言っていた。

 

 そして、その背後に流れるようにカズヒ姉さんが立ち、それぞれの手で二人の頭を掴み上げる。

 

「「痛たたたたた!?」」

 

「やめなさい阿呆共。聞いてるわよ、かつてのイッセーと一緒に覗き行為なんて阿呆なことをしているようね?」

 

 半目でじろっと見ているカズヒ姉さんは、半ば持ち上げながらため息をついていた。

 

「言っておくけど、モテたいならモテる為の行動をしなさい。モテる男を参考にして、女子に好かれるムーブをして嫌われることは控えなさい」

 

 平然と言ってるけど、男二人をアイアンクローで持ち上げながらそれが出来るのは、女性だと世界でも極々一部だと思う。

 

 そのスペシャルっぷりにクラス中が一歩下がっている。

 

 ……まあ、たぶんゼノヴィアやイリナもやろうと思えばできるとは思う。アーシアはたぶん無理だろうけど。

 

「はっきり言うわ。私は悪行をする気は無いから、あなた達が覗きをすることも女子達が過剰に得物を持って集団暴行をすることは許さないわ。……即座に警察に呼んで訴訟起こすから。女子も集団私刑は立派な凶悪犯罪だから今後はやめなさい。発見次第そっちも警察に通報するから」

 

『『『『『『『『『『あんたどっちの味方!?』』』』』』』』』』

 

 そうツッコミが飛んだけど、カズヒ姉さんは平然としていた。

 

「私は正義の味方よ。少しでも正義が世界を動かせる一助になる為、悪を成すことをいとわない女だからそのつもりで」

 

『『『『『『『『『『矛盾してない!?』』』』』』』』』』

 

「してないしてない。「正義の味方」じゃなくて、正義「の」味方だから、勘違いはしないで」

 

 そう言いながらカズヒ姉さんは二人を解放した。

 

 アイアンクローの痛みで力が入らなくて、二人は床に倒れ伏す。

 

 それを絶対零度の瞳で見ながら、カズヒ姉さんは大上段から宣言する。

 

「あと一応言っておくけど、私の胸は無いんじゃなくて削ってるから。脂肪除去して大きくならないようしてるの、宗教上……にしたいけど、入るの却下されたからそう言えないのが難点ね?」

 

『『『『『『『『『豊胸手術ならぬ減乳手術!? あと宗教上で!?』』』』』』』』』』

 

 更にシンクロツッコミが来たけど、俺もびっくりだよ!?

 

「姐さん一応聖書の教えだよな!? なんで胸削るんだよ、そんなの聞いたことないぞ!?」

 

「そんな!? おっぱいを削るなんてどんな邪教だよ!? ……は! まさかストリートチルドレンだったのはそこから逃げてなのか!?」

 

 俺とイッセーが次々にツッコミを入れてパニクるけど、それぞれゼノヴィアとイリナがポンと手を置いて落ち着かせてくれた。

 

「落ち着けイッセー。私も実情を聞いたのは初めてだが、彼女が元ソ連圏の出身なら聖書の教えの範囲内で説明可能だ。去勢を教義に入れている分派がある」

 

「ロシアにあるスコプツィっていうのがそれね。もっとも子供を作ってからって話だから、その辺りでストップが入ったのと思うわ」

 

『『『『『『『『『『そんなのがあるんだ!?』』』』』』』』』』

 

 全力ツッコミが飛んだけど、もうどこから突っ込んだらいいのか分からないな。

 

 そんなツッコミを何度もぶちかまさせたカズヒ姉さんは、殺意すら全力で籠めて松田と元浜を見据えた。

 

「そういうわけだから、私の目の黒いうちは、この学園で覗きなど許さないわ」

 

「そ、そんな!?」

 

 眼鏡をかけた元浜が涙すら零すと、松田も歯を食いしばって姐さんを睨んだ。

 

「俺達に死ねと!?」

 

「それで死ぬなら死んだら?」

 

 取り付く暇もない。

 

「相も変わらず厳しい上に容赦がない時は徹底的にないな。初めてこの学園に足を踏み入れた時を思い出したよ」

 

「私もゼノヴィアさんもイッセーさんもバッサリと切り捨ててきましたね……」

 

「……ごめん二人とも、俺はシャルロット顔向けする為にも覗きはやめたんだだだだだだだだだだ」

 

「イッセー!?」

 

「イッセーさん!?」

 

 イッセーが流れでひきつけを起こしてるけど、そっちを気にする奴は殆どいない。

 

 どうやらなりすぎてもう慣れているらしい。

 

 適応力が高いなこの学園。逞しいというかなんというか。

 

 俺が感心していると、カズヒ姉さんはだけど少しだけ肩の力を抜くと、苦笑すらした。

 

「……まあ、性欲の多寡には個人差があるし、イッセーと肩を並べたスケベなら、イッセー(あそこ)までではなくてもかなりきついでしょう。だから―」

 

 そういうなり、カズヒ姉さんは自分のスカートを勢いよくめくりあげた。

 

 特に奇をてらってはいないが、間違いなく本物の着用中パンティーが見える。

 

 痙攣しているイッセーと介抱しているゼノヴィア及びアーシア以外の注目を集めながら、スカートは重力に従ってそのまま降りる。

 

 そして一秒ほど沈黙してから、カズヒ姉さんははっきりと告げた。

 

「もし三年生になるまで一切覗きをしなかったのなら、この内側を顔面に密着させてあげるわ」

 

『『『『『『『『『『……マジですか?』』』』』』』』』』

 

 絶叫ではないけどシンクロしたよ。

 

 そして俺は声もないよ。

 

 え、ちょっとまって? 俺が見たいんですけど。

 

「「……マジで?」」

 

「ええ。寝そべった私に自ら顔を押し付けるなら、逆に寝そべったあなたの顔面に騎乗して乗せるなり、逆向きの肩車也逆立ちしてくっつけるなり野要望は受け付けるわ。それで変態が犯罪を抑制できるのなら、私はよろこ……びはしないけど飴を上げるわよ」

 

 挑発的な笑みを浮かべながら、カズヒ姉さんははっきりと断言した。

 

 いや、それでは止まらなかった。

 

「あと高校卒業まで我慢できたのなら、素股ぐらいならしてあげるわ。……お尻でいいなら入れさせてあげてもいいわよ。……あと裸かメイド服か学生服かナース服かは事前に決めて置いたら調達するけど、宗教上の理由でシスター服は却下」

 

 堂々と宣言する内容ではない。

 

 というか、男の劣情について理解がありすぎないか姉さん。あと俺はウェディングドレス風なのがいいです。

 

 もはや殆どの連中が言葉もない中、松田と元浜は真顔で立ち上がると、目線を合わせて真っ直ぐにカズヒ姉さんを見据える。

 

「二言はないんだろうな?」

 

「後で無しだなんてないよな?」

 

 その確認に、カズヒ姉さんはおもむろにノートを取り出すと、四枚ほどページをちぎると、右手の親指の皮をかみちぎった。

 

 そして数秒後、見事な日本語で書かれた「私は松田と元浜が一年間覗きを辞めれたら、一年目は生股間を顔に当てさせて、二年目は素股かアナ〇〇〇クスをしてあげることを誓います。カズヒ・シチャースチエ」とかいて、更に人差し指に血をつけて指紋まで押し付けた。

 

 血判状とは古風なもの知ってるな、オイ。

 

 そしてカズヒ姉さんは一枚を取ると、イリナにそれを押し付ける。

 

「イリナ、主の名において見届け人をお願いするわ。もちろん、この場にいる全員も証人にはなってくれるでしょうけど」

 

「これを主の名において宣言しちゃうの!?」

 

 めっちゃ動揺しているイリナを置いて、カズヒ姉さんは戻ると一枚とってから、残りを一枚ずつ松田と元浜に渡す。

 

「これが証明よ。翻すようならそれを証拠に裁判所にでも行って訴訟を起こしても構わないわ! 契約不履行だし民事ならまず行けるでしょう?」

 

 はっきりと宣言すると、二人は静かに顔を見合わせながら頷いた。

 

「「……うぉおおおおおおおお! やるぞ、おぉおおおおおおおお!!!」」

 

 え、ちょ、ちょっと待って?

 

 俺がそんなことを脳内に響かせていると、カズヒ姉さんは振り返って苦笑する。

 

「まあそういうわけだから、今年中に私を惚れさせてアバンチュールをしてみなさい? ちなみに、私が男の求める条件は分かってるわよね?」

 

「ド畜生ぉおおおおおおお! やってやらぁああああああああっ!!!」

 

 俺はもう絶叫するしかない。

 

 これで追い抜かれたら、俺は五年ぐらい凹む自信がある。下手すると生涯立ち直れないかもしれない。

 

 や、やるしかない。こうなったらまずお見合いとかセッティングしてもらおう。

 

 冷静に考えればコカビエルを打倒した三人のうちの一角だし、三大勢力和平の象徴ともいえるグループの一因だ。その辺割り切った政略結婚ができる悪魔の貴族さんとかいるかもしれない。

 

 ……いややっぱちょっとどうなんだろう、これは。

 

「待ってくれカズヒ! 俺は、俺は松田と元浜に追い抜かれろと!? シャルロットには悪いけど、さ須賀にちょっと抗議するぞ!?」

 

 イッセーの文句もちょっとは気持ちは分かる。周囲の連中もちょっと同情の目を向けていた。

 

 まあ、イッセーも含めた三人が変態だからな。イッセーだけ除け者とか、同情するかしないかはともかくとしてちょっと不遇だわな。

 

 まあ、実際のところイッセーが飛びぬけて恵まれてるから仕方がない。

 

 とはいえ言ったらアウトだからそれこそ仕方がな―

 

「ごめんなさいイッセー。私はリアス部長やゼノヴィアに殺されたくないの。っていうかあなたは既にそれ以上の経験してるでしょう? リアス部長が寝るとき裸ってのは聞いてるのよ? 私が知る限り七日はアーシアも込みで寝てるでしょ……あ」

 

 あ゛

 

 五秒後、イッセーはクラス中から袋叩きに遭いかけて、流石に庇ったカズヒ姉さんの戦闘能力をクラス中が痛感することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんで、こうなったんだろうなぁ。

 

「と、いうわけで二人三脚の男女ペアは、兵藤とアーシアさんに決定です!」

 

 あ、なんか男女ペアの二人三脚が決定しちゃった。

 

 後思い返したらふと思ったけど、もしかしてカズヒ姉さん、必要悪の汚れ仕事だけじゃなくて人がしたがらないことや、物事を円滑にまとめる為の人身御供とか進んでやるタイプなのか?

 

 ……いや、まさかなぁ?

 




 ラストの方でギャグと見せかけて、それとなくカズヒの面倒くさい所が明かされた回にもなります。

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