好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
Other Side
「く、ククク……ッ。時は来た。時は来たぞ」
「ああ。漸く偽りの魔王共を滅ぼすことができる。それも目障りな神々もまとめてな」
「とはいえ、彼には困ったものですね。蛇をあんなところで使ってしまえば、感づかれると気付かないのでしょうか?」
「仕方あるまい、カテレア。所詮は真なる魔王の血筋を認められぬ愚者の一人、それも偽りの魔王の肉親だ。物の道理が理解できないのが基本だろう」
「まあいいだろう、クルゼレイ。奴の力は中々優秀だ。あの力があれば忌々しいサーゼクスの妹など、眷属をまとめても皆殺しにできる」
「というより、あの眷属だからこそでしょう、シャルバ? 実に彼らしく、そして奴らにとって皮肉な力ですね」
「全くだな。悪魔でありながら聖剣を力にするような奴らは、奴には決して勝てないからな。むしろ一瞬で殺せるのではないか、シャルバ?」
「その通りだな、クルゼレイ。なにより忌々しい赤き龍を宿したまがい物は、その腕に聖剣アスカロンを格納している。……挑んだ瞬間に
「かもしれませんね。それに今回、彼がついに動くとのことです。あとあの若者達も」
「なるほど。サーゼクス達は討たれた直後に、自らが築き上げてきたものを崩壊させるということか。……死体に鞭打ちをするようなものだが、とても痛快だな」
「そうだな。ではクルゼレイ、カテレア。俺達の動きは確定だ」
「まずはサーゼクスからじっくりと殺そう。手土産に奴の妹の生首を携えて……な」
「……阿呆が。ことを始める前に悪目立ちするようなことをするとはな」
「まあいいじゃない。おかげで諜報においてはディオドラに視線が集まっているんでしょ?」
「それはそうだし、俺としても現魔王や悪魔全体に大打撃を入れるかどうかは未定だから、ある意味旧魔王派の作戦は頓挫していいんだがな。それにしたって考えなしにもほどがある」
「それはそうですね。普通動く前に悪目立ちはしないですよね」
「……仕方ないとも思いますけどね。覚悟もない雑魚が力だけ手にしたら、そりゃ調子にも乗るでしょう」
「だからこそ、奴は愚図でありどうしようもない奴ということか。己の理想や野望や渇望があるのなら、それを成し遂げ決起するまでは力を秘しておくのが常だろうに。サイラオーグにしろフロンズやノアにしろ、ディオドラと同じだがな」
「……キッツー。流石マスター、バッサリ斬りますね」
「……むしろ秘して二番目何ですから、マスターも大概ですけど」
「一緒にされるのは不快だがな。奴らは理想に必要な決意も覚悟も足りなさすぎる」
「まあ確かに。……で、動くタイミングは合わせるのね?」
「ああ、それが最も確実に行動できる。
「冥界の未来を変える為にも、あの馬鹿どもの目を覚まさせる。その為にこそ冥革連合はあるんだからな。……死出の旅路に付き合ってもらうぞ」
「「「……はっ! 我らヴィール・アガレス・サタン様の名の元に!!」」」
「で、だ。盛大に黒で良かったんだな?」
「その通りです、アザゼル様。……繋がりの証拠も横流しのルートも、財産の隠し場所も掴んでおります」
「ったく。こっちの方も裏は取れた。ヴァーリの奴がイッセーに接触して態々警告までしてくれたしな」
「警戒されない方が作戦は成功するでしょうに。総督は子育ての類が苦手な要で」
「別にいいだろメリード、おかげでこっちにゃ有利になったんだ。……で、リーネス。悪いが―」
「リアス部長達には内緒に、でしょぉ? それぐらいの腹芸はできますよぉ」
「悪いな。和地達にも俺が命令したってきちんと言っとけよ?」
「泥を被らなくて結構ですよぉ。旧魔王派を一網打尽にできるいい機会、逃がすわけにはいきませんものぉ」
「ああ、代わりと言っちゃなんだが、リアス達の援護にもなるいいサプライズができた。……ま、シュウマ・バアル達の協力だから厄介だがな」
「そっちはそっちで面倒そうですねぇ」
「……失礼します、紅茶ではなく、精神安定の作用があるハーブティを入れてきましょう」
「いや気にすんな。むしろお前らにも本腰を入れてもらうんだからな」
「そうねぇ。……初の実証試験直後に悪いけれど、思いっきり動いてもらえるかしらぁ、メリード?」
「無論ですリーネス様、アザゼル総督。……私も仕える者として、あの仕えさせる資格のない下郎は認められません」
「そうか。お前がやる気になってくれるのはいいことだな」
「はい。私はザイアから離散した技術で子供が傷つき苦しむことを認められません。……同じように悪意を持ってあのようなことをするものならば、求めた力を振う意味があるというものです」
「よし。なら頼む」
「お願いねぇ、リーネス」
「じゃ、旧魔王派の連中にはご退場してもらうとするか。……禍の団に大打撃を与えるチャンスがこんなに早いとはな」
「HAHAHA! なんか面白いことになってるじゃねえか! 曹操の坊主も来ていたら面白いんだけどNA!!」
「天帝殿は楽しそうですな。そんなに面白い戦いに行けるのですかな?」
「応よっ。アザ坊が禍の団の連中を釣るんだとよ! ゼウスやオーディンの爺も乗り気らしいぜ!?」
「それはそれは。魔王の末裔達は散々な目に遭いますなぁ」
「ああ。最も―」
「―誰だって負けたくて挑む馬鹿はいねえだろうしな。何か一つぐらい隠し玉があるかもしれないZE?」
「では、そろそろ本格的に動きますか?」
「ああ、年単位で仕込みをしていたかいのあるタイミングだ。あまり待ちすぎて結局いいタイミングがないよりはいいだろう?」
「現魔王が率いる悪魔と敵対するのなら、和平を結んだオリュンポス達神々とも敵対するということだな。契約は果たされそうだ」
「……なるほどな。漸くあんたみたいな外道と手を組んだ意味を掴めるわけか。北欧神話と手を組んだと聞いた時は、我慢できずに暴走するところだったぞ」
「ん~、でもこっちとしちゃあんまり関係ないかな。だってロキは絶対和平に反対してるだろうし」
「まあいいでしょう。敵は手を取り合ってくるのは大変ですが、今の私が本領を発揮すれば面白いことになるでしょうし」
「はっはっは! 我が技術が本領を発揮するということか! ついに、あのアザゼル総督達神の子を見張る者のメンツを潰せるということか!」
「ああ、十六年越しに契約を果たそう。時は来た―」
「遍く人々に絶望と悲嘆を与える代わりに、神々に鉄槌を与えてあげよう。さあ、まずは現魔王政権と第三世界に阿鼻叫喚と行こうじゃないか」
「「「「「「了解。神々に人誅を」」」」」」
和地Side
俺は、目を閉じながらプログライズキーを手に持ち、座りながら深呼吸をしていた。
後ろめたい気持ちもある。迷惑をかけている自覚もある。自分でも優先するべきことじゃないとも思っている。
だけど、どうしてもチャンスが欲しかった。
幸か不幸か、部長達に黙っているように伝えていたことがあって、アザゼル先生もそこに配慮してくれた。
ヒマリや鶴羽に話すことは、情報が漏れないようにする必要もあってできなかった。イリナはミカエル様の直属として、相応の動きがあるからこっちも無理。イッセー達に話したら大騒ぎにになりそうだからこれも不可能。
たった一人でやることも覚悟していた。それぐらいの我儘だってことも分かっている。
だけど―
「……準備はいいかしら、和地」
―俺の隣に、カズヒ姉さんがいてくれる。
「ありがとう、カズヒ姉さん。俺の我儘に姉さんが力を貸してくれて、百人力だ」
「こっちの台詞よ、和地。私も我儘で来てるから、リスクが減って助かるわ」
そう、俺達は二人で作戦を開始する。
二人共、できることならと頼み込んだ過程が共通する別々の目的の為に。
そしてリーネスが用意してくれた、伏せ札を持ってして挑みに行く。
「彼女が流し続ける涙の、意味を変えてあげなさい」
「正義を汚す悪を倒して、正しき道を示してやりな」
そして、大きな戦いが始まる。
数多くの目論見が渦巻く、大一番。
そしてこの戦いには一つの別名がつく。
今代・初代の区別なく、魔王の名を持つ者が失墜する、四大魔王終焉のきっかけ。
魔王の落日と。
次の話でディオドラがやらかし、そこから一気に激戦スタートです。
あといろいろと考えていたんですが、魔性変革編そのものはホーリー編で切ることにしました。
幕間にしたい短編の話がことごとくラグナロク編だったりしたので、魔性変革編の幕間は独自形式にし、その上でラグナロク編といくつかの短編をまとめて一章として使う方向にしようかと思います。