好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
和地Side
大口を叩いたうえ、殆どの連中をカズヒ姉さんが持って行ってくれている。
だからこそ、俺は此処でやることをしっかりやり遂げないと。
インガ姉ちゃんを助け出す。その目を覚まさせないといけない。
なんだけど……っ。
「……なんで来たんですか、なんで……なんで!」
強かった。インガ姉ちゃん強かった!
いや、映像で見てたから強いのは知ってた。インガ姉ちゃんは細剣を使っての戦闘を基本として、はっきり言ってめちゃくちゃ強かった。
元々評価はそこまで高くなかったけど、たぶん
だけど―
「なんでなんでなんでなんでなんで! なんで……なんで私なんかの為にこんなところに来るんですか!」
―あのレーティングゲーム、まだ全力じゃなかったのか!
いや、たぶん実戦を踏んだことでコツを掴んだんだろう。それが理由でポテンシャルが明らかに数段上がってる。
そして最悪なことに、インガ姉ちゃんの星もかなり厄介だ。
振るわれる刺突はその周囲に、ドリルのように回転する追加攻撃が入っている。
更に移動速度はまるで推進器をつけているかのように早く、掻い潜って組み付こうとした瞬間には暴風を喰らって浮き上がって吹き飛ばされる。
運よく打撃を入れたとしても、まるでエアバッグに当たったかのように衝撃が吸収されている。
……おそらくだ。インガ姉ちゃんの星は大気の操作だろう。
それもおそらく操縦性が特に高い。それによって多種多様な効果を発揮することができるのがポイントだろう。
威力においては低めだから、たぶん収束性は低い。あと近接戦闘が主体ということは拡散性と干渉性もさほどないと見ていい。遠距離なら暴風の発生程度で済むだろう。
だけど、問題は距離を完全にインガ姉ちゃんに支配されてる点なんだよ。
「んな……くそ!」
反撃の攻撃を放つけど、その瞬間にはこっちから距離を取られてる。
さっきからインガ姉ちゃんにとって都合がいい距離ばかり取られている所為で、反撃を叩き込むことが碌にできない。よしんば当たってもエアバッグで威力が大きく殺されてる。最悪の場合はバックステップ込みで完全に吸収される始末だ。
推進力の高さによる距離の完全支配に、防御面の保険が付いたことで完璧に攻撃を支配されている。
これは、流石にきつい……っ。
そして何よりきついのは、インガ姉ちゃんの表情だ。
「……このまま地獄に道連れになるだけなのに。道連れにならなくちゃいけないのに。みんなみんなみんなそうなるのに。なんでなんでなんでなんでなんでなんで―」
あんな絶望しまくっているインガ姉ちゃんの顔なんて、見させられる身にも―
「―なんで手を伸ばして、救われるなんて思わせるんだよ! そんな価値なんて私にはないのにぃいいいいいいいい!」
―その瞬間、今まで以上の加速でインガ姉ちゃんが踏み込んだ。
まずい、完全に刺突が躱せる状態じゃ―
イッセーSide
「ディオドラぁあああああ!」
俺はブちぎれて一気に突貫して、ディオドラの奴をぶん殴る。
ディオドラの野郎。拘束されてるアーシアに全部話しやがった。
満面の笑顔で自慢みたいに言いやがって。ここまでクソッタレだなんて思ってなかった。
だから、文字通り全力で俺はディオドラをぶん殴った。
「―驚いた。君も大概強くなったんだね」
それを、ディオドラの野郎は受け止めやがった。
「……ヴァーリの野郎が気をつけろっていうわけだよ」
「なるほど。思った以上に手が回ってると思ったら彼が余計なことをしたのか。あとでシャルバ達に言ってお仕置きしてもらわないと……ね!」
魔力を込めた拳をディオドラが放つけど、俺はそれを右手で受け止める。
お互いに睨み合ったけど、ディオドラが魔力の塊を叩き付けてきたことで、一旦仕切り直しになった。
「……冗談だろ。蛇で僕の力は強化されてるってのにピンピンしてるのかい?」
「こっちの台詞だよ。蛇を使ってこの程度だってのか?」
『そう驚くな、相棒。仮にも二天龍を宿し正式に禁手になった今のお前が、蛇を使ったとはいえたかが上級悪魔にそう後れを取るものか』
そっか。俺ってばそんなに強くなってるのか。
ありがとよ、ドライグ。お前を宿しているからこそ、俺は目の前の糞野郎をぶん殴れる。
「……イッセー。私の分も残してくれないと困るぞ?」
「そうね。許せないのは私達全員だもの。一緒に戦いましょう?」
そう言いながら、ゼノヴィアと部長が俺の隣に並び立つ。
シャルロット達もディオドラを包囲するように集まって、一斉に睨んでいる。
俺達全員を怒らせたんだ。ただで済むと思ってないだろうな、ディオドラ。
「なるほど、ね。これは流石に蛇だけじゃ凌げないか」
の割には余裕だな。
俺達がその余裕っぷりに警戒していると、ディオドラは懐から何かを取り出した。
「貰っておいて正解だったよ、念には念とはよく言ったものさ」
『レイドライザー』
『Burst!』
……マジかよ。
「……レイドライザーにプログライズキー」
「どうやら、相当優遇されているようだね……っ」
小猫ちゃんと木場が言った通り、ディオドラが持ってるのはレイドライザーにプログライズキーのセットだった。
まだ隠し玉があったってことなのかよ。
なら、使う前に叩き潰して―
「本気の本気で行かせてもらうよ。そう、全力でね―」
その時、空気が変わった。
いや、これは―
「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星」
こいつも、
「優雅に楽しきその時を、長く味わい愉悦に浸る。これぞ貴種の特権なり」
何時の間にか引き抜いたサーベルは、星辰奏者用の
「手間暇かけて準備を整え、成功するのは格別の美酒。得物を眺めて可愛がる、この悦びこそ至福の時」
こっちが慌てて叩きのめそうとしても、レイダーと蛇で強化された星辰奏者の動きで、ディオドラは攻撃を凌いでくる。
「愚民の義憤? 笑止千万。愚かで下等な存在共など、我らが遊戯に使われろ」
レイダーとしての左腕のクローやサーベルが攻撃を弾き、魔力の弾丸と左腕のガトリングガンが俺達の接近を阻んできやがる。
「低俗な底辺が我らの喜びの礎となるのだ。歓喜の涙を流してすり寄り、感謝するのが筋だろう」
『ダイナマイティングボライド』
ディオドラがレイドライザーを操作すると、左で二更にでかいガトリングガンが出てきて、俺たちに襲い掛かる。
咄嗟に戦車に昇格し、小猫ちゃんに支えられる形で俺が盾になるけど、思った以上に響いてきやがる。
「光り輝く聖なる宝は、汚れ堕ちるが真なる価値」
「イッセー! こうなれば後先を考えてる暇はない!」
「ああ! 一気に聖剣で決める! やれゼノヴィア!」
何とかアスカロンをゼノヴィアに投げ渡して、俺は攻撃を受け止め続ける。
あいつがどんな星辰光を持ってたとしても、強引に出力で押し切れば―
「我が玩具となる祝福を前に、歓喜と共に朽ち果てるがいい」
―そう思った時、俺達の全身が焼け付いた。
「
な……に、が―
勘違いされたのを訂正しづらかったのですが、シャルバたちが言っていた奴は終始ディオドラのことでした。
いえ、ディオドラの悪辣っぷりにぴったりなのを思いつき「これはディオドラ以外に使わせたらあかんやろ」と思いまして。なので星辰奏者+レイダーという二重の上乗せをして、ディオドラ超強化です。
一応クロスオーバー作品である以上、原作からそのまま出しても問題ないプログライズキー関連はそのまま出してみるのもありかと思ったので、わかりやすく純粋な悪役でしかも公権力側なのにやらかしていたダイナマイティングライオンレイダーをまず出してみました。今後機会があれば、味方側ライダーの派生フォームとして使ってみようか考え中です。
そんなわけで星辰光解説ですが、インガの詠唱はもっと別の機会に前向きな詠唱にしてやりたいと思うので、今回は簡単な能力説明に限定します。
枉法インガ
『UNKNOWN』
基準値:B
発動値:AA
収束性:D
拡散性:E
操縦性:AA
付属性:B
維持性:B
干渉性:D
枉法インガの星辰光。能力は圧縮大気制御。大気を圧縮することで多種多様な手札をとることができる応用技術を持つ星辰光。
拡散性と干渉性が低いことから広範囲に影響を及ぼすことは難しいが、出力・操縦性・維持性がもれなく高水準ということから、強大かつ多種多様な力を長時間運用可能という、星辰光としては破格のポテンシャルを保有。