好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
イッセーSide
カズヒの指示は流石にちょっと多い気がする。
っていうかディオドラの眷属って駒数そのままのフルメンバーだよね!? あのインガってのを除いても十四人だよね!?
……カズヒを足しても九人しかいない俺達だと、野郎の俺と木場が二人抱えてもまだ足りないだろ。あ、ギャスパーは体格的に除いてます。
ちょっとぐらい文句を言ってもいい気がしたな。
なんで俺はカズヒにちょっと振り返って文句を言おうとしたその時だった。
「ディオドラめ。しくじるとは情けない」
なんだ、今の声―
「ぼさっとしない!」
―その瞬間、カズヒが俺達を蹴り飛ばした。
同時に防壁っぽいのを出して、そこに隠れるように体を動かした直後、凄いエネルギーが叩き込まれる。
何が何だか分からない中、カズヒが防壁ごと吹っ飛ばされて壁に叩き付けられた。
「カズヒさん!?」
「アーシア先輩、ダメです!」
アーシアが咄嗟に駆け出そうとするけど、それを小猫ちゃんが押しとどめる。
ああそうだ。俺もとっても気になるし、すぐにでも助けに行きたい。
だけど駄目だ。今後ろを向いたら、俺達はすぐにやられる……っ!
それぐらいヤバい奴が、今俺達の視線の先に浮かんでる。
軽装の鎧や色っぽい恰好や貴族っぽい服を着ている三人の悪魔の男女が、俺達に敵意満々の視線を向けてきている。
しかもこいつら、コカビエルとも真っ向からやり合えそうな連中ばかりだ。オーラが強い……強すぎる……!
「忌々しいグレモリーの娘よ」
そんな奴らの一人、軽装の鎧をきた悪魔が、部長にめっちゃ嫌そうな目を向けてきた。
「俺は偉大なる真なるベルゼブブを継ぐ者、シャルバ・ベルゼブブ。こちらの二人はそれぞれアスモデウスとレヴィアタンの末裔だ」
「クルゼレイ・アスモデウスだ。冥途の土産に覚えるがいい、下賤なまがい物を従える愚か者よ」
「カテレア・レヴィアタンです。……死ぬ前に偉大なる名を聞けるとは幸運ですね」
きゅ、旧魔王の血族全員集合かよ!?
「ごきげんよう、かつての魔王の血縁者の方々? 私達を殺せば魔王様をおびき寄せるとでも思っているのかしら?」
部長は強気に答えるけど、頬が少し引きつってる。
流石にまずい。あいつら全員蛇を使ってるし、魔王様達と渡り合ったんだろ?
今の俺達だけじゃ、覇龍を使ってもヤバい……!
そんな連中は俺達に嫌悪感丸出しの目で見下してきてる。
シャルバは特にこっちの汚物みたいに見ながら、形をすくめた。
「そんなことをする気はない。むしろ奴を殺す前に手土産が欲しいのでな。首を引きちぎりに来たのさ」
やっぱりやる気満々かよ。
しかもサーゼクス様すら殺そうってか? 言ってくれるじゃねえか。
部長も苛立ってるのか、口元が引きつってる。
「卑怯ね。魔王様を直接狙わず、その周囲から狙うなんて」
「おかしなことを言いますね。我々真なる魔王を追放してその座に座った一族はもれなく滅びる対象です。遅いか早いかの違いでしょう?」
部長にカテレアがそう返すと、クルゼレイってのも頷いた。
「全くだ。むしろすべてを失ってから死ぬことこそが、魔王の座を簒奪したあの偽物どもに相応しい」
……性格が悪すぎる。
俺らからすれば生まれてもいない時の話だってのに、それで俺達を直接狙うってのか。
こんなろくでもねえ奴が魔王だってのか。そりゃ追放されるだろうさ。
だけどどうする? 今の消耗した俺達じゃ、覇龍だってろくに使えない。
このままだと、まずい。
俺達が気圧されていると、シャルバは軽く肩をすくめた。
「まあいい。今頃サーゼクスはミザリの奴がいたぶっているころだろう。ミカエルやアザゼルの奴がいるから止めこそさせてないが、深手を負って動けないようなのでな」
は?
おいおいちょっと待てよ。今なんて言った?
ミザリって、確かイシロ・グラシャラボラスの眷属だった奴だ。変異の駒の
ただ者じゃないのは間違いなけど、それにしたってミカエルさんやアザゼル先生がいるってのにサーゼクス様に深手を負わせたってのか!?
「……嘘よ! お兄様が若手悪魔の眷属一人に、それもミカエル様やアザゼルがいるのにだなんて!?」
部長も明確に否定するけど、それをシャルバ達は嘲笑して眺めてきやがる。
「いい気味だ。サーゼクスに報いが下り、その妹が絶望するのは心地がいいな」
クルゼレイの奴がそんなことを言ってくるけど、それってつまりマジか!?
俺達皆が愕然としてると、カテレアがふぅと息をついた。
「忌々しい生まれですが、血統としては純粋なルシファーなのが彼です。正当なルシファーがまがい物のルシファーを打倒したのですから、私達もいずれは打倒しなければなりません」
はぁ!? ミザリがルシファー!? ヴァーリと同じ!?
本気でどういうことだよ。訳が分からなさすぎて困惑するんだけど!?
っていうかあいつら! 思いっきりこっちを馬鹿にしてやがる。それもめっちゃ嬉しそうだな!
くそ! でも今の状態じゃ勝ち目がない。
俺達全員、ディオドラと戦って消耗しすぎてるんだ。ダメージはアーシアが回復してくれたけど、肝心の体力が残ってない。
くそ、どうする……どうすりゃ……っ
「何がどうなってる!?」
こ、この声は……っ!
和地Side
ったく。どういう状況だこれは!
ディオドラをどうにかするって話じゃなかったのか?
辺りを見渡すと、そこにはボロ雑巾になっているディオドラが隅に倒れていて、ボロボロのイッセー達を見下ろす位置で三人ぐらいヤバい奴が浮いている。
なんだこれは。ボス戦を追えたと思ったら隠しボスでも来たってオチか何かか!
「……九成! ヤバい、こいつら旧魔王派のトップだ!」
イッセーがそう言うけど、マジか。
旧魔王派のトップって、確か亜種聖杯で強化しまくった結果性能が大幅に上がってるとかいうあの?
ディオドラがボスかと思ったら本当に裏ボスが出てきたのかよ。どう考えてもプロデビュー前の上級悪魔がどうにかするような奴じゃないぞ!?
「クソッタレ!」
これはまずいな。最悪と言ってもいいだろうが!
流石に精神的に最悪だ。正直本気で逃げたいぐらいなんだが、そんなわけにはいかねえし、そもそも逃がしてくれるわけがない。
俺はちらりとインガ姉ちゃんの方を見る。
「……そん、な……」
息を呑んで顔を真っ青にしているのがよく分かる。
そりゃそうだろう。目の前の問題から引っ張り上げられたと思ったらこれだ。ショックで気絶してもおかしくない。
どうする? どうすればいい?
インガ姉ちゃんを死なせるわけにはいかない。そもそもイッセー達だって死なせるつもりもない。カズヒ姉さんの姿は見えないけど、万が一を考えれば尚更ここで何とかしないと。
だけどこれは、完璧に俺ができる範囲を超えてやがる。
どうしろってんだ、クソッタレ―
「あ、やっぱり君、カズくん?」
―そんな時、そんなのんきな声が届いた。
ん? というか、この声どこかで聞いた覚えが。
俺は首を傾げながら振り返ると、そこには眼帯のように片方を装甲で包み込んだ複眼の仮面ライダーがいた。
あれが仮面ライダーグリームニルとかいうのか?
というか、俺のこと知ってる感じなんだけど、誰だ?
「えっと……どちら様で? 顔が見えないので名乗ってくれない?」
「あ、そっか。ごめんごめん。……覚えてない? 小学校に入る前ぐらいが対象の外国語講座で担当になった―」
そこまで言われて、俺は速攻で思い出した。
というか忘れるわけがない。
あんな子供向けじゃないアドバイス、忘れるわけがない。
「……リヴァ先生!? え、なんでこんなところに? っていうかなんで仮面ライダー!?」
思い出すというかなんというか。
一軒家に引っ越す前、春っちが虐められてたりしてたことに相談して、やりすぎないように気を付けて出るところの出るという子供向けじゃ無さすぎるアドバイスをしたお姉さんがなんでこんなところに!?
確か俺が引っ越す前、実家に帰る決心がついたとか言ってなかったか!?
………まさか。
「実家って異形関係!?」
「そういうこと。まぁ、つもり話はまた後でね?」
想定外の方向でパニックを起こしてる俺を通り越して、リヴァ先生は旧魔王派の連中達の前に立ちはだかる。
「戦闘が膠着状態になったから、お父様に言われてサポートに来たよ。というか、これは本当に来てよかったかな~」
そんな困ってる口調なのはともかく、すっごく助かる。
っていうかお父様? どちら様?
「オーディン様から!? これは、本当にありがたいわ!」
「オーディン!? 北欧の主神オーディンが父親なんですか!?」
部長から想定外の情報がぶっこまれて、俺はもうパニックを起こしてるんだけど!?
「和地君、ちょっと大丈夫かな? 一応今、すっごいピンチだからね?」
インガ姉ちゃんが肩に手を置いてくれるのはありがたいけど、ぶっちゃけいろんな情報にいろんな方向を揺さぶられて、状況を把握する余裕が欠片もないんですが……。
あ、置いてけぼりにされてる旧魔王血族の方が振えてる。
「貴様らいい加減に―」
「―こっちの台詞よ!」
その後頭部にカズヒ姉さんが後ろから飛び蹴りを叩き込んだ!
い、何時の間に!?
そのまま一回転しながらカズヒ姉さんは着地すると、イッセー達に振り返る。
「気合入れるわよ! こうなったらこっちもやるだけやってやろうじゃない! 倒して名を上げましょう!!」
「……そうですね。逃がしてくれそうにないのなら、死ぬ気で勝って生き残るだけです」
シャルロットも気合を入れて立ち上がると、真っ向から旧魔王派の連中を見据える。
そしてそれに呼応するように、イッセーが拳を握り締めて並び立った。
「なら、マスターとして恥ずかしい所は見せられないか」
それに応じるように、今度はリアス部長が魔力を滾らせる。
「なら当然、主も情けない所は見せられないわね。……私の可愛い下僕達!」
そして声を張り上げ、それに呼応して皆が戦意を滾らせる。
「敵は旧魔王の末裔達が三人。亜種聖杯とオーフィスの蛇で強化された、ディオドラとは比べ物にならない化け物達! ……でも、私達は勝って生き残る! そのつもりで戦いなさい!!」
「「「「「「「「はい、部長!」」」」」」」」
……なら、俺もだな。
「インガ姉ちゃん。ゴメン、ちょっと死ぬほど大変だけど手伝ってほしい」
「……あ~。なんかこれが何度もありそうな予感してきたな~」
遠い目をしながら、インガ姉ちゃんは細剣を構えて苦笑する。
「終わったら甘えていいかな? ううん、甘えさせて。甘えさせろ」
了解です。頑張ります。
俺が気合を入れていると、カズヒ姉さんと目が合った。
なんかこっちとインガ姉ちゃんを交互に見て、うんうん頷いている。
あ、親指立てていい笑顔だ。
「やるじゃない。あとは私を本気で惚れさせなさい?」
「「「「「「「「「「本気で言ってた!?」」」」」」」」」」
俺+グレモリー眷属の総ツッコミ。
なんだろうか、ちょっと空気がグダグダしてきたぞ?
「あ、えっと……枉法インガです。その、妾的な感じだから、よろしくお願いします?」
「本妻になれるかは和地次第だけど、カズヒ・シチャースチエよ。あと私の方が年下だから敬語はいいわ」
あの、お互い挨拶を交わさないでもらえません?
すっごくキッツい。精神的に何かがゴリゴリ削れてるし、空気が読めてないから尚更だ。
旧魔王派の連中が肩を怒りで振るわせてるし。俺、真っ先に狙われて殺されそうな気がしてきた。
あとイッセーは俺を睨むな。お前そんなもんじゃないんだからいい加減に自覚しろ。
「……辞世の句はそれでいいのか? ならさっさと死ねばいいな?」
シャルバが肩を震わせながらこっちを睨むけど、カズヒ姉さんは肩をすくめた。
「冗談。和地が男を見せたのだから、褒めて挙げるのが女の心意気よ」
「いやほんと、後でしっかり褒めてくれ。もうやけになりかけてるから」
俺はカズヒ姉さんと並び立つと、お互いにプログライズキーの準備をする。
そしてイッセーはイッセーでうんうんと頷くと、一歩前に出た。
「……あのシャルバは俺とシャルロットが何とかする。皆は残りの二人を頼む」
何かあてはあるってことか。なら、信じるしかないな。
「じゃあ、気合を入れるとするか」
『SAVE』
「そうね。ここで死ぬのは嫌だわ」
『CRY』
俺とカズヒ姉さんはプログライズキーを起動し、そして装填する。
『kamen……rider……kamen……rider……』
敵は魔王の末裔が合計三人。
ああ、上等だ。必ず勝つ。
「「変身!」」
『ショットライズ』
『フォースライズ』
俺とカズヒ姉さんは同時に変身し、そして並び立つ。
『サルヴェイティングドッグ! Oll light I'm guardian of human』
『ハウリングホッパー! I am a supporter of justice and enemry of eviel』
『Break down』
さぁ、もうひと踏ん張り来ますかぁ!
満身創痍な状態でのエクストラマッチ。次が魔性変革編のラストバトル(幕間を除く)です。
そしてリヴァは和地ヒロインとして設計しました。一応これで和地ヒロインは現状設計している者は全員出しました。