好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
Other Side
リアス・グレモリー達は総力を挙げ、クルゼレイ・アスモデウスと相対する。
現状では戦力比率から言ってこれがベター。それを理解しているがゆえに、遠慮せず全力で攻撃を叩き込む。
デュランダルや聖魔剣すら合わさった総攻撃は、最上級悪魔ですら深手を負うだろう威力がある。間違いなくプロデビュー前の若手悪魔のレベルではない。
だが、クルゼレイは怯まない。
「笑わせるなよ、まがい物を集める愚者如きがぁ!」
全てを強引に魔力で振り払い、クルゼレイは反撃の砲撃を放つ。
連携で的確に分散して躱すが、一発でも直撃すれば全身が吹き飛ぶ火力の猛攻に肝が冷える。
その後は分散して敵を引き付けつつの攻撃に終始しているが、それでも決定打を与えるには足りていない。
このままでは他のメンバーが敵を倒すまでにこちらが押し切られる。一人でも倒されればそれで終わりになる。
「こ……のぉ!」
それを悟っているからこそ、リアスは正真正銘全力で攻撃を放つが、然し通用しない。
そこに忸怩たる思いを抱き……ふと気づいた。
あまりに効いてなさすぎる。
冷静に考えればおかしかったのだ。
如何に蛇で強化されているとはいえ、現魔王を一人で押し切るような手合いが、リアス・グレモリー眷属の総力如きにここまで時間をかけるものなのだろうか?
そこに思い至り、リアスは悟った。
「……あなた、まさか対悪魔に特化した強化を―ッ」
「ほぅ、気づいたか」
クルゼレイはそれを隠しもしない。
おそらく悪魔という存在に対しての特化した対抗能力。ゆえに純粋な悪魔出ない自分達の眷属は、本来の種族特性などによって効果が薄くなっているのだろう。
そして同時に不敵な笑みすら浮かべていた。
「そうだ。悪魔の王としてそれぐらいはするとも。それがいったいどうしたと―」
「―なるほどね。なら、対処方法は明確だわ」
それを悟り、リアスは勝機を見出した。
つまりこの戦いにおいて、オフェンスを担当するべき存在は―
「和地、カズヒ! あなた達はオフェンスに回って! 私達はそのサポートに徹するわ!」
―悪魔以外を攻撃の主軸にする。ただこの一点である。
和地Side
そういうことか!
確かにそれなら俺やカズヒ姉さんがオフェンスに回るべきだろう。
悪魔を一点に集めてると返ってマズイ。分散させてサポートに回しつつ、オフェンスを俺やカズヒ姉さんが受け持てば……っ!
「カズヒ姉さん、リヴァ先生!
とりあえず、野郎だから野郎が相手する方向で俺は突貫する。
まあそれも冷静に考えると単純だけど、優先順位は数を減らすことだ。
集団戦の王道は数を減らすこと。方向性としては最高は最強戦力を潰して総崩れで、最善は弱い奴から削って確実に士気と人数を削ること。
ただし、この場合はどっちもまず不可能。というより、そういった選別に意味がない。
だって三人ともたぶんほぼ同格だ。魔王血族同士で、かつオーフィスの蛇と亜種聖杯で強化済み。全員がもれなくボス級という始末だ。
なら、戦闘能力が仮面ライダー上乗せで俺より強くなってるだろうカズヒ姉さんと、なんか知らないけど実は神の血が流れてるリヴァ先生で一人潰してもらうべきだ。
というわけで―
「お前の相手は俺だ!」
「―下等な人間風情が!」
振るわれる攻撃を回避して、俺はショットライザーを何発か当てる。
とはいえ流石に効いてないか。なら、やるべきことはシンプルに!
『SHILD』
「再変身!」
振るわれる攻撃を回避しながら、俺はプログライズキーを交換して再度変身する。
『ショットライズ』
「ちぃ! 鬱陶しい!」
ショットライズで軽くけん制をしつつ、俺は素早くショットライザーをつけてから魔剣を創造する。
『ディフェンディングタートル! It's Ppointless I do't die』
ディフェンディングタートルに変身し、俺は全身に結界を纏って突貫して戦闘を開始する。
「部長、こいつの動きを封じる手段を何とか頼みます!」
「分かったわ!」
必要なことを頼んでから、俺は近接戦闘を展開する。
強化魔術との同調に特化した魔剣に魔力を注ぎ込み、真っ向から近接戦闘を開始。幾度となく攻撃をぶつけ合うが、このままだとまずいな。
「下等種族風情が、生意気だぞ!」
「下等種にだって意地があるんだよ!」
何とか撃ち合えているが、流石に何度もやり合うのは無理があるな。
くそ、このままだと押し切られ―
「和地くん!」
―その瞬間、猛攻から俺は一瞬離れた。
と思ったら、すぐに別の位置から接近していた。
「「なに!?」」
「ゴメン、余裕がないから早く!」
あ、インガ姉ちゃん。
何時の間にか背にくっついているインガ姉ちゃんが、俺を移動させたのか。
これなら、基本性能の差を埋めれるから防御込みで時間を稼げる!
「まがい物と下等種風情がぁああああ!」
そしてクルゼレイの攻撃は荒くなってる。怒りで我を失っているな。
いいぞ。そのまま俺達を狙ってくれれば―
「和地、離れて!」
―いいタイミングです、部長!
「インガ姉ちゃん、あっちに!」
「なるほど分かった!」
インガ姉ちゃんがいいポイントに移動すると同時に、部長達の策が発動する。
具体的には大量の聖剣でクルゼレイを包囲しつつ、もろとも魔力の縄で拘束する。
如何にクルゼレイが悪魔に有利だろうと、聖剣による悪影響なら少しは時間が稼げる。
ちなみに聖剣は木場が作った奴だろう。聖魔剣が作れる禁手の影響か、疑似的に聖剣を作る能力も会得してしまったらしい。
だがそのおかげでこっちも行ける!
『SHILD』
「喰らっとけ……っ」
「なめるなぁ!」
『ディフェンディングブラスト』
真っ向からクルゼレイは俺の放ったディフェンディングブラストを撃ち落そうとするが……甘い。
その攻撃を真っ向から受け止め、ディフェンディングブラストはそのままクルゼレイにぶつかると、暴発した勢いで吹っ飛ばされるクルゼレイを更に突き飛ばす。
一撃の威力は低いが頑丈かつ真っ直ぐ飛び続ける弾丸。それがディフェンディングブラストの特性だ。
いうなればノックバックによる吹っ飛ばし攻撃。威力は低いが―
「なっ!? クルゼレイ?」
―敵を一か所に集める分には効果的だ。
「カズヒ姉さん、リヴァ先生!」
俺が声を上げると、リヴァ先生がポンと手を打った。
「あ、なるほど」
『Oden』
そのままリヴァ先生は即座にベルトを操作し、カズヒ姉さんもベルトを二回開閉させる。
「でかしたわ!」
そして俺も!
「これで止めだ……」
『SHILD』
三人同時に飛び上がり、そして反応しきれてないクルゼレイとカテレアに狙いを合わせる。
とっさにしては上出来すぎる連携だと、我ながら思うなこれは。
「「「喰らえぇえええええっ!」」」
『スキルヴィングディストラクション』
『ハウリングユートピア』
『ディフェンディングブラストフィーバー』
「「ぐあぁああああああっ!!」」
渾身の三連撃を喰らい、クルゼレイとカテレアはそのまま吹っ飛ばされて崩れ落ちる。
よし、これで俺達の方は何とかなったか。
あとは……!
イッセーSide
ここで死んでたまるかよ。意地でも勝つ!
「行くぜぇシャルロット!」
「分かってますイッセー!」
俺とシャルロットは禁手で一体化すると同時に、
リアス部長を参加させてない状態では流石にまずいけど、やりようはある。
そのまま強引に突貫すると、シャルバと殴り合いを開始した。
「馬鹿な!? その出力は覇龍のそれ!? リアス・グレモリー無しでは暴走を抑制できないはず―」
「なめんな! 俺はともかく
『あまり時間はかけれません! 早く!』
俺とシャルロットがいれば、赤龍帝の可能性は無限大だ。
今回至った亜種禁手は、
最初から覇龍を使うことを前提として成長を考えていた歴代が使った、覇龍との同調に特化した亜種禁手だ。
その分鎧の性能は劣るし、消耗だって消せるわけじゃない。
だけど何千年も生きる気はないし、何よりここで部長やアーシアが死ぬよりは何倍もマシだ。性能だって、覇龍に至ればこいつをぶちのめすのには―
「―十分だろ!」
「がぁ!? この……糞餓鬼がぁ!」
くそ! ドーピング野郎のくせして強いじゃねえか。
このままだとちょっとまずいか? いや、それでも……っ
俺はいろんなものがゴリゴリ削れて行くのを感じながら、何度も何度も殴り合う。
少なくとも、こいつだけは俺が押しとどめる。そうすればきっと勝てる。皆がカテレアとクルゼレイを打倒してくれるはずだ。
その為なら、俺の寿命の十年や二十年何て安いもんだ。
「だから……敗けねえんだよぉ!」
「ふざけるなよ、下等な人間上がりのまがい物がぁああああ!」
くそ! こいつしぶとい……っ
それでも、それでもなぁ………っ!
「負けて……たまるかぁあああああ!」
俺は全力で殴り飛ばすけど、これで何かが切れた。
『まずいぞ相棒。これ以上は覇龍を維持できん。もって後一発かそこらが―』
そこを何とかできないのか!
くそ、せめて皆が他の奴らを片付けるまで、もてばいいのに……っ!
俺が悔しくて崩れ落ちそうになった時、一歩前に出る人がいた。
「安心しなさい。あとはそいつだけよ!」
『ハウリングディストピア』
カズヒ!?
そうか、カテレアとクルゼレイはどうにかできたのか!
俺がほっとした時には、全身から何か湯気っぽいのを放出しながら、カズヒが目にも止まらない速度でシャルバをタコ殴りにする。
明らかに速すぎるから、そういう能力か何かか。すげえな、オイ。
「おいおい。もうちょっと頑張ろうぜ? 男の意地を見せてやりな」
『SAVE』
そんな音とともに、今度は九成が俺越しにシャルバに照準を向けた。
『サルヴェイティングブラスト』
その攻撃がシャルバを仰け反らせて、俺はこのチャンスを逃さない。
ドライグ。最後の一発はド派手にいかせてくれ!
『いいだろう。ならでかいのを一発ぶちかますぞ!』
『サポートします。行ってください!』
ドライグとシャルロットのサポートを受けて、俺は機能を解放する。
鎧の胸部化展開して、でかい大砲が形成される。
そこに込められた絶大なエネルギーは、今までの比じゃ断じてない。
「まずい、あれは喰らうわけには!」
「させる―」
「―かよ!」
逃げようとするシャルバにカズヒと九成が組み付いた。
このチャンスは逃がせない。間に合え、間に合え―
「な……めるなぁ!」
「「ぐっ!?」」
くそ! 野郎強引に振りほどきやがった。
これは、間に合わな―
「「「『え?』」」」
―と思った瞬間、シャルバの動きが一瞬止まる。
これは、まさか!
「イッセー先輩、トドメです!」
でかしたギャスパー!
「いっけぇえええええええ! ロンギヌス・スマッシャーっ!」
俺は後輩のチャンスを逃さず、渾身の全力砲撃をぶっ放した。
「「うわっ!?」」
思った以上に太かったから、カズヒと九成が慌てて飛び跳ねる。
同時にシャルバが停止を解除したけどもう遅い。
「俺達のゲームを台無しにして、アーシアを悲しませたツケを払いやがれぇええええええ!?」
「―がぁあああああ!? 馬鹿な、アジュカを滅ぼしても、ヴァーリに一泡吹かせてもないのに、こんなクソガキどもにぃいいいいいいい!?」
そんな絶叫を放ちながら、シャルバの奴は盛大に吹っ飛んだ。
俺は限界を超えて鎧を解除しながら、倒れそうになりながらも九成達に腕を突き出す。
二人もそれに気づいて、それぞれ腕を上げて答えてくれた。
ああ、大勝利だ!
イッセーの亜種禁手、今度は覇龍特化型。
覇龍を制御することに特化した亜種禁手であるが、そのため本来の性能が低いという問題点のある亜種禁手。それでも覇龍を発動して制御できるので、まだ何とかしのぎきれました。
そして旧魔王派三人組。目的に特化した願望が原因で、和地達によって敗北。
この辺、彼ららしい理由で墓穴を掘った形になるようにちょっと頭をひねりました。
そして何とかバトルは終了。あとは幕間を除けば事後処理とかがメインとなりますです、はい。