好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 ガチバトルは終了し、あとは余韻とか事後処理とかの段階に到達いたしました!


魔性変革編 第五十三話 赤龍神帝

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は覇龍を解除して、盛大に倒れる。

 

 なんかもうめちゃくちゃ疲れたっていうか、いろんなものが文字通りなくなったってこれ。

 

 これ寿命とか、百年や二百年じゃ効かない数を失ったよなぁ。詳しく知ったらショックを受けそう。

 

 でも―

 

「お疲れ様です、イッセー」

 

 ―ふと、シャルロットが俺を受け止めてくれる。

 

 俺がやばめなのを分かってるのか、ちょっと悲しそうなのがちょっと罪悪感が浮かんでくる。

 

 だけど、シャルロットは誇らしげな表情を俺に向けていた。

 

「いつもイッセーは、私が胸を張れるマスターでいてくださいますね」

 

「……そっか。シャルロットも俺が胸を張れるサーヴァントでいてくれてありがとな」

 

 これは決して失ってない。

 

 後ろを向けば、駆け寄ってくれるリアス部長達の姿も見える。

 

 何より、ほっとしながら、涙を浮かべながら走り寄ってくるアーシアがいる。

 

 色々ダメージはでかいけど、それでも大切なものは皆守り通せた。

 

 ああ、これからも、俺はこうして生きていくさ。

 

 全力全開。全身全霊。大事なものを守って大事な生活を送り続けてやる。

 

「……驚いた。まさかこの手勢でシャルバ達三人を返り討ちにするとはね」

 

 そんな声が聞こえると、なんかヴァーリが美猴やアーサーを連れて俺達の前に来ていた。

 

 九成とカズヒが構えてるけど、ヴァーリは片手を前に出して制している。

 

「ここに来たのはたまたまだ。俺達は旧魔王派の作戦に興味なんかないし、別の目的は君達の害にもならない。だから仕掛けてこなければ何もしないさ」

 

「……散々盛大に裏切ってテロリストに堕ちながら信用しろと?」

 

 カズヒは今にも切りかかりそうだけど、それでもぐっと抑えてる。

 

 というか、今戦ったら絶対俺達の誰かが死ぬだろコレ。

 

「まあまあ落ち着こうぜぃ? 今俺達と戦ったらそっちがやばいだろ、な?」

 

 美猴がそんな風ににやりと笑ってるけど、カズヒはいつでも仕掛けられる状態で鋭く睨んでた。

 

 分かってるから仕掛けないけど、全然信用してないって丸分かりだ。

 

 それにヴァーリ達は苦笑するけど、何かに気づいたのか空を見上げた。

 

「……見てみるといい。いいものが見れるぞ?」

 

 その視線につられて見ると、そこには空間が断ち切れて別の空間が見えていた。

 

 そして、そこを飛んでいるドラゴンが一体。っていうか、距離から見てかなりでかくないか?

 

「グレートレッド……って奴か?」

 

「なんだそりゃ?」

 

 九成が呟いてたので首を傾げると、カズヒがため息をついた。

 

「オーフィスと唯一同格と言われる、この世界における究極の強者。赤龍神帝とも呼ばれているわね」

 

「その赤を司る最強のドラゴンがアレさ。あれの前では紅の魔王サーゼクス・ルシファーですら一人では赤子のような物だし、二天龍すら圧倒する力の持ち主だろう」

 

 ヴァーリまでそんなこと言うけど、マジか。

 

『痛いことを言ってくれるな』

 

『悪いな赤いの。奴はヴァーリの目標なんだ』

 

 ドライグとアルビオンがそう言うけど、目標?

 

「なんだよ、目標って」

 

「単純だよ。二天龍をなす赤と白の、赤い方に神龍がいるのに白い方にはない。それがどうも気に食わなくてね」

 

 俺にそう答えながら、ヴァーリは挑戦者の表情でグレートレッドを見る。

 

「俺は必ず白龍神皇となる。いずれグレートレッドと同格の存在になり、そして超える。それこそが俺の夢だ」

 

 ……そっか。こいつにも夢があるのか。

 

 迷惑なテロリストで裏切り者だけど、こいつにもそんな夢があるのか。俺の、最高のハーレムを作りたいってのと同じ、こいつだけの夢が。

 

 そう思ってると、ふと隣に小さな女の子が立っていた。

 

 なんかぼんやりしてる、黒い髪のゴスロリ少女。

 

 なんでこんなところに? ここ、テロリストが襲撃してきた戦場のど真ん中だぞ?

 

「危ないぜ? っていうか、君は誰だい?」

 

「我はオーフィス」

 

 俺がそういうと、その女の子はこっちを見ずに答えてくれた。

 

 ふーん。オーフィスっていうのか。

 

 ん? どこかで聞いたような?

 

 俺が首を傾げてると、シャルロットが錆び付いた機械みたいに首を向けた。

 

 あ、シャルロットも知ってるのか。それにしてもなんかすっごい名前を聞いたような感じだな。

 

 ……いやちょっと待て。そういえば禍の団(カオス・ブリゲート)のボスもオーフィスとか言ってなかったっけ?

 

 俺がそこに気づいて固まってると、オーフィスはこっちを見ずにグレートレッドに指を突きつけた。

 

「我は必ず、静寂を手にする」

 

 そこまでいうと、オーフィスはいきなり姿をかき消した。

 

 え、え、え……?

 

 なんかこう、マイペースだなオイ。

 

 俺はちょっと引いてたけど、なんか意識が薄れてきた。

 

 あ、やべ。なんか意識が朦朧と……。

 

「おいおい、赤龍帝は大丈夫なのかよ? 仙術で調子でも整えてやろうかぃ」

 

 美猴がそんなことを言っているけど、それならむしろ―

 

「いや、それなら部長の乳首の方が―」

 

 あ、もう無理。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、イッセーが気絶した。

 

「イッセー!」

 

「イッセーさん!」

 

 部長とアーシアが慌てて駆け寄って抱きしめるけど、完璧にグロッキーで気絶してるな。

 

 こりゃもうイッセーは当分戦えないな。俺も少し落ち着いて考えないとな。

 

 ため息をつきながら、俺は周囲を確認する。

 

 どうやら今度こそ、敵の増援は止まったらしいな。

 

 そこは素直にほっとできる。とはいえ、ヴァーリチームは目の前にいるんだけどな。

 

 俺達だけでなく木場達も警戒しているけど、ヴァーリチームはどこ吹く風だ。

 

 まだ少し姿が見えるグレートレッドを見ているだけで、こっちに視線を碌に向けやしない。

 

 ……なんというか、好き勝手に生きてるなぁこいつら。

 

「さて、俺達はそろそろ帰らせてもらうよ。これからうるさい連中が出てきそうだしな」

 

「まあ確かに。旧魔王派の連中軒並みぶっ倒した連中とのんびりしてたらうるさく言われるだろうな」

 

 俺はちょっと皮肉を言うけど、ヴァーリはきょとんとしていた。

 

 そこは気にしてもなかったのかよ。こいつらホントこぉ、自分がテロリストって自覚に欠けるんじゃないか?

 

 まあテロリストにアドバイスするのもあれだから我慢してると、ヴァーリは苦笑しながら肩をすくめた。

 

「今回の敗北で旧魔王派は発言力を失うだろうからな。今度は俺に代表になってくれとか言ってきそうなのが嫌なのさ」

 

「……そうなの? ルシファーの末裔ならそれなりに待遇もよさそうだけれど」

 

 部長が我に返ってそう返すけど、ヴァーリはむしろ面倒そうだ。

 

「余計な重荷を背負う気はない。俺はあいつ等みたいに誇り高い存在として恥ずかしいことはしたくないし、誇り高く生きたいのさ」

 

 ……むしろ背負ったらどうなんだろうか。

 

 根無し草って誇り高いのか? 俺としてはもっとこう、誇り高い存在ならそれに見合った重荷を背負ってるもんだと思うんだけど。

 

 まあそんなことを言ってやる必要もないか。

 

 こいつら本当に、こぉ……毎日が楽しそうに見えるからな。

 

「では帰りましょうか。そろそろルフェイが夕食を作っている頃でしょうし」

 

 アーサー・ペンドラゴンらしき金髪が、そう言って聖剣で空間を切る。

 

 それを見ていたカズヒ姉さんが、少し考えてから声をかけた。

 

「アーサー・ペンドラゴン。見逃してもらった借りを返すってわけじゃないけど、一つ言っておくわ」

 

「はて、何でしょうか?」

 

 振り返るアーサーに、カズヒ姉さんは真っ向からその目を見据える。

 

「分家のアニル・ペンドラゴンは、アンタに必ず一発かますわ。ヤンチャのツケを払う準備をしておきなさい」

 

 その言葉に、アーサーは少し怪訝な表情を浮かべた。

 

 分家の奴のことなんて知らないとか言うのかとも思ったが、そういうわけでもなさそうだな。

 

 そして、軽く苦笑した。

 

「無謀でしょう。父相手でも一本すら取れなかったのですが」

 

 よ、余裕の表情だ。

 

 完璧に負けるなんて可能性が思い至れないレベルだ。傲慢なのかよっぽど腕に自信があるのか。

 

 だけどカズヒ姉さんは、不敵な笑みすら浮かべていた。

 

「あまり油断しないことね? 弱者には弱者の戦い方があると憶えておきなさい」

 

「ふふ。もしそうなら、強者は弱者にそう負けまいが故の強者だと教えて差し上げましょう」

 

 そんな風に言葉を交わし合い、なんか戦意をぶつけ合った。

 

 あの、カズヒ姉さん。戦うのはアニルだよね?

 

 と、気づけばヴァーリはなんかまじまじとイッセー達を見てる。

 

 なんだなんだと俺達の視線が集まれば、ヴァーリは小さく首を傾げた。

 

「……しかし兵藤一誠は俺を一旦は凌駕したり禁手に至ったり。リアス・グレモリーの乳房を何かのスイッチにでもしているのか?」

 

 ………。

 

「ブフォッ! す、スイッチ姫ってか?」

 

 美猴、笑うな。ツボにはまる。

 

 後語呂の言いパワーワード作るな。

 

 というかリアス部長から消滅のオーラが漏れてきている。

 

 俺が正直ビビっている中、カズヒ姉さんはそっと肩に手を置くと首を横に振った。

 

「部長ストップ。気持ちは分かるけど此処は抑えて。セクハラの報復は今度出くわした時にまとめてしてやりましょう」

 

「そうね。地獄を見せるのは今度会った時でいいわよね……っ」

 

 カズヒ姉さん。それはストッパーではなくチャージユニットというのではなかろうか。

 

 そんなことを俺が思っている間に、ヴァーリ達もさっさと事件の狭間に消えて行った。

 

 なんというか、フレンドリーな奴らだな。あいつら自分達が裏切者のテロリストで、俺達を殺しかけた側だって分かってるんだろうか。

 

 俺は正直ため息をつきたくなったけど、とりあえず苦笑するとインガ姉ちゃんに振り返る。

 

「……じゃあ、帰るか。いや違うか」

 

 いや、これなんか変な気がするな。

 

 インガ姉ちゃんにとっては帰るかではないよな。どう考えても取り調べは受けるほかないよな。

 

 よし、こっちにしよう。

 

「一緒に来てくれインガ姉ちゃん。俺はインガ姉ちゃんと一緒にいたい」

 

「……もう。凄いこと言ってるよね、和地君は」

 

 顔を赤らめてくれているのは、喜んでいいような理由からだろうか。

 

 あとカズヒ姉さんはうんうん満足そうに頷くのが答えでいいのか? 確かにカズヒ姉さんが言った条件はクリアしたけど、それでいいのかと俺は聞きたい。

 

「よろしく頼むわ。ええ、心から歓迎するから好物を教えて頂戴。用意するから」

 

「……えっと、そんなこと言われても無理な気がするんだけど。あと君……誰?」

 

 あ、そういえば直接紹介してなかった。

 

 

 

 

 




 戦闘そのものは終了しましたが、まだそれなりに続くのじゃよ。

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