好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
アザゼルSide
「なるほど。じゃ、ちょっと撤退した方がいいかな」
そう軽い口調で、ミザリの奴は撤退を決めた。
………なんて奴だ。正直ビビったぜ。
俺とミカエルの攻撃を、ことごとくミザリの奴は回避した。おかげであいつはほぼ無傷だ。
もちろん俺達も奴の攻撃を避けることはできた。だが、俺とミカエルは無事だがサーゼクスはそうもいってない。
「ぐ……っ」
そう呻きながら、サーゼクスは何とか立ち上がろうとする。
だが深く聖槍で切り裂かれている以上、純血悪魔のサーゼクスにとっては動くことができるだけで奇跡に近い。
この一点をもって、この戦いはミザリの判定勝ちだ。
三対一を無傷で凌がれた挙句、多分一番強いサーゼクスが深手を負っている。それも
こいつはきつい。大王派の連中が小躍りしそうな話だな。
ファルビウムとセラフォルーに続き、サーゼクスまでもが本来の魔王血族に叩きのめされた。更にアジュカに至っちゃ、本家から禍の団に裏切った奴が出てきたという始末。
昨今の大王派が有利な政治的バランスも含めれば、現四大魔王の発言力はごっそり削られるだろう。
俺達堕天使やミカエル達天界にとっても、うるさいのが発言力を持つのは面倒だな。やってくれるじゃねえか。
「……ああ、とても楽しみです。親現四大魔王を標榜していた
「なんだよ一体。っていうか、何をした?」
こいつの回避能力―というより攻撃察知能力―は異常の域だ。
俺達の攻撃を見てもいないのに回避することができるってのが反則級だろう。おそらく星辰光何だろうが、基本的に独自の能力だから何をしてくるのかが読み切れねえ。
あとあっちにとっても残念なお知らせってなんだよ。
「簡単にいえば、シャルバにカテレアにクルゼレイが、
……マジか。
確かに嬉しく思うべきか悲しく思うべきかって話だな。なによりどっちにとってもだ。
そしてそれは表裏一体だ。
「現四大魔王はことごとく蹂躙され、真四大魔王はそんな現四大魔王の妹如きに揃ってやられた。いろんな意味で四大魔王の名は失墜しますよね?」
全くだ。リアス達には悪いが、タイミングが最悪すぎる。
これはもう、サーゼクス達現四大魔王は大したことがないとか衰えたとか、若手に追い抜かれたとかそう思われるには十分すぎる。そう邪推する連中はごろごろ出るだろう。大王派もここぞとばかりに指摘するだろうしな。
こりゃ、四大魔王制度そのものが大きく変わりかねねえぞ……。
俺達が歯噛みしてると、ミザリの後ろから霧が巻き起こる。
この霧……
「じゃ、どうやら英雄派の人達も呼んでるみたいだから、帰らせてもらうよ」
そう微笑みながら、ミザリは霧に包まれる。
「まあ、負けてしまうことは実際仕方ないよ。僕の
そう言いながら、霧に完全に包まれる前にミザリは目を指さした。
「この強奪の魔眼は、純粋な魔力にはめっぽう強いからね」
その言葉と共に、あいつは撤退していった。
Other Side
禍の団の施設内を歩くミザリは、ふと通りがかった青年ににこやかに微笑む。
「やあ、ヴァーリ・ルシファー」
「……ミザリ・ルシファーか」
ヴァーリは機嫌が悪そうにミザリを見るが、ミザリはその理由をよく理解している。
だからこそ、ミザリは遠慮なくそこにふれる。
「父上は禍の団に関わるつもりはなさそうだよ。今のところはね」
その言葉に、ヴァーリの方がピクリと震える。
それを微笑んで見てから、ミザリは再び歩き出す。
「……なら何故、お前は禍の団に参加している?」
その背中に欠けられたヴァーリの言葉に、ミザリは小首を傾げて見せた。
「人が行動する理由なんて、それが楽しめそうだからで十分だろう? 君だってそこは変わらないと思うけど?」
「俺を、お前のような外道と一緒にするか……っ」
ヴァーリから確かにな怒気と殺意を懸けられるが、ミザリは怪訝そうに眉を顰める。
それは恐怖でも怒りでもなく、純粋な疑問符。
故に躊躇することなく、ミザリははっきりと告げる。
「同類だろ? 自分の趣味の為に所属勢力を裏切ってるじゃん。自分のことは客観視した方がいいよ?」
本心から、一切の愉悦は罵倒の意思なくはっきりと言い切った。
一切の悪意が込められてない、むしろアドバイス的な要素すらあっただろう。
それが分かったからこそ、ヴァーリは切れた。
「……表に出ろ」
「嫌だよ。僕はこれから仕事があるんだけど?」
ミザリはそう答えるが、ヴァーリは知った事じゃないと言わんばかりに詰め寄り―
「そこまでにしておいてくれない?」
「それはこちらの台詞ですね」
その間に、それぞれのメンバーが集まって睨み合う。
ミザリを庇う様に立つのはイシロ・グラシャラボラスを筆頭とする眷属達。ヴァーリを庇う様に立つのはアーサー・ペンドラゴンを中心とするヴァーリチーム。
双方共に少しの間睨み合うが、ミザリは苦笑しながら片手を上げる。
それに合わせてイシロ達は構えを解く。その反応から、ヴァーリチームも戦意を少し和らげた。
そんな中、怒気を漏らすヴァーリにミザリは微笑んでいる。
「今、僕は個人としては現魔王政権やそれに協力する神話勢力の腕利きを何人も痛めつけて後遺症すら与えている分、旧魔王派としてでないのなら発言力は高まってる。比べて君は好き勝手に動いているし、手引きしたテロも結局失敗しているから劣っている。状況次第で君は禍の団全てを敵に回すということを忘れない方がいいよ?」
「……覚えておくよ。お前とやり合う時は禍の団事叩き潰す気で行かせてもらう」
その返答を聞いて、ミザリは満足そうだった。
そして歩き去るが、途中で少し振り返る。
「なんだかんだで、父上も含めて僕達は似た者同士だね。上手くかみ合えば仲良くやれそうだよ」
その言葉に、ヴァーリは愕然となる。
そのまま去っていくミザリ達を呆然と見送りながら、ヴァーリは殺意と怒りでおかしくなりそうになっていた。
「俺が、あんな糞野郎と似たものだと……っ」
旧魔王派が主体となって行ったこのテロにより、世界に大きな影響が出ることになる。
若手悪魔の眷属を含めた若者達のチームによる、旧魔王派筆頭である三人の魔王血族の戦線離脱と戦死。しかし彼らによって現魔王が大いに苦しめられたという事実。更にミザリ・ルシファーを堕天使総督アザゼルや天使長ミカエルと共に相対しながら、判定負けになり自身は短時間で深手を負ったサーゼクス・ルシファー。とどめに今回のテロにおいて大きな役割を果たした、アジュカ・ベルゼブブを輩出したアスタロト本家の次期当主の凶行。
これらの一連の流れにより、四大魔王の名に大きく傷がついたことは言うまでもない。
結果として、この一連の事件をきっかけに四大魔王制度の廃止及び、新たなる形での悪魔統率の役職の設立がさほど時を置かぬうちに確定する。
その事実をもってして、このテロはある別称をつけられることとなる。
―――魔王の落日、と。
次の話は来週の月曜日を予定しております。
因みに自分の作品は、タグにもありますがヴァーリチームに厳しめですが、アンチ・ヘイト作品にするつもりはありません。
四大魔王の名が失墜したことでヴァーリへの対応は原作より厳しくなりますが、かといってヴァーリを不当にボロボロにする趣味はありません。リュシオンに敗北したのは後の成長につなげるためのフラグでもあります。
そのあたり、VSロキあたりを見ていただけると嬉しいです。