好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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魔性変革編 第五十七話 新しい同居人たち

 

 

 

 

 

 

 

 まあ何とか体育祭も終了。俺達はちょっと疲れた体を引っ張りながら、一旦帰路についた。

 

「……ふぅ。なんていうか……こういうのもよかったのよね」

 

「そうねぇ。こういうの……いいわねぇ」

 

 なんかカズヒ姉さんとリーネスが分かり合ってる感じなんだけど、何なんだこの空気は。

 

 割って入れない。あの空気に介入できない。俺だってカズヒ姉さんと会話したいのに……っ

 

「ん……~っ。こういうのって教会育ちだとあんまし経験できねえし、いい経験積ませてもらったぜ!」

 

「そうだねぇ。いやぁ、なんか皆でこうしてわいわい騒ぐのって楽しいねぇ」

 

「ですわね~。なんていうか、疲れてるのが楽しいって不思議な感じですの」

 

 とまあ、アニルに乗っかる形でヒツギとヒマリがなんか独自でいい感じになってるし。

 

「大丈夫、イッセー? ……朱乃、イッセーに肩を貸すのは私にさせて頂戴」

 

「あら、抜け駆けはいけないわよリアス。……ってゼノヴィアちゃん、何時の間に!?」

 

「悪いな部長に副部長。こういうのがフィジカル担当の私がさせてもらう。あと隣は今回アーシアがするべきだな」

 

「はい! 私はイッセーさんとずっと一緒ですから!」

 

「う、うへへ……女の子がいっぱいでおっぱいいっぱい……」

 

 イッセーはイッセーで、何日も意識不明だったのによくもまあ。おっぱい堪能に全力向けすぎじゃないか?

 

「うんうん。主よ、アーシアさんとイッセー君に祝福あれ、アーメン!」

 

「あの、イリナ先輩。悪魔の方も多いので、この距離でお祈りは……もうちょっと自粛を」

 

「たぶん言っても無駄だと思うよ、ルーシア」

 

 ルーシアと小猫ちゃん、イリナの奇行に微妙な距離感だな。

 

 なんていうか、ちょっと油断してたら俺一人だけ疎外感があるんだけど。

 

 なんか寂しくなったので、俺はちょっと家路に急いだ。

 

 帰ったらクックスに頼んでなんか作ってもらおう。やけ食いだやけ食い。

 

 そんな感じで俺は最初に玄関ドアを開け―

 

「ただいまー!」

 

「おかえりなさいませ」

 

『『『『『『『『『『お、お帰りなさいませ』』』』』』』』』』

 

 ……なんか多重奏が聞こえてきたぞ?

 

 面食らうと、一歩前に出てるリーネスの後ろに、何人ものメイド服を着た可愛い女の子やお姉さんが。

 

 っていうか、リーネスのすぐ近くにはインガ姉ちゃんまでいるんだけど、どういうこった。

 

 俺が面食らってると、イッセーが鼻の下を伸ばしながらこっちも面食らってた。

 

「か、可愛い女の子がいっぱい!? ど、どういうこと?」

 

 鼻の下を伸ばしながら面食らうって、なんかパワーワードだよな。

 

 あと即座にアーシアが頬をつねり始めた。まあ今の流れでこれはちょっと怒るだろう。

 

 俺がその辺に呆れてると、部長は特に驚くことなく笑顔すら浮かべていた。

 

「あら、今日だったの」

 

「いや部長、なんでインガ姉ちゃんがメイドで勢揃いなんですか?」

 

 ちょっとパニ食ってるな俺。自分でも支離滅裂気味だと思うぞコレ。

 

 俺がそんな感じになっていると、カズヒ姉さんが肩をすくめながら一歩前に出てきた。

 

 あの、なんで体育教師みたいな雰囲気を出してるんだ?

 

「来たようね。十数人とは多いと見るべきか少ないと見るべきか悩むけど、前を向こうとしている点は評価してあげるわ」

 

 なんか上から目線気味なのはどういうことでしょうか。

 

 俺やイッセーがちょっとたじろいでいると、メイドの一人が頷いた。

 

「……はい。色々考えましたけど、とりあえずしっかりお勤めを終わらせてから動くことにしました」

 

「そこからどうするかは、まだちょっと悩んでますけど」

 

 メイド達の言ってることがよく分からない。

 

 というか、どういう状況?

 

 俺が置いてけぼりにされてる中、カズヒ姉さんは微笑みながらメイド達に頷いている。

 

「まあ、人生まだまだこれからだもの。結論を出すのはこれからでもいいわ。悪魔の子なら尚更よ」

 

 ……ん?

 

 悪魔の子っていうと、つまりインガ姉ちゃんとか?

 

 俺が首を傾げてると、イッセーが何かに気が付いたようだ。

 

 というか、ゼノヴィアも何かに気づいたらしい。

 

 ど、どうした?

 

「なあゼノヴィア。あの子ってもしかして―」

 

「ああ、確かディオドラの眷属だった女だ」

 

 あ、そういえば。

 

 インガ姉ちゃんに集中していたから思い出せなかったけど、確かにディオドラの眷属にこんな子がいたな。

 

 ど、どういうことだ?

 

「部長にカズヒ姉さん。説明してくれません?」

 

 もうさっさと聞こうと思って、俺は部長達に説明を求める。

 

 部長もそろそろ種晴らしをする気になったみたいだ。

 

「和地は知ってると思うけど、ディオドラが眷属にしたり屋敷に囲っていた教会出身の女の子の社会復帰や更生は確定事項よ。ディオドラは本当にいろんな手段で引きずり込んでいたもの」

 

 そういうと、リアス部長は盛大にため息をついた。

 

 確かに。ディオドラの奴、かなりの数の教会の女の子の人生を踏み外させてきたらしいからな。人数が多すぎて眩暈がしそうになったよ俺は。

 

 インガ姉ちゃんが把握している範囲内では全員保護できたみたいだった。やらかした子はきちんと罪を償ってから、やらかしてない子も心を癒して前を向いて生きれるようにしようという動きも、リーネス達が確定事項にしてくれた。

 

 もちろん精神的な理由から、自分から隔離されることとかを望んでいる子も多いらしいけどな。

 

 それでも、前を向こうとする人達もいる。インガ姉ちゃんも俺が何とか引っ張り上げたし、可能な限り責任を取るつもりだ。

 

 で、なんでメイド?

 

 俺の視線の意味を理解してくれてるみたいで、部長は苦笑気味に頷いた。

 

「三大勢力和平のコマーシャル活動もかねて、一部の子達の復帰支援と更生を兼ねて、リーネスやクックス達の補佐として、兵藤邸(この家)の家事手伝いをする子をディオドラの囲っていた子から選んだのよ。彼女達がそうなるわ」

 

 あ~、なるほどぉ。

 

 俺とイッセーは納得して、一回メイドさん達を見回した。

 

 ……うん。

 

「ムカつくけど、ディオドラの女を見る目は褒めるしかないな」

 

 イッセーの納得するしかない意見に、俺も頷くしかなかった。

 

「全員もれなくキレイどころだしな。よく敵対勢力からこれだけピックアップできたよ」

 

 あいつ、その能力とやる気をもっと別の形で発揮すればいいのに。

 

 確か再起不能も同然で、冥界の警察病院的なところに叩き込まれてたんだっけか。一生出てこなくていいぞ。

 

「正直申し上げまして、この規模の邸宅の品格を保つ作業には人員が必須でしたので。元より地下にはこういった人員用の生活スペースも用意するよう要望しておりました」

 

 と、そっとメリードが付け加えた。

 

 準備がいいと言うか抜け目がないと言うか。

 

 この様子だと、家事技能が高い連中は優先的に見繕ってるな。素質の在りそうなのも含めて探し出すのに手間取ったから数日経ったと。

 

 メリード、恐ろしい奴……っ

 

「それとインガはAIMS区画(別館の二階)を重点的に担当させます。お手付きにするのは構いませんが、業務に差支えの無い範囲にしてくださいませ、和地さま」

 

 ……本当に、恐ろしい奴……っ!

 

 っていうかこのタイミングで言うか! このタイミングで言うか!

 

 ああもう、顔を赤くしたりにやにやしたりとで周囲が二分されてるし!

 

 インガ姉ちゃんも顔真っ赤だし。たぶん俺も顔真っ赤だし!

 

「……殺意が。殺意が滾々と……っ」

 

「こんなところで殺意を燃やさないでください。あと人のこと言えませんよ?」

 

 と、バイト帰りのシャルロットが、殺気を俺に向けているイッセーの後頭部に軽いチョップを入れてきた。

 

 あ、バイトお疲れさん。

 

「お疲れ様でシャルロット様。それと皆様のティータイムの用意はできております。新米メイド(彼女達)の練習も兼ねているので、普段より質は落ちている可能性がありますが―」

 

「構わないわ。これから慣れていけばいいのだし、成長を楽しみ余裕もあるもの」

 

 メリードにそう答えると、部長はにっこりとインガ姉ちゃん達に微笑んだ。

 

前の主(ディオドラ)があれだったから不安かもしれないけれど、これからの生活で違うことを証明するわ。だから、毎日を笑顔で過ごせるように祈らせて頂戴」

 

 その言葉に、メイドさん達がちょっとほっとしてたり戸惑ったりしてる。

 

 まあ、前例が最悪すぎるだろうからな。これは仕方ない。

 

 俺が何というか同情してると、ふとカズヒ姉さんがインガ姉ちゃんに向き合っていた。

 

 俺の精神がめっちゃ複雑だった。

 

「……まあ、私としても和地に可愛い女の子がついてくれるのはありがたいわ」

 

 カズヒ姉さん。それは要望に応えてくれてるからって意味なのか、その気がないからそのままくっつけという意味なのかどっちなんでしょうか? 凄く気になる。

 

 そしてどっちになって俺は複雑になる。ガッテム。……いや、神様は既に死んでたな。

 

 そんな中、インガ姉ちゃんは真っ直ぐにカズヒ姉さんを見据えて微笑んだ。

 

「うん。だけど……私も結構自信がないっていうか、不安になるから」

 

 それは俺は男として魅力がないという意味か。それともカズヒ姉さんと一緒っていうのは問題があるという意味か。

 

 更に俺の心が複雑になってきた。

 

「「………」」

 

 あのすいません。無言で見つめ合わないでください。

 

 心がきつい。これがモテる男の宿命だというのか!?

 

 ええい、イッセーはよくこんなものを望んで頑張れるな! ハーレム願望はフィクションで満たせばそれで十分だ。現実に持ち込んだらこうなるということがよく分かる。

 

 俺がそんな感じで汗をかいていると、インガ姉ちゃんはカズヒ姉さんに微笑んだ。

 

「だから、私がここにいることが和地君にとって間違ってないって、証明してほしいかな?」

 

「……痛い所をつかれたわね」

 

 すいません。これはマウント争いとかそういったのでしょうか!?

 

 誰か、誰か会話に入って! 俺のこの精神的負担を減らしてくれぇ!

 

 俺がちょっと呼吸が苦しくなっていると、カズヒ姉さんは苦笑しながら肩をすくめた。

 

「まあ、ハードルを越えた認定はしているわ。それに嫌いじゃないしむしろ好感度は高いのよ?」

 

「……そっか。じゃ、今はそういうことでね?」

 

 俺は喜べばいいのか苦しめばいいのか……。

 

 そんな時、俺の肩に手が置かれた。

 

 振り返ると、額に青筋を浮かべたイッセーがにっこり微笑んでいる。

 

「九成、ちょっと屋上に行こうぜ。切れちまったよ」

 

「お前普段の日常を思い返せ」

 

 普段からいちゃついたり鞘当されてるやつに言われたくねえよ。

 

 殴り返してやろうかコンチクショー。

 

 真剣に殴り方のイメージトレーニングをしている俺の隣で、メリードは咳ばらいを一つ。

 

「それと、今夜から収録を開始します。当番の方は時間なりましたら、別館の一階にお集まりを」

 

 ……あ、そうだった。

 

「ふふ。邪魔にならない範囲で見学してもいいかしら?」

 

「あ、私もそれ気になるから見る! 確か今日は第一弾ってことで、イッセーがメインだっけ。ヒマリもだよね?」

 

「そうですのー♪」

 

 俺とイッセーは睨み合いをやめて顔を見合わせた。

 

「……俺、こっぱずかしいんだけど」

 

「案外やってみるとなれるぞ?」

 

 なんでもう分かってるんだイッセー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はこの時まだ知らなかった。

 

 乳龍帝おっぱいドラゴンなどという、頭のおかしい題名の特撮が既に放送準備万全になっているだなんて……!




と、こんな感じでインガ含めて使用人が大量動員されました。








あとちょっとだけ続くんじゃよ。

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