好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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と、そんなわけで新章突入です。






 この章は禍の団系列とばかりやりあっている中の番外編ともいえるVSロキを中核とし、いくつかの短編を複合させた話になります。

 本来こういう方向性にするつもりはありませんでしたが、しかしロキは禍の団との戦いが主軸なこの時期においては異色ともいえるので、こんな感じにさせていただきました。




 フロンズ達が活躍したりロキがハッスルしたりヴァーリもボコられたりボコり返したりする章となる予定です。


第三章 神威動乱編
神威動乱編 第一話 乳龍帝おっぱいドラゴン


 

 和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おっぱいドラゴン、はっじまっるよ~♪』

 

『『『『『『『『『『おっぱ~い♪』』』』』』』』』』

 

 テレビの向こう側で、鎧を着たイッセーの掛け声に集まっておっぱいおっぱい言う、悪魔の子供たち。

 

 この映像も何度目か見るけど、言うべきことはシンプルだよなぁ。

 

「……現代日本で適性年齢の時間帯(ニチアサキッズタイム)に流したら、絶対いろんな場所が炎上するよなこれ」

 

「言うなよ。俺だってそれは分かってるんだから」

 

 そんな感じでイッセーが返すこの番組、乳龍帝おっぱいドラゴン。

 

 若手悪魔イッセー・グレモリーが、悪と戦いピンチになると、某アンパンマンの新しい顔のノリでスイッチ姫のおっぱいをつついてパワーアップして逆転するのがテンプレの特撮系番組だ。

 

 おっぱいおっぱい連呼するおっぱいドラゴンの歌が主題歌で、作曲がサーゼクス様でダンス振り付けがセラフォルー様で、作詞がアザゼル先生だ。

 

 すっごく言いたいことがあるけど、俺はぐっと耐える。

 

「……いろんな意味でツッコミどころだらけね。異形社会はフリーダムすぎるわ」

 

 カズヒ姉さん言わないで!

 

 そんな俺の視線を華麗にスルーして、カズヒ姉さんはすっごい同情の視線でリアス部長をちらりと見る。

 

「なんていうか、その……殴り込みに行くなら手伝うわよ?」

 

 三大勢力のトップ相手に殴り込みとか言わないで。カズヒ姉さんクラスだとガチで負傷させれるから。いろんな意味で洒落にならないから。

 

 あとカズヒ姉さん、ちょっと目がマジじゃないか? マジで辞めてくれよこんなことでテロまがいなこととか!

 

 あとリアス部長は何か言ってください。無言やめて。マジでやりそうで怖い。

 

「それなら最大の悪たる先生だけを狙うべきですよの?」

 

 ヒマリも煽るな!

 

 いや、確かにそうだけど。問題あるの歌詞だけど。でもダンス振り付けもかなり歌詞に則ってるから。それをやるとセラフォルー様もやるべきなきがするからやめて。

 

 真剣に俺は止めるべきか考えるけど、それより先にリアス部長がため息をついた。

 

 盛大に顔を両手で隠しながら腰を折り、本気で俯いている。

 

「冥界に、冥界に顔を出せないわ……」

 

「しっかりしてくださいリアスさん。深呼吸です、深呼吸」

 

 シャルロットが思わず介抱するけど、そういう問題なのか?

 

 俺がちょっと首を傾げてると、テレビを見ていたイリナがなんかテンションを上げていた。

 

「うん。イッセー君がやってるヒーロー番組とか、見てると昔やったヒーローごっこを思い出しちゃうわ」

 

 なんてポーズをとっているけど、君も楽しそうだね。

 

「じゃあいっそのこと出演依頼とかどっスか? 幼馴染でミカエル様の(エース)が参加とか、三大勢力和平のいい宣伝にもなって良さそうっすけど」

 

 アニルがそんなことを言うけど、確かにそれはありえそうだな。

 

 ……いや待て。そうなるとやっぱり堕天使側からもメンバーを出すことになりそうだぞ?

 

 そうなると誰が出るんだ? やっぱりオカ研絡みのメンバーになりそうだけど。

 

 俺はちらりとヒマリを見ると、両手を握りながらバトルシーンに目を輝かせていた。

 

 ……よし。いざそうなったらヒマリに振ろう。俺は流石にちょっと恥ずかしい。

 

 トライフォース放送局のダンシングもちょっと恥ずかしいんだ。ガチの特撮デビューとか、流石に御免被りたい。

 

「でも一緒にヒーローごっこしたイリナが、こんな可愛い子になってるとか思いもよらないよなぁ」

 

「え、えええええ!? い、イッセー君ったら何を言ってるのよ!? これが悪魔のゆ、ゆゆゆ誘惑なのね!?」

 

「お、ミカエルのAが堕天使になるとか幸先がいいな。嬢ちゃん、今なら待遇は応相談ですぜ?」

 

 ……なんかラブコメが始まって先生が茶々を入れてるけど、辞めたげてください。

 

 転生したての転生天使、それも天使長ミカエル様のAがこんな短時間で堕天使になるとか、別の意味で風聞が悪いから。

 

 俺がちょっと不安に思っていると、ヒマリはヒマリで戦闘シーンに夢中になりはじめた。

 

 手が動いてこっちに当たりそうなので、そっと距離を取っておく。

 

「ふぉーっ! かっこいいですの! あ、そこ危ない!」

 

 ……すいません。幼稚園とか小学校の男の子ですかアンタ。

 

 周りも微笑ましいやら苦笑しているやら、なんというか本割とした雰囲気だったりしている。

 

 もう目がキラキラしているヒマリは、なんか急にイッセーに振り返った!

 

「ラクシュミーも参加できませんの!? ほら、ヒーローっぽいですからいけますのよ!」

 

「え!? いや、俺に言われても……」

 

 イッセーにいきなりそんなこと言うなよ。

 

 そもそもそういうのは運営側に言うべきものだし、イッセーはあくまで主人公のモデルだし。

 

 まあ、イッセーが直接言えば可能だとは思うけどさ。そういう我儘を通させると、製作スタッフ側に悪いだろう。

 

 そんな感じで俺が止めようとしたら、なんかアザゼル先生が真剣に考えこみ始めた。

 

 ……何を考えている、何を。

 

「案外いけるんじゃねえか? ほれ、トライフォース放送局でも一緒に踊ってるし」

 

「「うぇっ!?」」

 

 思わずカズヒ姉さんと俺は面食らった。

 

 この流れだと、俺とカズヒ姉さんもおっぱいおっぱい言ってるヒーロー番組に出ることになるんじゃないか?

 

「待って。アザゼル先生待って頂戴。私はその……子供のヒーローとかには向いてないわよ? 暗部出身だから……こぉ……Vシネマ的なのが限界だと……」

 

 カズヒ姉さんもそれでいいのか!?

 

 あ、ヒマリの目が期待でキラキラしている。これまずい!

 

「ぜひお願いしますの! というか、何なら特別編とかで私のおっぱいを使ってもいいですのよ?」

 

「……ふっはっ」

 

 そのヒマリのトンデモ発言に、イッセーが痙攣して倒れた。

 

「ちょ、イッセー!? いい加減その痙攣癖を治してください。どれだけおっぱいに飢えてるんですか!」

 

 シャルロットが慌てて介抱するけど、ぶっちゃけそろそろ飽きてきそうだ。

 

 ……なんでも酷い時は一日に何度も痙攣していたらしい。最近は長ければ数日に一回程度だし、成長はしているのか?

 

 どんだけこいつはおっぱいを欲しているんだろう。何かの精神障害じゃなかろうか。

 

 俺が真剣に病院を探そうかと思い始めていると、リアス部長はそっとイッセーを抱き寄せておっぱいに沈めていた。

 

「イッセーも頑張っているのね。大丈夫、どうしても欲しい時は私の胸を貸してあげるわ」

 

「リアスさん、そういう解決方法じゃダメな気がします」

 

 シャルロットが苦笑いをする気持ちも分からなくはない。

 

 だがしかし。ここは普通とは違うオカ研の集まりでもある。そこで終わるはずがない。

 

「ずるいですお姉さま! 私だっておっぱいはあるんです!」

 

 と、アーシアが黙ってられないと言わんばかりに、空いている方のイッセーの頬に自分の胸を押し付ける。

 

 この時点でだいぶあれだけど、そこで終わるような状況では断じてない。

 

「あらあら。いつもいつも二人ばっかりだなんてさせませんわ。ほぉらおっぱいですわよ?」

 

 と、朱乃さんがイッセーの顔を真正面からパフパフ。

 

「待ってくれ部長にアーシアに副部長! たまには私のおっぱいも使わせるべきではないか? 子作りだってしたいんだぞ!」

 

 と、ゼノヴィアがイッセーの奪取を試みる。

 

 ……俺はちょっと沈黙しながら見てたけど、ふと近くにいたアニルと視線が合った。

 

 お互いに黙って見つめ合い、ふと頷き合う。

 

「正直ちょっと、男として羨ましくなるッスね」

 

「男ってこういう時、どうしようもない奴だもんな」

 

 信徒とか事実上の彼女持ちとしてどうかと言われそうだけど、男とはそういう生き物だから仕方がない。

 

 所詮男と女は違う生き物。恋愛においても、男は支配欲で女は独占欲とか言われてるしな。ハーレム願望は大抵の男が一度は持つものだよ。

 

 ましてあの美少女軍団相手のおっぱい祭りとか、興味を惹かれるなってのが無理だと思いませんか?

 

 いや、俺はいったい誰に言っているんだろうか。

 

 女子率高い上に、イッセー相手にこの鞘当だからなぁ。ぶっちゃけ俺達、メンタルが結構削れてる気がする。

 

「……見損ないそうなんですけど」

 

 後ろの小猫ちゃんの冷たい目が痛い。

 

 ただそんな小猫ちゃんの方に、カズヒが手を置いて首を横に振った。

 

「諦めなさい小猫。男と女は、染色体という設計図の根幹部分がごっそり異なっているの。だからどうしても全体の傾向が違うのよ」

 

 男の劣情に理解があって嬉しいよ、カズヒ姉さん。

 

 そんな様子に、ヒツギとルーシアが離れたところで苦笑していた。

 

「あ~、確かに。男女間の友情が成立するかしないかって、けっこうしないって言われてるしね」

 

「確かにそうなんですよね。いえ、兄さんはそういうところを見せたことがないんですけど」

 

 ヒツギもルーシアも、理解があってくれてありがたいです。

 

 あとルーシア。たぶんリュシオンはいろんな意味でぶっ飛んでるから、参考にしないでくれない?

 

「……さて、んじゃ俺は冥界のテレビ局におっぱいドラゴンのゲストとして、仮面ライダーをぶっ籠めねえか相談してくるわ」

 

「総督サンキューですのよ!」

 

 しなくていいから! ヒマリも喜ぶな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……しかしぶっちゃけるッスけど、イッセー先輩モテすぎじゃねえですかい? モテ期っすか?」

 

 トライフォース放送局の形式の一つであるゲーム強力プレイ配信前の準備も兼ねて、野郎同士で協力プレイをしながらアニルがそう聞いた気持ちも分かる。

 

 俺もアニルが持ってきてくれた鹿肉のジャーキーをかじりながら頷いた。

 

 ちなみにこの時間。小猫ちゃんがあまりにゲームが上手すぎる所為でもうけされた時間帯だ。先にある程度慣れておかないとすぐに置いて行かれる。

 

 あと貴重な同性のぶっちゃけトークタイムでもある。同性だけしかいないからこそできる会話があると、男性陣で異議申し立てして時間を作ってもらった。

 

 ……盗聴されている恐れもあるから、毎度毎度十分ぐらい真剣に色々と調べているがな。

 

 ほんとこぉ、男のプライベートを理解してなさそうな人が結構多いからな。その辺りは気を付けないと。

 

 まあそんな男だらけのぶっちゃけトークタイムだけど、イッセーはマジ顔で首を捻っていた。

 

「……モテてる? お前ら、冗談でも言って良いことと悪いことがあるだろ」

 

「そっくりそのまま返すぞ馬鹿」

 

 マジ顔で何を寝言言ってるんだ、この阿呆は。

 

 俺が半目ではっきり言ってやると、イッセーは俺を信じられないものを見るかのような目で見てきやがった。

 

 信じられないのは俺達の方だ。お前はまさか自分がモテてないとでも思っているのか。

 

 アニルの方を見ると、これまたイッセーを信じられないものを見るような目で見ているし、目が合ったら頷いてきたよ。

 

 うん。イッセーって病気か何かか?

 

 なのでコンビネーションでアホかおまえという目を向けてみれば、すっごい盛大に失望された感じのため息をついてきやがった。

 

 それは俺達がしたいからな?

 

「まったく。そもそも部長や朱乃さんには、男としてみられてないからこそ可愛がられてるんだぞ? アーシアだってそういうのを度外視した関係だ。そんなことあるわけないだろ?」

 

 ……俺はアニルと顔を再び見合わせると、頷き合った。

 

 ―度の越えた鈍感って害悪ッスね―

 

 ―女の敵と同時併発とか、最悪だろ―

 

 リアルでこんなのいたらそりゃ嫌われるわ。いつか訴えられるどころか刺されるぞ。

 

「……ゼノヴィアからは子作りされたがるけどさ、それだって俺が強力な龍だからだぜ? 小猫ちゃんだって先輩として頼られてるからそんな風に思われないしさぁ? 俺は可愛い女の子とラブラブでハーレムを作りたいんだよ。だからこの生殺し空間は、楽しいけど同時に地獄なんだよ」

 

 更に俺とアニルは目と目を合わせると頷き合った。

 

「イッセー先輩。わりぃんですが殴っていいですかねぇ?」

 

「俺達にだって忍耐力の限界があるぞ。特にアニルは怒っていいだろ。信徒的にハーレム(そういうこと)しにくいんだから、気を使ってやれよ」

 

 返答次第でちょっとガチバトルしそうな雰囲気になったけど、イッセーもなんかカチンと来た感じだった。

 

「LOVEでエロエロなことしたくても、その気配が一切ない俺に対する嫌味か!? 俺の方が限界来るぞコノヤロー!」

 

「「よし、ちょっと模擬戦しようか。全力で」」

 

 ゴングの準備は整った。

 

 インガ姉ちゃんがいるとはいえ、ガチ惚れしているカズヒ姉さんはまだまだな俺だって切れそうなんだ。そもそも彼女が現状いない、アニルが切れるのは当然さ。模擬戦ができる関係だし、リミッターも緩くなるさ。

 

 俺達は殴り合いがしやすい環境に生きていることを本心から喜んで、ちょっと地下の多目的ルームに移動しようとした、その時だった。

 

「……あ、和地くんにアニルくん。イッセーくん借りていいかな?」

 

 そんなタイミングで、メイド業務状態のインガ姉ちゃんが入ってきた。

 

「……え? ちょっと俺達、今から真剣な状況になるんだけど」

 

 インガ姉ちゃんには悪いけど、男には譲れない時ってのがあるんだ。

 

「悪いんですが、それなりの理由じゃねえと了承できねえっすわ。何があったんすか?」

 

 アニルもその辺同意見なのかこんな調子。

 

 その雰囲気にインガ姉ちゃんは首を傾げてたけど、どうやら個人的な用事ではないらしい。

 

「……いや、それが冥界からイッセー君達グレモリー眷属にお客様が来てるの。フェニックス家本家のレイヴェル様らしいよ?」

 

 …………。

 

 俺とアニルは四度視線を合わせると、イッセーに冷たい目を向けた。

 

「「リア充爆発しろ」」

 

「よぉし、リアルのハーレム願望が枯渇してる俺に対する宣戦布告だな? 終わったら覚悟しやがれ」

 

 安心しろ、話が終わった瞬間に闇討ちするレベルだから。

 




 本来の時間軸ではもうちょっと後らしいですが、前座としてまずはライザーの復活をさせてみようと思っております。

 ライザーはライザーで魔改造するか考え中ですが、まあ魔改造するにしてもこの章が終わってからになると思います。

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