空、快晴。バ場状態、良。絶好のレース日和だった。というのも今日はいよいよブルボンの芝2000mの競技別種目の日だった。この日にかけてかなり調整を積んできたし大丈夫・・・と言いたいところだったが適性を矯正するのはすごく大変な事だしそれ相応の努力は積ませたつもりだが結果がどうなるかはその時までは誰にも分からない。
ブルボン「マスター、おはようございます。既に軽めのアップ、モチベーション管理、蹄鉄の確認は済ませてあります。つまり、今の私は完璧な状態で走ることができます。」
しかし、そのその無慈悲な結果というものを恐れず、いつものように涼しい顔をしたウマ娘が俺の前に立っていた。
悠「ん、おはようブルボン。1番近くでライスと見てるから、とにかく、悔いの残らないようにね?あと、焦ってペース配分間違えないように。」
ブルボン「受理しました。最善を尽くします。」
そう言い控え室内で軽くジャンプしたりストレッチしたりコンディションを整えていた。手の震え、行動、呼吸、表情、声色。全てを見ても焦りを感じられない。程よい緊張感と闘志があるのみ。すると控え室の扉が開いた。出番にしては少し早くないか・・・?と思ったが
ライス「トレーナーさん、ブルボンさん、おはようございます。」
ブルボン「ライス、おはようございます。」
悠「おはようライス。」
ライス「うん!あ、ブルボンさん。頑張ってね?ライス、応援してるから。」
ブルボン「答えられるよう全力を尽くします。マスターとライスの評価を落とさないため、そして私の夢に進むために今日は走ります。」
悠「そうか・・・でもねブルボン。俺とライスのことは気にしなくていい。ライスはライスで自分の目標の為走るだろうし、ブルボンも明確な目標がある。そんなふたりが頑張れば自然とあとから結果は着くだろうから。俺は2人後どれだけ頑張ってるかも知ってるからさ。だから今日は自分を信じて走るんだよ。」
ブルボン「・・・マスターは、」
悠「ん?」
ブルボン「・・・いえ、何でもありません。」
悠「ん、そう?」
スタッフ「ミホノブルボンさん、スタンバイお願いしまーす!」
ブルボン「はい、マスター、ライス。いってきます。」
そう言うと直ぐに顔を引きしめ控え室を出ていった。
ライス「ブルボンさん、大丈夫かな・・・?何か言いかけてたけど・・・」
悠「レースに関することでもなさそうだったし、多分大丈夫だと思うよ。多分、帰ってきたら教えてくれるさ。それよりライス、俺達も移動しよう。」
ライス「う、うん!」
そう言うと二人で観客席の関係者特権で1番前に移動しブルボンの出走を待つとあちらこちらからこんな声が聞こえてきた。
トレーナーA「確かにミホノブルボン、長いのダメなんすよ。」
トレーナーB「無茶しないといいけどね。担当トレーナーは何を考えているのかしら。」
やはりブルボンを中距離で走らせることに対する批判や文句があちこちのトレーナーから聞こえてきた。
ライス「・・・トレーナーさん。」
悠「分かってる。全てブルボンが変えてくれるさ。批判も、常識も。」
ライス「そ、そうだね。ライス達が信じないと・・・!」
そう言うと2人でレース場に意識を向ける。既にゲート前には出走ウマ娘が前言う揃っており精神統一、イメージトレーニングなど自分が出来る最後の調整をしていた。ブルボンは目を瞑り意識を前に向け、まるでゴールのことしか考えていないようだった。
実況「まもなく始まります。種目別対抗リレー芝2000m、天気は紛うことなき快晴、絶好のレース日和になりました。本レースには既に実力高いウマ娘も出走する中、ここで中距離レースに挑戦してきたミホノブルボン時になります。そして各ウマ娘、次々ゲートに入っていきます。」
実況の言葉通り、順にウマ娘がゲートの中に入っていく。ブルボンは比較的早めにゲートに入った。もう『出来上がって』いたんだろう。そして・・・
ガコン!
実況「始まりました。各ウマ娘、いいスタートを切りました。このレースを作るのはミホノブルボン。快調に飛ばしていきます。」
ライス「トレーナーさん・・・」
悠「ああ、ライスも気づいた?」
ライス「うん、何時もより、少し早い・・・ブルボンさん、焦ってるのかな・・・」
悠「分からないけどでも、信じるしかない。ブルボンがあの作戦を取るなら俺達は信じるだけだよ。」
そのままレースは中盤に差しかかる。そこまでミホノブルボンは先頭をキープしペースも全く変えず、ラップタイムを意識して走っていた。しかしそれは第4コーナーを曲がったところで動いた。
ライス「あ・・・」
悠「抜かれた・・・!」
ブルボンの前に差してきた2人のウマ娘、更に後方にかなりの末脚で上がって来ている娘が1人。・・・それでも諦めてないウマ娘も1人!
悠「でもまだブルボンはやれそうだ・・・!ペースは落ちるどころか・・・!」
ライス「は、早くなってる・・・」
悠「・・・決まったな。」
そのまま二バ身ほど離しブルボンは中距離戦、彼女が苦手と思われた距離を1着で納めることができた。そして、走り終えたブルボンは涼しい顔をして俺たちの前に戻ってくる。
ブルボン「・・・1着、達成しました。」
ライス「ブルボンさん、おめでとう!」
悠「・・・ブルボン」
ブルボン「はい?」
悠「君には人々に勇気を与える力があると思うんだ。俺は、クラシック参観だけじゃなくて、競バを見ているみんなに希望を与えられるウマ娘になって欲しい。」
ブルボン「・・・了解しました。お父・・・マスター」
俺を父と錯覚したのか、照れ笑いを少しうかべた彼女は今までより少し大人っぽく、輝いて見えた。
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ハーレムゥ!?