帝王と自虐系トレーナー   作:平々凡々侍

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あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!
ウマ娘のスマホゲームをしていてトウカイテイオーのキャラが好きになったと思ったら、いつの間にかウマ娘のアニメ二期を見ていてトウカイテイオーを推していて、気が付いたら本作を書いていた。
な…何を言っているのかわからねーとは思うが俺も何をされたのかわからなかった…頭が(いい意味で)どうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃ断じてねぇ
もっと素晴らしい作品(もの)の片鱗を味わったぜ…



プロローグ

 

 レースに絶対はない。

 しかし、その【皇帝】の走りには絶対があった。

 

 

400mを切って最後の直線! ここで…シンボリルドルフ! "皇帝"が上がってくる! 速い! 速い!

 

 

外から差し切った!シンボリルドルフ、今1着でゴールイン!

 

 

菊花賞を制したのは"皇帝"シンボリルドルフ!!!

 

 

見事三冠達成! 無敗の三冠達成だ!

 

 

今ここに最強のウマ娘が誕生しました!!!

 

ーーシンボリルドルフ。

 

 その走りに実況が、解説が、観客が、レース場にいた全ての者が熱狂した。レース場には拍手と歓声が沸き起こり、そのあまりの音にレース場は揺れ、スタンドを埋め尽くす観客がシンボリルドルフへ賞賛と歓喜の声を送る。

 

【皇帝】はそんな歓声に応えるよう、三本の指を立て天に掲げた。

 

 そのパフォーマンスにレース場の歓声が一際大きくなり、更なる大歓声となってレース場を包んだ。

 

 

 

 

「ーー……よかった」

 

 そして、そんな歓声の中ーー関係者席にいた一人の青年は遠くから小さな拍手をシンボリルドルフへと送っていた。

 

 彼こそ今、伝説を作った【皇帝】シンボリルドルフの専属トレーナー……この偉業の達成に必要不可欠だった人物である。

 

 今まで二人三脚で歩んできたウマ娘の三冠達成。

 トレーナーの彼は当然歓喜

 

「……本当に、よかった」

 

 ーーしてはいなかった。

 

 シンボリルドルフの三冠達成を受け、青年の顔には喜びではなく安堵が……それも僅かの憂いを帯びたものが浮かんでいた。

 

「おめでとうルドルフ」

 

 拍手を止め、本人には届かない祝いの言葉を吐き…青年は席から立ち上がり、

 

「これで、おしまいだ」

 

 観客たちへと手を振るシンボリルドルフの姿を一瞥し、青年は背を向けて関係者席から出て行く。

 

「ーー……トレーナー君……?」

 

 関係者席から出て行く直前の彼を見つけたシンボリルドルフは声を発するがーーそれは歓声に掻き消されトレーナーに届くことはなかった。

 

 

 

 

 そして、後日のこと。

 

「………すまない。今、何と?」

 

「先輩がルドルフさんの担当を降り、トレーナー業を辞めると。これ、先輩から預かっていた辞職届です」

 

 シンボリルドルフの担当を降り、辞職届を後輩に託し、トレーナーだった青年は無敗の三冠という偉業をシンボリルドルフと共に達成したこのタイミングでトレセン学園を去っていった。

 

「っ……どうして、どうしてなんだ……トレーナー君」

 

 それはシンボリルドルフには何の相談もなく……シンボリルドルフにとって、それどころかトレセン学園にとってもあまりに突然の事態だった。

 

 

 

 

 ──────────────────────

 

(最後に随分と無責任な事しちまったな)

 

 こうしてトレーナーだった青年が【皇帝】の下を、トレセン学園を去り………

 

「ねぇねぇオジサン、こんなところで何してるの? 冬の…それも夜の浜辺にそんな薄着でいたら風邪引いちゃうよー?」

 

【帝王】と出会い、物語は再び始まる。

 

「……おじさんじゃない。お兄さんだ」

 




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