なんてこった……
おれは
こいつのことを好きだって
ことが 今わかった……
おれっていつもそうだ
…引けずにピックアップから
最初は名前と顔と声だけ知って
「まぁ別に欲しくないかな」と思ってたけれど
期間限定で見られる1話〜4話のストーリーを見て
おめーが好きになってた…………
登場するウマ娘が全員可愛くて
魅力的なキャラクターばかりで
気付いたら大半が「推し」になってるってことが
今になってわかった
※本文が短過ぎるッ!!(自責)
『ーーお疲れ様、今日もいい走りだったよ』
『ふぅ……ありがとうトレーナー君。君のおかげで今日も有意義なトレーニングができた』
『そうか? ……担当のウマ娘にそう言ってもらえると、トレーナー冥利に尽きるな』
夕焼けの空の下、練習場でのトレーニングを終えベンチに腰掛けていた私に駆け寄ってきた君は私にスポーツドリンクを手渡してくれた。
『隣、座ってもいいか?』
『……あぁ、勿論』
ありがとう、と一言述べて私の隣に座ったトレーナー君……彼は私の方を見ることなくただ目の前に映る景色を見つめていた。それに釣られるように私もまた景色を見つめる。
『『…………………』』
会話はない。しかし、不思議とそれを不快には感じなかった。
『ーー明日の皐月賞、自信の程は?』
トレーナー君は沈黙を破って静かに聞いてくる。皐月賞……私が目指す夢の実現に必須な「クラシック三冠」の内の一冠。極めて大事な一歩だ。
『ふっ、勿論勝ってみせるとも……皆を率いるに相応しい王の座。それを手にする為にはクラシック三冠の制覇が必須だと息巻いておいて、序盤で挫ける訳にはいかない』
私は悠然とトレーナー君に答え、
『そうか。なら、その言葉を信じさせてもらおう』
『……あぁ、是非ともそうしてくれ』
返答を聞いたトレーナー君は真っ直ぐ夕日を見ながら、軽く微笑んだ。
あの時の君の優しい横顔が今でも忘れられない。
(……っ………夢、か)
彼がトレセン学園を去ってから早1週間。
此の所、彼と過ごした日々が頻繁に夢に出る。
「……トレーナー君……ッ」
悲しみや苦しみは時間が癒してくれるもの、という言葉を本で読んだことがある。だが、どうやらそれは私には当て嵌まらないものらしい。
(いなくなった君との他愛ない日々が忘れられない……日に日に君への思いが強くなっていく……今すぐ君に会いたい……)
……そんな叶いもしない望みを抱いてしまう程に、私は参っていた。
ーーだが、私は"皇帝"だ
「ーー皆、今日も一日宜しく頼む」
どれだけ悲しくても。
どれだけ寂しくても。
どれだけ苦しくても。
私は折れない。私は止まらない。
仮に折れたとしても、止まる訳にはいかない。
(私は、必ず夢を叶える)
そして、一度は君が信じてくれた夢を諦める気など私には毛頭なかった。自分の夢を諦める、それは今まで私の夢を支えてくれた彼への裏切りに等しい行為だと……私はそう考える。
常に、あらゆるウマ娘が幸福でいられる世界。その実現の為に私は今日も励み続ける。
そうして私が【皇帝】として生徒会の仕事をこなしていたある日の事だった。
「ーー理事長からの呼び出し?」
「はい。先程廊下ですれ違った際に理事長本人から会長に、理事長室に来るよう伝えてくれと……何でも『急を要する』らしく」
突然、エアグルーヴからそんな報せを受けた。
「……わかった。直ちに行くとしよう」
数秒の思考後。私は素早く仕事を切り上げ、速やかに理事長室へと向かう事を決める。
「理事長、シンボリルドルフです。入室しても宜しいでしょうか?」
「! 承認ッ! 入ってくれ!」
理事長室をノックし、中から聞こえた声に失礼しますと一言言ってから扉を開け私は入室した。
「………おっ、来ましたか。ルドルフさん」
「おや…サブトレーナー君、君も呼ばれていたのか?」
理事長室に入ると中には(元)サブトレーナー君の姿もあり、部屋の奥に立つ理事長の隣にはたづなさんの姿もある。どうしてこの場に私とサブトレーナー君が呼ばれたのか?
疑問は尽きなかったが、私はサブトレーナー君と同じく理事長からの言葉を待った。
「集結ッ! これで全員揃ったな……それでは早速本題に入ろうッ!!」
私が理事長に入室して十分も経たず。
理事長は私とサブトレーナー君の顔を交互に見た後、扇子をバサリと広げ前置きすることなく本題を話し始めた。
それに対して隣に立っていたたづなさんが「理事長…!」と声を出していたが「こういうのはズバッと言った方がいい!」と理事長は返す。ふむ、今回は理事長の意見にも一理あるかもしれない。
「二人を呼んだのは他でもない! ズバリッ! 今から話すことは彼の、───君に関することだからだ」
「……先輩に関すること、ですか?」
「っ……トレーナー君の……?」
理事長の言葉から出た名前に私とサブトレーナー君は少なからず動揺した。一切予想していなかったといえば嘘になるが、まさか本当に彼の名前が出てくるとは……
「……理事長、トレーナー君に関する話とは?」
私はすぐに平静を取り戻し、話を進める理事長に促す。
「まずは、たづな! あれを出してくれッ!」
「……はい」
まず理事長は隣のたづなさんへと指示する。それに従ってたづなさんは前に出て両手で持った何かが入ったチャック付きのポリ袋を理事長の机へと置く。そのポリ袋の中身は……
「……これは……っ」
どこかで見た覚えのあるスマートフォン。……いや、どこで見たのかなんて私もサブトレーナー君も分かっていた。ただ互いに分かりたくなかったんだ。
そんな私達の心中を知ってか知らずか、理事長は一見はいつもの調子で説明を始める。
「説明ッ! 彼が無断でトレセン学園を去ってすぐ、何度も説得の連絡を試みたが彼には一向に繋がらなかった! そのため、トレセン学園は警察に彼の捜索願を届け出た!」
「結果ッ! 幸いにも彼の携帯電話はGPSが切られておらず、こうして彼が使用していたスマートフォンが無事発見された……そこで二人に確認したい。これは彼の使っていたもので間違いないだろうか?」
その理事長の問いに私達は迷わず頷き、私は問うた。
「……理事長、それは一体どこで見つかったんですか?」
トレーナー君は今どこに居るのか、元気にしているのか、またトレセン学園に戻って来てくれるのか。私が本当に聞きたい事は別にあったが……それらは口から出ず、言葉にはならなかった。
「……ッ、それは……」
「……理事長、教えて下さい。トレーナー君の携帯電話はどこで見つかったんですか?」
「聞いては駄目だ」「知っては駄目だ」そう本能が警鐘を鳴らすが口は止まらず、理事長へと再度問いかけていた。
「……これはーー」
その問いに答えようとした理事長の声が微かに震え、私はより一層嫌な予感を覚え………私達は"悪報"を伝えられた。それも考えられる限り最悪な悪報を。
私の中で何か大切なものが崩れ落ちるような……そんな音がした。
(ーートレーナー君……私は……私はっ、どうすればいい……?)
聞いても、応えは返らない。
もう、隣に彼はいないのだから。
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キャラ紹介
・秋川やよい
皆さん知っての通りのトレセン学園のちびっ子理事長。多分本作でもゲームと同じようなテンションの高さを発揮する。
オリ主が「トレーナー辞めます」と言い出した際に最後まで全力で学園に残るよう反対&説得していたが最終的には無断でトレセン学園を去って行った自虐野郎くんさぁ……(呆れ)。
オリ主が去った後は一見いつも通りを装っているが、上司として大切な部下だった自虐野郎の安否をかなり心配している上に自虐野郎の苦しみに気付けなかったことに負い目を感じている。
理事長は何も悪くない(断言)
・駿川たづな
お馴染みナビゲーター兼ガチャの人、理事長秘書。
本作の独自設定でオリ主がトレセン学園に来たばかりの新人時代、オリ主の教育係を務めていたことがある。またオリ主がトレーナーとして本格的に活動を始めて以降も真摯にオリ主の悩みや不安を聞いてあげたり……マジでいい先輩。
彼女も理事長と同じく、トレセン学園を去って行った自虐野郎に対して責任を感じたりしている……たづなさんも何も悪くない(断言)
今後本作で生かされるかは全く未定だが、実は「自虐系トレーナーの初恋の相手はたづなさん(失恋済み)」という裏?設定がある。