仮面ライダー ISが消えた世界   作:赤バンブル

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やっと三人目の怪人です。


怪人さそり男 前編

世界征服を狙う秘密組織「ショッカー」。

 

それは世界各地のいたるところに支部を設置し、日々世界を我が手中に収めんと暗躍を続けている恐るべき組織である。

 

そして、ここは日本にある秘密基地の一つである。

 

彼らは過去の世界大戦において培った移植手術を発展させたことにより、昆虫や動植物の能力を持った「改造人間」を作ることに成功した。

 

だが、組織の新たな幹部候補生となるはずであった織斑一夏が篠ノ之束の手によって改造手術中に脱走。

 

彼らによって数人の改造人間を失ったショッカーは、日本征服計画と同時に彼らの抹殺をすることを決定した。

 

 

そしてこの日、新たな改造人間が誕生しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い基地の手術台で複数の白衣を纏った男たちが白い布で覆われた巨大な包みを取り囲む。一人が手術用のハサミを手に取り、布を切っていく。

 

中には一人の改造人間が眠っていた。

 

「改造手術は成功した。目を開け、生まれ変わった自分の姿を見るといい。」

 

その言葉を聞き、彼は目を開く。そこには鷲のレリーフから放たれる妖しい光があり、鏡を覗くと改造人間となった自分の姿があった。

 

「これが・・・・・・これが・・・・俺の新しい姿。」

 

男は、生まれ変わった己の姿を見て何か満たされたような顔をしている。

 

『おめでとう、君は今日からショッカー幹部の一人“さそり男”として生まれ変わった。今後も我が組織への貢献に期待しているぞ。』

 

「はっ、感謝します。ショッカー首領。」

 

さそり男は、起き上がると膝をついてレリーフの前で礼をする。

 

(俺はついに手に入れた・・・・・・“アイツ”を超えられる力、地位を。)

 

彼は、早速初任務ある実験を開始した。

 

それは基地で使えなくなった囚人たちを基地の外にある砂漠地帯に解き放ち、ショッカー科学陣が遺伝子操作で生み出した“人食い蠍”の人体実験により性能テストだ。

 

解き放たれた囚人たちは、自由を求めて砂漠地帯をひたすら走り続けるが重労働によって衰えた体力では思うように動くことはままならず、時間切れにより配置していた人食い蠍の餌となった。

 

人食い蠍は尾から赤い液体を飛ばし、囚人たちの体を溶かす。そして、腐食した死肉をすする姿はまさに地獄絵図だった。

 

『見たか、この“人食い蠍”の恐るべき能力を。人体実験は成功だ!このサソリを繁殖させ、世界の各主要都市に放てば、数日のうちに死の街と化する!さそり男よ、これより”M1号作戦”計画を実行するのだ。そして、倒せ!織斑一夏を!』

 

「一夏!?イチカだとっ!?」

 

名前を聞いた瞬間、さそり男は形相を変えて声を荒げる。

 

「アイツだけは俺の手で倒す!!それが俺の生きがいだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

私、五反田蘭は今目の前にある現実を受け入れられずにいた。

 

「いらっしゃいませ。ご注文は何にしましょう?」

 

「そうだね・・・・じゃあ、コーヒーと紅茶。後、デザートにロールケーキもらおうかな?」

 

客席で兄は普通に注文を取っているが問題はそこではない。

 

対応している店員は私が好意を寄せている一夏さんではなく、知らない女だったのだ。

 

「畏まりました。伯父さん、コーヒーと紅茶一つずつ!後、ロールケーキ二つ!!」

 

「あいよ!」

 

立花さんの反応を見る限り、どうやら彼女は親戚らしい。でも、すぐ傍で注文を取っている一夏さんとなんか親しそうに会話をしていた。

 

えっ?もしかして彼女!?

 

彼の嬉しそうな表情で既に何らかの関係があるのは目に見えている。いつの間に作ったのだろうか?

 

私の記憶が正しければ、一夏さんは確かにモテる。中学校時代から私は密かに恋心を抱いていだが、あの時は鈴さんというライバルが一人いただけで彼女が両親の都合で国に帰ったからそこまで警戒はしていなかった。

 

しかし、千冬さんがいなくなってからの一夏さんは、まるで人が変わったかのように努力家になった。

 

高校時代は、兄たちと一緒に『私設・楽器を弾けるようになりたい同好会』なるクラブを立ち上げて悪ふざけをしながら楽しむ一方、一年の時から会うたびによくわからない難しい参考書を読んでいて卒業時は優等生としてトップの大学に進学していた。それにスポーツも万能だから女子にはすごくモテていた。兄は、そんな彼を羨ましそうに見ていたが私はその頃から危機感を持ち、会うときはできるだけアプローチをかけていた。

 

でも、まさかいきなり本命の彼女が突然現れるなんて・・・・私のこれまでの苦労は?

 

「お客さん、どうされました?顔色が悪いようですが?」

 

女は、注文された品をテーブルに置きながら心配そうに私を見る。

 

整った顔立ちに長い黒髪のポニーテール・・・・・そして、スタイルもよくて私よりデカい。

 

うぅう!!嫉妬してくる!!

 

「おい、どうしたんだよ蘭?今日のお前、なんか変だぞ?」

 

兄の言葉に私の嫉妬は頂点に達した。

 

「認められるかぁあああああああ!!」

 

「キャッ!?」

 

私は、怒りに身を任せてテーブルをどこぞの野球アニメの親父の如くちゃぶ台返しをした。

 

「あぢぃい~!!!!」

 

巻き添えで兄の体にコーヒーと紅茶が被る。私は、息を荒くしながら女を睨みつけた。

 

「ハア、ハア・・・」

 

「お、お客さん?」

 

「・・・・めない。」

 

「えっ?」

 

「認めない!アンタが一夏さんの彼女なんて!!」

 

「・・・・・えっ?」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「えっ?」

 

「「えっ?」」

 

女と兄、他の客たちが突拍子のない私の発言に呆気にとられる。それどころか、カウンターで会話をしていた一夏さんと立花さんまでポカーンとしていた。しまったと思っても後の祭り、私は顔を真っ赤にして恥ずかしさのあまりに泣く。

 

「私は悪くない・・・・私は悪くな~い!!うわぁああああああああ!!!」

 

私は、恥ずかしさのあまりに走ってアミーゴから逃げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か、弾。」

 

蘭が走り去った後、一夏は、呆然としている弾を起こし濡らした台ふきを手渡す。

 

「お、おう・・・俺は大丈夫だよ。」

 

弾も妹の突然の行動に戸惑いながら濡れたところを拭き取る。

 

「蘭の奴、一体どうしたんだ?急にあんなことするなんて。」

 

「多分、お前のことじゃねえか?」

 

「俺?」

 

弾の言葉に一夏は、思わず驚く。

 

「お前、無頓着だから気にしないだろうがな・・・・お前、そっちの彼女とどういう関係なんだよ?」

 

「「えっ?」」

 

「いや、だっておかしいじゃんかよ。この店、女性店員いなかったはずなのにどうして急に入って来たんだよ?それもお前と仲良さそうだしさ。」

 

弾の言葉に対し、箒は顔を赤くする。

 

「いや、箒はおやっさんの姪っ子で俺の幼馴染だよ。まあ、色々関係はあるにはあるけど。」

 

「それだよ!その関係でショック受けているんだよ!!」

 

弾は、腕を組みながら困った顔をする。恐らく蘭は家に帰っているだろう。彼女のあの顔を見れば、祖父も母も驚くのは間違いない。そして、理由を聞きだして最悪の場合祖父がアミーゴに殴り込みに来るかもしれない。

 

「おい、なんかすごい深刻な顔になっているけど大丈夫か?」

 

「・・・蘭のことだと爺ちゃん、容赦ねえからな・・・・一夏、今のうちに逃げる準備をしておいた方がいいぞ?」

 

「えぇ・・・・」

 

一夏が彼の言葉に困惑している中、箒は何かを悟ったのか気難しい顔で聞く。

 

「あのぉ・・・・さっきの話をまとめれば、彼女は一夏に告白やら何かはしたのか?」

 

「ん?いや、まだだけど。」

 

「それって・・・・気づかない一夏もそうだが、彼女にも責任あるんじゃないか?」

 

箒の的確なツッコミに弾は、納得したような顔をする。

 

「そりゃあ、そうだけどよぉ・・・・・アイツ、結構傷つきやすいというかなんと言うか・・・・・」

 

店の中が重苦しい空気に包まれる。そんな中、藤兵衛は何か思いついたのか三人の前に来る。

 

「ああいう歳の娘は、まだ傷が浅いうちならそれなりに受け入れてくれるはずだ。一夏、とりあえずここはいいから謝りに行ってこい。」

 

「おやっさんまで・・・・・」

 

「お前が悪くないのは知っているよぉ~。けど、このままだと厳さんが店に殴り込みに来るぞ。そんなことになったらたまったもんじゃないよぉ、この間綺麗にしたばっかりなのに。誤解を解くには自分から行くしかないぞ。」

 

「うん・・・・」

 

「やっぱり、私がここにいるのはまずかったかな?」

 

元々は自分の原因があると考えたのか箒は、申し訳なさそうな顔をする。

 

「箒のせいじゃないさ。・・・・確かに冷静に考えてみると俺は鈍感だったのが悪かったのかもしれない。」

 

「一夏・・・・・」

 

「おやっさん。俺、蘭に謝ってきます。」

 

そう言うと一夏は、店の外に出てガレージの中にあるマシンへと乗り込む。

 

「一夏、待ってくれ。」

 

箒も急いでヘルメットを持って駆けつけてきた。

 

「箒?」

 

「私も行く。あの状況から考えれば私も悪いから。」

 

「・・・・わかった。」

 

二人は、マシンで蘭の実家である五反田食堂へと走って行った。

 

 

 

「あ~あ~この間新品の買ったばかりなのに・・・・」

 

残された弾は、しょんぼりした顔で自分の服のシミを見る。

 

「なに、言っとるんだ。そんなのクリーニングに出せば綺麗になるだろう。」

 

「それはそうだけど・・・・・・まさかだけど、このコーヒー代とか俺の自腹じゃないよな?」

 

後片付けをしている傍ら彼は、もしやとばかりに藤兵衛を見る。藤兵衛は、当たり前だとばかりに首を縦に振った。

 

「やっぱり~!!」

 

弾がショックを受けている中、店の入り口が開く。

 

「いらっしゃい・・・・おっ!?」

 

「あっ!?」

 

二人は中に入ってきた客の姿を見て驚く。

 

「弾!立花さん!!」

 

「数馬!数馬じゃないか!!」

 

弾は、久しぶりの友人の再会に喜ぶ。

 

 

御手洗数馬。

 

彼は、一夏と弾の同級生で藤兵衛とも面識があった。彼は、一夏と同じ大学に通っていたが海外への留学のため、しばらく顔を会えずじまいだった。

 

ちなみに留学する理由になったのは高校卒業間近で両親が交通事故で亡くなったため、丁度海外で在住していた親族に後見人になってもらったためでもある。

 

「久しぶりだなぁ!!えっと・・・・何年ぶりだぁ?」

 

「おいおい、2年ぶりだよ。向こうで余裕ができてようやく帰ってきたんだ。」

 

数馬は、カウンターの腰を掛け嬉しそうに話す。彼の姿を見て藤兵衛もまた嬉しそうだった。

 

「しかし、こうやって揃うとなんだな。中学生の頃のお前たちを思い出すもんだ。」

 

「そうですねぇ~~あの頃は、鈴もいて一夏と四人で放課後ここに来て騒いだもんですよ。・・・あれ?そう言えば一夏は?」

 

数馬は、この場にいない親友の一人がいないことに気付く。

 

「あぁ、一夏なら家の姪っ子と一緒に蘭ちゃんに謝りに行ったよ。」

 

「蘭ちゃんに?・・・・・あっ、もしかしてぇ。」

 

「そのまさかだよ。はあ・・・・俺、どういった面で帰ればいいんだろう?」

 

弾は、思い出したかのように頭を抱える。そんな彼の肩を慰めるように数馬は軽くたたいた。

 

「そう、ぼやきなさんな。俺も付きやってやるからさ。」

 

「えっ!?やめとけよ、蘭のことでブチ切れた爺ちゃんマジで大魔神だぞ!?」

 

「せっかく日本に帰ってきたんだ。久しぶりに親父の顔を見るような感じで厳さんの顔を拝みに行くのも悪くない。伯父夫婦とだとどうしても遠慮しちゃうんでね。」

 

「数馬・・・・・」

 

「お前のことだからまだ乗れていないんだろ?乗せてってやるから。」

 

「よ、余計なお世話だよ!?」

 

彼にからかわれて弾は、恥ずかしそうに大声で言う。そんな二人を見ながら藤兵衛はどことなく中学生時代の彼らの姿を重ねる。

 

「ハッハハハ・・・・本当に相変わらずのだな、お前たちは。」

 

「いやぁ・・・・本当にここに来ると昔に戻った気がしますよ。あの頃は、色々あったけど楽しかったなぁ・・・」

 

「御手洗、しばらく日本にいるんだろ?だったらどうだ?一緒にレーサー活動なんて言うのは?」

 

「いいですね、考えさせてもらいます。じゃあ、弾。早いとこ行こうぜ。」

 

「お、おう。あっ、これ代金ね。」

 

二人が店の外に出るとそこには一台のオートバイが止めてあった。

 

「・・・お前のとこの伯父さん、めっちゃ金持ちなんだな。」

 

「俺が自分で買ったやつだよ。」

 

「えぇっ!?」

 

「向こうで一生懸命バイトして買ったんだ。流石に伯父さんと伯母さんにこんな高いもの買ってもらうのは悪いからな。」

 

「数馬・・・・・・お前・・・・・」

 

「ハハッ。さて、家に行く前に我が愛車でドライブとでも行きましょうかね。」

 

数馬は、弾にヘルメットを渡す。

 

「運転はお手柔らかに頼むぜ。」

 

「任せておけって。」

 

バイクは、二人を乗せて走り出す。数馬の運転は丁寧なのかスピードは抑えられていて弾でも特に酔うことはなかった。

 

「お前、うまいな。」

 

「一夏ほどじゃないけどな。そうだ、ガムでも食べるか?さっきケーキ食い損ねたようだからな。向こうのコーヒー味のガムだ。結構いけるぞ?」

 

数馬はポケットからチューイングガムを取り出して勧める。弾は、妹の一件でケーキを食べそこなったこともあって一枚受け取って食べてみることにした。

 

「・・・・」

 

「どうだ?」

 

「・・・んん!?これ、結構うまいな!!」

 

「だろ?」

 

「数馬、今日のお前なんか気がいいな。このバイクと言いそんなに金回りがいいバイトなの・・・・・か・・・・」

 

ガムを噛んで数分もしないうちに彼は、ぐったりとして眠りついてしまった。

 

「・・・・・・全く、お前は相変わらずで羨ましいよ。ほんと。」

 

数馬は、その寝顔を見ながらどことなく寂しい表情を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあぁ・・・・なんで私あんなことしちゃったんだろう?」

 

一方、蘭は帰りの道中、自分のやったことに対して後悔をしていた。

 

「思えば、鈴さんが国に帰った段階で何度もチャンスあったのに・・・・・・それをやらずにあんなこと言ったらどう見ても私が悪人じゃない。一夏さんには一夏さんの気持ちがあるんだし・・・・・あの女の人にも・・・・・あぁ~~~~お兄がお母さんたちに話さなければいいんだけど・・・・やっぱり、一旦店に戻って口封じする?」

 

彼女は、回れ右をしてアミーゴに引き返そうとする。

 

が、しかし

 

「やっぱりダメ~~~!!!今更どういう顔で会えって言うのよ!?一夏さんの返事が怖い・・・・・」

 

そして、また家に戻ろうとする。

 

しかし、そこへ二台の車が彼女を前と後ろに回り込んで道を封じた。

 

「えっ?ちょ、ちょっと何?」

 

車からは、明らかに怪しい黒タイツと赤黒タイツのベレー帽を被った男女が数人出てきた。全員顔にペイントが施されており、より不気味さが増す。

 

「「「シュ、シュ。」」」

 

「「シュ、シュ、シュシュシュッ。」」

 

「な、なんなんですか貴方たちは?」

 

蘭は、連中が只者ではないと思い、逃げようとするがすぐに回り込まれて捕まってしまった。

 

「は、放して!?」

 

彼女は、振り解こうと必死になるが常人では考えられない怪力で振り解けない。戦闘員たちは、そのまま彼女を車の中へと押し込もうとする。

 

「助けて!誰か助けて!!」

 

彼女は咄嗟に持っていたカバンを投げつけるが当たることなく道路に落ちただけだった。戦闘員は彼女を拘束すると端末で通信を行う。

 

「ターゲットを拘束しました。」

 

『よし、そのまま基地へ連行しろ。ただし、あまり手荒なことをするな。』

 

通信を終えると戦闘員たちも車へと乗り込み、その場から退散する。そこへ遅れて一夏たちが通りかかった。

 

「なんだ?今の車は?」

 

箒は、走り去っていく車を見ながら落ちているカバンを拾う。

 

「蘭のカバンだ。まさか!ショッカーの仕業か!?」

 

一夏は、彼女にその場を任せると急いでバイクを飛ばし、ハンドルのレバーを回す。バイクの外装が変化し、腰のベルトに風力を与えることで彼の姿が変わっていく。

 

改造人間、織斑一夏はベルトの風車に風力を与えることによって『仮面ライダー』に変身するのだ!

 

仮面ライダーとなった一夏は、サイクロンのエンジンを吹かして車の後を追う。

 

 

 

 

 

 

「ングッ!?ヌググ、ングッ!!」

 

誘拐された蘭はしばらく抵抗していたものの口に猿轡をされ、身動きが取れなくなっていた。これでやっと安心して基地に連行できると思いきや、リーダー格である赤戦闘員は、道の真ん中で立っている何かを見て唖然とする。

 

「仮面ライダーだっ!?」

 

なんと、遥か前方にはいつのまにか仮面ライダーが待ち構えていたのだ。戦闘員たちは、人質を無事に運ぶために車を止めて応戦する準備をする。

 

「ムグッ?ムググ!!」

 

一体何が起きたのか分からず、蘭は困惑する。戦闘員たちが車の前方で待ち構えていると仮面ライダーはなんと車の上に立っていた。

 

「いつの間に!?」

 

「ショッカーの諸君、悪いが人質は帰してもらうぞ!!」

 

「「シュ、シュッ!」」

 

「「シュシュシュシュッ!!」」

 

戦闘員たちは、ジャンプして車の上にやってくる。ライダーは、接近してきた戦闘員をチョップで吹き飛ばし、追撃でやって来た二人を掴むと飛んで地面に叩きつける。戦闘員たちは立ち上がると、周囲を取り囲んで陣形を取り、一斉にライダーに飛び掛かった。だが、そこにライダーの姿はなかった。

 

「いない!?」

 

「ハッハハハハハハ!」

 

「シュシュッ!?」

 

笑い声がした崖の方を見ると仮面ライダーは既に蘭を救出していた。彼は、ロープを解くとそのままサイクロンの後部に乗せて走り去っていった。

 

「逃げられた!」

 

「追うぞ!」

 

「よい!」

 

「「「シュシュッ!?」」」

 

すぐ近くの雑木林から追跡しようとする戦闘員たちを呼び止める声が聞こえる。声の主は、走り去っていく二人の姿を見送りながら右腕の巨大なハサミを動かす。

 

「流石ショッカーの最高傑作だな、一夏。だが、今度は俺が勝つ!人間であることを捨てた俺がな!!」

 

さそり男は、そう言いながらその場から去って行った。




我らの仮面ライダーを狙うショッカー本部が送った次の使者は、怪人さそり男。

その正体は、恐るべき悪魔に改造された意外な人物。

人喰いさそりの恐怖と戦う仮面ライダーの活躍は?

次回、仮面ライダー『怪人さそり男 後編』にご期待下さい。
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