魔王倒して元の世界に戻ろうと思ったら、歪な男女比の世界に転移してしまった件 作:羽根消しゴム
拝啓、父さん母さん。そして我が愛しき妹よ。
お兄ちゃんは元気です。
なんか良く分からん世界に召喚されて、元の世界に戻るために努力して・・・漸く魔王を倒したと思ったらまた違う世界に転移しちゃったけど、色んな意味で元気です。
「お前の愛しき完璧スーパーイケメン超人、兄より・・・っと」
病院から支給された最新式のスマホ(のようなもの)を操作し、メッセージを送る。
かれこれもうこれで三日目だ。
いやはや男尊女卑というか・・・病院からスマホと50万円程のお金を支給された。
しかも返す必要もないとの事で、正直かなり嬉し・・・戸惑ってしまい、怪訝な表情をされてしまった。
受け取って貰わないと困ると懇願されたので仕方なーく受け取り、適当に元の世界にいる両親とマイエンジェルな妹に向けて電話やメッセージを送ったりもしたが、駄目。
全くの無反応だった。
というか、電話に至ってはかからなかった。
こうして俺が誰が見るわけでもないメールを送っているのは、もしかしたら繋がるかもしれないと縋っているからかもしれない。
いや、実際そうだろう。
空間を歪ませる程の魔力を注げば繋がるはずだ。
しかし、魔力はとっくにすっからかんだし、この世界に魔素は少ないらしく、なかなか回復しない。
ぶっちゃけ、このまま女性という名のケダモノに襲われても、俺にエッチなことするつもりなんだろ!エロ同人みたいに!と、誰得な事を口走ってしまう程には抵抗できない。
そこの諸君、それって結構いいじゃん?と思っただろ。
違う、そうじゃないんだ。
俺は出来るなら攻めがいい───って、俺一人で何口走ってんだろ。
ま、まぁいい、兎も角俺にはこの世界に来て決めた事がある。
この世界では俺は───彼女を作らないッ!
・・・いや、まぁ?確かに?
この世界は男からすれば天国と言っても過言ではない。彼女だって赤子の手を握るだけで出来るだろう。
元の世界では彼女が出来なかっ・・・つ、作らなかったし、向こうの世界では、そもそも戦に戦闘で色恋に集中出来なかった。
それがこの世界ではどうだ。
俺みたいなスーパーイケメンデラックスがいるんだぞ?彼女なんて夜飯前だ──た、多分。
それってとっても
だから俺は、この世界では彼女を作らない。
それに元の世界に戻る時に、彼女がいたら戻れなくなるからな。
ふはは、我ながら素晴らしい案d「ふっふっふっ・・・」な、なんだあの胸部装甲は!?
俺が性器の・・・コホン、世紀の大発言をした目の前にバレーボール・・・は言いすぎたかもしれないが、それに匹敵する大きさを持った胸を惜し気もなく揺らしてランニングしている美女。
思わずガン見してしまったのは男の性だ。しょうがない。
因みに病院からは解放されて、現在は病院の院長が貸してくれたアパートの近くにある公園でぶらぶらとしている。
ナニがって?
散歩だよバカめ。
「とはいえ・・・どうするべきなんだろうなぁ」
正直、このままでは元の世界に戻るのにかなり時間がかかる。
魔力の回復を待たないといけないからだ。
いや、魔力が全回復しても、もしかしたら元の世界に戻れないかもしれない。
あれは魔王の魔力があったからこそなし得た技だ。
「ってあれ?俺詰んでね?」
どうしよう、俺このままだったら我が愛しき妹に会えずに死んでしまうぞ。
・・・本格的に詰みかもしれん。
「はぁ・・・」
思わず溢れる溜め息。
・・・何やってんだこの人達。
俺が後ろを振り向くと、木陰からチラチラと此方を見つめる変装したナースさんがいた。
まさか俺が呆れて溜め息を吐くなんてな・・・自分でもびっくりだ。
何やってんのこの人。
暇なの?
暇なんだろ。
バレないとでも思ってもいるのだろうか?
残念、俺の鑑定でバレバレだ。
軽く睨むと、いそいそと木の裏に隠れたナースさん───が、頭隠して乳隠さずとは正にこのこと。
存在を主張するブツが、こんにちはとばかりにデンと鎮座する。
何でそんなに大きいの?
胸で判断しないと自負がある俺ですらつい視線を向けてしまうんだが。
思わずスマホで110番を掛けようとしてしまった俺は悪くない。
まぁ番号違うから掛からないんだけどね?
なんで掛からないと知っているのかは察してほしい。
トゥルル。
丁度110を押し終えたところで、電話が掛かる。どうやら、いつの間にか連絡先が登録されていた主治医からのようだ。
「あ、はいもしもし?」
「はい、み、水無月様で・・・い、イッ・・らしゃいますよね?」
「はい、そうです。あ、先日はどうもお世話になりました」
主にマイサン的な意味で。
「い、いえ、お気になさらず・・・あ、本題に入りますね?実は水無月様の処遇について男性保護委員会が討論した結果が決まったんですが・・・」
「男性保護委員会・・・?け、結果・・・?」
男性保護委員会っておいおい・・・という処遇って。
やっぱり身分の証明出来るものがないのが不味かっただろうか?
も、もしかしたら国外追放とかいう線も───。
戦々恐々としながら、主治医さんの次の言葉を待つ俺。正直生きた心地がしなかった。
「・・・実はですね──超能力戦闘訓練学校にマネージャーという形で編入する形となりまして・・・」
「超能力戦闘訓練が、学校!?しかも編入ですか!?」
うっそだろお前。
た、確かに俺は17歳だし、学校に編入というのは分かる。
だがそれは、しっかりと身分を証明できるものがある場合だ。
俺の場合は、身分どころか戸籍すらないので、学校に編入というのは普通あり得ない。
しかも超能力戦闘訓練学校って・・・や、やっぱりこの世界には超能力なるものが存在するらしい。
というかなんて物騒な名前なんだ。
きっとゴリゴリのマッチョメン・・・ウーメン?が大量にいるんだろう。
どうしよう、詰んだぞ俺。
データ消えたぁ!!最初から書き直しだぁぁ!!!うわぁぁ!!!
↑魂の悲痛の叫び。
大変待たせてしまい申し訳ありません!